金属概論:亜鉛めっき鋼

 技術用語関連のページ探しは
    “キーワード索引”

 関連機関へのリンク,金属関連書籍は
    “お役立ち情報”

  ☆ “ホーム” ⇒ “腐食防食とは“ ⇒

  【亜鉛めっき鋼の種類】

 めっき(plating)とは,鍍金(ときん)とも言われ,金属を中心とする材料に対し,材料の装飾,耐食性向上,耐摩耗性向上,表面硬さなどの表面機能付与を目的に,異種金属の薄膜被覆による表面処理やその方法を指す。なお,めっきは,日本語なのでひらがな表記とする。
 めっきは,処理工程の違いで,化学反応(酸化還元反応)を利用した電解めっき(電気めっき),無電解めっき(化学めっき),融点の温度差を利用した溶融めっきなどに分けられる。

 亜鉛めっき鋼(zinc-coated sheets)は,製造方法の違いにより,電気亜鉛めっき鋼溶融亜鉛めっき鋼に分けられる。
 電解めっき(electroplating )とは,一般的には電気めっきといわれることが多い。めっきしたい物質を含む溶液,溶融塩や固体電解質から,電導性のある対象物表面に,電気を用いて還元した物質(金属など)の薄い層を形成する表面処理法である。
 電解めっきでは,陰極(カソード)に導電性のある対象物を取り付け,陽極(アノード)には,めっきしたい物質の活性電極,又は溶液中の成分を還元するための電流を流す不活性電極を用いる。
 溶融めっき(hot dip coating)とは,溶融した液状金属に構造体や部材を浸漬し,溶融金属と構造体の温度差を利用し,構造体表面に溶融金属を凝固させる方法である。この方法では,母材が熱影響を受ける温度より低い融点の金属しかめっきできない。
 鉄鋼に適用可能な低融点金属を用いた溶融めっきには,JIS H8641「溶融亜鉛めっき」(浴温度430℃以上),JIS H 8642「溶融アルミニウムめっき」(浴温度700℃以上),溶融 55%アルミニウム-亜鉛合金めっき(浴温度570℃以上)などがある。

 参考:酸化還元反応(oxidation-reduction reaction )
 反応物から生成物が生じる化学反応において,物質間で電子の授受のある反応である。酸化還元反応では,ある物質の酸化過程と他の物質の還元過程が並行して進行する。すなわち,一般にいうところの「酸化反応」と「還元反応」は,対象物質を見る立場で,現象の説明を容易にするために用いる便宜的な用語であり,それらを別個に扱うことはできない。  

 次には,鋼に関連する電気めっきと溶融めっきに関する主な JIS規格を次に示す。なお,最新の情報については,(財)日本規格協会で確認できる。


電気めっき,溶融めっき関連のJIS規格
  規格番号  規格名称
JIS H 2102   アルミニウム地金(Aluminium ingots for remelting)
  溶解用として使用するアルミニウム地金
JIS H 2107   亜鉛地金(Zinc ingots)
  亜鉛地金の中で鉱石又はその他の亜鉛含有物質から蒸留又は電気化学的還元によって得られる精製亜鉛の固体
JIS H 8642   溶融アルミニウムめっき(Hot dip aluminized coatings on ferrous products)
  鉄鋼製品に耐候性,耐食性及び耐熱性を向上させる目的で施した溶融アルミニウムめっきの有効面。
JIS H 8641   溶融亜鉛めっき(Zinc hot dip galvanizings)
  鋼材及び鋼材加工品(素材)に防食の目的で施される溶融亜鉛めっきの有効面。
JIS H 8672   溶融アルミニウムめっき試験方法(Methods of test for hot dip aluminized coatings on ferrous products)
  鉄鋼製品に耐候性,耐食性及び耐熱性を向上させる目的で施した溶融アルミニウムめっきの試験方法(めっき厚さ試験方法,付着量試験方法,ピンホール試験方法,密着性試験方法)
JIS H 0401   溶融亜鉛めっき試験方法(Test methods for hot dip galvanized coatings)
  鋼材及び鋼材加工品に施した溶融亜鉛めっきの試験方法。規定される試験項目は,付着量(厚さ)試験方法,均一性試験方法(硫酸銅試験),密着性試験方法,性状試験方法(アルカリ試験)
JIS G 3302   溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯(Hot-dip zinc-coated steel sheet and strip)
  SGH材,SHC材と記され,質量分率で,97%以上の亜鉛を含むめっき浴(アルミニウム 0.30%以下)において,両面等厚の溶融亜鉛めっきを行った鋼板及び鋼帯並びに板。なお,SGH材は原板に熱間圧延鋼板をもちいたもの,SGC材は原板に冷間圧延鋼板を用いたものを示す。
JIS G 3312   塗装溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯(Prepainted hot-dip zinc-coated steel sheet and strip)
  CGC材と記され,冷間圧延原板を用いた溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯(SGC材)に,耐久性又は,耐久性及び日射反射性のある合成樹脂塗料を両面又は片面に均一に塗装し,焼き付けた塗装溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯並びに板
JIS G 3313   電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯(Electrolytic zinc-coated steel sheet and strip)
  電気亜鉛めっき鋼板及び電気亜鉛めっき鋼帯
JIS G 3317   溶融亜鉛-5%アルミニウム合金めっき鋼板及び鋼帯(Hot-zinc-5% aluminyum alloy-coated steel sheet and strip)
  SZAH材,SZAC材と記され,質量分率で約 5%アルミニウム及び残部亜鉛からなるめっき浴において溶融めっきを行った鋼板及び鋼帯並びに板。なお,SZAH材は原板に熱間圧延鋼板をもちいたもの,SZAC材は原板に冷間圧延鋼板を用いたものを示す。
JIS G 3318   塗装溶融亜鉛-5%アルミニウム合金めっき鋼板及び鋼帯(Prepainted hot-dip zinc-5% aluminium alloy-coated steel sheet and strip)
  CZAC材と記され,冷間圧延原板を用いた溶融亜鉛−5%アルミニウム合金めっき鋼板及び鋼帯(SZAC材)に,耐久性又は,耐久性及び日射反射性のある合成樹脂塗料を両面又は片面に均一に塗装,焼き付けた塗装溶融亜鉛−5 %アルミニウム合金めっき鋼板及び鋼帯並びに板
JIS G 3321   溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板及び鋼帯(Hot-dip 55% aluminium-zinc alloy-coated steel sheet and strip)
  SGLH材,SGLC材と記され,質量分率で約 55%アルミニウム,1.6%けい素,残部亜鉛を標準組成とするめっき浴において,溶融めっきを行った鋼板及び鋼帯並びに板。なお,SGLH材は原板に熱間圧延鋼板をもちいたもの,SGLC材は原板に冷間圧延鋼板を用いたものを示す。
JIS G 3322   塗装溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板及び鋼帯(Prepainted hot-dip 55% aluminium-Zinc alloy-coated steel and strip)
  CGLC材と記され,冷間圧延原板を用いた溶融 55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板及び鋼帯(SGLC材)に,耐久性又は,耐久性及び日射反射性のある合成樹脂塗料を両面又は片面に均一に塗装,焼き付けた塗装溶融 55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板及び鋼帯並びに板
JIS G 3323   溶融亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金めっき鋼板及び鋼帯(Hot-dip zinc-aluminium-magnesium alloy-coated steel sheet and strip)
  SGMH材,SGMCと記され,質量分率で,5.0%から 13.0%のアルミニウム,2.0%から 4.0%のマグネシウム,その他元素の合計 1.0%以下及び残部亜鉛からなるめっき浴において,両面等厚の溶融めっきを行った鋼板及び鋼帯並びに板。なお,SGMH材は原板に熱間圧延鋼板をもちいたもの,SGMC材は原板に冷間圧延鋼板を用いたものを示す。
JIS G 3442   水配管用亜鉛めっき鋼管(Galvanized steel pipes for ordinary piping)
  SGPW材と記され,水道用及び給水用以外の水配管(空調用,消火用,排水用などをいう。)に用いる亜鉛めっき鋼管
JIS G 3537   亜鉛めっき鋼より線(Zinc-coated steel wire strands)
  電力用・通信用の架空地線,埋設地線,ちょう架線,自己支持形ケーブル用支持線及び支線並びにこれと類似の目的に使用する亜鉛めっき鋼より線
JIS G 3542   着色塗装亜鉛めっき鉄線(Precoated color zinc-coated steel wires)
  主にひし形金網に使用される着色塗装亜鉛めっき鉄線。なお,SWMGS材に塗装したものをSWMCGS材と記し,SWMGH材に塗装したものをSWMCGH材と記す。
JIS G 3547   亜鉛めっき鉄線(Zinc-coated low carbon steel wires)
  JIS G 3505「軟鋼線材」材料に伸線加工及び焼きなましを行った後,溶融亜鉛めっき又は電気亜鉛めっきを行ったものはSWMGS材と記され,材料に伸線加工を行ったまま,溶融亜鉛めっき又は電気亜鉛めっきを行ったものはSWMGH材と記す。
JIS G 3548   亜鉛めっき鋼線(Zinc-coated steel wires)
  JIS G 3506「硬鋼線材」の線材に熱処理(パテンチング,焼きなましなど)を行った後,冷間加工し,これに溶融亜鉛めっき又は電気亜鉛めっきを行った断面形状が円形の線をSWGF材と記し,線材に熱処理(パテンチング,焼きなましなど)を行った後,冷間加工し,必要に応じて熱処理(パテンチング,焼きなましなど)を行い,これに溶融亜鉛めっき又は電気亜鉛めっきを行い,更に冷間加工した断面形状が円形の線をSWGD材と記す。

   ページのトップ