防食概論:塗料・塗装

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         一般外面・塗装系 L

 塗装系 Lは,日本海からの離岸距離約 50mの実橋梁( 1976年試験塗装)で 30年以上の実績がある。また,一般環境として,東北・上越新幹線や京葉線の鋼橋に開業当時( 1980年代塗装)から適用され,2014年現在も塗替え塗装を必要としていないなどの実用実績がある。
  【適用範囲】指針 Ⅰ-解-8 ページ)
 塗装系 Lは,本州・四国連絡橋の計画を受けて,昭和 30年代に日本国有鉄道・鉄道技術研究所が中心となり,海岸近接地域や海上に架設される橋梁に適用でき,長期防食性を有する塗装系として開発された景観性を必要としない場合に適用する長期防錆型塗装系である。
 塗装系 Lに用いる上塗り塗料には,厚膜型ポリウレタン樹脂塗料上塗,及び厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料上塗がある。
 
 【塗装仕様】
 
 原板(製鋼工場)
 【素地調整】
 ブラスト処理
 除錆度: ISO Sa2 1/2 以上,表面粗さ: 10点平均粗さ 80μmRzJIS 以下
 【プライマー】
 ブラスト処理後 3 時間以内
 無機ジンクリッチプライマー: 使用量 160g/m2膜厚 15μm
 2次素地調整で除去されるので,プライマーの膜厚は総合膜厚に加えない。
 
 橋梁製作工場
 【 2 次素地調整】
 ブラスト処理
 除錆度: ISO Sa2 1/2 以上,表面粗さ: 10点平均粗さ 70μmRzJIS 以下
 【下塗り】
  素地調整後 3 時間以内
 無機ジンクリッチプライマー: 使用量 200g/m2膜厚 20μm
  ①塗装後 2日以上,1カ月以内
 厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料: 使用量 350g/m2(膜厚 90μm)
  ②塗装後 1日以上,7日以内
 厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料: 使用量 350g/m2(膜厚 90μm)
 【中塗り】
 この塗装系は,下塗り塗膜に直接上塗り塗装するので,中塗り塗料の規定はない。
 【上塗り】
 下塗り塗装後 1 日以上,7 日以内
 厚膜型ポリウレタン樹脂塗料上塗: 使用量 180g/m2(膜厚 50μm)
 又は,厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料上塗: 使用量 350g/m2(膜厚 90μm)
 
 【備考】
 厚膜型変性エポキシ基樹脂塗料上塗を用いる場合,屋外では早期に白化・チョーキングが生じ,直射日光を受ける部材面では,15年で中塗り塗膜が透けて見えはじめ,20年ほどで 1 層目が消失する。
 このように,次回の塗替え時に旧塗膜の厚みが減少しているため,その後の塗膜厚み増加を少なくできるメリットはあるが,塗膜の外観変化が早期に起こる。
 上塗り塗料の選択は,厚膜型ポリウレタン樹脂塗料上塗を基本とし,景観性能を求めない場合に厚膜型変性エポキシ樹脂系塗料上塗を用いる。

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