防食概論:塗料・塗装

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         JIS エポキシ樹脂塗料

  塗料採用機関ごとの開発・採用の経緯の違いから,塗料名称も異なるのが通例である。表には,JIS規格の塗料に相当する鉄道及び道路での採用塗料名称を示す。


エポキシ樹脂採用JISと他機関採用塗料との対比
  JIS規格    鉄 道
(SPS:鉄道総研規格) 
 道 路
(鋼道路橋塗装用塗料標準)
  JIS K 5551
 構造物用さび止めペイント A種 
  採用なし    採用なし 
  JIS K 5551
 構造物用さび止めペイント B種 
  厚膜型エポキシ樹脂系塗料下塗    エポキシ樹脂塗料 下塗 A 
  JIS K 5551
 構造物用さび止めペイント C種 1号 
  厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料     弱溶剤形変性エポキシ樹脂塗料 下塗 A  
  JIS K 5551
 構造物用さび止めペイント C種 2号 
  厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料低温用    弱溶剤形変性エポキシ樹脂塗料 下塗 B  
  JIS K 5552
 ジンクリッチプライマー 2種 
  採用なし    採用なし 
  JIS K 5553
 厚膜形ジンクリッチペイント 2種 
  厚膜型エポキシ樹脂ジンクリッチペイント    有機ジンクリッチペイント 
  JIS K 5659
 構造物用耐候性塗料 中塗り 
  ポリウレタン樹脂塗料用中塗    弱溶剤形ふっ素樹脂塗料用中塗 
 備考:JIS K 5551「構造物用さび止めペイント」C種2号は,施工環境10℃以下における低温用であり,一般的には,反応硬化形ウレタン樹脂系塗料を用いるため,厳密な意味でのエポキシ樹脂塗料には分類し難いが,鉄道や道路では変性エポキシ樹脂と称しているのでここに示した。

 JIS規格の中で,エポキシ樹脂塗料を用いた製品規格には,JIS K 5551「構造物用さび止めペイント」,JIS K 5552「ジンクリッチプライマー」の2種(有機ジンクリッチプライマー),JIS K 5553「厚膜形ジンクリッチペイント」の2種(厚膜形有機ジンクリッチペイント),及びJIS K 5659「構造物用耐候性塗料」の(中塗り塗料)がある。
 なお,JIS K 5552,及び JIS K 5553については,「JISジンクリッチ系塗料」に,JIS K 5659については,「JISポリウレタン樹脂塗料」に示し,ここでは,JIS K 5551を紹介する。
 

【JIS K 5551 構造物用さび止めペイント】

  適用範囲
 この規格は,橋りょう(梁),タンク,プラントなどの鋼構造物,及び鉄,鋼,ステンレス鋼,アルミニウム,アルミニウム合金の建築などの金属部分の塗装に用いる構造物用さび止めペイントについて規定する。
 ただし,この規格の塗料には,発ガン性のおそれのあるタール成分を含まないものとする。
 種類
 荷姿には,「 1液形,又は多液形a) 」がある。
 A 種:反応硬化形エポキシ樹脂系塗料で,膜厚が約 30μmの標準形塗料。主に鋼構造物及び建築金属部の防錆(錆)に用いるもの。
 B 種:反応硬化形エポキシ樹脂系塗料で,膜厚が約 60μmの厚膜形塗料。主に鋼構造物の長期防錆(錆)に用いるもの。
 C 種:反応硬化形変性エポキシ樹脂系塗料,又は反応硬化形変性ウレタン樹脂系塗料で,標準の膜厚が約 60μmの厚膜形塗料。次の 2 種類がある。
   1 号: 常温環境下で施工する,主に鋼構造物の長期防錆(錆)に用いるもの。
   2 号: 低温環境下で施工する,主に鋼構造物の長期防錆(錆)に用いるもの。
 
 注 a)  1液形とは,単一の製品荷姿で潜在的硬化剤を含み,開缶後反応が始まる形態の塗料。例えば,湿気硬化形ポリウレタン樹脂塗料。
 多液形とは,二つ以上の容器で構成する塗料で,塗装直前に混合して使用する形態の塗料。例えば,エポキシ樹脂主剤とエポキシ樹脂用硬化剤とからなる塗料。
 なお,多液形の場合,液体だけではなく,粉体又はペースト状の添加剤などを別容器に組み合わせている場合も含む。


品質(構造物用さび止めペイント)
  項  目   A 種  B 種  C 種 1号  C 種 2号
  容器の中での状態    かき混ぜたとき,堅い塊がなくて一様になる。 
  半硬化乾燥性    半硬化乾燥している。(常温乾燥16時間)    低温乾燥24時間 
  塗装作業性    支障がない。 
  塗膜の外観    正常である。 
  ポットライフ    23℃ 5時間    5℃ 5時間 
  たるみ性    ―    たるみがない。(すき間200μmで流れがない) 
  上塗り適合性    支障がない。(中塗り塗料を塗り付けて,作業性,外観などを評価) 
  耐衝撃性    割れ及びはがれがない。(デュポン式300g,500mm) 
  耐アルカリ性    異常がない。    ― 
  耐揮発油性    異常がない。    ― 
  耐熱性    ―    外観が正常である。試験後の付着性試験で分類 2,分類 1又は分類 0 
  サイクル腐食性    さび,膨れ,割れ及びはがれがない。(120サイクル) 
  塗膜中の鉛の定量(質量分率%)    0.06 以下 
  塗膜中のクロムの定量(質量分率%)    0.03 以下 
  屋外暴露耐候性    さび,膨れ,割れ及びはがれがない。(24か月) 
  (1) 淡彩とは,白エナメルを主成分として作った塗料の塗膜に現れる灰色,桃色,クリーム色,うすい緑及び水色などのようなうすい色で,JIS Z 8721による明度Vが6以上9未満のものをいう。 
 

【品質項目と試験方法】

  JIS規格の品質項目に対応する試験方法は次の通りである。


JIS品質項目の試験方法一覧
  項   目   試験   方法
  容器の中での状態    JIS K 5600-1-1 の 4.1(容器の中の状態) 
  半硬化乾燥性    JIS K 5600-1-1 の 4.3.5 b)(半硬化乾燥) 
  塗装作業性    塗料に規定する方法 
  塗膜の外観    JIS K 5600-1-1 の 4.4(塗膜の外観) 
  ポットライフ    JIS K 5600-2-6 
  たるみ性    塗料に規定する方法 
  上塗り適合性    塗料規格に規定する方法 
  耐衝撃性    JIS K 5600-5-3の6.(デュポン式) 
  付着性    塗料に規定する方法 
  耐アルカリ性,耐揮発油性    JIS K 5600-6-1 の 7.4(手順A(単一の液相を使用)) 
  耐熱性    塗料に規定する方法 
  サイクル腐食性    JIS K 5600-7-9 の 附属書1(サイクルD) 
  塗膜中の鉛の定量(質量分率%)    JIS K 5674 の 附属書A  
  塗膜中のクロムの定量(質量分率%)    JIS K 5674 の 附属書B  
  屋外暴露耐候性    JIS K 5600-7-6 
 JIS K 5600-1-1「塗料一般試験方法−第1部:通則−第1節:試験一般(条件及び方法)」
 JIS K 5600-2-6「塗料一般試験方法−第2部:塗料の性状・安定性−第6節:ポットライフ」
 JIS K 5600-3-3「塗料一般試験方法−第3部:塗膜の形成機能−第3節:硬化乾燥性」
 JIS K 5600-5-3「塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第3節:耐おもり落下性」
 JIS K 5600-6-1「塗料一般試験方法−第6部:塗膜の化学的性質−第1節:耐液体性(一般的方法)」
 JIS K 5600-7-6「塗料一般試験方法−第7部:塗膜の長期耐久性−第6節:屋外暴露耐候性」
 JIS K 5600-7-9「塗料一般試験方法−第7部:塗膜の長期耐久性−第9節:サイクル腐食試験方法-塩水噴霧/乾燥/湿潤」
 JIS K 5674「鉛・クロムフリーさび止めペイント」
 

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