鋼橋の製作

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   【3.2 ボルト継手】

 ボルト継手とは
 高力ボルトによる接合方法には,ボルト軸直角方向の力を伝達する摩擦接合・支圧接合,ボルト軸方向の力を伝達する引張接合がある。
 高力ボルトの種類には,高力六角ボルト,トルシア形高力ボルト,打込み式高力ボルトがある。

高力ボルトの種類

高力ボルトの種類

 
 摩擦接合は,高力ボルトにより,接合部の鋼材片を強い軸力で締め付け,鋼材間の摩擦面に生じる摩擦抵抗で高力ボルトの軸と直角方向の応力を伝達する方式である。
 支圧接合は,ボルト幹とボルト穴壁との間の支圧とボルト幹のせん断抵抗によって力を伝える接合方法で,過去のリベット接合と同様の機構で作用する。
 支圧接合に用いる高力ボルトとしては,摩擦接合用高力ボルトをそのまま用いる場合,ボルト穴との支圧を均一にするためのボルトの円筒部を仕上げたものを用いる場合,打込み式のものを用いる場合がある。一般には,打込み式高力ボルトを用いるのが多い。
 鋼橋等の構造物では,摩擦接合用の場合には,高力六角ボルトではM16,M20,M22及びM24をトルシア形高力ボルトではM20,M22及びM24を用いる。支圧接合用には,M20及びM22の高力ボルトを用いる。鉄道ではB6T及びB8Tの打込み式高力ボルトが用いられている。
    設計・施工上の留意事項
  • ボルト孔の作製は,ボルトの規定寸法にドリルで直接仕上げる。ドリルで先孔を開けた鋼材片を組み合わせ,後でリーマ通しを行い規定の寸法に仕上げる。又は当てもみ工法で仕上げるなどの方法がある。
  • ボルト孔の径は,呼び径+2.5mmと規定されている。その許容差は,高力ボルトで+0.5mm,打込み式高力ボルトでは±0.3mmと定められている。
  • ボルト孔の中心から板の縁までの最大距離は,一般に,板厚みの8倍 ,又は150mm以下としてよいとされている。
     しかし,板が薄い場合は,高力ボルトの締め付けで変形し,鋼材片相互にすき間が生じることがあるので,6倍程度にするのが望ましい。
     架設環境の腐食性が高い場合は,鋼材片の密着確保による腐食抑制を目的に,最小縁端距離を確保しつつできるだけ小さくするのがよい。
  • 高力ボルトは,工場出荷時の品質が保たれるように,十分に注意して保管及び取り扱わなければならない。なお,良好な保管状態を保った場合でも6カ月以上の保管は推奨されない。
  • 摩擦接合の鋼材片の接触面は,設計で想定したすべり係数(「接合材の接触面が滑り出す荷重」÷「ボルトに導入した張力」=0.4以上)が確保できるように処理する。支圧接合の場合はこの限りではない。
  • 高力ボルトの締め付けは,ナットを回して行う。ボルト郡の中央部から順次端部のボルトに向って,2度締めを行う。1回目の締め付け(予備締め)は,標準の締め付けボルト軸力の60%程度で締め付け,2回目の締め付けで所定のトルクを与えて締め付ける。
     トルシア形高力ボルトの締め付けは,1回目の予備締め後に共回り防止確認ためボルト,ナット,座金にマーキングし,2回目の締め付けでは,専用締め付け機を用いてピンテールが破断するまで締め付ける。

【参考】 ボルトの記号について
 構造物ではF10TS10Tボルトがよく用いられる。ボルトの記号の意味は次の通りである。
 最初の記号は,一般的には F は摩擦接合用(for Friction Grip Joints)を意味し,S は構造用(for Structural Joints)を意味する。しかし,土木分野では,高力六角ボルトに F を,これと区別するためトルシア形高力ボルトに S を用いている。
 数値の 10 は強さ10ton・f・cm-2(100kgf・mm-2)を,は強さが引張り(Tensile Strength)であることを表している。

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