防食概論:塗装・塗料
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ここでは,下地金属の腐食に影響する環境因子の繰り返しで塗膜の耐久性評価に用いられる 【サイクル腐食性とは】, 【 JIS試験規格(サイクル腐食試験)】, 【 JIS製品規格での扱い】 に項目を分けて紹介する。
塗膜の評価(塗膜耐久性;サイクル腐食性)
サイクル腐食性とは
サイクル腐食性は,塗膜の環境因子繰り返し性の一種で,金属の腐食に影響する環境因子(environmental factor ;水,酸素,塩など)の繰り返しに耐えて,素地金属を保護する塗膜の性質を評価する複合サイクル試験の一種でもある。
環境因子繰り返し性
試験目的に応じて選択された複数の環境因子を組み合わせ,材料の変化(変質,変状,劣化)に対する抵抗性。環境因子の組み合わせにより多数の試験方法が考案されている。これらを総称して人工環境試験という。人工環境試験に耐える塗膜の性質を総称して環境因子繰り返し性という。環境因子を組み合わせて塗膜の抵抗性を評価する試験で用いられる気象因子には温度,湿度,降水(噴霧),紫外線(日射)が,大気汚染因子には海塩粒子(塩化ナトリウム)が用いられる。
塗料・塗装では,これらの環境因子を組み合わせた環境因子繰り返し性として,濡れた塗膜に対し低温と高温を繰り返すことで,温度衝撃を与える耐湿潤冷熱繰返し性,紫外線,温度,湿度の条件を組合せた促進耐候性,塩,温度,湿度の条件を組合せたサイクル腐食性(複合サイクル試験)が用いられる。
試験条件と塗膜厚み
防食塗装用塗料(JIS製品)において,品質項目に“サイクル腐食性”を規定するのは,下塗り塗料のJIS K 5674 「鉛・クロムフリーさび止めペイント」,及びJIS K 5551 「構造物用さび止めペイント」である。
品質試験では,後述するように,下塗り塗料の単独塗膜に対して行われる。試験片の塗膜厚みは,鉛・クロムフリーさび止めペイントで 1回塗り 30μm~40μm ,構造物用さび止めペイントで 1回塗り約 60μmである。
塗料の品質試験のように,一回塗りで得られた薄い塗膜には,耐塩水性で解説したように,ホリデー(ピンホールなど)のような素地に達する塗膜欠陥を有し,比較的早期にさび(錆)の発生に至る。
一方,下塗りから上塗りまでの塗装系として塗装された複合塗膜(厚み 100~200μm)では,ホリデーの発生は極めて少なく,下地金属の腐食は,塗膜中を拡散して素地まで到達した酸素,水の影響を強く受ける。
すなわち,複合塗膜に複合サイクル試験を適用する場合は,塗膜中の水分子,酸素分子の拡散を考慮した試験条件を選定しなければならない。例えば,乾湿の繰り返し時間が短い場合には,塗膜表層のみでの水分子移動となり,素地まで達しないことになるので,塗膜が厚い場合には,十分に長い乾燥時間,湿潤時間の設定がひつようになる。
【参考】
人工環境試験(artificial environmental testing)
材料の環境試験(environmental test)は,温度,湿度,汚染物質,振動などの環境因子が材料に与える影響を把握するために用いられる。環境試験には,使用される実際の環境において実施される実環境試験(actual environment testing),環境因子の中から人為的に選択されたものを用いた人工環境試験(artificial environmental testing)に分けられる。
実環境試験では,材料と環境因子の相互作用を的確に把握できるが,長期間かけて変化する現象に関しては結果が得られるまで実時間と同じ長期間要する。
材料開発など工学的に短期間で結果を得たい場合に,材料の変化に影響すると考えられる環境因子を選択し,その強度を高めた人工環境試験が実施される。
人工環境試験は,温湿度環境試験,屋外環境試験,機械環境試験に分けられる。温湿度環境試験には,熱衝撃試験,温度サイクル試験,温湿度サイクル試験などがある。屋外環境試験には,促進耐候性試験,複合サイクル試験(サイクル腐食試験),ガス腐食試験などがある。機械環境試験には,振動試験,複合環境振動試験,耐衝撃試験などがある。
人工環境試験は促進試験ともいわれるが,複数の環境因子の相乗効果など材料変化の機構が明確でない場合は,実環境試験結果と必ずしも整合しないが,材料間の相互比較などに有用なため広く用いられている。
複合サイクル試験(combined cyclic corrosion test)
腐食環境条件の組み合わせを変化させたものを 1サイクルとしてこれを繰り返し行い,試験片の腐食や被覆の劣化などの状態を調べる試験。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
JIS K5600-7-9「サイクル腐食試験方法‐塩水噴霧/乾燥/湿潤」に塗膜の複合サイクル試験方法が規定されている。
JIS H8502「めっきの耐食性試験方法」には,めっきの中性の塩化ナトリウム溶液の噴霧,乾燥,湿潤の雰囲気で行う中性塩水噴霧サイクル試験 (cyclic neutral salt spray test) ,中性の塩化ナトリウム溶液に硝酸及び硫酸などを加えた人工酸性雨液の噴霧,乾燥,湿潤の雰囲気で行う人工酸性雨サイクル試験 (cyclic artificial acid rain test) が規定されている。
腐食環境(corrosive environment)
用語「腐食環境」の明確な定義はないが,一般的には,金属やコンクリートなどの材料が,期待耐用期間より早い時期に,腐食により実用に耐えない状態になるほど腐食性の高い環境を意味して用いることが多い。
JIS Z2381「大気暴露試験方法通則」では,暴露試験場の環境区分を明確にするため,地域的な気象の特徴による気候区分,大気の汚染状況による大気汚染区分,海塩粒子の飛来量による海塩区分の考え方を附属書(参考)として紹介している。
大気環境の腐食性を評価する方法として,実用金属の腐食に影響する環境汚染因子の二酸化硫黄(硫黄酸化物),大気浮遊塩分(海塩粒子)の付着度を測定に関し JIS Z2382「大気環境の腐食性を評価するための環境汚染因子の測定」が,環境の腐食性を金属の腐食度から評価できるように JIS Z2383「大気環境の腐食性を評価するための標準金属試験片及びその腐食度の測定方法」が規定されている。
ホリデー(holiday)
塗膜やライニング膜などの被膜に存在する素地に達する文字通りのピンホール(pinhole)の他に,き裂,薄膜部,空洞(void)などの微小欠陥の総称として用いられる。なお,日本では,ホリデーの意味合いでピンホールと称する場合も多い。
拡散(diffusion)
物質,熱(エネルギー),運動量(エネルギー)などが自発的に散らばり広がる物理現象をいう。
拡散係数(diffusion coefficient)
物質の拡散に関し,拡散量と濃度勾配の関係を与えるフィックの法則で定義される比例項で,拡散する分子の平均速度で,物質の拡散の早さの指標と考えられる。
フィックの法則(Fick's laws of diffusion)
気体,液体のみならず固体(金属)にも適用できる物質の拡散に関する基本法則である。
フィックの第 1法則;拡散束(流束;flax)は,濃度勾配に比例する。
フィックの第 2法則;実際の拡散で見られる濃度が時間に関して変わる非定常状態拡散に適用される。拡散係数 D が定数のとき,濃度 c の時間変化は,∂c /∂t = − div J = D∇2 cあるいは∂c /∂t = D (∂2 c /∂x2 ) で与えられる。
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JIS試験規格(サイクル腐食試験)
JIS K 5600-7-9 「塗料一般試験方法−第 7部:塗膜の長期耐久性−第 9節:サイクル腐食試験方法−塩水噴霧/乾燥/湿潤」(Testing methods for paints-Part 7 : Determination of resistance to cyclic corrosion conditions-Section 9 : Salt fog/dry/humidity)
適用範囲
この規格は,塩水噴霧・乾燥・湿潤のサイクルに対する塗膜の耐久性を評価する方法について規定する。
試験溶液(抜粋・要約)
塩溶液
塩溶液作製に用いる水は,JIS K 0557「用水・排水の試験に用いる水」 に規定する最終工程でイオン交換法又は逆浸透膜法などによって精製した種別 A1以上(電気伝導率 0.5mS/m (25℃)以下)のものを用いる。
塩溶液作製に用いる塩は,JIS K 8150「塩化ナトリウム(試薬)」と同等以上のもの,及びJIS K 8960「硫酸アンモニウム(試薬)」を用いる。
サイクル A,B,Dで用いる塩溶液は,塩化ナトリウムを水に溶かして塩化ナトリウム(50±10)g/lの濃度にし,溶液の pH は 6.0~7.0の範囲とする。
サイクル Cで用いる塩溶液は,塩化ナトリウムと硫酸アンモニウムを水に溶かして塩化ナトリウム(0.31±0.01)g/l,及び硫酸アンモニウム(4.1±0.01)g/lの濃度にし,溶液の pH は 6.0~7.0の範囲とする。
pHの調整
溶液の pHが要求される領域外であれば,塩類,水又はその両方の中の望ましくない不純物の原因を調べる。
必要な pHの調整は,JIS K 8180「塩酸(試薬)」,JIS K 8622「炭酸水素ナトリウム(試薬)」,又はJIS K 8576「水酸化ナトリウム(試薬)」に規定する試薬級の化合物を用いて行う。
装置(抜粋・要約)
試験槽:試験槽は,噴霧の分布を一定にするために 0.4m3以上の容量とする。なお,2m3以上の大きい試験槽では,その設計及び構造に注意深い配慮がなされなければ,操作が困難となる。
試験槽加熱装置:加熱装置は,規定の昇温速度を達成できるもの。
塩溶液を噴霧する方法:圧力調節された清浄な圧縮空気の供給装置,及び噴霧溶液用補給タンクを備え,一つ以上の噴霧器で構成され,噴霧液採取量,及び採取された噴霧液の濃度が規定の限度内に維持できるように調節する。
乾燥空気の供給:それぞれのサイクル条件に規定する時間後に,試験板上に水滴がなくなるまで十分な乾燥空気を供給する。
噴霧液採取装置:採取装置は,噴霧器の近傍及び噴霧器から離れた位置に少なくとも二つ(少なくとも噴霧器の数の 2倍)備える。採取装置は,ガラスロート(直径 100mm の採取面積は約 80cm2)をメスシリンダに取り付けたものが適切である。
試験板・試験片の作製(抜粋・要約)
試験板は,他に規定又は協定がない場合には,JIS K 5600-1-4「試験用標準試験板」によって寸法 100×70×0.3mm以上の磨き鋼板とする。なお,通常用いる試験板の寸法は,150×70×0.8mmである。
試験板の調整及び塗装
JIS K 5600-1-4「試験用標準試験板」に従って調整し,その後試験をする製品又は塗装系で規定する方法によって塗装する。
製品に規定された条件下で規定時間,各塗装試験片の乾燥(又は焼付け),養生などを行う。その後,他に規定がない場合には,空気が自由に循環し,直射光を避ける場所で,試験片を標準状態で少なくとも 16時間養生する。
切り込みきずの付け方
切り込みきずの付け方は,単刃の切り込み具を用い,かつ,新しい刃先を使い,塗膜を貫いて素地に達する真っすぐな切り込みきずを付ける。切り込みきずは,素地上で 0.5~1.0mm幅をもち,塗膜表面に向かって扇形に広がった断面をしたものでなければならない。きずの付け方には,次の 3種類がある。なお,結果の再現性を確保するために,切り込みきずの付け方には注意が必要である。
a) 切り込みきずは,長方形の試験片の半分の面に,試験片端部から約 10mm内側に対角状に交差する切り込みきずを付ける。
b) 二つの平行な切り込みきずを試験片の長辺に沿って付ける。
c) アルミニウム板については,相互に垂直で交差しない二つの切り込みきずを付ける方法がある。一つは,コイルの巻き取りに平行で,もう一方は,それと垂直方向に,切り込みきずを付ける。
操作条件(抜粋・要約)
a) 塩水噴霧する条件だけで少なくとも24時間以上運転し,塩水噴霧液採取量を測定する。各採取装置の溶液採取平均量が,80cm2の規定する範囲にあることを確認する。
b) 他に規定がない場合は,試験機を必要なサイクルで運転し,規定時間サイクルを繰り返す。
c) 噴霧された試験溶液は,再使用してはならない。
サイクル条件(抜粋・要約)
サイクル A : 塩水噴霧( 35±1℃,2 時間),乾燥( 60±1℃,20~30%RH,4 時間),湿潤( 50±1℃,95%RH以上,2 時間)
サイクル B : 塩水噴霧( 35±2℃,24 時間),{湿潤( 40±2℃,100%RH,8 時間),乾燥( 23±2℃,50±20%RH,16 時間)} 4 回,乾燥( 23±2℃,50±20%RH,48 時間),
サイクル C : 塩水噴霧( 25±2℃~ 35±2℃,3.5 時間),乾燥( 40±2℃,3.5 時間),湿潤( 40±2℃,75±15%RH,24.5 時間),乾燥( 25±2℃~ 35±2℃,1.7 時間),塩水噴霧( 25±2℃~35±2℃,3.5 時間),乾燥( 35±2℃,3 時間),乾燥( 25±2℃,2 時間),
サイクル D : 塩水噴霧( 30±2℃,0.5 時間),湿潤( 30±2℃,95±3%RH,1.5 時間),乾燥( 50±2℃,2 時間),乾燥( 30±2℃,2 時間)
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JIS製品規格での扱い
JIS K5674「鉛・クロムフリーさび止めペイント」
適用範囲この規格は,一般的な環境下での鉄鋼製品,鋼構造物などのさび止めに用いる塗料で,鉛フリー及びクロムフリーのさび止め顔料を含む鉛・クロムフリーさび止めペイントについて規定する。
注記 この規格は,環境対応で廃止された,各種鉛含有 JISさび(錆)止めペイントの代替えとして開発され,JIS K5621 「一般さび止めペイント」よりも長期にわたる屋外での防食性を求められている塗料である。
種類:種類は,次とする。
a) 1種 有機溶剤を揮発成分とする液状・自然乾燥形のさび止め塗料。
b) 2種 水を主要な揮発成分とする液状・自然乾燥形のさび止め塗料。
7.12 サイクル腐食性の試験は,次による。
a) 試験板: 7.3 b)に規定する寸法 150mm×70mm×0.8mm の鋼板とする。
b) 試験片の作製:試験板に試料を乾燥膜厚 30μm~40μmtとなるように塗り付けて 24時間乾燥する。7.11 c) 1)と同じ条件で,促進耐候性試験装置によって 60時間照射した試験片を 3枚作製する。
c) 試験方法
1) 切り込みきずの付け方は,JIS K 5600-7-9「サイクル腐食試験方法−塩水噴霧/乾燥/湿潤」の 7.5(切り込みきずの付け方)の a)による。
2) サイクル腐食試験装置に試験片を取り付け,附属書 1(サイクル D)の条件で 36サイクルの試験を行った後,試験片を取り出して流水で洗う。一般状態で 2時間乾燥後,塗膜を調べる。
d) 評価及び判定:目視によって,塗膜の膨れ,剝がれ及びさびの有無を観察し,試験片 3枚のうち 2枚の塗膜に,膨れ,剝がれ及びさびを認めないとき,“膨れ,剝がれ及びさびがない”とする。
7.3 試験の一般条件
b) 試験板の作製: JIS G 3141に規定する SPCC-SBの鋼板,JIS R 6253に規定する耐水研磨紙 P280を用いた研磨による調整。
7.11 付着安定性
c) 試験片の作製の作製は,次による。
1) ・・・,JIS K 5600-7-7「促進耐候性及び促進耐光性(キセノンランプ法)」に規定する表 3(試験片ぬれサイクル)のサイクル Aの条件で 60時間照射する。
JIS K 5551「構造物用さび止めペイント」
適用範囲この規格は,橋りょう(梁),タンク,プラントなどの鉄鋼構造物,及び鉄,鋼,ステンレス鋼,アルミニウム,アルミニウム合金の建築などの金属部分の塗装に用いる構造物用さび止めペイント(塗料)について規定する。
ただし,この規格の塗料には,発がん性のおそれのあるタール成分を含まないものとする。
種類
荷姿には,「 1液形,又は多液形a) 」がある。
A 種:有機溶剤を揮発成分とする反応硬化形エポキシ樹脂系塗料で,膜厚が約 30μmの標準形塗料。主に鋼構造物及び建築金属部の防せい(錆)に用いるもの。
B 種:有機溶剤を揮発成分とする反応硬化形エポキシ樹脂系塗料で,膜厚が約 60μmの厚膜形塗料。主に鋼構造物の長期防せい(錆)に用いるもの。
C 種:
1 号:有機溶剤を揮発成分とする反応硬化形変性エポキシ樹脂系塗料,又は反応硬化形変性ウレタン樹脂系塗料で,標準の膜厚が約 60μmの厚膜形塗料のうち,常温環境下で施工する,主に鋼構造物の長期防せい(錆)に用いるもの。
2 号:有機溶剤を揮発成分とする反応硬化形変性エポキシ樹脂系塗料,又は反応硬化形変性ウレタン樹脂系塗料で,標準の膜厚が約 60μmの厚膜形塗料のうち,低温環境下で施工する,主に鋼構造物の長期防せい(錆)に用いるもの。
D種:水を主要な揮発成分とする反応硬化形エポキシ樹脂系塗料で,膜厚が約 30μm の標準形塗料。主に建築金属部の防せい(錆)に用いるもの。
E種:水を主要な揮発成分とする反応硬化形エポキシ樹脂系塗料で,膜厚が約 60μm の厚膜形塗料。主に鋼構造物の長期防せい(錆)に用いるもの。
7.17 サイクル腐食性
試験板
試験板は,JIS G 3101 に規定する SS400 で寸法 150mm×70mm×3.2mmのブラスト処理した鋼板 3 枚とする。。
ブラスト処理条件は,除せい度:ISO 8501-1 Sa2 1/2以上,研掃材:グリット,表面粗さ:25μmRzJIS とする。
試験片の作製
A 種,D種の試験片は,エアスプレー塗りで,1 回につき乾燥膜厚 25~35μmとなるよう 2 回塗る。塗装間隔は 24 時間とする。
B 種,C種,E種の試験片は,乾燥膜厚 55~65μmとなるように,エアスプレー塗りで, 1 回塗る。
24 時間後に試験片の裏面,及び周辺を処理し,6 日間乾燥後,JIS K 5600-7-7 「促進耐候性及び促進耐光性(キセノンランプ法)」の条件(方法 1 ),及び 表 3(サイクル A)で 60 時間照射したものを試験片とする。
試験方法
試験方法は,次による。
1) : 切り込みきずの付け方は,JIS K 5600-7-9「サイクル腐食試験方法−塩水噴霧/乾燥/湿潤」の切り込みきずの付け方 a)による。
2) : サイクル腐食試験装置に試験片を取り付け,サイクル D の条件で 120 サイクルの試験を行う
評価,及び判定
試験片を取り出して流水で洗い,2 時間置いた後,目視によって,塗膜のさび,膨れ,割れ,及び剥がれの有無を観察する。
判定は,試験片 3 枚のうち 2 枚の塗膜にさび,膨れ,割れ及び剥がれを認めないとき,“さび,膨れ,割れ及び剥がれがない。”とする。
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