防食概論:塗料・塗装

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         鋼道路橋の維持管理

 国が直接管理する一般国道は,原則として国土交通省道路局が定めた「橋梁の維持管理の体系と橋梁管理カルテ作成要領(案)」,「橋梁定期点検要領(案)」などの維持管理要領に準拠して管理される。
 道路の圧倒的に多数を占める地方行政機関管理の地方道も,国土交通省の定めた維持管理要領に準拠して管理されている。高速道路は,民間企業の管理であるが,維持管理要領を参考に管理されている。
 維持管理技術の詳細は,【社会資本とは】の「道路橋の維持管理」に示す。ここでは,点検方法,腐食・塗装関連の管理項目を抜粋して紹介する。

 

【定期点検】

 定期点検の頻度
 供用後 2 年以内に初回の定期点検が行われ,2 回目以降は,原則として 5 年以内 に実施される。
 初回の定期点検は,橋梁の初期欠陥の早期発見,橋梁の初期状態の把握による損傷の進展過程を明らかにすることを目的としている。
 点検項目(損傷の分類)
 定期検査は,目視による外観調査が主体である。鋼橋の点検で観察する項目,すなわち損傷は,次のように分類される。
 ・ 種類 1 腐食,亀裂,ゆるみ・脱落,破断,防食機能の劣化
 ・ 種類 2 : 変形・欠損,異常なたわみ,異常な音・振動
 ・ その他 : 沈下・移動・傾斜,漏水・滞水,土砂詰り,支承の機能障害,遊間の異常,変色・劣化
 なお,種類 1,及び種類 2 は,煩雑さを回避するため,「点検要領」で定めた便宜的なグループ分けで,技術的な意味はない。

【腐食の評価】

 次に,損傷の種別腐食の評価方法を示す。
 腐食とは,塗装された普通鋼材では,集中的にさびが発生している状態,又はさびが極度に進行し断面減少を生じている状態をさす。
 耐候性鋼材の場合には,保護性さびが形成されず異常なさびが生じている場合や,極度なさびの進行により断面減少が著しい状態をさす。
 【腐食と防食機能劣化の区分】
 基本的には,断面欠損を伴うさびの発生を腐食として評価し,断面欠損を伴わない程度の軽微なさびの発生は防食機能の劣化として評価する。
● 断面欠損の有無の判断が難しい場合には,腐食として扱う。
● 耐候性鋼材で保護性さびを生じるまでの期間は,さびの状態が一様でなく異常腐食かどうかの判断が困難な場合があるが,断面欠損を伴わないと見なせる程度の場合には防食機能の劣化として評価する。
● ボルトの場合も同様に,断面欠損を伴うさびの発生を腐食として評価し,断面欠損を伴わないと見なせる程度の軽微なさびの発生は防食機能の劣化として評価する。
 【注目箇所】
 腐食しやすい個所は漏水の多い桁端部,水平材上面など滞水しやすい箇所,支承部周辺,通気性,排水性の悪い連結部,泥,ほこりの堆積しやすい下フランジの上面,溶接部等である。
 【評価と記録】
 腐食程度の評価区分を下表に示す。なお,区分にあたっては,“損傷の深さ”と“損傷の面積”に分け,その一般的状況から判断した規模の大小の組合せによることを基本としている。
 損傷の深さに関しては,さびの状態(層状,孔食など)に関わらず,板厚(断面)減少の有無によって評価することになるが,目視のみでは的確な判断は困難である。


損傷(腐食)程度の評価区分
  区分    一般的状況
  損傷の深さ   損傷の面積
  a    損傷なし   損傷なし
  b    さびは表面的であり,著しい板厚の減少は視認できない。   損傷箇所の面積が小さく局部的である。
  c    着目部分の全体的にさびが生じている。または着目部分に拡がりのある発さび箇所が複数ある。
  d    鋼材表面に著しい膨張が生じているか,または明らかな板厚減少が視認できる。   損傷箇所の面積が小さく局部的である。
  e    着目部分の全体的にさびが生じている。または着目部分に拡がりのある発さび箇所が複数ある。

 

【防食機能の劣化とは】

  次に,損傷の種別として防食機能の劣化についての評価方法を示す。
 防食機能の評価は,防食皮膜である塗装,メッキ・金属溶射と耐候性鋼材に分けて行う。
 防食皮膜の評価は,劣化による変色,ひびわれ,ふくれ,はがれ等の状態を評価する。さびが生じている場合には腐食としても評価する。
 耐候性鋼材については安定さび(保護性さび)が形成されていない状態を評価する。著しい断面欠損を伴うと見なせる場合には腐食としても評価する。
 【評価と記録】
 損傷の発生位置やその範囲・状況をスケッチや写真で記録(損傷図)するとともに,代表的な損傷の主要寸法も損傷図に記載する。
 亜鉛めっきや亜鉛溶射において,白さびや“やけ”は,ただちに耐食性に影響を及ぼすものではないため損傷とはならないが,その状況は損傷図に記録する。
 耐候性鋼材のさびの色は,黄色・赤色から黒褐色へと変化して行くが,さび色だけで保護性さびかどうかを判断することはできない。また,表面処理を施した場合に,皮膜の残っている状態でさびむらが生じることもある。


損傷(防食機能の劣化)程度の評価区分
  区分    一般的状況
  塗装   メッキ・金属溶射   耐候性鋼材
  a    損傷なし   損傷なし   損傷なし
  b    (評価区分なし)   (評価区分なし)   (評価区分なし)
  c    最外層の防食皮膜に変色を生じたり,局所的なうきが生じている。   局所的に防食皮膜が劣化し,点さびが発生する。   さびの大きさは1~5mm程度で粗い。
  d    部分的に防食皮膜が剥離し,下塗りが露出する。   (評価区分なし)   さびの大きさは5~25mm程度のうろこ状である。
  e    防食皮膜の劣化範囲が広く,点さびが発生する。   防食皮膜の劣化範囲が広く,点さびが発生する。   さびは層状の剥離がある。

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