防食概論:塗料・塗装

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         プライマーの品質規格

【JIS K 5633 エッチングプライマー】
 エッチングプライマーの品質は,主剤添加剤,及び混合物それぞれについて規定されている。
 添加剤,及び主剤の品質規格は,エッチングプライマーとして必要な成分の種類と量を規定することを目的としている。
 すなわち,主剤では酸化亜鉛とクロム酸の量が,添加剤にはりん酸の濃度範囲量を規定している。
 また,使用直前に主剤と添加剤を混合するため,保管中の塗料性状変化に関する容器の中での状態と,加熱残分については,主剤の品質として規定している。


JIS K 5633(エッチングプライマー) 品質(主剤
  項  目  1 種(短暴型) 2 種(長暴型)
  密度 20℃ g/cm3    0.85~0.95    0.88~1.20 
  容器の中での状態    かき混ぜたとき,堅い塊がなくて一様になるものとする。 
  加熱残分 %    17~21    20以上 
  溶剤不溶物 %    8~12    9以上 
  溶剤不溶物中の酸化亜鉛 %    55以上    ― 
  溶剤不溶物中の無水クロム酸 %(CrO2として)    14以上    ― 
  鉛の定性    含まないこと。    ― 

JIS K 5633(エッチングプライマー) 品質(添加剤
  項  目  1 種(短暴型) 2 種(長暴型)
  密度 20℃ g/cm3    0.90~0.95    0.80~1.00 
  りん酸 %(H2PO4として)    14~18    6以上 

 混合物の品質規格では,塗装作業に影響するポットライフ,塗装作業性,乾燥時間が,塗膜形成機能に関わる塗膜の外観,耐衝撃性(耐おもり落下性),耐屈曲性が規定されている。
 塗膜の性能や耐久性の規定は,2種,すなわち長暴形についてのみ,耐海水性と屋外暴露性で評価している

JIS K 5633(エッチングプライマー) 品質(混合物
  項  目  1 種(短暴型) 2 種(長暴型)
  ポットライフ    8時間で使用できるものとする。 
  塗装作業性    はけ塗りで塗装作業に支障があってはならない。 
  乾燥時間 min    30以下 
  塗膜の外観    塗膜の外観が正常であるものとする。 
  耐おもり落下性(デュポン式)    300mm の高さから落としたおもりの衝撃によって,割れ・はがれがあってはならない。 
  耐屈曲性(円筒形マンドレル法)    直径 6mm の折り曲げに耐えるものとする。 
  耐海水性    ―    塩化ナトリウム溶液に浸したとき,異常がないものとする。 
  屋外暴露耐候性(24か月)    ―    3か月間の試験で見本品と比べて,さび・膨れ・はがれの程度が大きくないものとする。 

 

【JIS K 5552 ジンクリッチプライマー】

  塗膜の成分規定として加熱残分中の亜鉛量を規定している。また,塗膜形成要素としてエポキシ樹脂を規定する2種(有機系)では,エポキシ樹脂の定性を規定している。
 塗膜性状の規定として,容器の中での状態,加熱残分を,塗装作業に関連する規定は塗装作業性,乾燥時間,ポットライフが,塗膜形成機能として,塗膜の外観,耐衝撃性が規定されている。
 塗膜の性能や耐久性については,耐塩水噴霧性,屋外暴露耐候性が規定されている。


JIS K 5552「ジンクリッチプライマー」品質
  項  目  1 種(無機) 2 種(有機)
  容器の中での状態    粉は微小で一様な粉末であるものとする。液はかき混ぜたとき堅い塊がなくて一様になるものとする。 
  塗装作業性    塗装作業に支障があってはならない。 
  乾燥時間 h    1以下 
  塗膜の外観    塗膜の外観が正常であるものとする。 
  ポットライフ    5時間で使用できるものとする。 
  耐衝撃性    衝撃によって割れ及びはがれが生じてはならない。(500g,500mm) 
  耐塩水噴霧性    塩水噴霧に耐えるものとする。 
  混合塗料中の加熱残分(%)    70以上 
  加熱残分中の金属亜鉛(%)    80以上    70以上 
  エポキシ樹脂の定性    ―    エポキシ樹脂を含むこと 
  屋外暴露耐候性    6か月間の試験でさび,割れ,はがれ及び膨れがあってはならない。 

 

【JIS規格の品質項目の種別と試験方法】


品質項目と試験法
  種  別   項  目  試験方法
  エッチングプライマーの成分規定    密度 20℃ g/cm3    JIS K 5600-2-4 
  りん酸 %(H2PO4として)    塗料規格に定める方法 
  溶剤不溶物中の酸化亜鉛 %    塗料規格に定める方法 
  溶剤不溶物中の無水クロム酸 %    塗料規格に定める方法 
  鉛の定性    塗料規格に定める方法 
  ジンクリッチプライマーの成分規定    加熱残分中の金属亜鉛(%)    塗料規格に定める方法 
  エポキシ樹脂の定性    塗料規格に定める方法 
  塗料の性状    容器の中での状態    JIS K 5600-1-1の4.1(容器の中の状態) 
  加熱残分 %    JIS K 5601-1-2 
  塗装作業性    塗装作業性    JIS K 5600-1-1の4.2(塗装作業性) 
  乾燥時間    JIS K 5600-3-2JIS K 5600-3-3 
  ポットライフ    JIS K 5600-2-6 
  厚塗り性    塗料規格に定める方法 
  塗膜形成機能    塗膜の外観    JIS K 5600-1-1の4.4(塗膜の外観) 
  耐屈曲性(円筒形マンドレル法)    JIS K 5600-5-1 
  耐衝撃性,耐おもり落下性(デュポン式)    JIS K 5600-5-3 
  塗膜の性能・耐久性    耐塩水噴霧性    JIS K 5600-7-1 
  耐水性,耐海水性    JIS K 5600-6-1 
  屋外暴露耐候性    JIS K 5600-7-6 

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