JIS K 5600_6_1

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「塗料一般試験方法−第6部:塗膜の化学的性質−第1節:耐液体性(一般的方法)」
Testing methods for paints−Part 6:Chemical property of film−Section 1:Resistance to liquids (General methods)

 【JIS規格の目次】(ここでは赤字の項目を説明)
 序文,1 適用範囲,2 引用規格,3 原理,4 必要な捕捉情報,5 試料採取方法,6 試験板(6.1 材料及び寸法,6.2 調整及び塗装,6.3 乾燥,6.4 塗膜厚),7 方法1(浸漬法)(7.1 必要な材料,7.2 試験温度,7.3 必要な注意,7.4 手順A(単一の液相を使用),7.5 手順B(2液相を使用)),8 方法2(吸収媒体法)(8.1 必要な材料,8.2 試験温度,8.3 手順),9 方法3(点滴法)(9.1 必要な材料,9.2 試験温度,9.3 手順),10 精度,11 試験報告
 附属書A(規定)必要な捕捉情報
 
 【序文】
 この規格は,ISO 2812-1:1993, Paints and varnishes – Dtermination of resistance to liquids – part1: General methodsを翻訳したものである。
 
 【適用範囲】
 この規格は,液体の作用に対する,塗料又は関連製品の単一塗膜又は多層塗膜系の抵抗性(耐性)を測定するための一般的方法を規定する。
 ここには3種の方法が規定されており,それらは,試験する材料の個々の必要性によって適用が異なる。
 方法1は,方法2又は方法3によるよりも長期の暴露期間を要する,より抵抗性の高い塗膜に対して適用される。
 この方法は,塗膜に対する試験液の影響及び必要ならば,素地の損傷を評価することができる。

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 【原理】

 塗装試験板を,三つの規定された方法の一つの方法で液体と接触させる。その影響を受渡当事者間の協定に基づく基準によって評価する。これらの規準は通常,主観的なものである。

 【必要な補足情報】

 試験方法は,いかなる特定の用途に対しても,補足情報によって補完しなければならない。補足情報の各項は,附属書Aに規定する。

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 【試料採取方法】

 試験する製品(又は多層塗膜系の場合は,各製品=塗料ごとに)の代表的試料をJIS K 5600-1-2 「塗料一般試験方法‐第1部:通則‐第2節:サンプリング」に従って採取する。
 それぞれの試験するサンプルは, JIS K 5600-1-3「塗料一般試験方法‐第1部:通則‐第3節:試験用試料の検分及び調整」に従って検分し,調整する。

  

 【試験板】

 材料及び寸法
 試験板
 他に規定,又は受渡当事者間の協定がなければ,試験板はJIS K 5600-1-4「塗料一般試験方法-第1部:通則-第4節:試験用標準試験板」に従って,鋼,ぶりき,アルミニウム,又はガラスを用いる。その寸法は約150mm×100mm×(0.75~1.25)mmとする。
 方法1だけに用いる)
 個々の棒の一端は,ほぼ棒それ自身の半径まで丸くする。他に規定がなければ,棒は鋼製とする。
 備考:棒の適切な寸法は,長さ150mm×直径15mmとする。方法1で棒を用いる目的は,エッジ効果を除くためである。
 
 調整及び塗装
 試験板
 他に規定がなければ,それぞれの試験板はJIS K 5600-1-4「試験用標準試験板」に従って調整する。次に,試験する製品又は塗膜系の規定に従って塗装する。
 備考:方法1に関して,通常,試験板の両面,及び端部を塗装するのが望ましい。両面とも試験する製品,又は塗膜系で塗装するか,それとも裏面は適当な保護塗料で塗装するか,あらかじめ決めておく必要がある。
 規定されているならば,試験板の端部は,試験する製品,又は塗膜系で塗装後,適切な方法でシールする。
  規定に従って各々の棒を調整し,次に試験する製品,又は塗膜系で規定された方法によって塗装する。
 
 乾燥
 個々の試験片を規定の時間,乾燥(又は焼付け)及び(適用するならば)養生する。
 他に規定がなければ,温度23±2℃,相対湿度50±5%で少なくとも16時間,試験片を静置し,引き続いて必要な試験手順をできるだけ速やかに行う。
 
 塗膜厚
  JIS K 5600-1-7「塗料一般試験方法-第1部:通則-第7節:膜厚」に規定されている手順の一つによって,乾燥塗膜の厚さをマイクロメートル単位で測定する。

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 【方法 1(浸せき法)】

 必要な材料
 試験液
 規定されたもの。
 
 試験温度
 他に規定がなければ,温度23±2℃で試験する。
 
 必要な注意
 ● 試験片は,別々に試験液に浸せきするほうがよい。特に電気伝導度の高い溶液を用いる場合,電解質の影響が無視できなくなる。
 一つの槽に数個の試験片を浸せきしたほうが便利である場合には,同じ性質の試験片について,試験液が試験片による影響を受けないことを確認するために,個々に注意が必要である。
 ● 試験片は少なくとも,槽の側面から30mm,数個の試験片を同一槽に浸せきする場合は,互いに30mm以上離す。試験片はその支持具から電気的に絶縁する。
 
 手順 A(単一の液相を使用)

  • 他に規定がなければ,試験は3回繰り返して行う。
  • 規定によって,試験片(板又は棒)を完全に,又は部分的に浸せきする適切な容器に十分な量の試験液を入れる。試験片を垂直に,必要ならば,適切な支持具を用いて保持する。
  • 飛まつ,及び蒸発による溶液の減少を少なくするため,試験期間中は容器にふたをする。
  • 規定があれば,試験液をエアバブリング,かくはん又は循環させる。エアバブリングは,油又はグリースを含まない空気のゆっくりとした流れによって行う。
     初期の容量,又は濃度を維持するため,規定があるならば,試験液又は蒸留水を一定間隔で補充することによって,液の減少を防ぐ。
  • 規定の浸せき期間の終了時に,水溶液で試験された場合は流水で試験片を十分に洗う。また,非水溶液が使用された場合には,塗膜に影響を与えないことが分かっている溶剤で洗浄する。
     次いで,吸収紙又は布で軽くたたいて,残存している溶液を表面から除去する。次に直ちに,JIS K 5600-8-2「塗料一般試験方法-第8部:塗膜劣化の評価-第2節:膨れの等級」に従って,試験片の膨れ,又はその他の損傷を観察する。必要ならば,同時に作製した,未使用の試験片と比較する。
     端部の影響による損傷は無視する。規定されていれば,その回復期間の後,観察と比較を繰り返す。
  • 素地の損傷について検査する必要があるならば,塗膜を規定の方法によってはく離する。

 
 手順 B(2 相液を使用)
  • 他に規定がなければ,試験は3回繰り返して行う。
  • 塗装した試験片を適当な容器の中へ,ほぼ垂直に適切な支持具に載せて挿人する。板の場合は100mmの側を水平にして挿入する。
  • 使用直前に各試験液を容器に満たす。
  • 比重の高いほうの液を,試験片(板又は棒)が他に規定しない限り,75mmの深さまでひたるように,注意して容器の側面に注ぐ。この位置以上に試験片が汚染することがないよう注意する。
  • 同様にして第二の試験液を,他に規定しない限り,試験片がさらに75mmひたるように加える。容器にふたをし,かくはんしないで静置する。
  • 規定時間の最後に,試験片を試験液から取り出し,適切な吸収紙又は布で軽くたたいて表面から試験液を除去し,直ちに JIS K 5600-8-2「膨れの等級」による膨れの観察,又は各々の試験液相に接した塗膜の損傷の観察を行う。
     必要ならば,同時に作成した未試験の試験片と比較する。端部からの損傷は無視する。規定があれば,規定された回復期間の後,観測と比較とを繰り返す。
     もし,途中の観察が規定されているならば,試験液から試験片を取り出し,表面から試験液を除去し,上記と同様に観察する。次いですべての浸せき手順を繰り返す。
  • 素地の損傷に対する観察が必要であれば,規定の方法によって塗膜をはく離する。

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 【方法 2(吸収媒体法)】

 必要な材料
 吸収材製の円盤
 直径約25mmで,試験液の作用を受けない円盤。
  備考:大部分の目的に対して,1.25mmの厚さの圧縮した板紙が適切である。
 試験液
 規定された溶液。
 時計皿
 直径約40mmの湾曲面が円盤に接しないような湾曲をもった時計皿。
 
 試験温度
 他に規定がなければ,温度23±2℃で試験する。
 
 手順

  • 他に規定がなければ,試験は3回繰り返して行う。
  • 試験板を水平に置く。吸収円盤を必要な数だけ試験液に浸す。過剰の試験液を洗い流す。
     試験板の上に円盤を等間隔に,端部から12mm以上離して置く。
     時計皿で別々に円盤を覆う。
  • 各円盤の位置を適当な方法で記録する。通風のない雰囲気中で,試験後異常のなかった試験板を残す。
     試験期間は7日を超えてはならない。揮発性の試験液の場合には,より以上に液で飽和させた円盤に変える必要があるかもしれない。このことは試験報告に記録する。
  • 規定の期間後,円盤を取り除き,水溶液を試験液とした場合は試験板を流水で十分に洗う。また,非水溶液の場合は,塗膜に影響を与えないことが分かっている溶剤で洗う。表面を吸収紙又は布で軽くたたき,残った試験液をすべて表面から除去する。
     その後直ちに,JIS K 5600-8-2「膨れの等級」 による膨れの観察,その他の塗膜の損傷を観察する。規定されているならば,その回復期間の後,観察と比較を繰り返す。
  • 素地の損傷に対する観察が必要であれば,規定の方法によって塗膜をはく離する。

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 【方法 3(点滴法)】

 必要な材料
 規定された試験液。
 
 試験温度
 他に規定がなければ,温度23±2℃で試験する。
 
 手順

  • 他に規定がなければ,試験は3回繰り返して行う。
  • 試験板を水平に置く。試験液の液滴を適切な数だけ塗膜の上に落とす
     液滴は各々,体積で約0.1mlとする。液滴の中央が互いに20mm,試験板の端部から12mm離れていることを確認する。
  • 空気の出入りを自由にして,規定された期間中,異常のなかった試験板を残す。もし規定されているならば,過度の蒸発を防ぐために試験面を適切な方法で覆う。
  • 規定期間後に,試験液が水溶液の場合は流水で,非水溶液の場合には塗膜に影響のないことが分かっている溶剤で,十分に洗浄する。その後直ちに,塗膜の損傷の徴候を観察する。
  • 素地の損傷の徴候を観察する必要があれば,規定された方法で塗膜をはく離する。

  

 【附属書 A(規定) 必要な補足情報】

 この附属書Aの補足情報の各項目は,その方法の実施が適している場合に補足する。必要な情報は受渡当事者間で協定するのが望ましく,また,試験する製品について,国際規格又は国内規格若しくはその他の文書の一部又は全部が引用されることもある。
 a) 塗装する素地の性質。
 b) 素地への試験する塗料の適用方法,及び試験板の端部の被覆と裏面の保護の詳細。
 c) 塗膜の乾燥(又は焼付け)条件と乾燥期間及び(必要ならば)養生方法。
 d) 乾燥塗膜のマイクロメートル単位の膜厚,及びそのJIS K 5600-1-7「膜厚」による測定方法,及び単一塗膜系か多層塗膜系かの違い。
 e) 浸せき液又は試験に用いた溶液の詳細な記述。
 f) 用いた試験方法,試験期間及び試験温度(もし標準の23±2℃とは異なるなら)のようにその詳細な記述。
 方法1を用いた場合,補足する情報に浸せきの深さ,板か棒のどちらを用いたか,エアバブルかくはん又は循環のいずれか,及び初期の濃度か,体積のどちらを保持したかなどの詳細を含める。
 方法 2 を用いた場合は,補足する情報に圧縮板紙の詳細と円盤の交換が必要であるかどうかを含める。
 また,方法 3 を用いた場合は,試験面をカバーしたかどうかを情報に含める。
 g) 実施すべき試験塗膜の検査時期と方法,適用した場合,回復期間の詳細,必要ならば素地から塗膜をはく離する方法。
 h) 塗膜の抵抗性の評価に当たって考慮されなければならない,試験する塗膜及び素地の特性。

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