防食概論:塗料・塗装

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         防せい・体質顔料

 顔料(pigment;ピグメント)には,腐食抑制機能の付与(防せい顔料),厚塗り性,隠ぺい性等の改善(体質顔料),色彩の付与(着色顔料),強度,弾性,導電性などの機械・物理特性改善(特殊顔料)などがあり,塗膜の要求性能に適したものが選択・採用される。
 着色目的以外では無機顔料(無機化合物)が主に用いられ,着色目的では無機顔料と有機顔料(有機化合物・キレート化合物)に分けられる。
 
  (1) 防せい顔料
 腐食抑制を目的に添加される顔料を防せい顔料と称する。防せい顔料には,無機化合物が多く用いられてきた。
 過去には,鉛(Pb)やクロム(Cr)の化合物である鉛丹(Pb3O4),亜酸化鉛(Pb2O),ジンククロメート(ZnCrO4・4Zn(OH)2),シアナミド鉛(CN2Pb),塩基性クロム酸鉛(PbCrO4・PbO),鉛酸カルシウム(2CaO・PbO2(Ca2PbO4))などが高い性能と価格の安さで多用されていた。
 
 近年は鉛化合物やクロム化合物の健康被害に対する関心が高まり,鉛,クロムを含まない亜鉛末(Zn),りん酸亜鉛系(例えばZn3(PO4)2),りん酸アルミニウム系(例えばAlH2P3O10・2H2O),モリブデン酸塩系(例えばZnMoO4/ZnO),亜リン酸亜鉛系(例えばZnPHO3/ZnO)の顔料が用いられるようになっている。
 
   (2) 体質顔料
 体質顔料は,増量(厚膜化)に加えて,着色性(隠ぺい性)や塗膜強度の改善を目的に用いられる。一般的に用いられる材料には,次のものがある。

  • バライト粉
     粒子径 5~100μm,重晶石(硫酸バリウムBaSO4)を粉砕したもの。
     耐候性,耐熱性塗料に用いられる。
  • 沈降性硫酸バリウム
     粒子径 0.01~5μm,重晶石の還元生成物である硫化バリウムと硫酸との反応生成物(BaSO4)をふるい分け,表面処理したもの。
     光沢・発色性改善,平滑性向上を目的に用いられる。
  • タルク
     粒子径 1~30μm,滑石を粉砕・分級したもの。
     増量,顔料の沈降防止,塗膜ひび割れ防止などの目的に用いられる。
  • 炭酸カルシウム系
     CaCO3,糖晶質石灰石を粉砕・分級した重質炭酸カルシウム(粒子径 0.7~15μm),化学的に合成した沈降性炭酸カルシウム(粒子径 0.02~5μm)もある。
     増量,粘性・強度の調整を目的に用いられる。
  • 粘土鉱物系(カオリン,クレーなど)
     鉱物を粉砕・分級したもの。樹脂との濡れ性改善のため,カップリング剤(分子中に無機物との親和性がある基と有機物と反応する官能基を持つ添加剤,仲介役)で表面処理したものなどがある。
     塗膜のつや・強度の調整,顔料沈降防止を目的に用いられる。

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