社会資本・腐食防食関連の技術用語 (索引)

 “社会資本“,及び“腐食防食“に関連する記事を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 ここでは,サ行 “し”の用語を  しあ~しけ,  しこ~しち,  しつ~しほ,  しま~しゆ,  しよ,  しら~しん  に分けて紹介する。

 用語一覧 しら~

シリコーン 】  , 【 シリコーン樹脂 】  , 【 シリコーン樹脂 】  , 【 シリコーン樹脂塗料 】  , 【 示量状態量 】  , 【 試料 】  , 【 シルト 】  ,

シロキサン 】  , 【 白さび 】  , 【 白鋳鉄(白銑) 】  , 【 しわ(塗膜の) 】  , 【 新幹線 】  , 【 真空蒸着 】  , 【 ジンククロメートさび止めペイント 】  ,

ジンクダストペイント 】  , 【 ジンクリッチプライマー 】  , 【 ジンクリッチペイント 】  , 【 ジンケート浴 】  , 【 人工環境試験 】  , 【 人工酸性雨サイクル試験 】  ,

侵食 】  , 【 侵食度 】  , 【 じん性(靭性) 】  , 【 浸せき試験 】  , 【 針鉄鉱 】  , 【 展伸材 】  , 【 振動 】  , 【 浸透圧 】  ,

浸透探傷試験 】  , 【 神東塗料株式会社 】  , 【 シンナー 】  , 【 侵入形固溶体 】  , 【 真ひずみ 】  , 【 真溶剤(しんようざい) 】  , 【 心理物理色

 用語の概要と関連ページ


 【シリコーン】( silicone )
 シリコーンは,シロキサン結合の主骨格を持つ人工高分子化合物の総称。ただし,慣用的に低分子シラン類を含む有機ケイ素化合物全般を指す場合もある。
 ジクロロジメチルシランなどの各種シラン類を加水分解し,生成したシラノール (R3Si-OH) を脱水縮合したオリゴマー(※1),ポリマーである。 モノマーが10以下の比較的低分子のものをポリシロキサン (polysiloxane) やシロキサンと呼ぶ。なお,合成樹脂として用るものを「シリコン樹脂」や「シリコン」と呼ばれることがあり,元素のケイ素 (silicon) と紛らわしいので注意が必要である。
 主骨格のシロキサン結合 (Si-O-Si) は,有機物の炭素-炭素結合に比較し,結合エネルギー,原子間距離,結合角が大きく,分子全体がらせん構造をとっている。このため,有機高分子材料には見られない次に示す特長がある。主骨格の結合が強いため,200℃(条件により400℃)を超える高温に耐える。さらに,シロキサン結合のバンドギャップが大きく,電気絶縁性が比較的高く,誘電率が小さいことなどから,絶縁耐力に優れ,紫外線や放射線に影響も小さい。
 有機性の置換基により無機物にはない特性(柔軟性,親水性,疎水性など)を持たせることができる。使用される置換基は,ポリエーテル,エポキシ,アミン類,カルボキシル基、アラルキル基など多様で,メチル基またはフェニル基のみを導入したストレートシリコーンに対し,変性シリコーンと呼ばれる。
 シロキサン結合が2000以下の直鎖構造の分子は,オイルの性質を有し,シリコーンオイル, グリース(耐油性が劣る材質の潤滑),オイルコンパウンド(高い熱伝導率,放熱用,電気用,光学用),消泡剤(小さい表面張力利用,各種溶液の処理工程で利用),化粧品(伸びがよくべたつかない肌触り),日用品(繊維表面に馴染む,摩擦係数が小さい,ティッシュペーパー,リンス,柔軟仕上剤)などに利用されている。
 シロキサン結合が5000~10000の直鎖構造分子はゴムの性質を示し,二次加硫してゴムコンパウンド(各種シーリング材,ダイヤフラム,保護用部品など),RTVゴム(触媒を加えることで重合反応する室温硬化型ゴムとして,保護材,放熱材,歯科医療などの型取り剤など)に利用されている。他に,医療素材(バルーンカテーテル,人工心肺膜),シリコーンハイドロゲル(酸素透過型コンタクトレンズ,形成外科・美容整形手術の充填剤など)にも用いられている。
 (※1)オリゴマー(oligomer)比較的少数のモノマーが結合した重合体で,モノマーの数によりダイマー(dimer:二量体),トライマー(trimer:三量体),テトラマー(tetramer:四量体)などと呼ぶ。
 関連ページ : 塗料概論:塗料の近代化 ,  塗料概論:塗料形成要素(展色材) ,  塗料概論:塗料副要素(添加剤) ,  塗料評価:上塗り塗料 ,  塗膜の評価:上塗り塗料 ,  
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 【シリコーン樹脂】( silicone, silicone resin, silicone modified resin )
 有機シリコーン重合体又はその変性品を主成分とするシロキサン基を含む合成樹脂。【JIS K5500「塗料用語」】
 ケイ素化合物を主成分とする高分子の合成樹脂。「ケイ素樹脂」,単に「シリコーン」や「シリコン」などとも呼ばれる。オルガノポリシロキサン (-Si-O-Si-O- 鎖が主鎖,Si上に有機基を有する構造) を主鎖としており,置換基(有機基)により,その物性(屈折率・比重・ガラス転移点・親水性・疎水性・風合いなど)が大きく変化する。シリコーンの項参照。
 関連ページ : 防食基礎:有機高分子材料 ,  
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 【シリコーン樹脂】( silicone, silicone resin, silicone modified resin )
 有機シリコーン重合体又はその変性品を主成分とするシロキサン基を含む合成樹脂。【JIS K5500「塗料用語」】
 ケイ素化合物を主成分とする高分子の合成樹脂。「ケイ素樹脂」,単に「シリコーン」や「シリコン」などとも呼ばれる。オルガノポリシロキサン (-Si-O-Si-O- 鎖が主鎖,Si上に有機基を有する構造) を主鎖としており,置換基(有機基)により,その物性(屈折率・比重・ガラス転移点・親水性・疎水性・風合いなど)が大きく変化する。シリコーンの項参照。
 関連ページ : 塗料概論:塗料の近代化 ,  塗料概論:塗料形成要素(展色材) ,  
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 【シリコーン樹脂塗料】( silicone coating )
 シリコーン樹脂塗料とは,塗膜形成要素としてシリコーン樹脂を用いて作った塗料。【JIS K5500「塗料用語」】
 シリコーン(silicone)を塗料に用いる際は,通常アクリル樹脂,ポリエステル樹脂,アルキド樹脂などで変性させて使用する。⇒ シリコーン
 関連ページ : 塗料概論:塗料の近代化 ,  塗料概論:塗料の分類(材料) ,  塗料概論:塗料形成要素(展色材) ,  塗料各論:JIS耐候性塗料 ,  塗料評価:上塗り(鋼構造物用耐候性塗料) ,  塗膜の評価:上塗り塗料 ,  
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 【示量状態量】( extensive property )
 読み「しりょうじょうたいりょう」,示量変数(extensive variable)ともいわれ,系内の物質の量に比例する状態量をいう。例えば,体積,物質量,質量,エントロピー,エンタルピーがが挙げられる。
 関連ページ : 腐食基礎:反応速度定数とは ,  
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 【試料】( sample )
  試験,検査,分析などのための材料。
 関連ページ : 塗料評価:試験準備 ,  
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 【シルト】( silt )
 粒径 2~20μmの土壌。細砂(さいさ)より小さく,粘土より大きい。
 関連ページ : 鋼の腐食:土壌について ,  
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 【シロキサン】( siloxane )
 ケイ素と酸素のシロキサン結合( Si–O–Si )を骨格とする有機けい素化合物(炭素−けい素結合を持つ有機化合物)の総称で,一般式 R3SiO–(R2SiO)n–SiR3( R:アルカン)で表される。なお,siloxane は,silicon (けい素,シリコン),oxygen (酸素),alkane (アルカン)の合成語である。
 関連ページ : 塗料各論:ジンクリッチ系塗料の硬化特性 ,  
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 【白さび】( white rust )
 保管中に雨水の付着,結露などによって生じた塩基性炭酸亜鉛などの腐食生成物。
 参考:白さびによるめっき被膜の消耗はわずかで,耐食性にはほとんど影響はない。【JIS H8641 「溶融亜鉛めっき」】
 JIS H8641では,めっきの不具合の一つとして定義している。⇒ 錆(さび)
 関連ページ : 金属概論:亜鉛について ,  防食基礎:溶融めっき ,  防食塗装系:鉄道:塗替え劣化亜鉛面用 ,  防食塗装系:建築物亜鉛めっき面の防食塗装 ,  
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 【白鋳鉄(白銑)】( white iron )
 共晶セメンタイトとパーライトからなり,黒鉛を含まない銑鉄。【JIS G 0201「鉄鋼用語(熱処理)」】
 関連ページ : 金属概論:鋳鉄 ,  
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 【しわ(塗膜の)】( wrinkling, crinkling, shrivelling, rivelling )
 乾燥中に塗膜に発生するしわ。通常は上乾きが著しいときに,表面の面積が大きくなってできる。しわには,平行線状,不規則線状,ちりめんじわ状などがある。“ちぢみ”とはいわない。【JIS K5500「塗料用語」】
 関連ページ : 塗装概論:塗替え塗装(竣工検査) ,  塗装概論:塗膜変状と措置(塗装作業時) ,  塗料評価:塗膜の外観 ,  
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 【新幹線】( bullet train, Shinkansen )
 新幹線鉄道による全国的な鉄道網の整備を図ることを目的とし,昭和45年に定めらた日本の法律「全国新幹線鉄道整備法」の第 2 条で“その主たる区間を列車が 200 キロメートル毎時以上の高速度で走行できる幹線鉄道”と定義している。
 関連ページ : 社会資本:鉄道新幹線網 ,  
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 【真空蒸着】( vacuum evaporation )
 真空中で物質を加熱蒸発し,基板上に薄膜を形成する成膜法。【JIS H0400「電気めっき及び関連処理用語」】
 関連ページ : 防食基礎:金属被覆(分類) ,  
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 【ジンククロメートさび止めペイント】( zinc chromate anticorrosive paint, zinc chromate primer )
 さび止め顔料としてジンククロメートを用いて作った,鉄鋼のさび止め地肌塗り用の塗料。【JIS K5500「塗料用語」】
 JIS K 5627 「ジンククロメートさび止めペイント」は,平成22年5月に廃止された。
 ジンククロメートとは,クロム酸亜鉛を主成分とするさび止め顔料。塩基性クロム酸亜鉛カリウム [ K2CrO4・3ZnCrO4・Zn (OH)2・2H2O ] を主成分とするものと,四塩基性クロム酸亜鉛 [ ZnCrO4・4Zn (OH)2 ] を主成分としアルカリ金属を含まないものとがある。亜鉛黄ともいう。【JIS K5500「塗料用語」】
 関連ページ : 塗料概論:塗料の分類(材料) ,  
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 【ジンクダストペイント】( zinc dust paint )
 亜鉛末の含有量を問わず亜鉛末(zinc dust)を顔料として用いた塗料(亜鉛末さび止めペイント)を指す一般名称であるが,通常は,ジンクリッチペイント,ジンクリッチプライマーに比較して含有量の低い塗料を指す。
 関連ページ : 塗料各論:不動態化,還元系防せい顔料 ,  塗料各論:鉛系さび止めペイント ,  塗料各論:ジンクリッチ系塗料 ,  
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 【ジンクリッチプライマー】( zinc-rich primer )
 鋼材をブラスト処理し,本塗装に先立って,ブラスト直後に塗装する塗料。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
 電気化学的防食作用を与えるのに十分な量の亜鉛末を配合した鉄鋼用のさび止め塗料。それによって,乾燥塗膜は導電性となり,金属亜鉛が素地より先に腐食して鉄部を保護する。塗膜形成要素として,アルキルシリケート系ビヒクルを用いた無機系ジンクリッチプライマーとエポキシ樹脂系ビヒクルを用いた有機系ジンクリッチプライマーとがある。【JIS K5500「塗料用語」】
 参考追記:一般的な鋼橋の製作では,鋼板のブラスト処理(原板ブラストという)とショッププライマー塗装は,鋼材メーカーで実施される。ショッププライマーを塗装した鋼板はショップ鋼板と呼ばれる。この塗装の目的は,その後に実施される橋梁製作メーカーでの塗装系の本塗装までの間の一次防せいである。なお,橋梁製作メーカーで実施する本塗装に先立って行われる橋梁ブロックのブラスト処理は,製品ブラストといわれる。
 JIS K 5552 「ジンクリッチプライマー」では,亜鉛末及びアルキルシリケート又はエポキシ樹脂及び硬化剤,顔料及び溶剤を主な原料としたもので,次の 2種が規定されている。
 1種 無機ジンクリッチプライマー: アルキルシリケートをビヒクルとした,1液1粉末形のもの。
 2種 有機ジンクリッチプライマー: エポキシ樹脂をビヒクルとした,2液 1粉末形,又は 2液形(亜鉛末を含む液と硬化剤)のもの。
 関連ページ : 防食基礎:鋼橋塗装の塗料 ,  塗装概論:新設時塗装管理(1層目) ,  塗料概論:塗料の分類(材料) ,  塗料各論:塗料分類(工程別分類) ,  塗料各論:ジンクリッチ系塗料 ,  塗料各論:ジンクリッチ系塗料の硬化特性 ,  塗料各論: JIS ジンクリッチ塗料 ,  塗料評価:プライマーとは ,  塗料評価:プライマーの品質 ,  塗膜の評価:プライマー ,  防食塗装系:防食塗装に用いる塗料 ,  
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 【ジンクリッチペイント】( zinc rich paint )
 乾燥塗膜の大部分が金属亜鉛末から成り,わずかの無機質と有機質のバインダーで結合された塗料で鋼材のさび止めに用いる塗料。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
 展色材をできるだけ少なくし,合成樹脂ワニス又はアルキルシリケート,アルカリシリケートなどシリケート系ビヒクルに亜鉛末をできるだけ多く配合して作ったさび止めペイント。
 塗膜が水分に触れると,鉄よりもイオン化傾向の大きい亜鉛が陽極となって,亜鉛から鉄に向って防食電流が流れ,鉄は腐食から守られる。塗膜中に亜鉛末が85~95%含まれているとき,防食効果が大きい。各種鋼構造物の防食塗装に用いられる。被塗鉄面は,サンドブラストなどで十分にさびを除き,適度の粗さにしてから塗らないと効果が薄い。【JIS K5500「塗料用語」】
 JIS K 5553 「厚膜形ジンクリッチペイント」では,亜鉛末,及びアルキルシリケート又はエポキシ樹脂,及び硬化剤,顔料,及び溶剤を主な原料としたもので,次の 2種が規定されている。
 1種 厚膜形無機ジンクリッチペイント: アルキルシリケートをビヒクルとした,1液 1粉末形のもの。
 2種 厚膜形有機ジンクリッチペイント: エポキシ樹脂をビヒクルとした,2液 1粉末形,又は 2液形(亜鉛末を含む液と硬化剤)のもので,硬化剤にはポリアミド,アミンアダクトなどを用いる。
 関連ページ : 金属概論:溶融亜鉛めっき鋼 ,  防食基礎:鋼橋塗装の塗料 ,  塗装概論:新設時塗装管理(1層目) ,  塗料概論:長期防錆用塗料の登場 ,  塗料概論:塗料の分類(材料) ,  塗料各論:不動態化,還元系防せい顔料 ,  塗料各論:ジンクリッチ系塗料 ,  塗料各論:ジンクリッチ塗料の特徴 ,  塗料各論:ジンクリッチ系塗料の硬化特性 ,  塗料各論: JIS ジンクリッチ塗料 ,  塗料評価:厚膜形ジンクリッチペイント ,  塗膜の評価:下塗り塗料 ,  防食塗装系:防食塗装に用いる塗料 ,  
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 【ジンケート浴】( zincate bath )
 排水処理の関連からシアン化物を用いないめっき浴で,酸化亜鉛(ZnO)と水酸化ナトリウムを主成分とする。
 関連ページ : 金属概論:電気亜鉛めっき ,  
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 【人工環境試験】( artificial environmental testing )
 材料の環境試験(environmental test)は,温度,湿度,汚染物質,振動などの環境因子が材料に与える影響を把握するために用いられる。環境試験には,使用される実際の環境において実施される実環境試験(actual environment testing),環境因子の中から人為的に選択されたものを用いた人工環境試験(artificial environmental testing)に分けられる。
 実環境試験では,材料と環境因子の相互作用を的確に把握できるが,長期間かけて変化する現象に関しては結果が得られるまで実時間と同じ長期間要する。
 材料開発など工学的に短期間で結果を得たい場合に,材料の変化に影響すると考えられる環境因子を選択し,その強度を高めた人工環境試験が実施される。
 人工環境試験は,温湿度環境試験,屋外環境試験,機械環境試験に分けられる。温湿度環境試験には,熱衝撃試験,温度サイクル試験,温湿度サイクル試験などがある。屋外環境試験には,促進耐候性試験,複合サイクル試験,ガス腐食試験などがある。機械環境試験には,振動試験,複合環境振動試験,耐衝撃試験などがある。
 人工環境試験は促進試験ともいわれるが,複数の環境因子の相乗効果など材料変化の機構が明確でない場合は,実環境試験結果と必ずしも整合しないが,材料間の相互比較などに有用なため広く用いられている。
 関連ページ : 防食基礎:人工環境腐食試験 ,  塗膜の評価:環境因子繰り返し性 ,  塗膜の試験規格:湿潤冷熱繰り返し性 ,  塗膜の試験規格:サイクル腐食試験 ,  
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 【人工酸性雨サイクル試験】( cyclic artificial acid rain test )
 中性の塩化ナトリウム溶液に硝酸及び硫酸などを加えた人工酸性雨液の噴霧,乾燥,湿潤の雰囲気で行うサイクル試験。【JIS H8502「めっきの耐食性試験方法」】
 関連ページ : 防食基礎:複合サイクル腐食試験 ,  
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 【侵食】( erosion )
 一般的には,水や気体などの外力により機械的に起こる磨耗作用を侵食やエロージョンというが,通常は地質学でいうところの流水・雨水・海水・風・氷河などが地表の岩石や土壌を削り取ること(浸食や土壌浸食とも記される)を指す場合が多い。
 関連ページ : 鋼の腐食:エロージョン・コロージョン ,  鋼の腐食:海洋腐食の影響要因 ,  鋼の腐食:大気の腐食性 ,  鋼の腐食:基本用語 ,  防食基礎:全面腐食の腐食度と腐食速度 ,  
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 【侵食度】( penetration rate )
 侵食度は,求めた腐食度から単位時間当たりの厚み減少量μm・a-1)に換算した値で,金属の厚み方向への影響を直感的に理解し易いため広く用いられている。
 一般には,腐食度を金属の密度で除して得られる厚みの平均減少量である。腐食度と同様に,暴露期間で値が変わるので注意が必要である。
 侵食度は算術平均値であり,全面の均一な腐食の場合は実態と整合するが,局部腐食では的確な評価ができない。従って,不均一な腐食が観察される場合は,侵食度を用いるべきではない。
 なお,過去の文献等では,侵食度というべきところを腐食度と記すものも少なくないので,使用する単位で判断する必要がある。
 関連ページ : 腐食基礎:溶存酸素濃度の影響 ,  鋼の腐食:水質(温度)の影響 ,  鋼の腐食:淡水中の局部腐食 ,  鋼の腐食:海洋環境(環境別腐食) ,  鋼の腐食:腐食度比較(海洋環境) ,  鋼の腐食:大気汚染の影響 ,  鋼の腐食:大気の腐食性 ,  鋼の腐食:大気腐食性評価 ,  鋼の腐食:大気環境区分(ISO 9223) ,  鋼の腐食:基本用語 ,  防食基礎:全面腐食の腐食度と腐食速度 ,  
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 【じん性(靭性)】( toughness )
 粘り強くて,衝撃破壊を起こしにくいかどうかの程度。【JIS G 0203「鉄鋼用語(製品及び品質)」】
 関連ページ : 防食基礎:有機高分子材料 ,  塗料評価:耐衝撃性 ,  
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 【浸せき試験】( immersion test )
 所定の試験溶液中へ試験片を浸せきする腐食試験。試験片全体を溶液に浸せきする場合は完全浸せき試験,一部分を浸せきする場合は部分浸せき試験という。【JIS G 0202「鉄鋼用語(試験)」】
 関連ページ : 防食基礎:人工環境腐食試験 ,  防食基礎:複合サイクル腐食試験 ,  
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 【針鉄鉱】( goethite )
 読み「しんてっこう」,ゲーサイトともいい,黒褐色の柱状・針状の結晶をなし,硬度 5 ~ 6 ,比重 4.28 で完全にへき開する斜方晶系のオキシ水酸化鉄(FeOOH)の鉱物。一般的には,α-FeOOH で表される。
 関連ページ : 腐食基礎:腐食反応と溶存酸素 ,  鋼の腐食:腐食生成物 ,  
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 【展伸材】( wrought material )
 圧延,押出し,引抜き,鍛造などの熱間又は冷間の塑性加工によって造られた板,条,管,棒,線などの製品の総称。
 関連ページ : 金属概論:アルミニウム合金とは ,  
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 【振動】( oscillation, vibration )
 状態が定まらず揺れ動く事象をいうが,一般的には,物理量(物体の位置,電流の強さなど)が一定時間で一定の値をとる規則正しい変動を指す場合が多い。
 関連ページ : 鋼の腐食:キャビテーション・コロージョン ,  
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 【浸透圧】( osmotic pressure )
 溶質の濃度が高い溶液と溶媒(又は濃度が低い溶液)が,溶媒分子を通すが溶質分子が透過できない膜(半透膜)で隔てられている場合,溶媒分子が溶質濃度の高い溶液へと自然に移動し,濃度差を解消(エネルギー差の解消)しようとする。この時に発生する圧力を浸透圧という。
 関連ページ : 塗膜の評価:耐水性 ,  塗膜の試験規格:耐湿性 ,  塗膜の試験規格:膨れの等級 ,  
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 【浸透探傷試験】( penetrant testing )
 PT と略記され,金属及び非金属の亀裂検査に古くから用いられる方法で,亀裂に浸透した薬液を現像することで,目視観察,写真記録ができる。
 関連ページ : 維持管理(道路):構造物点検 ,  防食基礎:ライニング鋼管の設計施工 ,  
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 【神東塗料株式会社】( SHINTO PAINT CO., LTD. )
 神東塗料株式会社;兵庫県尼崎市南塚口町六丁目10番73号
 関連ページ : 塗料概論:塗料工業の黎明期 ,  
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 【シンナー】( thinner )
 主にコンシステンシー(※1)を小さくする目的で,塗装の際に塗料に加える単一又は混合された所定の乾燥条件で蒸発する液体。うすめ液ともいう。
 参考追記:(※1)コンシステンシーとは,液体を変形するときに起こる力学的抵抗のことです。液体の流動には,粘性流動,塑性流動,チキソトロピー,ダイラタンシーなどがあって,抵抗の状態に違いがあります。定量的には,応力-ずり速度曲線を用いて粘度,粘度変化,降伏値などで表すことができる。【JIS K5500「塗料用語」】
 シンナーには,ミネラルスピリット,ミネラルターペンなどともいわれる弱溶剤に分類される塗料用シンナーと,ラッカーシンナー,ウレタンシンナー,エポキシシンナー,アクリルシンナー,メラミンシンナーなどの強溶剤に分類される合成樹脂シンナーがある。
 関連ページ : 塗料概論:溶剤類 ,  
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 【侵入形固溶体】( interstitial solid solution )
 結晶格子のすき間に原子が入り込む形態の固溶体。
 関連ページ : 腐食基礎:合金の結晶構造 ,  
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 【真ひずみ】( true strain )
 試験片にある試験力を加えたときの試験片の標点距離と原標点距離との比の自然対数。真ひずみは,対数伸び又は自然伸びともいう。【JIS G0202「鉄鋼用語(試験)」】
 すなわち,基準とした寸法 L0 (原標点距離)に対する変形後の寸法 L (標点距離)の場合に,標点距離と原標点距離との比の自然対数{ ln (L/L0 )}で,記号 ε,εt を用いて表される。
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・機械特性 ,  
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 【真溶剤(しんようざい)】( true solvent )
 狭義の溶剤で,バインダーの溶媒をさし,一般的な溶剤の中で助溶剤,希釈剤に該当するものを除くものを指す。⇒ 溶剤
 関連ページ : 防食基礎:塗料の構成 ,  塗料概論:塗料構成材料 ,  塗料概論:溶剤類 ,  
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 【心理物理色】( psychophysical color )
 色刺激値(いろしげきち)ともいい,三刺激値のように,算出手法が規定された 3個の数値による色刺激の表示。【JIS Z8105「色に関する用語」】
 関連ページ : 塗膜の評価:色の目視比較