防食概論:塗料・塗装

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         半硬化乾燥

 JIS K 5500 「塗料用語」では,乾燥時間(drying time)とは,“塗料が乾燥(液体から固体に変化する過程の総称)するのに必要な時間”と定義されている。
 乾燥性の評価試験では,塗料に規定される条件下で,規定の時間経過した後に,塗膜の乾燥状態を評価することになる。
 一般的に,乾燥の条件には,自然乾燥,強制乾燥,加熱乾燥などがある。また,乾燥の状態には,指触乾燥(指で触っても指が汚れない程度),半硬化乾燥(指で軽くこすっても跡がつかない程度),硬化乾燥(指で強くつまんでもへこまず,強くこすっても傷つかない程度),表面乾燥(バロチニ法で落下させたガラス微粒子が付着せず傷つかない程度,上乾きともいわれ半硬化乾燥と同程度の状態)などの区分がある。
 
 次には,JIS K 5551「構造物用さび止めペイント」に規格される“半硬化乾燥性”の試験概要を示す。
 試験概要
   a) 試験板
 試験板は,JIS K 5600-1-4:2004「塗料一般試験方法−第1部:通則−第4節:試験用標準試験板(Testing methods for paints - Part 1:General rule - Section 4: Standard panel for testing)」の(溶剤洗浄による調整)による溶剤洗浄で調整した,大きさ200mm×100mm×2mmのガラス板を用いる。
 ガラス板は,JIS R 3202:2011「フロート板ガラス及び磨き板ガラス(Float glass and polished plate glass)」の板ガラスとする。
   b) 試験片の作製
 試料の調整は,「試験準備」の(試験片の作製,試料の調整)による。 試験板への試料の塗布は,JIS K 5960:2003「家庭用屋内壁塗料(Household paint for interior wall)」の附属書2(アプリケータ塗装)に規定するすき間100μmのフィルムアプリケータ塗りとする。
   c) 試験方法
 乾燥は,常温用の塗料の場合,JIS K 5600-1-1:1999「塗料一般試験方法−第1部:通則−第1節:試験一般(条件及び方法)Testing methods for paints−Part 1 : General rule−Section 1 : General test methods (conditions and methods)」の(常温乾燥)によって乾燥を行う。
 低温用の塗料の場合には,JIS K 5600-1-1の(低温乾燥)によって乾燥を行う。
   d) 評価,及び判定
 規定時間乾燥をした後, JIS K 5600-1-1半硬化乾燥指で軽くこすっても跡がつかない程度)によって評価し,塗面にすり跡がつかないときは“半硬化乾燥している”とする。
 
 【参 考】
 乾燥性の試験規格には,他にJIS K 5600-3-3:1999「塗料一般試験方法−第3部:塗膜の形成機能−第3節:硬化乾燥性(Testing methods for paints−Part 3 : Film formability−Section 3 : Through-dry)」もある。
 
 前項で紹介した JIS K 5659「鋼構造物用耐候性塗料」では,JIS K 5600-3-2「表面乾燥性(バロチニ法)」を用いて表面乾燥を評価している。
 ここで紹介したJIS K 5551「構造物用さび止めペイント」では,JIS K 5600-1-1の(半硬化乾燥)を用いて半硬化乾燥を評価している。
 表面乾燥と半硬化乾燥は,評価手法が異なるため異なる用語となっているが,軽度の物理作用で容易に傷がつかない程度に乾燥した状態と,評価の目的は同じである。

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