防食概論:塗装・塗料
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ここでは,防食塗装に用いられる代表的な中塗りに用いられる塗料について, 【中塗り塗料の品質項目比較】, 【品質項目の概要】 に項目を分けて紹介する。
塗料の評価(中塗り塗料)
中塗り塗料の品質項目比較
塗装系の耐久性向上を目的とする中塗り塗料として,JIS K 5516 「合成樹脂調合ペイント」,及び JIS K 5659 「鋼構造物用耐候性塗料」に規定される中塗り塗料の品質項目と対応する試験方法を比較紹介する。
なお,塗膜の品質項目については,【塗膜の評価】・品質試験の項目と手順で紹介する。
JIS K55162014 「合成樹脂調合ペイント」
2種 中塗り用
JIS K56592018「鋼構造物用耐候性塗料」
A種 中塗り塗料(揮発成分;有機溶剤)
B種 中塗り塗料(揮発成分;水)
品質項目 | JIS K5516 2種 中塗り |
JIS K5659 A種 中塗り |
JIS K5659 B種 中塗り |
試験規格 |
---|---|---|---|---|
容器の中での状態 | ○ | ○ | ○ | JIS K 5600-1-1の4.1(容器の中の状態) |
低温安定性(-5℃) | × | × | ○ | JIS K 5601-2-7の4.(低温安定性) |
塗装作業性 | ○ | × | × | JIS K 5600-1-1の4.2(塗装作業性) |
表面乾燥性 | × | ○ | ○ | JIS K 5600-3-3 |
ポットライフ | × | ○ | ○ | JIS K 5600-2-6 |
加熱残分(%) | ○ | ○ | ○ | JIS K 5601-1-2 |
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塗料規格の品質項目概要
塗装系の耐久性向上を目的とする中塗り塗料として,JIS K 5516 「合成樹脂調合ペイント」,及び JIS K 5659 「鋼構造物用耐候性塗料」に規定される中塗り塗料の塗料品質の項目と対応する試験概要を紹介する。
なお,塗膜品質の項目と試験概要については,【塗膜の評価】・品質試験の項目と手順で紹介する。
品 質 | 概 要 |
---|---|
容器の中での状態 condition in container |
塗料を容器に入れて貯蔵した後の状態。顔料を含む塗料では,かき混ぜるか練り混ぜるかしてみて,一様な状態になればよいとする。【JIS K5500「塗料用語」】 JIS K 5600-1-1「塗料成分試験方法-第1部:通則-第1節:試験一般」の4.1(容器の中の状態) |
低温安定性(-5℃) storage stability at low temperature |
冷却しても常温に戻せば,元の性能状態に戻る性質。【JIS K5500「塗料用語」】 低温に保存した後,室温に戻す操作 3 回の繰り返しで元の性能状態に戻る性質。【JIS K 5600-2-7「塗料一般試験方法−第2部:塗料の性状・安定性−第7節:貯蔵安定性」】 |
塗装作業性 | 試料を製品規格に規定する方法で塗装して,塗装作業に支障がないかどうかを調べる。 JIS K 5600-1-1「塗料成分試験方法-第1部:通則-第1節:試験一般」の4.2(塗装作業性) |
表面乾燥性 surface dry |
塗料の乾燥状態の一つ。水平に置いた試験片の塗面に,規定量のバロチニ(細かいガラス球)を指定の高さから落とし,10秒後に試験片を傾けて,軽くはけではいて塗膜の表面にきずを付けずに,バロチニを除去できる乾燥状態をいう。備考:上乾きは,塗った塗料の層が,表面だけが乾燥状態になり,下層は軟らかく粘着性があって未乾燥状態にあることをいう。【JIS K5500「塗料用語」】 塗膜のバロチニ(小さな透明ガラス球)法による表面乾燥性の測定方法については,JIS K 5600-3-2「塗料一般試験方法-第3部:塗膜の形成機能-第2節:表面乾燥性(バロチニ法)」に規定されている。 |
ポットライフ pot life |
幾つかの成分に分けて供給される塗料を混合した後,使用できる最長の時間。【JIS K5500「塗料用語」】 可使時間ともいわれ,塗料の試験室内におけるポットライフの測定は, JIS K 5600-2-6「塗料一般試験方法−第2部:塗料の性状・安定性−第6節:ポットライフ」に規定されている。 |
加熱残分(%) non-volatile matter content |
塗料を一定条件で加熱したときに,塗料成分の一部が揮発又は蒸発した後に残ったものの質量の,元の質量に対する百分率。残分は,主としてビヒクル(展色材)中の不揮発物又はこれと顔料である。【JIS K5500「塗料用語」】 規定条件下で,蒸発によって得られる残さ(不揮発残渣:non-volatile residue)の質量分率。塗料,ワニス,塗料用バインダ(以下,バインダという。),ポリマーディスパージョン及び液状フェノール樹脂の加熱残分を,質量の変化から求める方法については JIS K 5601-1-2「塗料成分試験方法−第1部:通則−第2節:加熱残分」に規定されている。 |
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