防食概論:塗料・塗装

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         刷毛での塗装

 先に述べたように,一般的に,刷毛塗りはローラ塗りに比較して,表面の仕上がりが良い,刷毛の弾力性を利用し塗料にせん断力を与えながら塗るため,下地との密着が良く,ピンホールなどの塗膜欠陥の発生が少ないなどの特徴がある。
 これらの特徴を十分に発揮するためには,塗る技術が必要である。次に基本的な塗り方の例を紹介する。

平面部(垂直面)の塗装】

 ウェブやフランジなどの平面の多い部材の塗装には,寸胴ばけ平ばけを用いて,次に示す要領で塗装する。

刷毛塗り手順

刷毛塗り手順

  1. 塗り付け
     刷毛に塗料を滴下しない程度含ませ,上から下に向い縦に等間隔で塗り付ける。塗料を配る感覚で塗る。
  2. ちらし
     塗り付けた塗料を,横方向,若しくは斜め方向に上から下に向って,塗り拡げる。
  3. むら切り
     全面に,上から下に,下から上に刷毛を動かし,均一な膜厚になるようむらなく塗るとともに,刷毛目や塗り継ぎが目立たないように仕上げる。
  4. まくらを切る
     最後に上部と下部の薄膜部(刷毛を切り返した部分)に対し,刷毛を横に通す。
 上記の操作を横方向に移動しながら繰り返す。横方向が塗り終わったら,次いで下方の列を同様の方法で塗り,平面の塗装が完了する。
 なお,下塗り塗料の塗装後に,中塗り塗料,上塗り塗料を塗る際には,それぞれの層の塗り継ぎ部が重ならないように工夫する。

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細い部材,狭あい部の塗装】

 横構,スティフナなどの断面の小さい部材やエッジ部の塗装には,筋違ばけを用いて,何回も刷毛返しをしながら入念に塗装する。

エッジ部の塗膜厚み

エッジ部の塗膜厚み

 特に,エッジ部は,塗料の表面張力の影響で,図に示すように,直角部の膜厚は平面部の 10~20%程度の薄膜となり腐食の原因となるので,鋼橋設計・製作の段階で,エッジ部の面取りR加工されているが,それでも平面部に比較して薄膜化(R加工でも平面部の 70~80%)し易い。
 このため,エッジ部の下塗り塗装では,全面塗装に先行してエッジ部のみに 1回増し塗りしておくことが推奨される。従って,エッジ部のみが塗装仕様より 1層多い塗り回数になる。
 部材と部材の距離が小さく,通常の筋違ばけでは十分な刷毛返しができない状況では,隅きり用刷毛やブラシ状の刷毛を利用し,塗料を塗り込むような入念な塗装を行う。

 

リベット・ボルト部の塗装】

 リベットによる接合部は,筋違ばけを用いて,刷毛を回すようにしてリベット周りを塗り付ける。
 高力ボルトによる接合部は,隅部角部が多いので,刷毛を叩きつけるようにして塗料を配り,隅部に塗料を行き渡らせたあと,リベットと同様に塗り付ける。しかし,リベットと異なりボルト頭やナットに角部があり,エッジ部同様に薄膜化し易いので,小さな刷毛を用いるなどして入念な塗装に心がける。なお,腐食性環境では,ボルトキャップを用いるなどの配慮が望まれる。

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