防食概論:塗料・塗装

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         劣化亜鉛面用・塗装系 ZP

【適用範囲】(指針 Ⅰ-解-11ページ)
 この塗装系は,溶融亜鉛めっき鋼を裸で使用している構造物,及び部材において,めっき層が腐食劣化し,そのまま放置したのでは,構造物,及び部材の予定使用期間までの維持が困難と判断されたときに,延命化を目的に適用するものである。
 この塗装系は,鉄桁等鋼構造物の溶融亜鉛めっき鋼を用いた付帯設備や溶融亜鉛めっき鋼製鋼構造物の延命化に活用できるようにしたものである。

 

【塗装系 ZP 】

 溶融亜鉛めっき鋼の新設時の塗装においては,めっき表面にめっき浴中の合金成分,例えば,アルミニウムやけい素などの濃度が高い層(非常に薄い)が表層に存在するため,塗膜の付着性に悪影響を与える。このため,表層を除去するための簡易なブラスト処理,リン酸塩処理,付着性改善のためのプライマーなどの前処理が必要である。
 一方,無塗装で長期間使用した溶融亜鉛めっき鋼は,表層が腐食で消失していること,また腐食で表面が適度に荒れているため,厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料を直接塗装してもはく離に至ることは少ない。指針 Ⅳ-12ページ)
 
 【素地調整】
 塗装の時期は,原則として,溶融亜鉛めっき層が消失する前に実施する。
 素地調整は,動力・手工具で白さび,付着物の除去程度
 鋼腐食に至っている場合は,本塗装系の対象外
 
 【下塗り】
 素地調整後その日のうち(全面塗装)
 劣化亜鉛面用厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料下塗: 使用量 190g/m2(刷毛・ローラ塗り)
 【中塗り】
 なし
 【上塗り】
 下塗り塗装後 2日以上,7日以内(全面塗装)
 劣化亜鉛面用厚膜型ポリウレタン樹脂塗料上塗: 使用量 150g/m2(刷毛・ローラ塗り)
 
 【備考】
 第 1 層に用いる劣化亜鉛面用厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料下塗は,劣化した亜鉛面への適用に適したハイソリッド型(溶剤含有量が少ないタイプ)の塗料で,190g/m2の使用量で 60μmの塗膜厚みが期待できる。
 第 2 層目の劣化亜鉛面用厚膜型ポリウレタン樹脂塗料上塗は,第 1 層目の劣化亜鉛面用厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料下塗の上に塗り重ねられる塗料で,150g/m2の使用量で 50μmの塗膜厚みが期待できる。
 このように,これらの塗料は,劣化した亜鉛面への適用のために最適化した塗料であるので,鋼面を対象とした厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料及び厚膜型ポリウレタン樹脂塗料と混同しないこと。
 下地に溶融亜鉛めっき層が残存している状態で塗装した場合と溶融亜鉛めっき層が消失し鋼の腐食に至ってから塗装した場合とでは,塗膜の耐久性が著しく異なる。鉄道総研の実施した試験塗装結果では,溶融亜鉛めっき層が残存している面に塗装することで 20年以上の耐久性を期待できるが,溶融亜鉛めっき層が消失して鋼の腐食に至ってから塗装したのでは,10年程度の耐久性しか期待できないことを示している。
 部材の腐食は白さびの状態,赤さびの状態,及び鋼の腐食に至っている鉄さびの状態に分けられる。白さびの状態では,溶融亜鉛めっき層の 30%以上(亜鉛と鉄の合金層 δ1が概ね 30%程度を占めると考えられる)が残存している。
 赤さびの状態は合金層 δ1の腐食に至っていることを示すので,溶融亜鉛めっき層の残存割合は 30%以下と考えられる。従って,部材上面に赤さびが観察された場合は,近い時期に保護塗装を計画すべきである。指針 Ⅳ-10ページ)

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