防食概論:塗料・塗装

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         一般外面・塗装系 J, JECO

 塗装系 J は,日本海からの離岸距離約 50mの実橋梁( 1976年試験塗装)で 30年以上の実績がある。また,一般環境として,東北・上越新幹線や京葉線の鋼橋に開業当時( 1980年代塗装)から適用され,2014年現在も塗替え塗装を必要としていないなどの実用実績がある。
 塗装系 JECO は,「塗装指針」の 2005年 5月改訂で採用された“塗替え塗装系 ECO”の施工実績などを踏まえて,水系塗料の適用拡大を図るため,塗装系 J と同等の防食機能を有し, VOC 排出量を低減できる環境負荷低減型の新設時塗装系として,2013年 12月改訂の「塗装指針」に採用された。

 

【塗装系 J 】

 【適用範囲】指針 Ⅰ-解-8 ページ)
 塗装系 J は,塗装系 L と同時に,本州・四国連絡橋の計画を受けて,昭和 30年代に日本国有鉄道・鉄道技術研究所が中心となり,海岸近接地域や海上に架設される橋梁に適用でき,長期防食性を有する塗装系として開発された景観性を求める場合に適用する長期防錆型塗装系である。
 
 【塗装仕様】
 
 原板(製鋼工場)
 【素地調整】
 ブラスト処理
 除錆度: ISO Sa2 1/2 以上,表面粗さ: 10点平均粗さ 80μmRzJIS 以下
 【プライマー】
 ブラスト処理後 3時間以内
 無機ジンクリッチプライマー: 使用量 160g/m2(膜厚 15μm)
 2次素地調整で除去されるので,プライマーの膜厚は総合膜厚に加えない。
 
 橋梁製作工場
 【 2 次素地調整】
 ブラスト処理
 除錆度: ISO Sa2 1/2 以上,表面粗さ: 10点平均粗さ 70μmRzJIS 以下
 【下塗り】
  素地調整後 3 時間以内
 厚膜型エポキシ樹脂ジンクリッチペイント: 使用量 700g/m2(膜厚 75μm)
  ①塗装後 2日以上,3カ月以内
 厚膜型エポキシ樹脂系塗料下塗: 使用量 300g/m2(膜厚 60μm)
  ②塗装後 1日以上,15日以内
 厚膜型エポキシ樹脂系塗料下塗: 使用量 300g/m2(膜厚 60μm)
 【中塗り】
 下塗り塗装後 1日以上,15日以内
 ポリウレタン樹脂塗料用中塗: 使用量 160g/m2(膜厚 30μm)
 【上塗り】
 中塗り塗装後 1日以上,15日以内
 ポリウレタン樹脂塗料上塗: 使用量 140g/m2(膜厚 30μm)
 
 【備考】
 第 1 層目に厚膜型エポキシ樹脂ジンクリッチペイントは,塗料単独の暴露試験の結果では厚膜型無機ジンクリッチペイントに比べ防食性能が若干劣ると言われている。しかし,実用では,下・中・上塗り塗料を塗り重ねた塗装系として用いられ,実橋梁の実績などから,無機系と比較して遜色無い結果が得られている。
 一方で,厚膜型エポキシ樹脂ジンクリッチペイントは,無機ジンクリッチペイントの低湿度下での施工制限がなく,ミストコートを省略できるなど,施工上の利点がある。

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【塗装系 JECO 】

 【適用範囲】指針 Ⅰ-解-9 ページ)
 塗装系 JECO は,塗装系 J をベースとした環境負荷低減及び作業者への健康影響の提言を目的とした塗装系である。従って,塗装系 J と同様に,景観性を求める場合に適用する長期防錆型塗装系である。
 塗装系 JECO は,中・上塗り塗料に水系塗料を用いているが,下塗り塗料には従来からの溶剤形塗料を用いている。これは,現在の技術レベルでは,期待する防食性能を十分に発揮できる下塗り用水系塗料の開発に至っていないためである。
 
 【塗装仕様】
 
 原板(製鋼工場)
 【素地調整】
 ブラスト処理
 除錆度: ISO Sa2 1/2 以上,表面粗さ: 10点平均粗さ 80μmRzJIS 以下
 【プライマー】
 ブラスト処理後 3時間以内
 無機ジンクリッチプライマー: 使用量 160g/m2(膜厚 15μm)
 2次素地調整で除去されるので,プライマーの膜厚は総合膜厚に加えない。
 
 橋梁製作工場
 【 2 次素地調整】
 ブラスト処理
 除錆度: ISO Sa2 1/2 以上,表面粗さ: 10点平均粗さ 70μmRzJIS 以下
 【下塗り】
  素地調整後 3 時間以内
 厚膜型エポキシ樹脂ジンクリッチペイント: 使用量 700g/m2(膜厚 75μm)
  ①塗装後 2日以上,3カ月以内
 厚膜型エポキシ樹脂系塗料下塗: 使用量 300g/m2(膜厚 60μm)
  ②塗装後 1日以上,15日以内
 厚膜型エポキシ樹脂系塗料下塗: 使用量 300g/m2(膜厚 60μm)
 【中塗り】
 下塗り塗装後 1日以上,15日以内
 水系ポリウレタン樹脂塗料用中塗: 使用量 160g/m2(膜厚 30μm)
 【上塗り】
 中塗り塗装後 1日以上,7日以内
 水系ポリウレタン樹脂塗料上塗: 使用量 150g/m2(膜厚 30μm)
 
 【備考】
 第 1 層目に厚膜型エポキシ樹脂ジンクリッチペイントは,塗料単独の暴露試験の結果では厚膜型無機ジンクリッチペイントに比べ防食性能が若干劣ると言われている。しかし,実用では,下・中・上塗り塗料を塗り重ねた塗装系として用いられ,実橋梁の実績などから,無機系と比較して遜色無い結果が得られている。
 一方で,厚膜型エポキシ樹脂ジンクリッチペイントは,無機ジンクリッチペイントの低湿度下での施工制限がなく,ミストコートを省略できるなど,施工上の利点がある。
 中・上塗り塗料に水系塗料を用い,塗装系 J に比較して,VOC 量,有害化学物質量が少ない環境負荷低減型塗装系となっているが,溶剤形塗料とは異なる塗装作業,施工管理,及び廃液・廃塗料処理が必要になる。

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