JIS K 5600_1_6 塗料一般試験方法‐第1部‐第6節:養生並びに試験の温度及び湿度

 JIS K 5600-1-61999年版 塗料一般試験方法−第1部:通則−第6節:養生並びに試験の温度及び湿度(Testing methods for paints−Part 1 : General rule−Section 6 : Temperatures and humidities for conditioning and testing)について  【序文・目次・適用範囲・用語】,   【養生並びに試験】 に分けて紹介する。

 序文・目次・適用範囲・用語

 序文
  この規格は,1984年に第 3版として発行された ISO 3270,Paints and varnishes and their raw materials-Temperatures and humidities for conditioning and testingを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。
 塗料及びその原材料の物理的・機械的性質は,一般に試験の環境条件に依存し,その最も重要な要因は温度及び湿度である。
 これらの要因の各々を制御する必要性の程度は,測定される性質に及ぼす要因効果の大きさによって決定される。
 従って,粘度,屈折率,及び密度の測定には,養生及び試験雰囲気として要求されるより,更に厳密な範囲で測定試料の温度を規定し制御することが肝要である。
 例えば,粘度,流れ時間及び密度についてのデータの多くは,歴史的にこの国際規格で規定されたものと異なる温度で測定されてきた。
 これらのデータの有効性を保つために,また多くの実験装置(例えば,ビュレット,ピペット,比重瓶)は23℃で補正されていないので,この規格から個別に逸脱することが必要になる。
 このような場合には,将来のある時期に,標準条件の全般的採用を目的とする漸進的運動を促進するために,物理データはこの規格に規定される条件でも,併せて測定すべきであることを強く勧告する。
 JIS規格の目次(ここでは青字の項目を説明)
 序文,1 適用範囲,2 引用規格,3 定義,4 養生並びに試験の温度及び湿度(4.1 標準条件,4.2 標準温度,4.3 その他の条件),5 養生,6 試験
 1 適用範囲
 この規格は,塗料,及びその原材料を養生及び試験する際,一般的に使用する温度及び相対湿度の条件について規定する。
 この規格は,液状又は粉状の塗料,及びぬ(濡)れ塗膜,又は乾燥塗膜,及びその原材料に適用する。
 3 定義
 3.1 養生雰囲気 (conditioning and atomosphere)
 試験を行う前に試料及び試験片を保持しておく雰囲気。
 温度及び相対湿度のいずれか一方,又は双方の値を規定して,それを与えられた期間,規定された許容範囲内に保持することを特徴とする。
 温度及び相対湿度の値並びに期間は,試験を行う試料及び試験片の性質によって選択される。
 養生という用語は,試験前の試料,及び試験片を養生雰囲気に指定期間保持することによって,その温度及び湿度を規定条件に合わせるように全体として設計された操作をいう。
 3.2 試験雰囲気 (test atomosphere)
 その試験を通じて試料,又は試験片が保持される雰囲気。
 温度と相対湿度の一方,又は双方の値を規定して,それを規定された許容範囲内に保持することを特徴とする。
 試験は,実験室“試験室”と呼ばれる特定の室,又は養生室のいずれかで行われ,その選択は,試料又は試験片の性質,及びその試験自身によって決められる。
 例えば,試料又は試験片の性質の変化が試験期間中小さいものなら試験雰囲気の厳密な制御は必要としない。

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 養生並びに試験

 4 養生並びに試験の温度及び湿度
 4.1 標準条件(可能な場合常に使用するべき条件)
 23±2℃,及び相対湿度 50±5%
 4.2 標準温度
 23±2℃,及び雰囲気の相対湿度
 備考:ある種の試験では,温度の制御範囲が更に厳密である。例えば,粘度,又は粘ちゅう度を測定するとき,制御範囲は多くとも ±0.5℃とすることを推奨する。
 4.3 その他の条件
 4.3.1 標準条件
 4.1 標準条件,及び 4.2 標準温度を維持することが困難である場合,及び審判目的以外であれば,他の条件を規定してもよい。このことは,試験報告書に記載しなければならない。
 4.3.2 雰囲気条件
 雰囲気条件として,温度も相対湿度も制御する必要はない場合でも,そのデータが分かっている場合,これらの条件は,試験報告書に記載すべきである。
 5 養生
 養生期間は,問題としている個別試験方法に規定されたとおりにしなければならない。
 供試製品は,可能な限り速やかに養生雰囲気と平衡に達するようにその雰囲気中におく。装置の関連部品も,また,それが平衡に達するよう養生雰囲気中におく。供試製品は,直射日光を避けなければならず,また,その雰囲気は清浄であることが望ましい。
 試験板は,互いに,及び周囲の壁から少なくとも 20mmの間隔で離しておかなければならない。
 6 試験
 他に規定がなければ,製品は養生されていた同じ条件の下で試験を行うものとする。
 養生,及び試験に 4.1に規定する標準条件を用いた場合,試験報告書に“JIS K 5600-1-6 に適合する標準条件下で,XX時間養生し,また試験を行った”と記載する。
 4.1に規定した標準条件を用いずに他の条件を選択した場合,試験報告書にそれらの条件を記載しなければならない。

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