道路輸送の変遷と現状

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 【現状と課題】

 高度成長期の爆発的な自動車保有台数の増加やそれに伴う道路網の拡大は,1990年代になり,バブル経済崩壊による景気と財政の悪化なども加わり,その増加速度が鈍くなった。インフラ整備も一段落する様相を示している。
 この時代より,自動車は環境影響の小さい,すなわちガソリン消費量の少ない車両へ,構造物は既設構造物の維持管理や長寿命化に関心がシフトしてきた。
 下図に示す道路橋建設数の推移によると,2000年代には,橋梁建設数が激減ししている。老朽化の激しい橋梁や古い設計基準の橋梁の架け替えが完了するなど,インフラとしての道路が成熟してきたことを示す。
 今後は,これらの過去に建設した道路の維持管理が重要な時代に移行すると考えられる。

道路橋建設数の推移

道路橋建設数の推移
データ出所:出典:参考資料6),7)

 老朽化した橋梁や既設橋梁の長寿命化を目指す検討が進められている。国土交通省は,「老朽橋の増大を近い将来に控え,従来の対処療法的な修繕や架け替えから,予防保全的な修繕や計画的な架け替えへと,円滑な政策転換を図り,ライフサイクルコストを縮減すること」資料7) を目標に,橋梁の点検強化や長寿命化対策による維持管理経費の縮減に向けた検討を進めている。
 下表の管理団体別の橋梁保有数に示すように,道路の約80%の管理主体は,財政に余裕のない地方自治体である。

道路延長及び橋梁数の現状
データ出所:参考資料6),7)
  道路種別  道路延長(㎞)
  平成21年4月現在 
  橋梁数(15m以上)
平成20年4月現在 
高速道 7,640 6,717
一般国道 54,790 24,773
地方公共団体
  (都道府県市町村道) 
1,145,440 122,039
合計 1,207,870 153,529

 多くの地方自治体では,技術者不足,財政不足から橋梁の点検すら実施していない状況が長く続いてきた。また,橋梁点検を行ったとしても,財政不足から適切な措置ができず,通行止めでの対応以外にすべがないのも現状である。
 実際に,平成20年4月時点で地方公共団体が管理する橋長15m以上の橋梁で,通行止め措置の橋梁が 121橋,通行規制の橋梁が 680橋であった。それが,国土交通省の点検強化の指導により,それまで点検されなかった橋梁の点検が実施されたことで,平成22年4月時点で通行止め 166橋,通行規制 1,072橋と著しく増加した現状がある。

 【参考資料】
 1) (社)日本橋梁建設協会編集,「新版日本の橋-鉄・鋼橋のあゆみ-」朝倉書店,2004年5月
 2) 鈴木五郎「特集/西暦2000年を前に-自動車の昨日・今日・明日 日本の自動車100年-」(社)日本自動車工業会JAMAGAZIN1999年12月号
 3) 平成17年警察白書,(財)自動車検査登録情報協会「自動車保有台数統計データ」,(社)新交通管理システム協会「日本の交通事情」
 4) 国土交通省道路局東日本高速道路(株)中日本高速道路(株)西日本高速道路(株)首都高速道路(株)阪神高速道路(株)名古屋高速道路公社本州四国連絡高速道路(株)などのホームページ
 5) 「道路橋示方書(I 共通編・Ⅱ鋼橋編)・同解説」(社)日本道路協会2002年など
 6) 道路施設現況調査「橋梁現況調査」H21.4.1(国土交通省道路局)
 7) 総務省行政評価局「社会資本の維持管理及び更新に関する行政評価・監視-道路橋の保全等を中心として-結果報告書」平成22年2月

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