防食概論:塗料・塗装

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         溶融亜鉛めっき用塗装系

 【適用範囲】便覧 Ⅱ-36ページ)
 溶融亜鉛めっき面に塗装する目的
 1) 景観調和のための塗装:併用される他の材料との調和,市街地などでは周囲の色彩調和(手すり,高欄,照明柱など)
 2) 補修困難な構造物への耐久性の付与:再めっきで補修を行うことが困難なため
 3) 激しい腐食環境での長期耐久性の保持:海岸地帯などの飛来塩分の多い激しい腐食環境では早期に亜鉛が消耗する。長期耐久性を保持するため亜鉛めっき面に施す塗装には耐薬品性があり透水性の小さな塗料を用いる必要がある。
 
 【塗装仕様】
 
 橋梁製作工場
 【素地調整】
 目的
 溶融亜鉛めっき面に塗装する場合,塗装前の素地調整は安定した塗膜の密着性を確保する上で極めて重要である。
 塗膜の付着を阻害するものとしては,一般的な汚れの他に,溶融亜鉛めっき工程などで生じたフラックス残潰,油脂類などの様々な付着物や異物および,溶融亜鉛めっき面の凹凸などの表面性状がある。めっき面の表面性状に影響を及ぼす要因にはスパングル,酸化膜,合金層などがある。
 塗装前処理はこれら密着性に影響する付着物等を除去したり,溶融亜鉛めっき面を密着性が得られる安定な形に整えたりする目的で塗装前に行う。
 素地調整方法
 適用できる素地調整方法には次のものがあり,塗装目的に応じて選択する。
 1)研磨処理(パワーツール処理)
 塗膜の密着性に影響する塩化物,白さび,よごれや油分の物理的除去として最も一般的な方法である。
 施工方法としてはワイヤーブラシ,スチールタワシ,サンドベーパー,ケレンタワシなどを用いてこれら密着性に影響する付着物を人力で除去する。
 研磨処理は,最も安価であり作業性は良い。しかし,塗膜の密着性にばらつきが生じることが多いので十分な処理が必要である。
 2)スィープブラスト処理
 スィープブラスト処理は,表面付着物の高度な除去,表面を荒らすことで塗膜の密着性確保に有効な方法である。
 スィープブラスト処理とは,除錆度 ISO Sa 1 程度で軽く仕上げる方法を言う。ブラスト処理を行う場合は亜鉛皮膜がはく難しないように,また研削し過ぎないように注意する必要かある。
 3)りん酸塩処理
 りん酸塩処理は,亜鉛めっき表面に不活性なりん酸塩の緻密な結晶を形成させることで,塗装面をめっき面よりも化学的に安定で,かつ塗膜付着性がよい適度な組さを得ることができる方法である。
 この処理は管理されたりん酸塩処理液のなかに一定時間浸せきするか,りん酸塩処理液を直接スプレーで吹き付けることで行う。
 りん酸塩処理は溶融亜鉛めっき後速やかに行う必要がある。
 りん酸塩処理は,塗膜の密着性は優れるが,処理費用は高価で処理できる寸法や重量に制約がある。
 
 【下塗り】
 ブラスト処理後は 4 時間以内,りん酸塩処理の場合は 7 日以内
 外面用 ZC-1 塗装系,及び内面用 ZD-1 塗装系
 亜鉛めっき面用エポキシ樹脂塗料下塗:使用量 200g/m2(膜厚 40μm)
 
 【中塗り】
 下塗り塗装後 1 日以上 10 日以内
 外面用 ZC-1 塗装系
 ふっ素樹脂塗料用中塗:使用量 170g/m2(膜厚 30μm)
 内面用 ZD-1 塗装系
 中塗り塗装なし
 【上塗り】
 塗装後 1 日以上 10 日以内
 外面用 ZC-1 塗装系
 ふっ素樹脂塗料上塗:使用量 140g/m2(膜厚 25μm)
 内面用 ZD-1 塗装系
 変性エポキシ樹脂塗料内面用:使用量 210g/m2(膜厚 60μm)
 
 【備考】
 溶融亜鉛めっきに適用する塗装系には,外面用の ZC-1 塗装系と箱げた等の内面に用いる ZD-1 がある。
 素地調整において,ブラスト処理が困難な場合は,りん酸塩処理を採用する。
 不めっき部(めっき出来なかった部位)は,無機ジンクリッチペイントで補修する。

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