防食概論:塗料・塗装

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         劣化耐候性鋼用・塗装系 WS

【適用範囲】(指針 Ⅰ-解-12ページ)
 塗装系 WS は,無塗装橋梁の腐食劣化した耐候性鋼に,延命化を目的に塗装する場合に適用するものである。
 この塗装系は,耐候性鋼を裸で使用している構造物,及び部材などで,保護性さび層が形成されず,そのまま放置したのでは,構造物,及び部材の設計寿命までの維持が困難と判断されたときに,延命化を目的に適用するものである。
 なお,過去の例から,構造物全体が処置の対象となるほどの腐食に至ることはなく,多くの場合は,雨洗効果が期待できない部材下面などが対象となる。すなわち,施工面積としては,全体の 1/4 程度ですむと考えられる。
 この塗装系は,素地調整として,ブラストを用いる仕様塗装系 WS1 )を基本とする。
 しかしながら,構造物構造や線区・架設環境の制約からブラスト処理を採用できない場合も想定される。
 そこで,やむを得ない場合の塗装仕様(塗装系 WS2 )も規定しているが,塗膜の耐久性が劣るため,早期の塗替え塗装が発生することになる。
 塗装で延命化した部位・部材の経年による塗替え塗装要否の判定は,塗装鋼製鋼構造物と同様に,判定法 P を準用(塗装部分にのみ適用)して対処することになる。

 

【塗装系 WS1 】

 鉄道総研で実施した試験(鉄道総研報告 Vol.15, No.7, 2001.7 )により,保護性のびが形成されない状況(架設環境など)では,厚く堆積したさび層中に,腐食を促進する塩化物イオンなどが蓄積している。
 このため,保護塗装塗膜の十分な耐久性を期待するためには,ブラスト工法の採用が必須である。
 
 【塗装仕様】
 【素地調整】
 層状の浮きさびが発生した部位・部材について,
 ブラスト処理で除錆度-2 以上
 
 【下塗り】
  素地調整後その日のうち(部分塗装)
 厚膜型エポキシ樹脂ジンクリッチペイント: 使用量 300g/m2(刷毛・ローラ塗り)
  ①塗装後 2日以上,1カ月以内(部分塗装)
 厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料: 使用量 200g/m2(刷毛・ローラ塗り)
  ②塗装後 1日以上,7日以内(部分塗装)
 厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料: 使用量 200g/m2(刷毛・ローラ塗り)
  ③塗装後 1日以上,7日以内(部分塗装)
 厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料: 使用量 200g/m2(刷毛・ローラ塗り)
 【中塗り】
 なし
 【上塗り】
 下塗り塗装後 1日以上,7日以内(部分塗装)
 厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料上塗: 使用量 200g/m2(刷毛・ローラ塗り)
 
 【備考】
 塗装された鋼構造物とは異なり,塗替え塗装時には,数mmにも達する厚いさび層で覆われた面が素地調整の対象となる。
 一般的には,フランジ下面や上フランジ付近の腹版の一部など,雨洗を受けない部位(作業し難い部位でもある)が対象となる。
 これらの個所は,通常のブラスト処理では作業効率の悪い端部,隅角部を多く含むことになる。そこで,さび層の厚さ及び素地調整箇所の特徴から,ブラスト処理での素地調整,及び塗装は,次のような手順で行うのが効率的である。
 ● ブラスト処理に適した飛散防止の養生を行う。
 ● ハンマー等を用いて,層状の付着力が低く,厚いさび層を充分に除去する。
 ● ブラストで除錆度‐2 以上に仕上げる。
 ● その日の内に塗装系 WS1 の第 1 層目(厚膜型エポキシ樹脂ジンクリッチペイント)を塗装する

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【塗装系 WS2 】

 推奨しかねるが,構造物構造や線区・架設環境の制約から,やむを得ずブラスト処理を採用できない場合も想定される。
 この場合の塗装仕様(塗装系 WS2 )である。しかし,塗装系 WS1 に比較して,塗膜の耐久性が著しく劣るため,早期の塗替え塗装(塗膜耐久性として 10年程度まで)が発生することになる。
 
 【塗装仕様】
 【素地調整】
 動力・手工具で除錆度-3 以上
 
 【下塗り】
  素地調整後その日のうち(部分塗装)
 厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料: 使用量 200g/m2(刷毛・ローラ塗り)
  ①塗装後 1日以上,7日以内(部分塗装)
 厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料: 使用量 200g/m2(刷毛・ローラ塗り)
  ②塗装後 1日以上,7日以内(部分塗装)
 厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料: 使用量 200g/m2(刷毛・ローラ塗り)
 【中塗り】
 なし
 【上塗り】
 下塗り塗装後 1日以上,7日以内(部分塗装)
 厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料上塗: 使用量 200g/m2(刷毛・ローラ塗り)
 
 【備考】
  塗装系 WS2 を適用した個所については,比較的短い周期での塗替え塗装が必要になる。
 さび層の厚さ,及び素地調整箇所の特徴から,動力工具,手工具を用いた素地調整,及び塗装は次のような手順で行うのが効率的である。
 ● 通常の飛散防止の養生を行う。
 ● ハンマー等を用いて,層状の付着力が低く,厚いさび層を充分に除去する。
 ● 動力・手工具等を用いて除錆度-3 以上に仕上げる。
 このとき,ディスクサンダーやカップワイヤーなどの研磨タイプの工具では,さび層の表面に光沢が生じ,一見では鋼素地が露出したかの錯覚に陥る。
 そこで,ジェットたがねなどの衝撃を与えるタイプの工具を併用して,厚いさび層を残さないように心がける。
 ● その日の内に塗装系 WS2 の第 1 層目(厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料)を塗装する

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