社会資本鋼橋の製作と構造

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 鋼橋の製作と構造サイトの構成

 鋼橋の製作工程や構造の概要を解説する。また,鋼橋関連の用語も紹介する。
「鋼橋の製作」
 鋼橋製作の基本的な手順,製作工程別の概要と留意点などを解説する。
 1. 製作工程 : 鋼橋製作の基本的な流れについて紹介。
 2. 素地調整 : 製鋼段階と橋梁製作後に実施される素地調整について解説。
 3. 接合・溶接 : 橋梁製作時の溶接接合方法,ボルト接合方法について解説。
 4. 防食対策 : 鋼橋設計時に考慮すべき防食対策の考え方,耐候性鋼,塗装鋼による防食の概要を紹介。
 5. 搬送・架設 : 鋼橋の保管,現地搬送,及び架設工法などを解説。
 
「鋼橋の構造」
 1. はじめに : 鋼橋の基本的な構造分類,基礎用語について紹介。
 2. トラス橋 : トラス構造の分類,及び構造部材について解説。
 3. アーチ橋など : アーチ橋,吊り橋,斜張橋,及びラーメン橋について,構造分類について解説。
 4. 鋼桁部材 : 最も一般的な鋼桁(プレートガーダー橋,箱桁)の構造部材について解説。
 5. 支承部 : 桁を支える支承の種類と構造について解説。
 6. 合成桁 : 鋼桁とコンクリート床版が一体化した合成桁の構造について解説。

 はじめに

 鉄道や道路で使用される鋼製の橋梁(鋼橋という)は,現地の状況,交通量などの条件を考慮して最適な構造で設計される。鉄鋼メーカーで製作した鋼材を橋梁製作メーカーで加工し,設計通りであることを検査した後に,現場に搬入し架設される。
 
 鋼橋の構造形式には,上下路プレートガーダー,トラス,アーチ等の桁式構造,鋼製の単柱式橋脚,ラーメン橋脚,ラーメン高架橋等の構造,鋼桁と鉄筋コンクリート床版をずれ止めを介して合成させた桁構造の合成桁,鉄骨鉄筋コンクリート構造やコンクリート充填鋼管構造等の鋼とコンクリートの複合構造など様々存在する。
 
 このサイトでは,一般的な鋼橋製作工程,鋼橋の構造,部材の種類などの基本的な情報を提供する。さらに,以下に示す基礎用語の他に,用語集として鋼橋の設計,性能,部材の関連用語を紹介する。

トラス橋の架設工事例

トラス橋の架設工事例
写真:株式会社IHIインフラシステム

 

 鋼橋関連の基礎用語

 「第二版 鉄道技術用語辞典」丸善(略称 鉄道技術),「新版図説土木用語辞典」実教出版(略称 図説土木)を参考に,鋼橋の設計や構造に関連した用語をまとめて【鋼橋関連の基礎用語】に紹介する。
 次には,代表的な構造に関連する用語を抜粋して紹介する。
  • 鋼構造(steel structure)
     鋼材のみから構成される構造物。一般には整備された工場で部材を作成し,これを現場に運搬・架設して構造物とするものである。鉄鋼は現在までに約200年の歴史を持っており,構造的に信頼性が高いこと,現場での作業が他の構造のものに比べて容易であること,現場での工事期間が短いこと,我が国は良質の鋼材の生産国で熟練度の高い専門の製作業者に恵まれていることなどのため,広い範囲の構造物に用いられている。(鉄道技術)
  • 鋼管構造(steel tubular structure)
     鋼管を部材として使用した構造。一般には,柱部材として橋脚やラーメン脚に用いられることが多い。鋼管内部をコンクリートで充填し,梁あるいはアーチ部材として使用されることもある。(鉄道技術)
  • コンクリート構造(concrete structure)
     コンクリートを主要材料に用いた構造をいい,棒鋼などで補強された構造として,鉄筋コンクリート構造,プレストレストコンクリート構造などがある。また,鋼繊維,炭素繊維などの繊維で補強されたものもある。
     鉄筋コンクリートやプレストレストコンクリートでは,コンクリートは主に圧縮力を分担し,鉄筋は主に引張力を分担する。(鉄道技術)
  • 合成構造(composite structure)
     異種の材料からなる部材を合成して一体化した構造。合成桁やSRC桁などの総称。(鉄道技術)
  • 上路橋(deck bridge)
     通路が主桁,主構またはアーチの上方にある橋。
     交通の支障が少なく,見通しが良い。(図説土木)
  • 中路橋(half through bridge)
     橋桁の中間部に通路を設桁橋。(図説土木)
  • 下路橋(through bridge)
     通路の位置による橋の分類の一つで,通路が橋桁の下部に設けられた橋。橋桁の下の空間を大きく使うことができる。例えば,下路トラス(through truss) 。(図説土木)
  • ひ(避)いつ橋(avoid bridge from overflow)
     洪水を疎通し,線路の築堤を防護する目的で造られた橋。洪水の氾濫地域内に設けられる鉄道橋である。(図説土木)
  • 架道橋(over bridge)
     鉄道と道路が立体交差する場合に,鉄道が道路の上を越す形で設ける橋りょう。(図説土木)
  • こ(跨)線橋(over bridge)
     道路,鉄道の上を通過するために設けられた橋。目的によって,こ線道路橋,こ線鉄道橋,こ線水路橋などがある。(図説土木)
  • 支間(span)
     はりの支点間の距離。構造物の設計で基準となる長さである。(図説土木)

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