防食概論:塗料・塗装

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         硬さ

 広辞苑には,硬さ(硬度)とは「物体の硬軟の程度。特に金属・鉱物についていう。」と記述されている。このように,一般的には,金属や鉱物での硬さがイメージされている。
 金属の硬さ
 JIS G 0202 「鉄鋼用語(試験)」では,【硬さ試験】を「硬さ試験機を用い,試験片,又は製品の表面に一定荷重で一定形状の硬質の圧子を押込むか,又は一定の高さからハンマを落下させるなどの方法で硬さを計測する試験。」と定義し,【押込み硬さ試験】を「剛体とみなせる特定の圧子を試料の試験面に押込み,その時の押込み荷重及び試験片に生じた永久変形の大きさから,その試料の硬さを決める硬さ試験の総称。ブリネル硬さ試験,ビッカース硬さ試験,ロックウェル硬さ試験などがある。」と定義している。
 鉱物の硬さ
 鉱物の硬さとしてモース硬度(Mohs hardness[)が広く知られている。モース硬度は,硬度比較の標準(滑石からダイヤモンドまでの 10 種)を用いて「引っかいた時の傷の付きにくさ」で評価される硬さである。
 
 このように,固体の硬さについては,材料種により,材料表面の変形のしにくさを評価する「押込み硬さ」,材料表面の傷つきにくさを評価する「引っかき硬さ」に大別され,一般的に厳密に定義することは困難である。このため,硬さの概念は,数値化して表現しようとする場合の試験方法の定義により様々な値を取ることになる。

 

 

         【有機高分子材料の硬さ】

 有機高分子材料である塗料,ゴム,及びプラスチックでは,“硬さ”を次のように定義している。
 JIS K6200 「ゴム用語」
 “へこみに対する抵抗”と定義し,規定の条件下で試験片に規定の押針でへこむ深さから得られる量で硬さを表現している。JIS 規格には,JIS K 6253-1~5 「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方」に国際ゴム硬さ,デュロメータ硬さ,IRHD ポケット硬さが規定されている。
 JIS K6900 「プラスチック―用語」
 “押込み,又は引っかきに対する材料の抵抗”と定義し,押込み硬さと引っかき硬さの何れも用いられる。
 JIS K 5500 「塗料用語」
 “物質,材料の特に表面または表面近傍の機械的性質の一つ”と定義しているが,解説には,“塗膜の硬度は,厚みが 1 mm以下と薄いため,金属やゴムで採用されている押し込み法では,塗膜の変形以外に素地の影響が大きく計測困難である。このため,塗膜の硬度は,引っかき法を用いて評価されている。”とある。

 

 

         【塗膜の硬さ評価試験】

 塗料の JIS 製品規格,例えば JIS K 5551 「構造物用さび止めペイント」,及び JIS K 5659 「鋼構造物用耐候性塗料」などの品質項目として「塗膜の硬さ」を規定するものはない
 しかし,塗膜の傷つきやすさ,塗膜の硬化反応の程度,塗膜の経時的な変化などの推定手段の一つとして,比較的簡便な試験方法であるため,「塗膜の硬さ」試験は広く用いられている。
 JIS 試験規格には,次の 2 種が規格されている。
 【鉛筆法】
 硬度の異なる鉛筆のしん(芯)で引っかき,塗膜の表面の傷つきの程度で評価する JIS K 5600-5-4 :1999 「塗料一般試験方法−第 5 部:塗膜の機械的性質−第 4 節:引っかき硬度鉛筆法)(Testing methods for paints−Part 5 : Mechanical property of film−Section 4 : Scratch hardness (Pencil method))」
 【荷重針法】
 先端が規定の径の半球状の鋼球,タングステンカーバイト球,ルビー,又はセラミックス球からなるに規定の荷重を掛けて引っかき,塗膜の表面の傷つきの程度で評価する JIS K 5600-5-5 :1999 「塗料一般試験方法−第 5 部:塗膜の機械的性質−第 5 節:引っかき硬度荷重針法)(Testing methods for paints- Part 5 : Mechanical property of film−Section 5 : Scratch hardness (Stylus method))」
 
 このように,一般的には,塗膜の硬さは,塗膜の強靭性付着性を加味した表面の傷つきやすさの評価と考えることができる。

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