JIS K 5601_1_1 塗料成分試験方法−第1部-第1節:試験一般(条件及び方法)

 JIS K 5601-1-1 1999年版  塗料成分試験方法−第1部:通則−第1節:試験一般(条件及び方法) ( Testing methods for paint components Part 1 : General rule−Section 1 : Common test conditions for paint components )について  【序文・目次・適用範囲】,   【3. 共通事項(一般事項)】 に分けて紹介する。

 序文・目次・適用範囲

 序文
 この規格は,国際整合化の一環として作成した日本工業規格である。この規格と対応するISO規格は現存しないが,塗料製品規格の改正に当たって必要なので,一連の規格として追加して作成したものである。
 
 JIS規格の目次(ここでは赤字の項目を説明)
 序文,1 適用範囲,2 引用規格,3 共通事項3.1 一般事項,3.2 安全に関する注意事項,3.3 滴定液・指示薬・緩衝液の調整)
 
 1. 適用範囲
 この規格は,塗料成分試験方法の共通事項について規定する。
 
 この規格は,塗料成分試験に用いる分析方法,用具,及び操作などに関連する共通事項,試験に用いる試薬等の調整について規定している。
 ここでは,実際の分析に用いる滴定液・指示薬・緩衝液の調製法の紹介は省略し,3.1 共通事項と 3.2 安全に関する注意事項の概要を紹介する。

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 3. 共通事項(抜粋)

 3.1 一般事項
 3.1.1 通則
  塗料の成分試験において,特に規定のない場合は,化学分析に共通する一般事項は,JIS K 0050「化学分析方法通則」,
 滴定液・指示薬・緩衝液の調製に共通する一般事項はJIS K 8001「試薬試験方法通則」,及び JIS K 8005「容量分析用標準物質」,
 電位差滴定方法に共通する一般事項はJIS K 0113「電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則」,
 ガスクロマトグラフ法に共通する一般事項はJIS K 0114「ガスクロマトグラフ分析通則」,
 吸光光度法に共通する一般事項はJIS K 0115「吸光光度分析通則」,
 赤外分光法に共通する一般事項はJIS K 0117「赤外分光分析方法通則」による。
 3.1.2 ろ紙
 ろ紙はJIS P 3801「ろ紙(化学分析用)」に規定するもの,
 3.1.3 器具類
 分析に用いるガラス器具類は, JIS R 3503「化学分析用ガラス器具」に規定するもの,
 ガラス体積計は,JIS R 3505「ガラス製体積計」に規定するもの,
 磁器器具は,JIS R 1301「化学分析用磁器るつぼ」に規定するもの,
 加熱操作を伴う場合の器具は,JIS R 3503 のほうけい酸ガラス−1 を用いる。
 3.1.4 試薬
 a) 試薬は,JIS マーク表示のものを用いる。JIS表示許可品として指定されていない試薬は,試験に支障のないものを用いる。滴定液類の標定には,JIS K 8005「容量分析用標準物質」に規定する試薬を用いる。
 b) 試薬類の調製において,溶液名の後に ( ) で示される濃度は,およその濃度であることを意味する。 例えば,水酸化カリウム−エタノール溶液 ( 0.5mol/l) は,約 0.5mol の水酸化カリウムをエタノールに溶かして 1リットルとするときの濃度であることを示す。また,溶液名の前に示される濃度は,正確な濃度を意味する。ただし,一般には,端数のない数値で示し,別にファクターを求めておく。
 c) 試薬類の調製に規定する水は,3.1.5 の水とするが,キレート滴定法の場合は,イオン交換水を用い,それぞれの項目中で規定されている場合には,それに従う。
 d) 標準原液を薄めて標準液を調製する場合には,10ml以上を全量ピペットで取る。
 3.1.5 水
 JIS K 0557「用水・排水の試験に用いる水」に規定する A-2,又は A-3の水による。
 参考
 A-2の水は,イオン交換法又は逆浸透膜法などによって精製した水を原料として用い,最終工程でイオン交換装置・精密ろ過器などの組合せによって精製したもの。
 A-3の水は,A2 の水を用い,最終工程で蒸留法によって精製したもの。
 3.1.6 二酸化炭素を含まない水
 水を平底フラスコに入れ,約 5分間沸騰させた後,水酸化カ リウム溶液(25 w/v%)を入れたガス洗浄瓶を取り付け,空気中の二酸化炭素を遮断して放冷したもの。こ の水は使用時に作る。
 3.1.7 溶存酸素を含まない水
 水を平底フラスコに入れ,約 5分間沸騰させた後,ガス洗浄瓶に水酸化カリウム溶液(25 w/v%)又はアルカリ性ピロガロール溶液を入れたものを取り付け,空気中の酸素を遮断して放冷したもの。この水は使用時に作る。
 3.1.8 液体試薬の薄め方
 液体試薬を薄めて用いる場合,例えば, 塩酸(1+2)は塩酸 1mlに対し水 2mlの割合で加えて調製したものである。
 3.1.9 溶液中の溶質の含有率
 溶液 100ml中の溶質(無水物換算)の g数を示すには,w/V%(weight/volume %)の記号を,ml数を示すには,V/V%(volume/volume %)の記号を用いる。
 3.1.10 正確に量り取る
 正確に量り取るとは,質量の場合は,原則として 0.1mgまではかり取る。ただし,分析値の表示けた数を考慮して必要なけたまではかり取ってもよい。体積の場合は,全量ピペット,メスピペット又はビュレットを用いて量り取る。
 3.1.11 滴数
 溶液量を滴数で示す場合は,約 1/20mlを 1滴とする。
 3.1.12 溶液の酸性,中性,アルカリ性
 溶液の酸性,中性,アルカリ性は,特に指定のない場合は,リトマス試験紙を用いて調べる。
 3.1.13 溶液の pH 値の調整
 溶液の pH値の調整は,特に規定のない場合は,pH試験紙を用いて行う。
 3.1.14 恒量
 恒量になるまで加熱するとは,引き続き,さらに 30分間加熱又は強熱し,デシケーター中で放冷したときの前後の質量差が,化学はかりを用い,原則として 1.0mg以下となった場合をいう。
 3.1.15 乾燥
 乾燥するとは,特に規定のない場合は,試験温度 ±2℃の温度を保持できる電気恒温器で規定時間乾燥する。
 3.1.16 デシケーターの乾燥剤
 特に規定のない場合は,シリカゲルを用いる。
 3.1.17 遠心分離機による分離
 特に規定のない場合は,沈殿管はガラス製又はステンレス鋼製とし,底が丸い容量約 50ml のもので,3 000〜15 000rpm の条件で行う。
 3.1.18 粉砕
 試料又は試薬をすりつぶして均一にすることで,特に規定のない場合はめのう製乳鉢を用いて行う。
 3.1.19 放冷
 特に規定のない場合は,自然に放置して室温まで温度を下げる。
 3.1.20 冷却
 特に規定のない場合は,冷水などを用いて室温まで温度を下げる。
 3.1.21 水浴上加熱
 特に規定のない場合は,沸騰している水浴上で加熱する。
 3.1.22 水浴中加熱
 特に規定のない場合は,沸騰している水浴中で加熱する。
 3.1.23 温水
 温度が 40~60℃の水をいう。
 3.1.24 熱水
 温度が 60℃以上の水をいう。
 3.1.25 室温
 試験室の雰囲気の温度をいい,5~35℃とする。
 3.1.26 有機溶剤を蒸留して除く
  三角フラスコに沸騰石を入れ,ト字形管及びリービッヒ冷却管を接続して,蒸留する有機溶剤の沸点より 10~20℃高い温度に調節した水浴上又はマントルヒーターに,三角フラスコを置いて加熱し,蒸留して有機溶剤を除く。共通すり合わせのガラス器具を用いると操作しやすい。
 3.1.27 数値の丸め方
 測定結果の数値は,有効数字の次のけたまで求めて,JIS Z 8401「数値の丸め方」によって丸める。
 
 3.2 安全に関する注意事項
 a) 有害又は刺激性ガスの発生がある場合は,排気装置のある場所又はドラフト内で操作する。
 b) 試験に用いた後の廃棄物などの取扱いは,関係法令・規則などに従って十分に注意する。

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