防食概論:塗料・塗装

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         はじめに

 JIS K 5500「塗料用語」では,塗料(coating material,coating)とは“素地に塗装したとき,保護的,修飾的,又は特殊性能をもったを形成する液状,ペースト状,又は粉末状の製品。流動状態で物体の表面に広げると薄い膜となり,時間の経過につれてその面に固着したまま固体の膜となり,連続してその面を覆うもの。”と定義している。
 同規格では,補足的に「塗料を用いて,物体の表面に広げる操作を塗るといい。固体の膜ができる過程を乾燥といい。固体の皮膜を塗膜という。流動状態とは,液状,融解状,空気懸濁体などの状態を含むものである。顔料を含む塗料の総称をペイントということがある。」と解説している。
 
 さらに,同JIS規格ではペイント(paint)を“素地に塗付したとき,保護,装飾又は特殊な性能を持つ不透明膜を形成する液状,ペースト状又は粉末状の顔料を含む塗料。”と定義している。
 また,「備考:広義では,顔料を含む塗料の総称。狭義では,顔料ボイル油で練り合わせて作った塗料をいう。」とも追加解説している。
 ここでは,鋼構造物,建築物などで保護を目的に用いられる主な塗料について,構成材料,塗料の特徴,及びJIS製品規格の概要を紹介する。

【基礎用語】

  • 樹脂(resin)
     固体,準固体,又は疑似固体の有機物。
     通常分子量が高く,熱すると一般に広い温度範囲で軟化又は溶融する。
     適切な溶剤に溶解(又は分散)し,その溶液を塗付すると連続した皮膜を作る。このような物質を総称して樹脂という。
     樹脂には,天然樹脂と合成樹脂の 2 種がある。
     
  • 合成樹脂塗料(synthetic resin coating)
     合成樹脂とは,“それ自身は樹脂の特性を持っていない分子から,重合,縮合のような制御された化学反応によって作られた樹脂”(JIS K 5500)をいう。
     一般的には,高分子化合物からなる物質の中で,人為的に製造されたものを指す。合成樹脂塗料とは,合成樹脂を塗膜形成要素とする塗料の総称である。
     
  • 熱可塑性樹脂(thermoplastic resin)
     熱可塑性とは,“熱を加えれば軟らかくなり,冷却すれば硬くなることを繰り返す性質”(JIS K 5500)をいう。すなわち,熱可塑性樹脂は,ガラス転移温度,又は融点を有する樹脂で,この温度まで加熱することによって軟らかくなり,目的の形に成形できる樹脂をいう。
     熱可塑性樹脂は,用途により汎用プラスチック,エンジニアリングプラスチック,スーパーエンジニアリングプラスチックに分けられる。
     汎用プラスチックは,家庭用品,電気製品の外箱,雨樋やサッシなどの建材,梱包資材等に大量に使われ,ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP),ポリ塩化ビニル(PVC)などがある。
     エンジニアリングプラスチック(エンプラと略称)は,家電品の歯車や軸受け,CDなどの強度や壊れにくさを要求される部分に使用され,ポリアミド(PA;ナイロン),ポリアセタール(POM),ポリカーボネート(PC)などがある。
     スーパーエンジニアリングプラスチックは,エンプラよりもさらに高い熱変形温度を持ち,長期使用出来る特性を持つ,略してスーパーエンプラとも呼ばれ,ポリテトラフロロエチレン(PTFE),非晶ポリアリレート(PAR),液晶ポリマー(LCP),ポリアミドイミド (PAI)などがある。
     
  • 熱硬化性樹脂(thermosetting resin)
     熱硬化性とは,“樹脂などが,加熱すれば硬化して不溶性・不融性になり,元の軟らかさには戻らない性質”(JIS K 5500)をいう。
     一般的には,熱重合以外にも何らかの反応により高分子の 3次元の網目構造を形成し,硬化して元に戻らなくなる樹脂をいう。加熱等により反応させて硬化させるタイプ,A 液( A 剤)と B 液( B 剤)を混ぜて硬化させるタイプがある。
     熱硬化性樹脂は硬く,熱や溶剤に強いので,家具の表面処理,耐熱部品,塗料などに使用される。主な熱硬化性樹脂には,フェノール樹脂(PF),エポキシ樹脂(EP),メラミン樹脂(MF),不飽和ポリエステル樹脂(UP),アルキド樹脂,ポリウレタン(PUR),シリコン(シリコーン)樹脂(SI)などがある。
     シリコン樹脂は,汎用されている一般名称ではあるが,厳密にはシリコーン樹脂というべきである。

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