防食概論:塗料・塗装

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         一般外面・塗装系 BMU

【適用範囲】(指針 Ⅲ-19ページ参照)
 塗装系 BMU は,10年程度の定期的塗替えを目的とした場合の塗装系である。
 新設時から定期的塗替えを計画した構造物では,多くの場合の塗膜表層の劣化のみで,さび面積率約 0.04%未満の状況,すなわち素地調整種別替ケレン-4での塗替え塗装が可能な状況で維持管理される。
 しかし,それまで塗膜劣化評価の結果を受けて塗替え塗装されてきた既設構造物を,途中の段階で定期的塗替え対象の構造物に変更した場合には,初回の塗替え塗装は,素地調整種別がさび発生面積率約 0.4%程度の替ケレン-3(場合によっては,さび発生面積率約 1%程度の替ケレン-2)での塗替えとなる。
 替ケレン‐3や 2では,素地の露出した個所の面積が多くなるが,適切な素地調整と塗装の実施で,次回の定期的塗替え塗装からは替ケレン-4での塗装仕様が可能になる。

 

【塗装系 BMU1 と BMU2 の使い分け】(指針 Ⅲ-18ページ参照)

 原則的には,前節「鋼鉄道橋・塗替え塗装の基本」に従った適用となるが,これまで不定期での塗替え塗装をしていた構造物を,新たに定期的塗替えの対象とした場合には,原則と異なる場合も十分に想定される。
 この場合には,塗替え時の塗装系 BMU1 塗装系 BMU2 は,塗替え対象の構造物での要求性能と次に示す塗装系の特徴などを考慮して選択できる。
 
   ・旧塗膜上の塗膜厚みの増加量BMU1 (大,約 85μm), BMU2 (小,約 55μm)
   ・溶剤の溶解性BMU1 (高い), BMU2 (低い)
   ・景観維持BMU1 (長期), BMU2 (中期)
   ・旧塗膜への適合性BMU1 (○:B,D,BMU1,G,T,△:E,×,その他の塗膜)
                 BMU2 (○:B,D,△:BMU1,G,T,×:E,その他の塗膜)

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【塗装系 BMU1 】

 替ケレン-3 では補修塗装 1 回を含む 3層塗りの塗装系である。替ケレン-4 では,補修塗装を省略でき,2層塗りの塗装系である。
 【塗装仕様】
 【素地調整】
 替ケレン-1,2,3(一般環境:動力・手工具で除錆度-3以上,腐食性環境:腐食部の部分ブラストを推奨)
 替ケレン-4(研磨紙等での面粗し)
 【下塗り】
  素地調整後その日のうち(替ケレン-1 は全面塗装,替ケレン-2,3 鋼露出部のみの補修塗装,替ケレン-4 は全面塗装)
 厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料: 使用量 200g/m2(刷毛・ローラ塗り)
  ①塗装後 1日以上,7日以内(全面塗装,替ケレン-4 は省略可)
 厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料: 使用量 200g/m2(刷毛・ローラ塗り)
 【中塗り】
 なし
 【上塗り】
 下塗り塗装後 1日以上,7日以内(全面塗装)
 ポリウレタン樹脂塗料上塗: 使用量 110g/m2(刷毛・ローラ塗り)
 
 【備考】
 塗装系BMU1では,厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料に中塗り塗料を介さずに,直接ポリウレタン樹脂塗料上塗を塗り付ける。このため,厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料中の液状成分がブリードし変色する場合も推測される。
 また,採用する色彩によっては,隠ぺい力が不足し,下塗り塗膜の色を完全に覆うことができず,所期の色と異なる可能性があるので,色の選択には留意する必要がある。
 塗装後のトラブル回避のためには,このような本塗装系の特徴を発注者と受注者で事前に了解したうえで塗装設計を行うことが肝要である。

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【塗装系 BMU2 】

 塗装系 BMU2 は,新設時より 10年程度の定期的塗替え塗装(腐食発生前に替ケレン-4 で塗替え塗装)が実施されている構造物のために開発されたコスト低減型塗装系である。
 替ケレン-4 では,素地調整で鋼が露出する個所は,点さびの個所,表面粗し作業で塗膜を削り過ぎた個所のみで,面積率 5%未満の補修塗装を含む 3層塗りの塗装仕様である。
 しかし,替ケレン‐2,及び 3で塗り替える場合には,補修塗装となる面積が多くなり,補修塗装 2回を含む 4層塗りの塗装仕様である。
 替ケレン-1を適用しなければならない場合は,塗装系の変更を検討する。
 【塗装仕様】
 【素地調整】
 替ケレン-2,3(一般環境:動力・手工具で除錆度-3以上,腐食性環境:部分ブラストを推奨)
 替ケレン-4(研磨紙等での面粗し)
 【下塗り】
  素地調整後その日のうち(替ケレン-2,3,4 鋼露出部のみの補修塗装)
 厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料: 使用量 200g/m2(刷毛・ローラ塗り)
  ①塗装後 1日以上,7日以内(替ケレン-2,3 鋼露出部のみの補修塗装,替ケレン-4 では省略可)
 厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料: 使用量 200g/m2(刷毛・ローラ塗り)
 【中塗り】
 下塗り塗装後 1日以上,4日以内(替ケレン-2,3 全面塗装),7日以内(替ケレン-4 全面塗装)
 長油性フタル酸樹脂塗料中塗: 使用量 110g/m2(刷毛・ローラ塗り)
 【上塗り】
 中塗り塗装後 1日以上,15日以内(替ケレン-2,3,4 全面塗装)
 長油性フタル酸樹脂塗料上塗: 使用量 105g/m2(刷毛・ローラ塗り)
 
 【備考】
 この塗装系は,厚膜型変性エポキシ樹脂系塗膜の上に長油性フタル酸樹脂塗料中塗を塗付ける仕様である。この塗料組合せでの塗膜間付着性を検討し,塗装間隔 4日(20℃)以上経過した場合に付着性が低下することが明らかとなった。
 そこで,替ケレン-2,3 では,塗装間隔を 4日以内と短くした。この期間を過ぎて塗装する場合には,面あらし等の付着性を確保するための調整を行う必要がある。
 替ケレン-4 では,補修塗装面積が非常に小さいので,実用上で塗膜間付着性が問題とならないので,一般的な塗装間隔 1日以上,7日以下としている。

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