JIS K 5600_3_2 塗料一般試験方法‐第3部‐第2節:表面乾燥性(バロチニ法)

 JIS K 5600-3-2 1999年版 塗料一般試験方法−第3部:塗膜の形成機能−第2節:表面乾燥性(バロチニ法) (Testing methods for paints−Part 3 : Film formability−Section 2 : Surface-drying test (Ballotini method))について  【序文・目次・適用範囲・用語】,   【器具類・試料採取】,   【試験板・手順】 に分けて紹介する。

 序文・目次・適用範囲・用語

 序文
 この規格は,特殊な適用に対しても,次の補足情報によって完全なものとすることが要求される。
 この情報は,試験対象製品に関する国際規格又はその他の文書から引用するか,又は,それが適切な場合には,試験を行う受渡当事者間での合意を条件にすべきである。
 a) 素地の特性と表面処理
 b) 素地への試験塗料の塗装方法
 c) 測定方法を含む,ミクロン単位での乾燥塗膜の膜厚及びその塗膜が単一塗膜系又は多層塗膜系のいずれか
 d) 試験前の下塗及び/又は中塗塗料の乾繰時間と条件
 e) もし適用されるならば,試験前の乾繰時間
 
 JIS規格の目次(ここでは青字の項目を説明)
 序文,1 適用範囲,2 引用規格,3 定義4 器具類,5 試料採取6 試験板(6.1 材質及び表面処理,6.2 試験板の塗装),7 手順(7.1 試験板の乾燥,7.2 規定時間後の表面乾燥状態の評価,7.3 表面乾燥時間の測定,7.4 膜厚の測定,8. 試験報告
 
 1 適用範囲
 この規格は,空気の作用によるか,又はその組成の化学反応によって乾燥する塗料の,塗膜のバロチニ法による表面乾燥性の測定方法について規定する。
 なお,この方法は,焼付け塗料には適用しない
 記載されている方法は,次のいずれかによって実施できる。
 合否判定試験のように,特に決められた要求に合うかどうかを評価するため,規定の時間経過後に表面乾燥状態を調べるか,又は表面乾燥時間に達するまでの間,適切な間隔ごとに表面乾燥状態を調べる方法。
 
 3 用語の定義
 表面乾燥状態 (surface-drying state)
 塗膜の表面状態について述べる一般的用語,すなわち,“表面乾燥”か,又はそうでないかをいう。
 
 表面乾燥 (surface-dry) バロチニを軽くはけではいて,塗膜の表面にきずを付けずに,バロチニが除去できる塗膜の表面乾燥状態。
 
 表面乾燥時間 (surface-drying time)
 調整された試験板に,塗料の塗膜が塗装された時点から,規定されている試験操作によって,塗膜が表面乾燥であると判定されるまでの時間。

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 器具類・試料採取

 4 器具類
 4.1 バロチニ(小さな透明ガラス球)
 材料は,適当な市販のバロチニはふるい分けして得たものでなければならない。そしてそれは呼び(寸法)目開き 125μmのふるいを通過せず,250μmのふるいを全通するように級分けしなければならない。
 4.2 はけ
 柔らかな毛のもの。
 4.3 ストップウォッチ又はストップクロック 
 
 5 試料採取
 JIS K 5600-1-2 「塗料一般試験方法‐第1部:通則‐第2節:サンプリング」の規定に従って試験対象製品の代表試料を採取する。
 誘料は JIS K 5600-1-3「塗料一般試験方法‐第1部:通則‐第3節:試験用試料の検分及び調整」の規定に従って検分及び調整する。

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 試験板・手順

 6 試験板
 6.1 材質及び表面処理
 他に規定,又は協定がなければ,試験板はJIS K 5600-1-4 「塗料一般試験方法‐第1部:通則‐第4節:試験用標準試験板」の規定に合致したガラス板,磨き鋼板,すずめっき板又はアルミニウム板とし,表面は塗装するために規定どおり調整する。
 6.2 試験板の塗装
 要求があれば,試験対象製品を塗装する前に,試験板を適切な下塗塗料,及び/又は中塗塗料で塗装し,協定された期間静置乾燥する。
 試験板は,規定された,又は協定された方法で,試験対象製品を塗装する。
 
 7. 手順
 7.1 試験板の乾燥
 塗装された試験板は,他に規定がなければ,環境条件温度 23±2℃,相対湿度50±5%の場所で,気流から遮へいし,直射日光を避けて,自然な気流中に,垂直に立てて乾燥する。
 7.2 規定時間後の表面乾燥状態の評価
 規定時間経過後,試験板を水平な位置に置く。試験板の上に約 0.5gのバロチニを 50~150mmの間の高さから注ぎ落とす。
 備考:バロチニの過度の広がりを防ぎ,もし必要であれば同じ試験片の他の部分で,その他の試験を行うことを可能にするために,内径が約 25mmの適切な長さのガラス管を用いてバロチニを注ぎ落とすと便利である。
 10秒後,試験板を水平に対し 20°の角度で保持し,塗膜を軽くはけではく。
 塗膜の表面を正常に修正された視力で検査する。表面に損傷を与えずに,すべてのバロチニをはけで除去できたら,塗膜は表面乾燥とする。
 7.3 表面乾燥時間の測定
 同様に塗装された数枚の試験板を調製し,静置乾燥する。
 塗膜が“表面乾燥”になると予想される少し前に,試験をスタートし,適切な間隔で異なる試験板を使用し,塗膜が表面乾燥の状態になるまで,表面乾燥状態の評価を行う
 塗膜が塗装してから,ちょうど表面乾燥になるまでの所要時間を記録する。
 7.4 膜厚の測定
 JIS K 5600-1-7「塗料一般試験方法‐第1部:通則‐第7節:膜厚」 に規定されている操作の中の一つによって,乾燥膜厚をマイクロメートル単位で測定する。

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