防食概論塗装・塗料

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 ここでは,鉄道の既設の鋼橋に適用される塗替え塗装の中で,一般環境で定期的塗り替え塗装などに用いられる 【一般外面・塗装系 BMU 】, 【塗装仕様】, 【厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料の品質】, 【ポリウレタン樹脂塗料上塗の品質】, 【長油性フタル酸樹脂塗料の品質】 を紹介する。

 鉄道橋の防食塗装(塗替え塗装)

 一般外面・塗装系 BMU

 「塗装指針」 2013;第Ⅲ編 既設構造物 第 A2章 塗装系選択, 一般外面の塗装系

 塗替え塗装は,旧塗膜を完全除去する塗膜更新と,防食性能が健全な旧塗膜を活用するための活膜を残す塗替え塗装に分けられる。
 ここでは,一般的に実施されている活膜を残した塗替え塗装を中心に紹介する。
 塗膜調査の結果で塗膜劣化度 P-Ⅱ~Ⅳと判定された場合,すなわち素地調整(替ケレン 2,3,4 )で旧塗膜(活膜が残存する場合,及び塗膜劣化度 Q-Ⅰ~Ⅲと判定され部分ケレンで旧塗膜(活膜が残存する場合の塗替え塗装である。
 この場合には,適用する塗替え塗装系と旧塗膜との付着性(新・旧塗膜間の層間付着性)などの相性を確認した上で塗装系を選定する。
 なお,施工計画に際して,個々のケースでの相性確認は必要であるが,通常は,施工現場及び施工時の気象条件を検討し,水系塗料の採用が可能か否かで,塗替え塗装系が採用できる旧塗膜が分けられる。
 水系塗料を施工できない場合塗替え塗装系 BMU
 旧塗膜:塗装系 BMU,(塗装系 B,塗装系 D )
 塗装系の特徴一般環境で 10~15年程度の定期的塗り替え塗装に向く中期耐久型の塗装系である。

 「塗装指針」 2013;第Ⅰ編 塗装一般 第 D章 解説(塗装系の特徴), 塗装系 BMU

 新設時の塗装系 BMU1 は,10年程度の臨時的な使用を目的とした鉄桁等鋼構造物や 10年程度での定期的塗替えを計画する鉄桁等鋼構造物に適用することを前提としている。

 定期的塗替えを目的とした場合

 新設時の塗装では,旧塗膜との層間付着性に優れる変性エポキシ樹脂塗料を下塗りに,上塗りには耐候性に優れるポリウレタン樹脂塗料上塗を用いた塗装系 BMU1のみの適用とした。
 塗替え塗装に用いる塗装系 BMUには,定期的塗り替え期間が比較的長期の場合や優れた景観性が求められる場合に適用できる耐候性に優れるポリウレタン樹脂塗料上塗を用いた塗装系 BMU1,定期的塗り替え期間が 10年程度の比較的短いの場合や優れた景観を必要としない場合に適用できる塗装系 BMU2の 2種が規定されている。
 塗装系 BMU1は,下塗に厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料を用い,上塗りにポリウレタン樹脂塗料上塗を用いた塗装仕様であるが,塗装系 BMU2は,下塗に厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料を用い,中・上塗りに長油性フタル酸樹脂塗料を用いた塗装仕様である。

 硬化機構と塗装間隔

 厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料は,二液硬化形(主剤と硬化剤を混合するタイプ)の塗料であるため,通常の条件(気温20℃)では約 2週間で反応が終了する。このために,塗装間隔の制限が厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料とポリウレタン樹脂塗料を塗り重ねる場合には 7日間,塗替えで長油性フタル酸樹脂塗料を塗り重ねる場合には,替えケレン種別により 4日間または 7日間と短い。
 なお,長油性フタル酸樹脂塗料などの油性系塗膜の上に,厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料を塗り重ねる場合には,油性系塗料の塗装後 2年以上経過していなければならない。2年以内に塗装しなければならない時は,素地調整程度を替えケレン-1(油性系塗膜の全面はく離)替えて,塗膜更新として施工しなければならない。

 その他注意事項

 塗替え時の塗装系 BMU2では,長油性フタル酸樹脂塗料を中・上塗りに用いているため,鋼・コンクリート合成桁や跨線橋取り付け階段等の鋼材とコンクリート面が接触している個所では,直接あたる雨水や結露による水がコンクリートとの接触によりアルカリ性になり,塗膜を劣化・分解(アルカリ性によるけん化)させることになるので注意が必要である。

 「塗装指針」 2013;第Ⅲ編 既設構造物 第 A3章 塗装仕様(施工上の留意点), 塗装系 BMU

 新設時から 10年程度の定期的塗替えを計画した構造物では,多くの場合は塗膜表層の劣化のみで,さび面積率約 0.04%未満の状況,すなわち素地調整種別替ケレン-4での塗替え塗装が可能な状況で維持管理される。
 しかし,それまで塗膜劣化評価の結果を受けて塗替え塗装されてきた既設構造物を,途中の段階で定期的塗替え対象の構造物に変更した場合には,初回の塗替え塗装は,素地調整種別がさび発生面積率約 0.4%程度の替ケレン-3(場合によっては,さび発生面積率約 1%程度の替ケレン-2 )での塗替えとなる。
 替ケレン‐3や 2では,素地の露出した個所の面積が多くなるが,適切な素地調整と塗装の実施で,次回の定期的塗替え塗装からは替ケレン-4での塗装仕様が可能になる。

 塗装系 BMU 1 と BMU 2 の使い分け

 原則的には,前項の鋼鉄道橋・塗替え塗装の基本で紹介した塗装系の選択に従うが,これまで不定期での塗替え塗装をしていた構造物を,新たに定期的塗替えの対象とした場合には,原則とは異なる状況も十分に想定される。
 この場合には,塗替え時の塗装系 BMU1 塗装系 BMU2 の使い分けは,塗替え対象の構造物の要求性能,次に示す塗装系の特徴の違いなどを考慮して決めるのが良い。
 
   ・旧塗膜上の塗膜厚みの増加量BMU1 (大,約 85μm), BMU2 (小,約 55μm)
   ・溶剤の溶解性BMU1 (高い), BMU2 (低い)
   ・景観維持BMU1 (長期), BMU2 (中期)
   ・旧塗膜への適合性BMU1 (○:B,D,BMU1,G,T,△:E,×,その他の塗膜)
                 BMU2 (○:B,D,△:BMU1,G,T,×:E,その他の塗膜)

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 塗装仕様

 【塗装系 BMU 1 】

 素地調整種別替ケレン-3 では補修塗装 1 回を含む 3層塗りの塗装系である。替ケレン-4 では,補修塗装を省略でき,2層塗りの塗装系である。
 素地調整
 替ケレン-1,2,3 (一般環境:動力・手工具で除錆度-3以上,腐食性環境:腐食部の部分ブラストを推奨)
 替ケレン-4 (研磨紙等での面粗し)
 下塗り塗装
  素地調整後その日のうち(替ケレン-1 は全面塗装,替ケレン-2,3 鋼露出部のみの補修塗装,替ケレン-4 は全面塗装)
 厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料: 使用量 200g/m2(刷毛・ローラ塗り)
  ①塗装後 1日以上,7日以内(全面塗装,替ケレン-4 は省略可)
 厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料: 使用量 200g/m2(刷毛・ローラ塗り)
 中塗り塗装 : なし
 上塗り塗装
 下塗り塗装後 1日以上,7日以内(全面塗装)
 ポリウレタン樹脂塗料上塗: 使用量 110g/m2(刷毛・ローラ塗り)
 
 【備考】
 塗装系BMU1では,厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料に中塗り塗料を介さずに,直接ポリウレタン樹脂塗料上塗を塗り付ける。このため,厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料中の液状成分がブリードし変色する場合も推測される。
 また,採用する色彩によっては,隠ぺい力が不足し,下塗り塗膜の色を完全に覆うことができず,所期の色と異なる可能性があるので,色の選択には留意する必要がある。
 塗装後のトラブル回避のためには,このような本塗装系の特徴を発注者と受注者で事前に了解したうえで塗装設計を行うことが肝要である。

 【塗装系 BMU 2 】

 塗装系 BMU2 は,新設時より 10年程度の定期的塗替え塗装(腐食発生前に替ケレン-4 で塗替え塗装)が実施されている構造物のために開発されたコスト低減型塗装系である。
 10年程度の景観保持の場合は,耐候性に優れるポリウレタン樹脂塗料では,過剰スペックとなる。このため,上塗りに油性系塗料を用いた仕様になっている。
 替ケレン-4 では,素地調整で鋼が露出する個所は,点さびの個所,表面粗し作業で塗膜を削り過ぎた個所のみで,面積率 5%未満の補修塗装を含む 3層塗りの塗装仕様である。
 しかし,替ケレン‐2,及び 3で塗り替える場合には,補修塗装となる面積が多くなり,補修塗装 2回を含む 4層塗りの塗装仕様である。
 なお,替ケレン-1 を適用しなければならない場合は,塗装系の変更を検討する。
 素地調整
 替ケレン-2,3(一般環境:動力・手工具で除錆度-3以上,腐食性環境:部分ブラストを推奨)
 替ケレン-4 (研磨紙等での面粗し)
 下塗り塗装
  素地調整後その日のうち(替ケレン-2,3,4 鋼露出部のみの補修塗装)
 厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料: 使用量 200g/m2(刷毛・ローラ塗り)
  ①塗装後 1日以上,7日以内(替ケレン-2,3 鋼露出部のみの補修塗装,替ケレン-4 では省略可)
 厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料: 使用量 200g/m2(刷毛・ローラ塗り)
 中塗り塗装
 下塗り塗装後 1日以上,4日以内(替ケレン-2,3 全面塗装),7日以内(替ケレン-4 全面塗装)
 長油性フタル酸樹脂塗料中塗: 使用量 110g/m2(刷毛・ローラ塗り)
 上塗り塗装
 中塗り塗装後 1日以上,15日以内(替ケレン-2,3,4 全面塗装)
 長油性フタル酸樹脂塗料上塗: 使用量 105g/m2(刷毛・ローラ塗り)
 
 【備考】
 この塗装系は,厚膜型変性エポキシ樹脂系塗膜の上に長油性フタル酸樹脂塗料中塗を塗付ける仕様である。この塗料組合せでの塗膜間付着性を検討し,塗装間隔 4日(20℃)以上経過した場合に,付着性の低下事例が見られた。
 そこで,替ケレン-2,3 では,塗装間隔を 4日以内と短くした。この期間を過ぎて塗装する場合には,面あらし等の付着性を確保するための調整を行う必要がある。
 なお,替ケレン-4 での補修塗装面積が非常に小さいく,実用上で塗膜間付着性が問題とならないため,一般的な塗装間隔 1日以上,7日以下としている。

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 厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料の品質

 「塗装指針」 2013;附属書 A 塗料規格及び試験方法
 SPS 66099-12 (1)厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料

 品質
 下表には,厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料塗料品質,比較のため JIS K 5551 2018「構造物用さび止めペイント」C種(反応硬化形変性エポキシ樹脂系塗料)の品質を紹介する。なお,C種には,常温で用いる 1号と低温で用いる 2号がある。
 JIS 等で規定される品質の「塗装作業性」,「塗膜の外観」については,これらの品質に適合しない塗料の販売が考え難いこと,また,他の品質を検査する際にこの品質は容易に把握できることから,鉄道では,全ての塗料規格でこれらの品質を規定していない。また,実環境で 2年程度の「耐候性」(屋外暴露耐候性)を規定していない。これは,塗料成分の規定により,塗膜の機械的,化学的,及び耐久性の室内試験を行うことで,耐候性が確保できると考えているためである。

厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料
  項  目    SPS 66099-12(1)(常温用)    JIS C種 1号(常温)    SPS 66099-12(1)(低温用)    JIS C種 2号(低温) 
  顔料(質量分率 %)    20以上    ―    20以上    ― 
  変性エポキシ樹脂または 
  変性ポリオール
(質量分率 %) 
  15以上    ―    15以上    ― 
  硬化剤(質量分率 %)    3以上    ―    3以上    ― 
  溶剤(質量分率 %)    40以下    ―    40以下    ― 
  加熱残分 %    60以上    ―    60以上    ― 
  塗膜中の鉛(質量分率 %)    0.06以下 
  塗膜中のクロムの定量
  (質量分率%) 
  0.03以下 
  容器の中での状態    かき混ぜたとき,堅い塊がなくて一様になる。 
  半硬化乾燥性    常温 16時間    低温 24時間 
  塗装作業性    ―    支障がない。    ―    支障がない。 
  塗膜の外観    ―    正常である。    ―    正常である。 
  ポットライフ    23℃ 5時間    5℃ 5時間 
  たるみ性    ―    たるみがない。
  (すき間200μmで流れがない) 
  ―    たるみがない。
  (すき間200μmで流れがない) 
  上塗り適合性    支障がない。 
  耐衝撃性    割れ及びはがれがない。 
  耐屈曲性    直径10mmの折り曲げに
  耐えるものとする。 
  ―    直径10mmの折り曲げに
  耐えるものとする。 
  ― 
  付着性    分類 1以下    分類 1又は分類 0 
  耐熱性    ―    160℃で 30分加熱しても,
  塗膜に異常がなく,付着性が
  分類 2以上であること。 
  ―    外観が正常である。
  試験後の付着性試験で
  分類 2,分類 1,又は分類 0 
  冷熱繰返し試験    冷熱繰返しに耐えるものとする。    ―    冷熱繰返しに耐えるものとする。    ― 
  サイクル腐食性    さび,膨れ,割れ及びはがれがない。(120サイクル) 
  屋外暴露耐候性    ―    さび,膨れ,割れ 及び
  はがれがない。(24か月
  ―    さび,膨れ,割れ及び
  はがれがない。(24か月

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 ポリウレタン樹脂塗料上塗の品質

 「塗装指針」 2013;附属書 A 塗料規格及び試験方法
 SPS 66099-11 ポリウレタン樹脂塗料上塗

 品質
 下表には,ポリウレタン樹脂塗料上塗塗料品質,比較のため JIS K5659 2018 「鋼構造物用耐候性塗料」上塗り 2級(ポリウレタン樹脂塗料相当))の品質を紹介する。
 JIS 等で規定される品質の「塗装作業性」,「塗膜の外観」については,これらの品質に適合しない塗料の販売が考え難いこと,また,他の品質を検査する際にこの品質は容易に把握できることから,鉄道では,全ての塗料規格でこれらの品質を規定していない。

ポリウレタン樹脂塗料上塗
  項  目    SPS 66099-11 上塗    JIS K 5659 上塗り 2級 
  顔料(質量分率 %)    5以上    ― 
  ポリオール樹脂(質量分率 %)    13以上    ― 
  硬化剤(質量分率 %)    1以上    ― 
  溶剤(質量分率 %)    白・淡彩 50以下,他の色 60以下    ― 
  NCO基の定性    NCO基があるものとする。    - 
  混合塗料中の加熱残分 %    白・淡彩は 50以上,その他の色は 40以上 
  塗膜中の鉛(質量分率 %)    0.06以下    - 
  塗膜中のクロム(質量分率 %)    0.03以下    - 
  容器の中での状態    かき混ぜたとき,堅い塊がなくて一様になる。 
  低温安定性(-5±2℃)    -    変質しない。( B種のみ) 
  表面乾燥性    -    表面乾燥する。(常温 8 時間後,低温 5 ℃ 16 時間後) 
  乾燥時間    23℃で 8時間以下,5 ℃で 16時間以下    - 
  塗膜の外観    -    塗膜の外観が正常であるものとする。 
  ポットライフ    規定時間(5 時間)後,使用できる。 
  隠ぺい率    白・淡彩は 90以上,鮮明な赤,及び黄は 50以上,その他の色は 80以上 
  鏡面光沢度(60度)    80 以上    70 以上 
  耐屈曲性    折曲げに耐える。( 10mmマンドレル) 
  耐おもり落下性(デュポン式)    塗膜に割れ,及びはがれが生じない。 
  層間付着性 Ⅱ    異常がない。 
  耐アルカリ性,耐酸性    -    異常がない。(水酸化カルシウム水,硫酸水) 
  耐湿潤冷熱繰返し性    -    湿潤冷熱繰返しに耐える。 
  促進耐候性    照射時間 500時間で塗膜に,膨れ・はがれ・割れがなく,
  光沢保持率は,70%以上で,
  色の変化の程度が見本品に比べて大きくなく,
  白亜化等級が 1以下とする。 
  照射時間 1000 時間で塗膜に割れ・はがれ・膨れが無く,
  色の変化が大きくなく,
  白亜化の等級が 1 又は 0,光沢保持率 80%以上。 
  屋外暴露耐候性(24か月)    -    塗膜に割れ・はがれ・膨れが無く,色の変化が大きくなく,
  白亜化の等級が 2,1 又は 0 ,光沢保持率 40%以上。 

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 長油性フタル酸樹脂塗料の品質

 「塗装指針」 2013;附属書 A 塗料規格及び試験方法
 SPS SPS 66033-4 長油性フタル酸樹脂塗料

 品質
 下表には,長油性フタル酸樹脂塗料塗料品質,比較のため JIS K5516 2019 「合成樹脂調合ペイント」2 種(大形鉄鋼構造物用)の品質を紹介する。
 JIS 等で規定される品質の「塗装作業性」,「塗膜の外観」については,これらの品質に適合しない塗料の販売が考え難いこと,また,他の品質を検査する際にこの品質は容易に把握できることから,鉄道では,全ての塗料規格でこれらの品質を規定していない。また,実環境で 2年程度の「耐候性」(屋外暴露耐候性)を規定していない。これは,塗料成分の規定により,塗膜の機械的,化学的,及び耐久性の室内試験を行うことで,耐候性が確保できると考えているためである。

長油性フタル酸樹脂塗料
  項  目    66033-4 中塗    JIS K5516( 2種中塗)    66033-4 上塗    JIS K5516( 2種上塗) 
  顔料(質量分率 %)    40以上    ―    20以上    ― 
  長油性フタル酸樹脂
  (質量分率 %) 
  15以上    ―    25以上    ― 
  溶剤(質量分率 %)    35以下    ―    40以下    ― 
  加熱残分 %    65 以上    60 以上 
  塗膜中の鉛(質量分率 %)    0.06以下    ―    0.06以下    ― 
  塗膜中のクロム(質量分率 %)    0.03以下    ―    0.03以下    ― 
  容器の中での状態    かき混ぜたとき,堅い塊がなくて一様になる。 
  塗装作業性    ―    はけ塗りで塗装作業に
  支障があってはならない。 
  ―    はけ塗りで塗装作業に
  支障があってはならない。 
  乾燥時間(表面乾燥性)    16 時間以内 
  指触乾燥性    1時間以下で
  指触乾燥してはならない。 
  ―    1時間以下で
  指触乾燥してはならない。 
  ― 
  塗膜の外観    ―    塗膜の外観が
  正常であるものとする。 
  ―    塗膜の外観が
  正常であるものとする。 
  隠ぺい率 %(白及び淡彩)    85 以上    90 以上 
  鏡面光沢度( 60度 )    ―    80 以上 
  重ね塗り適合性    ―    重ね塗りに支障があってはならない。 
  上塗り適合性    上塗に支障があってはならない。    ― 
  耐屈曲性    折り曲げに耐える。(6mm)    ―    折り曲げに耐える。(6mm)    ― 
  耐塩水性    ―    塩化ナトリウム溶液に浸しても,異常がないものとする。 
  促進耐候性    ―    *1 
  屋外暴露耐候性    ―   
 *1 促進耐候性:膨れ,割れ及びはがれの等級は 0 であり,色とつやの変化の程度が見本品に比べて大きくないものとする。また,白及び淡彩では,白亜化の等級が 1 以下とする。
 *2 屋外暴露耐候性:2年間の試験で,膨れ,はがれ及び割れがなく,色とつやの変化の程度が見本品に比べて大きくないものとする。また,白及び淡彩では,白亜化の等級が 4 以下とする。

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