防食概論:塗料・塗装

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         上塗り適合性

 JIS K 5500 「塗料用語」では,上塗り適合性(overcoatability)とは,“ある塗料の塗膜の上に,決められた塗料を塗り重ねたときに,塗装上の支障が起こらず,正常な組合せ塗膜層が得られるための,塗り重ねられる下地塗膜の性状”と定義されている。
 すなわち,下塗り塗料の規格では,指定する中塗り塗料を塗り重ねたときの下塗り塗料の品質評価を,中塗り塗料の規格では,指定する上塗り塗料を塗り重ねたときの中塗り塗料の品質を評価することを目的としている。
 
 次には,JIS K 5551 「構造物用さび止めペイント」,及び JIS K 5659 「鋼構造物用耐候性塗料」に規定される試験の概要を紹介する。
 
 JIS K 5551 「構造物用さび止めペイント」
 a) 試験板
  試験板は,大きさ 150mm×70mm×0.8mmの 鋼板 2 枚とする。
 
 b) 試験片の作製
 試験板 1 枚に試料を 1 回塗りで塗装し, 48 時間置いたものに JIS K 5659 「鋼構造物用耐候性塗料」に規定する中塗り塗料を塗り重ねる。
 塗装方法は,JIS K 5600-1-1:1999 「塗料一般試験方法−第 1 部:通則−第 1 節:試験一般(条件及び方法)Testing methods for paints−Part 1 : General rule−Section 1 : General test methods (conditions and methods)」の(吹付け塗り)による。
 同時に,別の試験板 1 枚に,同じ中塗り塗料を同じ塗装方法で塗装したもの,すなわち鋼板に中塗り塗料のみを塗り付けた試験片を原状試験片とする。
 
 c) 評価,及び判定
 判定は,次を満足するとき“支障がない”とする。
 1) 中塗り塗料の上塗り作業(「塗装作業性」)に支障がない。
 2) 中塗り塗料を上塗り後 48 時間置いて,塗膜の外観を目視によって観察したとき,上塗りした塗膜(中塗り塗膜)にはじき,割れ,穴,膨れ,及びはがれを認めない。
 3) 中塗り塗料を上塗り後 48 時間置いた試験片と,同時に作製した原状試験片とを比べ,指触によって粘着の程度,及び目視によってしわの程度が大きくない。
 
 JIS K 5659 「鋼構造物用耐候性塗料」
 a) 試験片の作製
 「塗膜の外観」の評価に適合した中塗り塗料の試験片に,直ちに,上塗り塗料を(試験片の作製,試料の塗り方)によって塗り重ねる。
 別に,鋼板 1 枚の片面に同じ上塗り塗料を同じ方法で塗装したものを原状試験片とする。
 
 b) 試験方法
 上塗り適合性は,中塗り塗膜の上に上塗り塗料を塗り重ねた時に「塗装作業性」を観察し,塗装後 48 時間静置した後,外観を観察することによって行う。
 
 c) 評価,及び判定
 上塗り時の塗装作業の観察で,塗装作業に支障がなく,目視による外観の観察による評価によって,上塗り塗膜に,はじき,割れ,穴,膨れ,及びはがれを認めず,原状試験片に比べて,つや粘着,及びしわの程度の差異が大きくないときは,中塗り塗料の上塗り適合性に“支障がない”とする。

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