防食概論:塗装・塗料
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塗料の評価(塗装作業性)
塗装作業性
塗装方法には,様ざまの塗付け方法(刷毛塗り,ローラ塗り,吹付け塗りなど)がある。試料を製品規格に規定する方法で塗装して,塗付け方法などを含めて塗装作業に支障がないかどうかを調べる。
容器の中での状態と塗装作業性は,試験に供する塗料にとって必要不可欠な基本項目である。すなわち,これらの品質試験に不合格となった塗料を,その他の試験に供することはできない。
塗装作業性は,一般的には,JIS K 5600-1-1「塗料一般試験方法−第 1 部:通則−第 1 節:試験一般(条件及び方法)」の(4.2 塗装作業性)に準じて実施される。
JIS K 5600-1-1「塗料一般試験方法−第 1 部:通則−第 1 節:試験一般(条件及び方法)」4.2 塗装作業性
器具及び材料a) 塗装器具
試料の製品規格に規定するものを用いる。
b) 試験板
製品規格に規定していない場合は,鋼板 (500×200×1mm) を用いる。
操作
a) 1回塗りの場合
製品規格に規定する条件及び “塗り方” によって試験板の片面に,規定の塗り付け量になるように塗って,塗装作業性に支障がないかどうかを調べる。
この試験片は,試料の製品規格に規定する条件で乾燥・保持した後,「塗膜の外観」の試験又は2回塗りの「塗装作業性」の試験に用いる。
b) 2回塗りの場合
1回塗りした試験板を用い,1回塗りの場合と同様に試料を塗って,塗装作業に支障がないかどうかを調べる。
この試験片は,試料の製品規格に規定する条件で乾燥・保持した後,2回塗りの「塗膜の外観」の試験に用いる。
評価
製品規格に規定する条件で試料を塗って,塗装作業に特に困難を感じないときは,塗り方に応じて“塗装作業に支障がない”又は“ 2回塗りで塗装作業に支障がない”とする。
塗料製品規格での試験法の違い
はけ塗り
JIS K 5633 「エッチングプライマー」
a) 試験板 ;大きさ 500mm×200mm×0.3mmのぶりき板。
b) 塗り方;はけ塗りによって 1回塗る。
c) 評価・判定:はけ塗り作業に特に困難を感じないとき。
JIS K 5674 「鉛・クロムフリーさび止めペイント」
a) 試験板 ;大きさ 500mm×200mm×0.8mmの鋼板。
b) 塗り方;はけ塗りによって 1回塗る。
c) 評価・判定:はけ塗り作業に特に困難を感じないとき。
JIS K 5516 「合成樹脂調合ペイント」
a) 試験板 ;大きさ 500mm×200mm×1mmの鋼板。
b) 塗り方;はけ塗りによって 1回塗る。
c) 評価・判定:はけ塗り作業に特に困難を感じないとき。
吹付け塗り
JIS K 5552 「ジンクリッチプライマー」
a) 試験板 ;大きさ 500mm×200mm×1mmの鋼板。
b) 塗り方;エアスプレーによって 1回塗る。
c) 評価・判定:塗装作業に特に困難を感じないとき。
JIS K 5551 「構造物用さび止めペイント」
a) 試験板 ;大きさ 200mm×100mm×0.8mmの鋼板。
b) 塗り方;エアスプレー塗りによって 1回塗る。
c) 評価・判定:流れが認められないとき。
JIS K 5553 「厚膜形ジンクリッチペイント」
塗装作業性の規定はないが,耐衝撃性,厚塗り性などの試験片作製で塗装作業性も評価できる。
JIS K 5659 「鋼構造物用耐候性塗料」
塗装作業性の規定はないが,耐おもり落下性,層間付着性などの試験片作製で塗装作業性も評価できる。
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