JIS K 5600_5_1

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「塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第1節:耐屈曲性(円筒形マンドレル法)」
Testing methods for paints−Part 5 : Mechanical property of film−Section 1 : Bend test (cylindrical mandrel)

 【JIS規格の目次】(ここでは赤字の項目を説明)
 序文,1 適用範囲,2 引用規格,3 試験装置(3.1 折り曲げ試験装置,3.2 温度調整された試験容器),4 試料採取方法,5 試験板(5.1 材料,5.2 共通事項,5.3 寸法,5.4 試験板の調整及び塗装,5.5 膜厚),6 試験手順(6.1 共通事項,6.2折り曲げの手順,6.3 塗膜の割れ,及びはがれが起こりはじめるマンドレルの最小直径の測定方法),7 試験報告
 
 【序文】
 この規格に規定する試験方法は,どのような特別の適用に対しても,次の補足情報によって補完される必要がある。
 必要な情報は受渡当事者間で合意をみるのが望ましく,また試験下の製品に関して,国際規格又は国内規格あるいは他の文書から一部又は全部が引用されることもある。
 a) 素地の性質,厚さ,表面加工
 b) 使用される試験装置(すなわち,タイプ1,又はタイプ2
 c) 試験塗料を素地に塗布する方法
 d) 乾燥塗膜の膜厚(マイクロメートル単位)及びその測定方法(単層膜か多層膜かの区別も明示する)
 e) 測定までの塗膜の乾燥条件,及び放置時間(又は,焼き付け硬化の場合は,焼き付け条件及び放置時間)
 f) マンドレルのサイズ(もし,この試験に適用可能なとき)
 g) 試験中の温度
 
 【適用範囲】
 この規格は,標準的な条件下で円筒形マンドレルにより折り曲げられた場合の,塗料,ワニス及びそれらの関連製品の塗膜の 割れ及び/又は金属 基板からのはがれの抵抗性を確認するための経験的な試験手順を記載したものである。
 多層膜系に関しては,それぞれの単独膜に分離して試験するか,多層膜全体で試験してもよい。
 規定した方法は合否試験として,ある特定の試験条件の要求に対応できるかどうかを確認するため,ある特定のサイズのマンドレルで試験を実施するか,塗膜が割れを起こすか,又は素地からはがれを起こしはじめるマンドレルの最小直径を決めるために,より小さい直径のマンドレルを使って試験手順をくりかえすかのいずれかによって実施してもよい。
 この規格では,2種のタイプの試験装置が用いられる。
  タイプ1は試験板の厚さが0.3mmまでのものに対して妥当なものであり, タイプ2は試験板の厚さが1.0mmまでのものに対して妥当な試験装置である。二つの試験装置は同じ塗膜に関しては類似の結果をもたらすことが確かめられているが,通常は,一つの塗料サンプルには,試験装置はどちらか一方のみが用いられる。

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 【試験装置】

 折り曲げ試験装置
 材料
 次に規定する2種のタイプの試験装置とも,マンドレルは硬くて適切な耐食のある材料,例えば,ステンレス鋼製でなければならない。
 
 タイプ1の試験装置
 これは厚さが0.3mm以下の試験板に用いられる。一対のちょうつがいが備わっており,円筒形マンドレルをセットするようになっている。
 マンドレルの直径は,2,3,4,5,6,8,10,12,16,20,25,32mm のものがある。マンドレルの表面とちょうつがいに接続された板の間のすき間0.55±0.05mmであることを除いて,試験装置の寸法は必須項目ではない。
 マンドレルはその軸に沿って自由に回転できる。この試験装置には,試験板が折り曲げられ二つの部分が平行になるように停止板がついている。
 :特に,2mm直径のマンドレルを使う場合には,折り曲げ過程でマンドレルのひずみが起こらないことの保証,及びひずみのあるマンドレルは使わないことが重要である。
 
 タイプ2の試験装置
 これは,通常,厚さが1.0mmまでの試験板に適用される。アルミニウムのような軟質の金属からなるもっと厚い試験板も,マンドレルのひずみがない場合には,この試験装置を適用できる。
 この試験装置は,マンドレルの直径が 6,10,13mmのもののうちの一つと組み合わせて用いられる。
 :受渡当事者間で合意のある場合,タイプ2の試験装置で他の直径のマンドレルを用いてもよい。
 
 温度調節された測定容器
 これは,23±2℃以外の温度で試験を行うときに必要である。
 この装置は,要求された試験温度の±1℃以内に温度調節できる加熱炉,又は冷却装置を備えており,また,次に示す附属的な装置を備えている。
 附属的な装置
 a) 室内の空気を循環させるファン
 b) 測定容器を開けずに試験板を折り曲げられる遠隔操作装置
 c) 試験中の塗膜表面に近接させた温度計球,又は温度センサーを備えた温度表示装置,又は温度記録装置

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 【試料採取方法】

 試験される製品(また,多層膜の場合には,それぞれ単独の製品)の代表サンプルは,JIS K 5600-1-2 「塗料一般試験方法‐第1部:通則‐第2節:サンプリング」に規定する方法で採取しなければならない。
 このサンプルは JIS K 5600-1-3「塗料一般試験方法‐第1部:通則‐第3節:試験用試料の検分及び調整」に規定した方法で,検分し,調整しなければならない。

  

 【試験板】

 材料
 他に規定のない場合,試験板は,JIS K 5600-1-4「塗料一般試験方法-第1部:通則-第4節:試験用標準試験板」の規定に従い,磨いた鋼板,磨いたぶりき板,又は軟質アルミニウム板を用いる。
 
 共通事項
 試験板は平面であり,ひずみがなく,また,その表面は目で見て突起物や割れのないものでなければならない。
 
 寸法
 他に規定のない場合,試験板の寸法は,約100mm×50mmの長方形であり,厚さ 0.3mm(タイプ1の試験装置の場合),又は厚さ1.0mm(タイプ2の試験装置の場合)であること。
 試験板は,塗装して乾燥後,ひずみの起こらないように切断してもよい。アルミニウム板の場合は,試験板の長手方向はアルミニウムの圧延方向と平行でなければならない。
 
 試験板の調整及び塗装
 他に規定のない場合,JIS K 5600-1-4「試験用標準試験板」 に適合した試験板を調整する。
 試験する製品によって規定した方法で塗装する。もし,塗装板がはけ塗りで作成されるときは,はけ目が試験板の長手方向になるようにする。
 
 膜厚
 JIS K 5600-1-7「塗料一般試験方法−第1部:通則−第7節:膜厚」に規定した方法のうちの一つを用い,マイクロメートル単位で膜厚を測定する。

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 【試験手順】

 共通事項
 試験板の乾燥
 他に規定のない場合,塗装した試験板は決められた時間,乾燥(又は焼付け及び放置)する。
 塗装板は,測定までに温度23±2℃,相対湿度50±5%で,最低16時間状態調節する。その後,可能な限り速やかに測定を実施する。
 試験環境条件
 測定は,他に規定がない限り,温度23±2℃,相対湿度50±5%の条件で行う。
 試験板の取扱い
 試験板の温度を上げるような不適切な取扱いは避けなければならない。
 
 折り曲げの手順
 次に示された妥当と考えられる手順「23±2℃のタイプ1,タイプ2,及び23±2℃以外」を,別に作った 2 枚の試験板で実施し,次いで,試験板は,「試験板の検分」で規定された方法で試験する(もし,2枚の結果が異なるならば追加試験を行う。)。
 「タイプ 1 の試験装置による23±2℃での試験」
 試験装置を完全に広げ,必要なマンドレルを装着する。さらに試験板を挟み,塗装面が外側になるように折り曲げる。試験装置の折り曲げは,1~2秒をかけて,均等に行う。このようにして,試験板を180°折り曲げを行う。
 「タイプ 2 の試験装置による23±2℃での試験」
 ベンチ端近傍の試験装置をしっかりと固定し,ハンドルが自由に操作できることを確認する。くさびを引っ込めることによりパネルホルダーを下げる。調整ねじを使って,マンドレルの位置から折り曲げ板を引き離し,必要なマンドレルを試験装置に装着する。
 ハンドルを垂直な位置に下げ,塗装面が下になるように,マンドレルと折り曲げ板の間に試験板を装着する。
 マンドレルの中央線から折り曲げ板の方向に沿って,試験板が約40mmはみ出さないように装着する。
 固定ナットとプレートを使って,試験板をパネルホルダーにしっかりと固定させる。くさびを溝に挿入して,試験板がマンドレルに接触しないように,パネルホルダーを上げていく。
 調整ねじを使い,折り曲げ板がちょうど板に接触するまで,パネルホルダーを上げていく。1~2秒の時間をかけて急激でなく均等に,ハンドルを180°上に上げて折り曲げる。
 備考 :折り曲げ操作の間に試験塗膜に傷がつくのを防ぐために,1枚の薄い紙をパネルホルダーと折り曲げ板の間の塗装面上に差し込んでもよい。
 折り曲げ後,折り曲げ部をマンドレルから離し,くさびをぬき,パネルホルダーを下げ,ナットをゆるめて,試験板を取り出す。
 「23±2℃以外での試験」
 必要なマンドレルを備えた試験装置を開き,試験板を所定の位置に置く。
 塗装面を外側にした状態で折り曲げ試験を実施する。試験板を装着した試験装置を,あらかじめ規定の温度に調節した測定容器に入れる。
 2時間後,規定の温度の測定容器の中で,遠隔操作装置を使って,試験装置を1~2秒の時間をかけて急激でなく均等に折り曲げる。
 測定容器の扉は,試験装置のセットから折り曲げ試験の終了まで閉めたままにすることが重要である。
 「試験板の検分」
 タイプ1試験装置の場合,折り曲げ終了後,試験板を試験装置からはずすことなく,直ちに試験板の検分を行う。
 通常は目視で,受渡当事者間の合意がある場合には10倍のルーペで,観察を行う。 試験板の端から10mm以内の塗膜表面は無視して,塗膜の割れ及び素地からの塗膜はがれを検分する。
 備考:ルーペを使った場合,試験報告書にはこの旨を記載して,正常な目視観察の結果と比較するような間違いをおかさないようにしておくことが重要である。
 
 塗膜の割れ及びはがれが起こりはじめるマンドレルの最小直径の測定方法
 適切な試験手順を実施する。その際に,塗膜の割れや素地からの塗膜はがれが起こるまで,マンドレルの直径をより小さなものに変えて,「試験板の検分」に記載された方法でそれぞれの試験板を検分する。
 新しい試験板に対して,上記サイズのマンドレルで,上記操作をくり返し,試験結果を確認してから,塗膜の割れ及び素地からの塗膜はがれが初めて起こったマンドレルの直径を記録する。
 マンドレルの直径を最小にしても,塗膜の割れやはがれの起こらなかった試験においては,その旨を記録する。

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