JIS K 5600_1_3 1999年,2015年

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「塗料一般試験方法−第1部:通則−第3節:試験用試料の検分及び調整」
Testing methods for paints−Part 1 : General rule−Section 3 : Examination and preparation of samples for testing

 2010 年に改定された ISO 1513 との整合を図るため,これまで紹介していた 1999年版の JIS 規格が 2015 年に改定された。構成と表現が変更されているので,変更の大きい部分を中心に 1999 年版と併記して紹介する。
 
 【JIS規格の目次】(ここでは青字の項目を説明)
 1999 年版
 序文1 適用範囲,2 引用規格,3試料容器(3.1容器の状態,3.2容器の開封),4 ワニス,エマルション,シンナーなどの液体製品についての予備手順(4.1 目視検分,4.2 混合),5 ペイントのような液体製品の予備手順(5.1 目視検分,5.2 混合),6 パテ,マスチックなどの粘ちゅう製品の予備手順,7 粉体状製品の予備手順,8 一連の試料の混合及び分割8.1 通則,8.2 流体製品,8.3 粘ちゅう製品,8.4 粉体状の製品),9 試料容器のラベル,10 予備検分報告書
 2015 年版
 序文1 適用範囲,2 引用規格,3 用語及び定義4試料容器(4.1容器の状態,4.2容器の開封),5 塗料などの液体製品,及びパテなどのペースト状製品についての予備手順(5.1 目視検分,5.2 均質化),6 粉体状製品の予備手順,7 一連の試料の混合及び分割7.1 一般,7.2 流体製品及びペースト状製品,7.3 粉体状の製品),8 試料容器のラベル,9 予備検分報告書
 
 【序文】 1999 年版
 この規格は,1992 年第 3 版として発行された ISO 1513(Paints and varnishes−Examination andpreparation of samples for testing)を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。
 【序文】 2015 年版
 この規格は,2010 年に第 4 版として発行された ISO 1513 を基とし,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
 
 【 1 適用範囲】 1999 年版
 この規格は,試験用として受領した単一試料の予備的な検分実際に立ち会って検査すること。調べ見届けること。)の手順,並びに1積送品,又は大容量の塗料及び関連製品を代表する一連の試料を混合及び分割して,試験用試料を調整する手順の双方について規定する。
 供試製品の試料は,JIS K 5600-1-2「塗料一般試験方法−第1部:通則−第2節:サンプリング」に従って採取する。
 【 1 適用範囲】 2015 年版
 この規格は,塗料及び関連製品の,試料採取方法及び試験方法に関する一連の規格の一つである。この規格は,試験用として受領した単一試料の予備的な検分の手順,並びに一製造ロットの積送品又は大容量の塗料若しくは関連製品を代表する一連の試料を混合及び分割して試験用試料を調製する手順について規定する。
 注記 1 供試製品の試料の採取方法は,JIS K 5600-1-2 に規定されている。
 
 【 3 用語及び定義】 2015 年版
 この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 5500「塗料用語」によるほか,次による。
 均質化(homogenization):試料中の物質及び性質を均一にするため,(混合成分の場合)成分・小片・層といった試料の構成要素を組み合わせてより均一化する工程,又はあらかじめ処理された試料の成分・小片・層をより均一化する工程。

 

 【 3 試料容器】 1999 年版

 【 3.1 容器の状態】
 試料容器の欠陥,又は目に見える漏れを記録する。
 内容物に影響が及んでいる可能性があれば,その試料は棄却しなければならない。
 【 3.2 容器の開封】
 容器の外面,特にふたの周囲から,すべての包装材料,及びその他の破片を取り除く。
 内容物の状態を乱さないように慎重に容器を開封する。
 警告:ある種の(ペイントはく離剤のような)塗料,及び関連製品は,貯蔵中にガス又は蒸気圧が発生する傾向がある。
 特に容器のふた(蓋),又は底がふくらんでいるのが観察される場合,容器の開封時に,その状態に適応した注意を払わなければならない。
 このような状態が生じている場合,それらを報告書に記録しなければならない。
 
 【 4 試験容器】 2015 年版
 【 4.1 容器の状態】
 試料容器の欠陥及び目に見える漏れの有無及び状態を記録する。
 内容物に影響が及んでいる可能性があれば,その試料は棄却しなければならない。
 【 4.2 容器の開封】
 容器の外面,特に蓋の周囲から,全ての包装材料及びその他の破片を取り除く。
 内容物の状態を乱さないように慎重に容器を開封する。
 警告:(ペイント剝離剤のような)塗料及び関連製品は,貯蔵中にガス又は蒸気圧が発生する傾向がある。
 特に容器の蓋又は底が膨らんでいるのが観察される場合は,容器の開封時に,注意しなければならない。このような状態が生じている場合,それらを予備検分報告書(箇条 9 参照)に記録する。

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 【 5 ペイントのような流体製品の予備手順】 1999 年版

 【 5.1 目視検分】
 空げき
 おおよその空げき,すなわち,容器の内容物の上部空間を,容器の全容積の百分率で表して記録する。
 表面皮張り
 表面の皮張りの存在,及びその皮が連続相か,硬い,柔らかい,薄い又は適度の厚さ若しくはかなりの厚さかどうかを記録する。 試料上に皮張りがある場合,試料を廃棄することが望ましい。
 それが実際的でない場合,容器の全側面から可能な限り完全に皮を分離し,必要なら,ろ過して除く。除去の難易さを記録する。
 皮張りのある場合の分析用試料としては,皮を分散して測定用試料中に含ませてもよい。
 粘ちゅう度
 試料は,チキソトロピックか,又はゲル化が生じているかを記録する。 そのときゲル化の状態及びチキソトロピーの状態を乱さないように注意する。
 相分離
 試料の相分離の有無を記録する。
 沈殿物
 沈殿物の状態,例えば,柔らかい,硬い,硬く乾いているなどを記録する。
 沈殿物が硬く乾いているように見え,きれいなパレットナイフで切ったとき,塊の内部がもろい場合,硬く乾燥していると記録する。
 異物
 塗料中に異物があれば,その存在を記録し,慎重に取り除く。
 【 5.2 混合】
 限界
 ゲル化した沈殿物,又は硬く乾いた沈殿物を生じた試料は,事実上再混合できないので,試験目的に使用してはならない。
 通則
 次に規定するすべての操作を通じて,溶剤損失を最小に抑えるよう注意する。 このために,すべての操作を実際的にできる限りの速さで,かつ,十分混合できるよう行う。
 皮の除去
 原試料に皮が含まれていた場合,別に規定がなければ,その混合試料を目開き呼び寸法125μmのふるいを通して自重でろ過し,すべての皮くずを分離して取り除く。
 硬い沈殿物が起きていない場合
 目に見える沈殿物がなくても,試料を十分にかき混ぜて一様にする。
 硬い沈殿物が起きている場合
 硬い沈殿物が起きている試料の検分を完成しなければならない場合は,すべての流動する塗料を,きれいな容器に移し,パレットナイフを用いて,原容器の底から沈殿顔料を解きほぐして十分に練り混ぜる。
 一様な粘ちゅう度のものが得られたら,一度に少量ずつ流動する塗料を原容器に戻し,次を加える前に加えた流動する塗料を注意深くかき混ぜる。一つの容器から他の容器に移すことを数回繰り返して再混合を完全にする。なお,試料は,使用前に空気泡を含んではならない。
 
 【 5 試験容器】 2015 年版
 【 5.1 目視検分】
 表面皮張り
 表面の皮張りの存在,及びその皮が連続相か,硬いか,柔らかいか,薄いか又は過剰に厚いかを記録する。
 試料上に皮張りがある場合,試料は廃棄することが望ましい。廃棄できない場合,容器の全側面から可能な限り完全に皮を分離し,必要ならば,ろ過して除く。
 皮張りがあり,分析が試験の目的のときは,皮を分散して測定用試料中に含ませてもよい。
 粘ちゅう(稠)度
 試料は,チキソトロピックであるか,又はゲル化が生じているかを記録する。そのとき,ゲル化の状態及びチキソトロピーの状態を乱さないように注意する。
 注記 チキソトロピックな塗料及びゲル化した塗料は,共にゼリー状の粘ちゅう(稠)度を示すが,前者の粘ちゅう(稠)度は,かき混ぜ又は振り混ぜによって著しく減少するのに反して,後者の粘ちゅう(稠)度は,この方法では変化しない。
 相分離
 試料の相分離の有無を記録する。
 目に見える沈殿物
 目に見える不純物があれば,その存在を記録し,可能ならば,それを除去する。
 透明性及び色
 ワニス,シンナー,触媒溶液などの場合は,試料の透明性及び色を記録する。
 沈殿物
 沈殿物の状態,例えば柔らかい,硬い,硬く乾いているなどを記録する。沈殿物が,硬く乾いているように見え,きれいなパレットナイフで切ったとき,固まりの内部がもろい場合,硬く乾燥していると記録する。
 【 5.2 均質化】
 限界
 ゲル化した沈殿物又は硬く乾いた沈殿物(5.1.6 沈殿物)を生じた試料は,事実上再混合できないので,試験目的に使用してはならない。
 一般
 次に規定するすべての操作を通じて,溶剤損失を最小に抑えるよう注意する。このために,すべての操作をできる限りの速さで,かつ,十分混合できるよう行う。
 皮の除去
 試料に皮が含まれていた場合,ふるいでろ過し,全ての皮くずを分離して取り除く。
 密集した沈殿物が発生していない場合
 密集した沈殿物が発生していない場合は,試料を十分にかき混ぜて一様にする。
 密集した沈殿物が発生している場合
 密集した沈殿物が発生している[硬く乾いた沈殿物ではない試料(5.2.1 限界)]の検分を完成しなければならない場合は,次による。
  a) 全ての流動する塗料を,きれいな容器に移す。
  b) パレットナイフを用いて,原容器の底から沈殿顔料を解きほぐして十分に練り混ぜる。
  c) 一様な粘ちゅう(稠)度のものが得られた後,流動する塗料を少量ずつ数回に分けて原容器に戻し,戻すたびに均一になるように注意深くかき混ぜる。
  d) 試料は,使用前に空気泡を含んではならない。

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 【 8 一連の試料の混合及び分割】 1999 年版

 【 8.1 通則】
 一連の試料が,一様な製品から採取されている場合,それらを単独で試験するか,次に規定する分割試料を作るために混合するか,いずれでもよい。
 【 8.2 流体製品(タイプ A,B 及び C)】
 各々の試料を十分にかき混ぜた後,それらの試料を適切な大きさのきれいな乾いた一つの容器に移し入れて,かき混ぜ,振り混ぜなどによって十分にそれらを混ぜ合わせる。
 混合した試料が,均質であるように見えるとき,JIS K 5600-1-2「塗料一般試験方法−第1部:通則−第2節:サンプリング」に従って分割試料を採取する。その分割試料をきれいな乾いた容器に5%の空げきが残るように入れ,封をして,ラベルをはり,必要ならば,容器をシールする。
 
 【 7 一連の試料の混合及び分割】 2015 年版
 【 7.1 一般】
 一連の試料が,一様な製品から採取されている場合,それらを単独で試験するか,又は 7.2 及び 7.3 に規定する分割試料を作るために混合するかのいずれでもよい。
 【 7.2 液体製品及びペースト状製品 】
 5.2(均質化)に従って,各々の試料を十分にかき混ぜた後,それらの試料を適切な大きさのきれいな乾いた一つの容器に移し入れて,かき混ぜ,振り混ぜなどによって十分にそれらを混ぜ合わせる。混合した試料が,均質であるように見える場合は,JIS K 5600-1-2「塗料一般試験方法−第1部:通則−第2節:サンプリング」に従って分割試料を採取する。その分割試料を一つ以上のきれいな乾いた容器に 5%の空隙が残るように入れ,密封をして,ラベルを貼り,必要ならば,容器をシールする。
 【 7.3 粉体状の製品】
 様々の試料容器の内容物の全てを,きれいな乾いた適切な大きさの一つの容器に移して,十分に混合する。人手又は回転式分割機若しくは二分器を用いて,四分法によって,試料を適切な大きさ(1~2 kg)に分割し,分割試料を一つ又はそれ以上のきれいな乾いた容器に詰め,密封をして,ラベルを貼り,必要な場合,容器をシールテープで巻く。

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