JIS K 5600_2_6

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「塗料一般試験方法−第2部:塗料の性状・安定性−第6節:ポットライフ」
Testing methods for paints−Part 2 : Characteristics and stability of paints−Section 6 : Pot life

 【JIS規格の目次】(ここでは赤字の項目を説明)
 序文,1 適用範囲,2 引用規格,3 定義,4 原理,5 必要な補足情報,6 装置,7 試料採取,8 手順,9 試験結果の表現,10 精度,11 試験報告
 附属書A(規定) 必要な補足情報,附属書B(参考) 試験する反応系の指針,附属書C(参考) 参考文献
 
 【序文】
 この規格は,1992年に第1版として発行されたISO 9514, Paints and varnishes−Determination of pot-life of liquid systems −Preparation and conditioning of samples and guidelines for testing を翻訳したものである。
 
 【適用範囲】
 この規格は,反応系塗料の種別毎に選定された特性値を測定することによって,ポットライフを評価できるように,標準状態下で行われる試料の調整,及び貯蔵方法を規定している。
 この規格は,現場の製品管理への応用を目的としたものではない。試験室内におけるポットライフの測定を目的としたものである。
 標準状態で 3 時間以内に硬化する“特殊低温”グレードのものは,必要とされる特殊な特性値を検討することが可能なように,より低い規定温度で試験することが必要である。
 得られた値は,供給者が消費者にアドバイスするとき,実用上の条件により影響されるので,“実用的なポットライフ”と呼ぶべきである。
 この方法は,次のいずれかによる。
 (1) 規定する時間後に,特性の測定・評価で合否を判定する試験
 (2) 適当な時間間隔で測定を繰り返し,ポットライフを求める試験
 
 【定義】
 ポットライフ
 それぞれ別々の成分として供給される製品が一緒に混合された後の,使用可能の最大値。
 
備考:この定義で“使用可能”という言葉は,乾燥塗膜の性質と同様,試験中の反応系の塗装作業性に関係するものと理解することが重要である。
 
 参考情報
 一般的には,品質試験項目“ポットライフ”の合否判定では,規定時間後の塗料の使用可否を評価することが目的で,規定時間後にJIS K 5600-2-7「塗料一般試験方法−第2部:塗料の性状・安定性−第7節:貯蔵安定性」と同様に,評価項目として“容器の中での状態”,“塗装作業性”,“塗膜外観”などを用いている。
 一方,その塗料の実際のポットライフを求める場合には, “ゲル化点” の計測などが行われる。

 

 【原理】

 反応系(塗料)の各成分を別々に養生してから混合する。
 混合物はほぼ断熱条件(多量に混合した時の熱条件を模擬するため)のもとで,規定する時間の間静置しておく。
 次いで,混合物から試料を採取し,供試製品のある特性(試料の製品規格に規定する特性)を測定して,その特性に対する要求条件に適合するか否かを調べる。
 
 備考1:この規格は,ポットライフを評価するために,試料の調整と貯蔵の条件を規定する。これらの条件は,実際に起こる場合とよく近似する断熱に近い状態でなければならない。
 備考2:異なる反応系(塗料)では,ポットライフは様々な特性に応じて異なったものとなる。
 この多様性のためにポットライフは,ある特性に関連づけて始めて規定することができる。種々の反応形塗料の試験対象とする特性に関する指針を附属書B に示す。
 
 【必要な補足情報】
 どのような特殊な適用に対しても,この規格に規定された試験方法は,補足情報(受渡当事者間で合意すべき条件など)によって,完全なものとする必要がある。補足情報の事項は附属書 A に示す。

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 【装置】

 装置は,通常の実験装置,ガラス製装置並びに次に示すものとする。
 容器:容量約500mlの適切な材料で作られ,寸法は高さが直径の1.5倍以下のもの。ブロックポリスチレン,ポリウレタン又はガラス製のもの。
 容器を保持するために,一つ又はそれ以上の孔を備え,それぞれの孔は少なくとも20mmの厚さの発泡材で囲まれている。その発泡材の断熱値は25W/(m・K)を超えるものであってはならない。
 孔の深さは容器の高さと等しい。この形状のブロックの目的は断熱状態を維持することを保証することである。
 温度計:0.2℃以内の正確さをもつもの。
 測定装置:規定された特性を測定するための,関連試験方法の標準に従うもの。

 

 【試料採取】

 試験される製品(又は反応系の種々の成分)の代表試料を JIS K 5600-1-2 「塗料一般試験方法−第1部:通則−第2節:サンプリング」に記載されたとおりに採取する。
 2 回の試験のため十分な量の試料を採取する。JIS K 5600-1-3 「塗料一般試験方法−第1部:通則−第3節:試験用試料の検分及び調整」に従って各試料を検分し,調整する。

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 【手順】

 繰り返して,2 回の試験を行う。
 反応系の各成分(主剤,硬化剤など荷姿の状態)は,別々にJIS K 5600-1-6「塗料一般試験方法−第1部:通則−第6節:養生並びに試験の温度及び湿度」 に従って規定温度で養生する。各成分間の温度差は,1℃以上であってはならない。
 標準条件下で3時間以内に硬化する特殊な低温グレード品は,要求されている特性を測定することが可能なように,より低い規定温度(例えば5±1℃など)で試験しなければならない。
 特殊系について示されているインストラクション(主剤,硬化剤の混合比,混合方法,希釈方法などの指示)に従って,各成分を混合し,試験のために適切な量の混合物を作る。
 容器に混合物を300±3ml入れる。できれば容器を密閉し,発泡ブロックの孔に容器を入れる。
 塗装性を評価するためには,それより多い量の試料を使う必要があるかもしれない。例えば,エアレススプレーに対して試料は最小で5リットル程度必要になる。
 このような多量の試料が使われる場合は,必ずしも断熱状態になるとは限らない(断熱状態でなくとも試験への影響が少ない)。
 
 合否試験を行う場合,規定されたポットライフの時間,混合物を静置し,次いで調査対象の特性を測定する。
 
 ポットライフを測定する場合,その測定を行うために選んだ各時間までの間,混合物をそのまま静置しておく。
 その各々の時間後に容器から試料を取り出し,調査特性を測定する。

 

 【試験結果の表現】

 調査特性値が,製品規格又は作業手順書の要求条件に合致しない場合は,ポットライフを超えたとする。
 合否試験の場合にはポットライフが 2 回の一方,又は両方とも超えていれば不合格として報告する。
 ポットライフの測定の場合には,ポットライフとして,ポットライフを超えた時間のうち,最も短い時間を報告する。

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 【附属書 A(規定) 必要な補足情報】

 この附属書に掲げられた補足情報の項目は,試験方法を実施に移すことかできる適切なものとして補完されなければならない。
 必要な情報は望ましくは受渡当事者間で協定すべきである。また,部分的又は全体的に試験中の製品に関連する規格又は他の文書から採用したものがよい。
 a) 反応系の各成分が混合される比率。
 b) 反応系を混合するための指針及び容器当たりに使用される混合物の量。
 c) 反応系のポットライフを決めるために測定される特性。
 d) 必要な塗装のために製品を変性する指針。
   例えば,はけ塗り,スプレー塗り,浸せき塗り。

 

 【附属書 B(参考) 試験する反応系の指針】

 この附属書は,様々な反応系の指針を意図したものであり,測定する特性と標準条件(JIS K 5600-1-6 参照)下で満足な性能を示す限界を示すものである。この指針は,反応系それぞれの実用情報を元にしたものである。
 引用した ISO 又は JIS の標題については,附属書 C を参照する。

                                                                                                                                                                    
防食塗料に用いられることの多い反応系を赤字で示した。
  反応系   測定する特性  ポットライフの終点  試験方法
  不飽和ポリエステル(触媒含む)    粘度    ゲル化点    ISO 2535 
  エポキシ樹脂−水性    光沢(塗膜)    初期の50%    JIS K 5600-4-7 
  エポキシ樹脂−溶剤形    粘度    10%溶剤補正    JIS K 5600-2-3 
  エポキシ樹脂−無溶剤形    反応熱    限界温度    ― 
  エポキシ樹脂−変性    塗装性(外観)    塗膜欠陥(目視)    ― 
  ポリウレタン−溶剤形    付着性    “fresh”混合時との差    JIS K 5600-5-6
 JIS K 5600-5-7 
  ポリウレタン−無溶剤形    粘度    ゲル化点    ISO 2535 
  ポリウレタン−湿気硬化形    均一性    皮張り/ゲル生成    JIS K 5600-1-3 
  ポリ(ビニルブチレート)    非鉄基板への密着性    “fresh”混合時からの減少    JIS K 5600-5-6 
  アルキドメラミン(酸触媒)    透明性    濁り    ― 
  シリケート    均一性    皮張り    JIS K 5600-1-3 

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 【附属書 C(参考) 参考文献】

 [1] JIS K 56002-3 第 2 部−第 3 節:粘度(コーンプレート粘度計法)
   参考 ISO 2884 : 1974 Paints and varnishes−Determination of viscosity at a high rate of shear.
 
 [2] JIS K 5600-4-7 第 4 部−第 7 節:鏡面光沢度
   参考 ISO 2813 : 1994 Paints and varnishes−Determination of specular gloss of non-metallic paint films at 20 degrees, 60 degrees and 85 degrees.
 
 [3] JIS K 5600-5-6 第 5 部−第 6 節:付着性(クロスカット法)
   参考 ISO 2409 : 1992 Paints and varnishes−Cross-cut test.
 
 [4] JIS K 5600-5-7 第 5 部−第 7 節:付着性(プルオフ法)
   参考 ISO 4624 : 1978 Paints and varnishes−Pull-off test for adhesion.
   参考 ISO 2409 : 1992 Paints and varnishes−Cross-cut test.
 
 [5] ISO 2535 : 1974 Plastics−Unsaturated polyester resins−Measurement of gel time at 25℃.

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