防食概論:塗料・塗装
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厚膜形ジンクリッチペイント
JIS K 5553 「厚膜形ジンクリッチペイント」は,鋼材の防せい(錆)に用いる厚膜形ジンクリッチペイントについて規定している。
厚膜形ジンクリッチペイントは,亜鉛末,及びアルキルシリケート,又はエポキシ樹脂(主剤,硬化剤),顔料,及び溶剤を主な原料としたものである。
アルキルシリケートをビヒクルとした 1液 1粉末形の厚膜形無機ジンクリッチペイント(1種),及びエポキシ樹脂をビヒクルとした 2液 1粉末形,又は 2液形(亜鉛末を含む液と硬化剤)の厚膜形有機ジンクリッチペイント(2種)がある。2種の硬化剤にはポリアミド,アミンアダクトなどが用いられる。
JIS K 5553 では,塗料の成分として,加熱残分中の亜鉛量を規定している。
塗料の性状については,容器の中での状態,加熱残分を規定している。
塗装作業に関連しては,乾燥時間,ポットライフ,厚塗り性が規定されている。
塗膜形成機能として,塗膜の外観,耐衝撃性が規定されている。
塗膜の性能や耐久性については,耐塩水噴霧性,耐水性,屋外暴露耐候性が規定されている。
項 目 | 1 種(無機) | 2 種(有機) |
---|---|---|
容器の中での状態 | 粉は微小で一様な粉末であるものとする。液はかき混ぜたとき堅い塊がなくて一様になるものとする。 | |
乾燥時間 h | 5以下 | 6以下 |
塗膜の外観 | 塗膜の外観が正常であるものとする。 | |
ポットライフ | 5時間で使用できるものとする。 | |
耐衝撃性(デュポン式) | 衝撃によって割れ及びはがれが生じてはならない。(500g,500mm) | |
厚塗り性 | 厚塗りに支障があってはならない。 | |
耐塩水噴霧性 | 塩水噴霧に耐えるものとする。 | |
耐水性 | ― | 水に浸したとき異常がないものとする。 |
混合塗料中の加熱残分(%) | 70以上 | 75以上 |
加熱残分中の金属亜鉛(%) | 75以上 | 70以上 |
屋外暴露耐候性 | 2年間の試験でさび,割れ,はがれ及び膨れがあってはならない。 |
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