腐食概論:鋼の腐食

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         【耐候性鋼の適用】

 SM材の防食は塗装を基本とし,SMA材は架設環境の腐食性が低い場合に無塗装で使用できる。SMA材(裸仕様)の適否は,架設環境の飛来塩分量で判定されている。
 道路の鋼橋では,原則として飛来塩分量 0.05mdd(mg・dm-2・day-1)未満の環境で適用できるとしている。鉄道でも同様に,飛来塩分量と付近環境(温泉地,凍結防止剤散布道路の有無など)により架設環境を規定している。
 しかし,陸上構造物に影響する塩には,飛来海塩粒子**の他に,道路で凍結防止を目的に散布する塩の影響も無視できない。このため,この分野では飛来塩分ということが多い。
 **:一般的に腐食環境評価において,大気中に漂う塩は,海を主発生源としていることから,飛来海塩粒子と称している。
 
参考: 飛来塩分量を表す単位 “mdd”は,1日当たりに単位面積(デシメートル平方:10cm×10cm)に付着する量(mg)を意味し,測定方法で値が変わる。大気中の絶対量の評価ではなく測定装置に付着した量の評価であることに留意する必要がある。
: 道路分野での飛来塩分量測定には,独特の土研式飛来塩分測定方法を用いているため,JIS,ISO等で規格するガーゼ法やウェットキャンドル法とは測定原理が異なる。このため,JIS法で求められた飛来塩分測定結果を耐候性鋼の適用可否にそのまま用いて良いかは不明である。

 鉄道では,SMA材を裸仕様で設計する場合にも,橋梁全体の耐久性向上を目的に,「桁端部の橋台前面位置まで塗装」することを基本とし,「下フランジ下面の塗装も推奨している。
 最近は,SMA材の裸使用が困難な環境でも裸使用可能な耐候性鋼材として,ニッケル系高耐候性鋼材の適用事例も増えている。

 支承部の要求性能には,機械的性質以外に。構造が複雑であること,濡れ時間が長く塗替え塗装作業の困難個所であることなどの特殊事情を考慮した耐食性に優れる材料が求められる。このため,多くの場合は,靭性の高い鋳鉄品が多く用いられてきた。
 使用実績の多いものに,SC450などのJIS G 5101(炭素鋼鋳鋼品)規格品,SCW410などのJIS G 5102(溶接構造用鋳鋼品)規格品,SCMn1AなどのJIS G 5111(構造用高張力炭素鋼および低合金鋼鋳鋼品)規格品などがある。
 支承部のピン材やアンカーバーには,S35CNなどの機械構造用炭素鋼材(JIS G 4051)が用いられている。
 最近では,耐震性の向上なども含めて,ゴム製の支承が用いられる場合が増えてきている。

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