社会資本・腐食防食関連の技術用語 (索引)

 “社会資本“,及び“腐食防食“に関連する記事を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 ここでは,サ行 “し”の用語を  しあ~しけ,  しこ~しち,  しつ~しほ,  しま~しゆ,  しよ,  しら~しん  に分けて紹介する。

 用語一覧 しこ~しち

施工性 】  , 【 仕事関数 】  , 【 事後保全 】  , 【 四酸化三鉄 】  , 【 四三酸化鉄 】  , 【 支持電解質 】  , 【 指示電極 】  ,

支承 】  , 【 支承部 】  , 【 指触乾燥 】  , 【 指触乾燥性 】  , 【 地震 】  , 【 JIS 】  ,

自然乾燥 】  , 【 自然昼光 】  , 【 自然電位 】  , 【 自然伸び 】  , 【 下地 】  , 【 下塗り 】  , 【 下塗り塗料 】  , 【 下横構 】  , 【 支柱足場

 用語の概要と関連ページ


 【施工性】( workability, finish ability )
 読み「せこうせい,しこうせい」,施工(せこう,しこう,construction , execution , operation , application)のし易さをいう。施工とは設計図書に基づき,建築物や工作物の工事を実施することを指す。
 関連ページ : 防食設計:維持管理条件 ,  
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 【仕事関数】( work function )
 物質表面から 1個の電子を無限遠まで取り出すのに必要な最小エネルギーを仕事関数という。
 軌道電子は,熱,光の吸収,原子やイオンなどの衝突で励起され,電子軌道から飛び出る。この電子を励起電子という。
 仕事関数は,φや W で表記されるが,日本ではφの表記が多い。
 関連ページ : 腐食基礎:原子のイオン化 ,  腐食基礎:仕事関数 ,  腐食基礎:腐食し易さとは ,  腐食基礎:腐食開始と継続 ,  
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 【事後保全】( breakdown maintenance )
 故障が発生してから対処を行う保全。すみやかな故障発見,修理,故障原因の解明が大切である。
 関連ページ : 防食設計:鋼構造物の現状 ,  
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 【四酸化三鉄】( triiron tetraoxide )
 二価鉄と三価鉄の酸化鉄(Fe3O4 ),酸化鉄(II,III),四三酸化鉄,マグネタイト(magnetite) ,磁鉄鉱ともいう ⇒ マグネタイト,酸化鉄
 関連ページ : 鋼の腐食:腐食生成物 ,  
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 【四三酸化鉄】( magnetite, ferrosoferric oxide, iron oxide black )
 二価鉄と三価鉄の酸化鉄(Fe3O4 ),酸化鉄(II,III),四酸化三鉄,マグネタイト(magnetite) ,磁鉄鉱ともいう ⇒ マグネタイト,酸化鉄
 関連ページ : 腐食基礎:腐食反応 ,  
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 【支持電解質】( supporting electrolyte )
 液体の導電性を高めるために添加する電解質。電解質(electrolyte)とは,水などの溶媒に溶けてイオン化し,その溶液が電気伝導性をもち,電流を通すと電気分解現象を起こすイオン性物質をいう。
 関連ページ : 腐食基礎:電荷保存則と腐食 ,  腐食基礎:腐食の継続について ,  
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 【指示電極】( working electrode )
 ⇒ 作用電極
 関連ページ : 腐食基礎:酸化還元電位 ,  
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 【支承】( support )
 橋台または橋脚上に上部構造の荷重を伝達する部品をいう。
 関連ページ : 鋼橋構造:支承部 ,  
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 【支承部】( bearing )
 支承,移動制限装置,落橋防止装置および桁座・桁端からなる部位を支承部という。
 関連ページ : 鋼橋構造:支承部 ,  鋼の腐食:耐候性鋼の適用 ,  
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 【指触乾燥】( set-to-touch, dust-free, dust dry )
 塗料の乾燥状態の一つ。塗った面の中央に触れてみて,試料で指先が汚れない状態(set-to-touch)になったときをいう。JIS K 5600-1-1「塗料一般試験方法-第1部:通則-第1節:試験一般(条件及び方法) 参照。
 備考:ASTM,BS では,このほかに,塗面にほこり(綿の繊維や顔料グレードの炭酸カルシウムなど)が付着しなくなった状態を dust-free にあるという。【JIS K5500「塗料用語」】
 関連ページ : 塗装概論:はじめに ,  塗装概論:塗替え塗装管理(塗装作業) ,  塗料評価:乾燥時間 ,  塗料評価:半硬化乾燥 ,  
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 【指触乾燥性】( set to touch property )
 製品規格に規定する乾燥時間を過ぎたとき,指触乾燥(set-to-touch, dust-free, dust dry)の程度を調べる。 指触乾燥とは,塗面の中央に指先で軽く触れて,指先が汚れない状態。
 関連ページ : 塗料各論:JISフタル酸樹脂塗料 ,  塗料評価:合成調合ペイント中塗り用 ,  塗料評価:上塗り(合成樹脂調合ペイント) ,  塗料評価:上塗り塗料のJIS品質項目 ,  塗料評価:品質試験の項目と手順 ,  塗膜の評価:品質試験 ,  
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 【地震】( earthquake )
 地殻の内部で岩盤同士が,断層と呼ばれる破壊面を境目に急激にずれ動くこと。これによって地震動と呼ばれる大きな振動が引き起こされる。
 関連ページ : 社会資本:建築 ,  社会資本:地震と高層建築 ,  
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 【JIS】( Japanese Industrial Standards )
 2019年までは,日本工業規格(Japanese Industrial Standards)の通称で,1946年(昭和 21年)に制定された工業標準化法に基づき,経済産業省に設置された日本工業標準調査会(略称 JISC)の答申を受け,大臣が制定する国家標準(工業標準)であった。
 工業標準化法の改正により,2019年7月に法の名称が産業標準化法に,日本工業標準調査会が日本産業標準調査会(Japanese Industrial Standards Committee ;略称 JISC)に,日本工業規格は「データ,サービス」を含む日本産業規格(Japanese Industrial Standards;略称 JIS)に名称変更された。
 関連ページ : 塗料各論:はじめに ,  塗料評価:はじめに ,  塗料評価:品質試験の項目と手順 ,  塗料評価:試験準備 ,  塗膜の評価:性能評価の考え方 ,  
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 【自然乾燥】( air drying, air-drying )
 塗料を常温の空気中で乾燥させる方法。【JIS K5500「塗料用語」】
 関連ページ : 塗料概論:塗料のはじまり ,  塗料概論:塗料の分類(工程) ,  塗料各論:はじめに ,  塗料各論:塗料分類(形態別分類) ,  
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 【自然昼光】( natural daylight )
 日の出 3時間後から日の入り 3時間前までの北空昼光で,周辺の建物,部屋の内装などの環境色の影響を受けていない光。試験片の色を観察するときの条件として,JIS Z 8723「表面色の視感比較方法」に定められている。【JIS K5500「塗料用語」】  ⇒ 拡散昼光
 関連ページ : 塗膜の評価:色の目視比較 ,  塗膜の評価:測色(色差) ,  
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 【自然電位】( natural electric potential, spontaneous potential )
 実用を想定した環境におい計測された電極電位をいう。例えば,海水環境では,海水を電解質溶液として,参照電極と対象金属との開回路(電流が流れない)状態で計測された電位差(開回路電位)から求められる。
 関連ページ : 腐食基礎:腐食し易さとは ,  腐食基礎:異種金属接触腐食 ,  鋼の腐食:異種金属接触腐食 ,  鋼の腐食:腐食度比較(海洋環境) ,  防食基礎:電気防食 ,  
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 【自然伸び】( natural strain )
 記号 εln で表す真ひずみ。⇒ 真ひずみ,ひずみ
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・機械特性 ,  
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 【下地】( substrate )
 塗料を塗るときの面。備考:素地も同義で用いられる。【JIS K5500「塗料用語」】 ⇒ 素地
 関連ページ : 塗装概論:素地調整技術 ,  塗料評価:付着性 ,  
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 【下塗り】( under coating, primer coating )
 中塗り用塗料や,上塗り用塗料を塗る前に,下塗り用塗料を塗る操作。【JIS K5500「塗料用語」】
 関連ページ : 防食基礎:鋼橋塗装の塗料 ,  塗料各論:塗料分類(工程別分類) ,  
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 【下塗り塗料】( undercoat, priming coat )
 塗料を塗り重ねて塗装仕上げするときの下塗に用いる塗料。塗装系に対する素地の影響を防止し,付着性を増加させるために用いる。
 備考:1.ISO用語規格では,“undercoat”と“intermediate coat”とは同じ定義で,“地肌塗り(priming coat)”と“上塗り(finishing coat)”との間の塗料(coat)をいう。また,“priming coat”は,素地に塗る塗装系の最初の塗料(coat)をいう。
 2.BS用語規格及びCEDでは“undercoat”は,上塗り塗料を塗る前に,目止め,肌直し,地肌塗りなどを行った素地面,又は素地調整を行った旧塗膜面に塗装される塗料をいう。【JIS K5500「塗料用語」】
 関連ページ : 防食基礎:鋼橋塗装の塗料 ,  塗料概論:塗料の分類(工程) ,  塗料各論:塗料分類(工程別分類) ,  塗料評価:下塗り塗料 ,  塗膜の評価:はじめに ,  塗膜の評価:下塗り塗料 ,  防食塗装系:新設時塗装方法 ,  防食塗装系:防食塗装に用いる塗料 ,  鋼橋構造:鋼桁部材 ,  
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 【下横構】( lower lateral bracing )
 主桁や主構の相互の位置を保ち,地震荷重,風荷重などの横荷重に抵抗するために連結する部材。一般には,山形鋼などをトラス形に組み,ガセットを介して主桁の下フランジに接合する。
 関連ページ : 鋼橋構造:鋼桁部材 ,  
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 【支柱足場】( frame scaffolding )
 ⇒ 本足場
 関連ページ : 塗装概論:足場工