防食概論:塗料・塗装

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         塗替え塗装(竣工検査)

 塗装工程の最後に計画通りに塗装されたかの検査(竣工検査)を実施する。竣工検査では,工事記録などの書類検査が中心になる。塗膜の防食性能に影響する項目として,外観観察による塗膜欠陥の有無の調査結果,適切な膜厚が得られたかを塗料使用量で確認(空缶検査ともいう)する。

【膜厚の管理】

 塗替え塗装では,腐食箇所の鋼面に大きな凹凸があること,活膜として残した旧塗膜があることなどから,新設時に用いた非破壊測定法では,塗り付けた塗膜厚みを的確に測定できない。
 そこで,一般的には,塗装対象面積に対する使用塗料の量を計測し,必要十分な量の塗料を使用したかを確認し,求める膜厚が確保できたかの判定を行う。これを使用量管理,又は空缶検査という。
 

くさび形切削法

くさび形切削法
写真出典:(株)サンコウ電子研究所 カタログ

 塗装工事において,塗料使用量などに疑義が生じ,乾燥塗膜の膜厚確認が必要になった場合には,JIS K 5600-1-7「膜厚」方法 No.5(顕微鏡法,5B:くさび形切削法)に示す破壊測定法の採用が一般的である。
 この方法では,塗膜断面の拡大観察を伴うので,各層の塗装の事実,層別の塗り付け厚さも把握できる。
 ただし,この方法は,微小領域の観察しかできないので,塗装面全体の平均的状況を反映していないことに注意しなければならない。
 従って,塗装面全体の平均的評価を目的とする場合には,統計学的に意味のあるサンプリング数の調査が必要になる。
 また,調査個所は,素地に達する塗膜欠陥となるので,補修塗装が必要になる。

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【塗膜検査】

 各層の塗装作業終了時に,塗膜の外観調査を行い,次に例示する塗膜変状の有無を検査する。なお,塗膜変状が観察された場合は,変状程度に応じた適切な措置を行う。

    影響種別の塗膜変状例
  • 防食性能に影響する重大な変状
     ピンホール(Pin hole):被膜を貫いて,素地や下地まで達している微細孔。
     はじき(Cissing):塗面の表面が不均一で,その分布とその程度が一様でない現象。
     (Bubbling):塗った膜の中の一時的又は永続的な泡。
     割れ(cracking):塗装中の乾燥過程で生じた深い割れ。
     リフティング(Lifting):次の塗料を塗ったことによって素地から浮き上がる現象。
  • 程度が甚だしいと防食性能に影響する変状
     しわ(wrinkling):乾燥中に塗膜に発生するしわ。
     刷毛(はけ)目(brush mark):刷毛目が消えずに残る現象。
     たるみ,たれ(sagging):塗料の層が下方に移動して起こる局部的な膜厚の異常。
     ゆず肌(orange peel):オレンジの表面の肌に似ている感じの塗膜の外観。
  • 程度が甚だしいと外観に影響する変状
     色むら(mottle):塗膜の色が部分的に不均等な状態。
     白化,かぶり(blushing):塗料の乾燥過程で起こる塗膜の白化現象(ミルク状の乳白色を呈する現象)。
     透け(lack of biding):下地が透けて見える現象。

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