JIS K 5600_1_7

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「塗料一般試験方法−第1部:通則−第7節:膜厚」
Testing methods for paints−Part 1 : General rule−Section 7 : Determination of film thickness

 【JIS規格の目次】(ここでは赤字の項目を説明)
 序文,1 適用範囲,2 引用規格,3 必要な補足情報,4 定義,5 共通要求事項,6 方法 No.1 ぬれ膜厚の測定,7 方法 No.2 単位面積当たりの塗膜質量から算出する乾燥膜厚の測定,8 方法 No.3 機械的接触法による乾燥膜厚の測定,9 方法 No.4 プロフィロメトリック法による乾燥膜厚の測定,10 方法 No.5 乾燥膜厚の測定:顕微鏡法,11 方法 No.6 磁気法,12 方法 No.7 渦電流法,13 方法 No.8 非接触法,14 方法 No.9 分析法(溶出法),15 方法 No.10 ブラスト処理鋼板の乾燥膜厚の測定,16試験報告
 附属書 A(規定)方法 No.2 単位面積当たりの塗膜質量 から算出する乾燥膜厚の測定
 
 【序文】
 この規格は,1996年に発行されたISO/DIS 2808, Paints and varnishes−Determination of film thickness [Revision of second edition (ISO 2808:1991)]を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。
 参考意見:なお,翻訳が直訳に近いため,日本での一般的な膜厚測定や旧JIS 5400に慣れた技術者にとって,理解に苦しむ表現が多い。
 
 【適用範囲】
 この規格は,被塗物基板に塗装されたstrong>有機系塗料の厚さの測定に適用する幾つかの試験方法について規定する。
 この規格は,メタリック系塗料には適用しない。ここに記載する試験方法には,strong>単離塗膜の厚さの測定に適用できるものもある。

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 【報告に必要な補足情報】

 ここに規定した試験方法を個別に適用する際には,次の補足情報で補完しなければならない。この情報は,供試製品についての国際規格,国内規格又はその他の情報から求めることが望ましいが,適切であれば受渡当事者間の協定事項としてもよい。
 a) 素地に対する塗装方法,及び単層塗膜又は多層塗膜系(適用できる場合)かどうかの区別
 b) 試験前の塗膜の乾燥(又は焼付)及び養生(適用できる場合)期間並びに条件
 c) 用いる膜厚測定の方法
 d) 塗装物体の有効面積,及び必要なら測定回数
 
 膜厚の定義は,ある程度,用いる測定方法に依存する。塗膜及び被塗面が平らで均一な表面である場合に限り正確な定義を与えることが可能となる。
 実際問題として,塗膜表面も素地表面もどちらも平らではない。多くの場合,表面の不規則性(凹凸)は,膜厚の10%を超える
 異なる試験方法による測定結果は,これらの不規則性に影響される。その影響は,試験方法ごとに固有なものである。そのため,同じ試験片に適用した異なる試験方法の結果は,かなり違うこともある。
 これが,膜厚の測定結果の補足情報として共に報告しなければならない理由である。

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 【用語の定義】

 膜厚 (film thickness):素地に塗装された膜厚:塗膜表面と素地表面との間の距離。
 
 有効表面領域 (significant surface area):有用性,及び/又は外観上,塗料を絶対に必要とする物体の塗膜で被覆された,又は被覆される部分。
 
 参照領域 (reference area):その範囲内で規定回数の単一測定を行わなければならない有効表面領域の一部分。
 
 測定領域 (measurement area):その上で単一の測定が行われる場所。
 この規格に規定する試験方法の測定領域(試験領域:test area)は,次の通り定義する。
 a) 溶出法の場合:塗膜を除去する範囲。
 b) 顕微鏡法の場合:単一の測定を行う点。
 c) 非破壊試験方法の場合:プローブ面の触れる範囲,又はその読取りに影響する範囲。
  局部膜厚 (local film thickness):ある参照領域内で行った規定回数の膜厚測定値の平均。
 
 最低局部膜厚 (minimum local film thickness):ある特定の物体の有効表面領域で求められた局部膜厚の最低値。
 
 最大局部膜厚 (maximum local film thickness):ある特定の物体の有効表面領域で求められた局部膜厚の最大値。
 
 平均膜厚 (mean film thickness):有効表面領域全体に一様に分布させた規定個数の局部膜厚測定値の平均。
 
 ぬ(濡)れ膜厚 (wet-film thickness):溶剤の蒸発を避けてできる限り速やかに測定した塗装直後の塗料の厚さ。

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 【共通要求事項】

 共通事項
 この規格では,代表的な試験板(JIS K 5600-1-4「塗料一般試験方法−第1部:通則−第4節:試験用標準試験板」)上の膜厚を測定する際に適用される試験領域の数,及び位置に関する情報を示す。
 その他の試験板,及び塗装物体上の試験領域の数及び位置とは,膜厚を代表できるものでなければならず,かつ,受渡当事者間の協定事項でなければならない。
 計器の操作は,製造業者の指示に従って行い,常に計器の繰返し精度を点検し,プローブ端子の校正,及びその状態は定期的に点検する。プローブ端子に圧力を加えても膜厚が変わらないことを確認しておく。
 
 粗面
 素地の表面粗さは,膜厚の測定に影響を与える。光学的方法の場合,参照線又は参照領域に関して合意(受渡当事者間)することを推奨する。
 非破壊試験方法を用いる場合,計器の校正は,試験片に使用する同種の未塗装試験板で行い,かつ,点検しなければならない。
 ブラスト処理鋼素地の場合,特殊な条件を適用する。
 
 端部効果
 ある計器は,物体に存在する端部の影響を受けるが,中にはこの端部効果を考慮にいれて校正することができる計器もある。測定は,物体又は試験板の端部から25mm以上離れた部位,又は端部からの距離がその計器を校正したときと同じ距離の部位で行わなければならない。
 表面の湾曲 ある種の計器は,特に表面の湾曲に敏感であり,常に試験片と同じ湾曲面をもつ見本類を用いて校正しなければならない。

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 【方法No.1 ぬれ膜厚の測定】

  【共通事項】 ぬれ塗膜(wet paint film)の厚さを測定する3種の測定方法について記載する。 これは,主に塗料の塗り面積 (spreading rate:単位量の塗料で塗れる面積)を測定するために用いられる。 塗り面積 As(m2/l)とぬれ膜厚 twとの関係を示す式は,次の通りである。 As=1000/ tw ここに,As:塗り面積(m2/l) tW:ぬれ膜厚(μm) 備考 塗り面積は,通常 JIS K 5600-1-5「塗料一般試験方法−第1部:通則−第5節:試験板の塗装(はけ塗り)」を用いて測定する。 乾燥膜厚の測定方法が,塗膜を損傷するか,又はあまり正確でないとき,塗装直後のぬれ膜厚を測定し,適切な相関分析の手法を用いることで,概略の乾燥塗膜を推定することが可能である。 例えば,木材,又は無機質素地の場合に有用である。乾燥膜厚は,次の式によって算出する。 tD=tW×VS /100 ここに,tD:乾燥膜厚(μm) tW:ぬれ膜厚(μm) VS:不揮発分(容量%) 方法1A  くし形ウエットフィルム膜厚計 (Comb gauge)
 装置
 この膜厚計は,外側の歯が基準線を形成し,内側の歯は基準線との間に一連のすき間ができるように順次短くなっている。
 
 手順
 ・塗料を塗装後,直ちに,歯が表面の平面に対して垂直に,滑らないように膜厚計を置く。
 ・膜厚計を外して,ぬれ塗膜に触れている最も短い歯を調べる。
 ・最後に触れた歯と最初に触れなくなった歯との間に刻印された歯の目盛を記録する。
 塗装領域全体を代表する結果を得るために,同じやり方で異なる場所で,少なくとも更に2回以上の読取り値を求める。
 
 計器固有の偏り,精度など
 膜厚計に刻まれた歯の間隔の値の範囲が得られる。すなわち,おおよその目安を得ることが目的の方法である。
 
 方法1B  ロータリ形ウエットフィルム膜厚計 (Wheel gauge)
 装置
 この膜厚計は,周辺部に三つの等間隔の枠(リム)のある輪からなり,中央の輪は外側の2つの輪より小さく,偏心している。
 膜厚計をぬれ塗膜の上で転がして,中央の偏心輪が塗膜表面にちょうど触れた位置にあるとき,外輪に刻まれた目盛がこの点におけるぬれ膜厚を示す。
 ぬれ塗膜と偏心輪の接触は,塗料の表面張力に影響を受ける。従って,最初と最後の接触位置を観察し,その平均を求めなければならない。
 
 手順
 ・最大間隔の点で基板に接するように膜厚計の外輪を塗膜中におく。
 ・膜厚計を表面に沿ってほぼ360°回転させて外す。
 ・回転方向の,ぬれ塗膜と接触し始めた位置(最初の接触位置)を調べる。
 ・回転で濡れ塗膜との接触が断たれた位置(最後の接触位置)を調べる。
 その平均を求め,記録する。
 塗装領域全体を代表する結果を得るために,同じ要領で異なる場所で少なくとも2回繰り返す
 
 計器固有の偏り,精度など
 偏り:±2.5%+1μm
 現場での使用が可能である。
 
 方法1C  質量測定による
 この方法は,質量を的確に測定できる“はかり”の制限を受ける。すなわち, 研究室で試験片に塗られた塗料のぬれ膜厚,乾燥膜厚の測定に適している。

 (ここでは,防食塗装での実用実績のない次の手順を省略)
 ここでは,防食塗装の試験室や屋外現場で活用されていない方法,【方法 No.2 単位面積当たりの塗膜質量から算出する乾燥膜厚の測定】,マイクロメータやダイヤルゲージを用いた【方法 No.3 機械的接触法による乾燥膜厚の測定】,表面粗さ計を用いた【方法No.4 プロフィロメトリック法による乾燥膜厚の測定】

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 【方法No.5 乾燥膜厚の測定:顕微鏡法】

 共通事項
 この方法は,塗装系の個々の塗料層の乾燥膜厚を,顕微鏡を用いて測定する 3 種類の手順について規定する。
 測定法Aは,切り出した断面について乾燥膜厚を2μm以内の精度で測定する一般的方法である。例えば,グリットブラスト鋼材のように素地の凹凸によって生じる厚さの変動の測定に有用である。
 測定法Bは,素地まで規定の角度で切断し,その断面を化っ区大観察する方法である。この方法は,もろいか,又は砕けやすい塗料,又は2μm以下の膜厚の塗料には適用できない。
 測定法 C は,特殊な顕微鏡で,塗膜を除去した素地と塗膜表面のプロファイルを観察する装置を用いる。この方法は,十分な光が塗膜/素地から反射されて顕微鏡中に明確な像を与える場合に用いることができる。
 
 方法5A 断面の顕微鏡観察
 塗膜断面の顕微鏡観察による厚み測定方法である。一般的には,樹脂に埋め込み,作製した塗膜断面の観察であり,一般的ではないので内容については省略する。
 
 方法5B くさび形切削法
 この方法は,現場構造物の塗膜厚み測定にも活用されている。後述の電磁式などと異なり,破壊試験となるので,調査後に傷つき部の補修が必要になる。
 
 装置
 照明器具付き顕微鏡及び切削工具を含む特殊な装置。
 
 顕微鏡
 適切な対物レンズ,及び2μm又はそれ以内の精度で測定できるスケールの付いた接眼レンズをもつもの。
 
 切削工具
 膜厚に適する切削角度の刃をもつもの(表参照)。切削工具は,適切なガイドに取り付けられているもの。
 
 手順
 ・測定を容易にするために,対照的な色のフエルトペンで測定領域に印を付ける。
 ・切削工具を動かして,素地に達するまで,くさび形に塗膜を切り取る。
 ・顕微鏡でくさび形切削部の投影幅bをマイクロメートル(μm)単位で測定する。
 
 計算
 膜厚は,次の式によって算出する。
    t=b×tanα
    ここに,t:膜厚(μm),b:顕微鏡で測定された切削部の投影幅(μm),α:切削工具の切削角度(度)
 
 計器固有の偏り,精度など
 再現精度:±10%,測定下限2μm
 塗膜の切削には,特殊な切削工具,又は塗膜せん(穿)孔器を必要とする。塗膜は,試験の際,損傷を受ける。
 
 方法5C 表面プロファイル測定顕微鏡法
 断面形状測定顕微鏡(スプリットビーム顕微鏡,ライトセクション顕微鏡)という特殊な装置を用いた測定法で,防食塗装分野での活用例はないので,その内容については省略する。

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 【方法No.6 磁気法】

 共通事項
 この方法は,磁性金属素地上の非磁性塗膜の厚さを測定する非破壊試験手順について規定する。
 
 原理
 【磁気又は電磁誘導(感応)原理(方法No.6A)】
 この方法に用いる装置は,塗膜と基板を通過する磁束の磁気抵抗を測定する。磁束(Magnetic flux)を発生させる方法には、永久磁石(Permanent magnet)を用いた装置,及び電磁石(Electromagnet)を用いる装置がある。
 
 【永久磁石プルオフ原理(方法No.6B)】
 この方法に用いる装置は,塗膜の存在によって影響される永久磁石と基板との間の磁気吸引力を測定する。
 
 装置の校正
 共通事項
 各装置は,適切な校正用標準を用いて校正しなければならない。校正のできない装置については,校正標準と比較して目盛呼び値からの偏差を測定するものとし,すべての測定値について目盛呼び値からの偏差を考慮に入れなければならない。使用中,装置の校正をしばしば行わなければならない。
 
 校正標準
 既知の一定厚さの校正標準は,フォイル,又はシムの形で,又は公的に認定された標準に基づく指定値の塗装標準板として入手できる。
 校正用フォイルは,一般に適切なプラスチック材料で作られている。これらは,きずが付きやすくそのためしばしば交換しなければならない。
 校正用塗装標準板の素材金属の表面及び磁気的性質は,試験片と類似したものでなければならない。また,試験片が定義する臨界厚さ以下の場合,試験片及び校正標準の基板の厚さは同一でなければならない。
 
 手順
 共通事項
 試験場所において装置を作動させるたびに,また,使用中頻繁に(少なくとも 1 時間に 1 回)適切に作動していることを確認するため,装置の校正を行う。
 基板金属の厚さ 各装置には基板金属の臨界厚さが存在し,これを超えると,測定値は,基板金属の厚さによって影響を受けなくなる。
 基板金属の厚さが臨界厚さを超えているか否かを点検しなければならない。超えていない場合,バックアップ法(すなわち,十分な厚さの同種金属で基板金属を裏打ちする。)を用いるか,又は試験片と同じ厚さと磁気的性質をもつ校正用標準で校正されていることを確認する。
 
 測定値の数
 個々の参照領域で数回の測定(例えば,3回の測定)を行い,測定値の平均を局部膜厚とする。
 塗装物体の平均膜厚を得るために必要な参照領域の数及び分布は,受渡当事者間の協定に従ってもよい。
 
 計器固有の偏り,精度など
   方法No.6A 偏り:±2% +1μm,再現精度:±10%
   方法No.6B 偏り:±5% +1μm
 塗膜はプローブの圧力に十分に耐える硬さのある場合とする。現場で用いてもよい。

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 【方法No.7 渦電流法】

 共通事項
 この方法は,非磁性金属素地上の非導電性乾燥塗膜の厚さを測定する非破壊試験手順について規定する。
 
 原理
 渦電流装置は,装置のプローブシステム中で発生させた高周波電磁場によって,プローブを置いた導体中に渦電流を生じ,この渦電流の振幅及び位相は,導体とプローブの間の非導電性塗膜の厚さの関数であるという原理で作動する。
 
 校正
 各装置は,適切な校正用標準を用いて校正しなければならない。使用中,装置の校正をしばしば行わなければならない。
 
 校正標準
 既知の一定膜厚の校正標準は,フォイル又はシムの形で,又は公的に認定された標準に基づく指定値の塗装標準板として入手できる。
 校正用フォイルは,一般に適切なプラスチック材料で作られている。これらは,きずが付きやすく,そのためしばしば交換しなければならない。
 塗装標準板は,基板に永久に付着する既知の一様な厚さの非導電性塗膜で構成されている。
 
 手順
 共通事項
 試験場所において装置を作動させるたびに,また,使用中頻繁に(少なくとも1時間に1回)適切に作動していることを確認するために,装置の校正を行うものとする。
 
 測定値の数
 通常の機器変動のため,数回の測定(例えば,3回の測定)を行い,測定値の平均を局部膜厚とする。塗装物体の平均膜厚を得るために必要な参照領域の数及び分布は,受渡当事者間の協定に従ってもよい。
 計器固有の偏り,精度など
   偏り:±2% +1μm,再現精度:±10%
 計器は渦電流原理で作動する。塗膜はプローブの圧力に十分に耐える硬さのある場合とする。現場で用いてもよい。
 
 ここでは,コイルコーティングの評価のようなオンライン工程管理に用いられる【方法 No.8 非接触法】,塗膜を溶解し,質量変化から膜厚を求める【方法 No.9 分析法(溶出法)】は省略した。

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 【方法No.10 ブラスト処理鋼板の乾燥膜厚の測定】

 共通事項
 ブラスト処理鋼材素地に塗料を塗装する場合,その膜厚の測定は,平らな表面の場合よりも,更に複雑である。
 測定結果は,場所によって変化する素地の性質及び測定装置,例えば,プローブの構造に影響される。ブラスト処理素地上で装置を作動させる通常の手順は,乾燥膜厚の測定値に事実上大きなばらつきをもたらす結果となっている。
 
 この方法は,磁気感応形装置を平らな鋼板表面で校正した後,膜厚を測定する際のばらつきを最小にし,一様な結果を得ることを目的としている。
 この方法は,膜の厚さが素地の凹凸表面の先端の厚さより大きい場合,凹凸表面の磁気平面に対してそれを超える膜厚を測定する。この厚さは,約25μm に相当する(ブラスト処理表面のピークの底から先端までの高さで表される表面粗さの約半分に相当する。)。
 
 ブラスト処理表面で装置を校正すると,プローブ及び装置の種類に伴う通常のばらつきに加えて,次のような問題が生じる。
 a) 低い繰返し測定精度
 b) ブラスト処理鋼板のような表面上でのシムの厚さ測定のばらつき(シムの厚さが大きいほどシムの見掛けの厚の増加は大きい。)
 c) 表面粗さ未知の塗装鋼板表面
 
 適用範囲
 この手順は,ブラスト処理鋼板素地に塗装された乾燥膜厚に関する変数の測定について規定する。方法 No.6Aで測定される実際の膜厚は,25μm 以上,意味のある結果を得るにはむしろ50μm 以上でなければならない。
 
 装置及び材料
 方法 No.6A に用いられる磁気感応形のもの
 測定値を平均標準偏差及びその他の統計値に変換する機能を追加して取り付けた装置の使用は,注意して扱うことが望ましく,むしろ統計的技術の熟練者によってだけ使用することが望ましい。
 国家認定標準にトレサブルな合意値をもつフォイル状の校正用シム
 未認証の校正用のシムは,マイクロメータを用いて現場で検証するなら,用いてもよい。校正用には,ミルスケール及びさびがなく,塗装鋼板に類似の磁気的性質をもつ滑らかな鋼片で,少なくとも1.2mmの厚さのもの。
 
 手順
 校正
 すべての汚れ及び腐食生成物を除去するために,使用前に 400 番研磨紙で研磨した平らな鋼板片を用い,校正しなければならない。
 校正用シムは,プローブと平らな鋼板片の間に挟み,測定する膜厚の予想値より上及び下の厚さの校正板(シム)を用いる。
 
 測定
 試験場所において装置を作動させるたびに,また,使用中頻繁に(少なくとも 1 時間に 1 回)適切に作動していることを確認するため,装置の校正を行う。
 基板金属の厚さ 各装置には基板金属の臨界厚さが存在し,これを超えると,測定値は,基板金属の厚さによって影響を受けなくなる。
 基板金属の厚さが臨界厚さを超えているか否かを点検しなければならない。超えていない場合,バックアップ法(すなわち,十分な厚さの同種金属で基板金属を裏打ちする。)を用いるか,又は試験片と同じ厚さと磁気的性質をもつ校正用標準で校正されていることを確認する。
 
 読取り値の数
 各参照領域に均等に分布する少なくとも 3 個の読取り測定値を取ることが望ましい。
 
 備考 手引きとして,平らな板の場合,各平方メートルごとに2か所の参照領域,ウエブ (web) の場合,長さ1mごとに4か所,フランジの場合,長さ1mごとに2か所,パイプの場合,長さ1mごとに2か所,直径の大きいパイプの場合は,更に多くの場所の参照領域をとることが望ましい。
 一般に,海洋構造物及び船舶の場合には,より頻度の高い読取り測定を行うことが望ましい。

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