社会資本自動車と道路の変遷と現状

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 道路網の発達

 自動車社会の進展に伴い,高速道路の整備も進んだ。1958年(昭和33年)に道路整備緊急措置法が制定され,第2条第1項に「五箇年間における高速自動車国道及び一般国道並びに政令で定める都道府県道その他の道路の新設、改築、維持及び修繕に関する計画(道路整備五箇年計画)の案を作成して閣議の決定を求めなければならない」 と定められ,計画的な道路整備が推進した。
 主な高速道路創成期における推移は次のとおりである。
  1958年(昭和33年)に小牧~西宮間の191kmの名神高速道路着工
  1959年(昭和34年)6月に首都高速道路公団(2005年民営化)誕生
  1962年(昭和37年)12月に日本初の高速道路(首都高速 京橋-芝浦間;4.5km)開通
  1962年(昭和37年)5月に阪神高速道路公団(2005年民営化)誕生
  1965年(昭和40年)に東名高速道路着工
  1970年(昭和45年)9月に名古屋高速道路公社誕生
 その後,高速道路の延長(km)は,図に示すように,1982年(昭和57年)には3,000km,1991年(平成3年)に5,000km,2002年(平成14年)には7,000kmを突破するほどに急激に増加した。

高速道路延長の推移

高速道路延長の推移
データ出所:資料3)


 高速道路とは
 一般的には,自動車の高速運転を安全に維持するために造られた道路と認識されている。日本の法では,次のように定義されている。
 高速道路株式会社法
 第二条(定義) この法律において「道路」とは,道路法第二条第一項に規定する道路をいう。
 2 この法律において「高速道路」とは,次に掲げる道路をいう。
 一 高速自動車国道法第四条第一項に規定する高速自動車国道
 二 道路法第四十八条の四に規定する自動車専用道路並びにこれと同等の規格及び機能を有する道路。
 高速自動車国道法
 第四条第一項(高速自動車国道の意義及び路線の指定) 高速自動車国道とは,自動車の高速交通の用に供する道路で,全国的な自動車交通網の枢要部分を構成し,かつ,政治・経済・文化上特に重要な地域を連絡するものその他国の利害に特に重大な関係を有するもので,次の各号に掲げるものをいう。
 一 国土開発幹線自動車道の予定路線のうちから政令でその路線を指定したもの
 二 前条第三項(高速自動車国道の予定路線)の規定により告示された予定路線のうちから政令でその路線を指定したもの
 2010年時点の主な高速道路を次に示す。
主要高速道路(自動車道)の概要資料4)
沖縄自動車道:1987年一般国道329号から高速自動車国道に昇格
  法定路線名    道路名   開通年    総距離(㎞)     起 点      終 点  
  北海道縦貫自動車道   道央自動車道   1971年- 697.0   落部IC   士別剣淵IC 
  東北縦貫自動車道弘前線    東北自動車道   1972年-1987年  679.5   川口JCT   青森IC
  常磐自動車道   常磐自動車道   1981年- 230.0   三郷IC   亘理IC
  関越自動車道   関越自動車道   1971年-1985年 246.3   練馬IC   長岡IC
  北陸自動車道   北陸自動車道   1972年-1997年 476.5   新潟中央JCT   米原JCT
  中央自動車道西宮線   中央自動車道   1967年-1982年 273.5   高井戸IC   小牧JCT
  第一東海自動車道   東名高速道路   1968年-1969年 346.8   東京IC   小牧IC
  中央自動車道西宮線   名神高速道路   1963年-1965年 193.9   名古屋IC   西宮IC
  中国縦貫自動車道   中国自動車道   1970年-1983年 540.1   吹田JCT   下関IC
  四国縦貫自動車道   徳島,高知,松山自動車道   1985年- 336.4   徳島IC   大洲IC
  九州縦貫自動車道   九州自動車道   1971年-1995年 346.4   門司IC   鹿児島IC
  地域高規格道路   首都高速道路   1962年- 322.5   ―   ―
  名古屋高速道路   1979年- 67.4   ―   ―
  阪神高速道路   1964年- 239.3   ―   ―
  神戸・鳴門ルート   神戸淡路鳴門自動車道    1985年-1998年 89.0   神戸西IC   鳴門IC
  児島・坂出ルート   瀬戸中央自動車道   1988年 37.3   早島IC   坂出IC
  尾道・今治ルート   西瀬戸自動車道   1979年-2006年 59.4   西瀬戸尾道IC    今治IC
  高速自動車国道   沖縄自動車道   1975年- 57.3   許田IC   石川IC

 【参考資料】
 1) (社)日本橋梁建設協会編集,「新版日本の橋-鉄・鋼橋のあゆみ-」朝倉書店,2004年5月
 2) 鈴木五郎「特集/西暦2000年を前に-自動車の昨日・今日・明日 日本の自動車100年-」(社)日本自動車工業会JAMAGAZIN1999年12月号
 3) 平成17年警察白書,(財)自動車検査登録情報協会「自動車保有台数統計データ」,(社)新交通管理システム協会「日本の交通事情」
 4) 国土交通省道路局,東日本高速道路(株),中日本高速道路(株),西日本高速道路(株),首都高速道路(株),阪神高速道路(株),名古屋高速道路公社,本州四国連絡高速道路(株)などのホームページ

 5) 「道路橋示方書(I 共通編・Ⅱ鋼橋編)・同解説」(社)日本道路協会2002年など
 6) 道路施設現況調査「橋梁現況調査」H21.4.1(国土交通省道路局)
 7) 総務省行政評価局「社会資本の維持管理及び更新に関する行政評価・監視-道路橋の保全等を中心として-結果報告書」平成22年2月

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