社会資本・腐食防食関連の技術用語 (索引)

 “社会資本“,及び“腐食防食“に関連する記事を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 ここでは,サ行 “し”の用語を  しあ~しけ,  しこ~しち,  しつ~しほ,  しま~しゆ,  しよ,  しら~しん  に分けて紹介する。

 用語一覧 しま~しゆ

湿り大気腐食 】  , 【 シャープレート 】  , 【 斜角桁 】  , 【 弱溶剤 】  , 【 弱溶剤形塗料 】  , 【 斜材 】  , 【 斜張橋 】  ,

遮へい(蔽)暴露試験 】  , 【 シャルピー衝撃試験 】  , 【 周期表 】  , 【 重金属 】  , 【 重金属汚染 】  ,

重合 】  , 【 重合反応 】  , 【 重縮合 】  , 【 自由地下水 】  , 【 自由電子 】  , 【 柔軟性(塗膜の) 】  , 【 重付加(付加重合) 】  , 【 重防食塗装 】  ,

重量絶対湿度 】  , 【 重力水 】  , 【 縮合重合 】  , 【 縮合多環顔料 】  , 【 縮合反応 】  , 【 縮重合 】  ,

熟成 】  , 【 主桁 】  , 【 主構 】  , 【 手工具 】  , 【 主剤 】  , 【 樹脂 】  , 【 取水場 】  ,

十点平均粗さ 】  , 【 シュテファン‐ボルツマンの法則 】  , 【 主要部材 】  , 【 ジュラルミン 】  , 【 純金属 】  , 【 竣工検査 】  , 【 純鉄

 用語の概要と関連ページ


 【湿り大気腐食】( moist atmospheric corrosion, humid atmospheric corrosion )
 高い湿度での水吸着,塩類で汚染された鋼表面の潮解・吸湿,気温と鋼表面の温度差に依存する軽微な結露現象などにより生じる比較的厚い水膜( 10nm~1μm程度まで)で発生する腐食をいう。
 水膜厚さの増加に伴い,水分子やイオンが比較的自由に動けるようになり,電解質水溶液として機能(電荷の移動が増える)するため,厚みの増加とともに腐食速度が増加し,水膜厚み 1μm程度で腐食速度の極大値に至る。
 関連ページ : 腐食基礎:環境因子と腐食速さ ,  鋼の腐食:大気腐食の分類 ,  鋼の腐食:海塩粒子の影響 ,  
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 【シャープレート】( shear plate )
 鋼桁の腹板を添接する際に,主としてせん断力に抵抗する添接板をいう。
 関連ページ : 鋼橋構造:鋼桁部材 ,  
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 【斜角桁】( skew bridge )
 桁の構造中心線と支持辺とが斜角をなす桁をいう。
 関連ページ : 鋼橋構造:ラーメン橋 ,  
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 【弱溶剤】( weak solvent )
 明確な定義はないが,一般的には,油性塗料や油変性合成樹脂塗料を希釈するために使用されるミネラルスピリット(塗料用シンナー,脂肪族炭化水素系溶剤)などを指す場合が多い。なお,芳香族炭化水素系溶剤,ケトン系溶剤,エーテル系溶剤など溶解力の高い有機溶剤を強溶剤(strong solvent)と呼ぶ場合もある。
 関連ページ : 塗料概論:溶剤類 ,  
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 【弱溶剤形塗料】( weak solvent-based paint )
 希釈剤として弱溶剤を用いた塗料を指す。なお,弱溶剤に対して明確な定義はなく,一般的には,油性塗料や油変性合成樹脂塗料を希釈するために使用されるミネラルスピリット(塗料用シンナー,脂肪族炭化水素系溶剤溶剤)などを指す場合が多い。
 従って,弱溶剤に容易に溶解・分散しない従来型のエポキシ樹脂やポリウレタン樹脂とは異なるプレポリマーを用いた塗料で,弱溶剤形塗料は,いわゆる(強)溶剤形塗料とは種別が異なる塗料といえる。
 関連ページ : 塗料各論:防食用変性エポキシ樹脂塗料 ,  防食塗装系:道路:塗装系Rc ,  防食塗装系:道路:塗替え塗装系亜鉛めっき面用 ,  
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 【斜材】( diagonal member )
 トラスを構成する部材で,腹材のうち傾斜している部材をいう。
 関連ページ : 鋼橋構造:トラス橋・部材 ,  
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 【斜張橋】( cable stayed bridge )
 橋脚上に主塔から,ケーブルを斜めに橋桁の数か所に張り,つり橋のように橋桁をつった形式の橋梁をいう。弾性支承で支持された連続桁として設計されている。連続桁(continuous girder)とは,主桁が 2 径間以上にわたり連続する桁をいう。
 関連ページ : 鋼橋構造:吊り橋 ,  防食塗装系:鋼橋の構造例 ,  
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 【遮へい(蔽)暴露試験】( sheltered exposure test, sheltered atmospheric corrosion tests )
 遮へい構造物の下,中又は屋内に試料を設置して,日照,雨,雪,風などの直接の影響を避けた状態で暴露する試験方法。【JIS Z 2381「大気暴露試験方法通則」】
 関連ページ : 防食基礎:大気暴露試験 ,  塗膜の評価:耐候性 ,  塗膜の試験規格:屋外暴露耐候性 ,  
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 【シャルピー衝撃試験】( Charpy pendulum impact )
 金属材料に衝撃を与えて,吸収されるエネルギーを決めるシャルピー衝撃(Vノッチ及び Uノッチ)試験方法である。【JIS Z 2242「金属材料のシャルピー衝撃試験方法】
 シャルピー衝撃試験機を用い,試験片を規定寸法に隔たっている二つの試験片支持台で支え,かつ,試験片の中央をハンマで,1 回の衝撃によって試験片を破断し,シャルピー衝撃値を測定する試験。シャルピー衝撃値は,試験片を破断するのに要した吸収エネルギー (J) {kgf・cm}を試験片の中央部の元の断面積で除した値 (kJ/m2){kgf・cm/cm2}。【JIS K7077「炭素繊維強化プラスチックのシャルピー衝撃試験方法」】 ⇒ 衝撃試験
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・機械特性 ,  金属概論:溶接構造用圧延鋼 ,  塗料評価:耐衝撃性 ,  
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 【周期表】( periodic table )
 広く利用されている周期表は,ロシアの化学者メンデレーエフによって提唱された。当時発見されていた元素を単体や化合物の性質で分類し,原子量順に整理することで,未発見の元素性質の予言を目的とした。
 周期表には,長周期型周期表と短周期型周期表の 2種類がある。長周期型は,1族~ 18族で分類するのに対し,短周期型は,1族~ 8族に分類し,各族はさらに A, Bに分けられる。また,長周期型の 8 ~10族は,短周期型では 8B族(鉄族などとも称される)にまとめられている。
 長周期型は,国際純正・応用化学連合 ( IUPAC ) の推奨で,日本高校教育で採用している。米国では,今でも短周期型が一般的である。
 関連ページ : 金属概論:金属元素 ,  
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 【重金属】( heavy metal )
 金属を比重で分類する場合は,一般的には比重 4 ~ 5 を下回るものを軽金属,上回るものを重金属とするのが一般的である。なお,鉄以上の比重の金属に対して称する場合もある。
 一般的に重金属と称する金属元素には,鉄(Fe),鉛(Pb),金(Au),白金(Pt)、銀(Ag)、銅(Cu),クロム(Cr),カドミウム(Cd),水銀(Hg),亜鉛(Zn),ヒ素(As),マンガン(Mn),コバルト(Co),ニッケル(Ni),モリブデン(Mo),タングステン(W),錫(Sn),ビスマス(Bi),ウラン(U),プルトニウム(Pu) などが挙げられる。
 関連ページ : 金属概論:金属とは ,  金属概論:金属の工学的分類 ,  塗料概論:塗料の環境影響 ,  
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 【重金属汚染】( pollution by heavy metals )
 水銀,鉛,カドミウム,クロムなどの重金属化合物による環境汚染をいう。
 塗装・塗料分野でも,防せい顔料などに用いられる重金属化合物の影響が懸念されている。
 関連ページ : 塗料概論:塗料の環境影響 ,  塗料各論:非鉛系さび止めペイント ,  
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 【重合】( polymerization )
 単量体又は単量体類の混合物を重合体に転化する過程。【JIS K 6900「プラスチック―用語」】
 関連ページ : 塗料概論:塗料のはじまり ,  塗料概論:塗料の分類(工程) ,  塗料概論:塗料形成要素(展色材) ,  
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 【重合反応】( polymaerization )
 重合反応とは,重合体(ポリマー)を合成することを目的にした一群の化学反応の呼称である。また重合反応はその元となる反応の反応機構や化学反応種により細分化され,区分された反応名に重または重合の語を加えることで重合体合成反応であることを表す。
 次に主な重合反応の分類には,反応点による分類{連鎖重合(連鎖反応),逐次重合,リビング重合},反応機構による分類{付加重合(付加反応),重縮合(縮合重合,縮合反応),付加縮合},化学反応種による分類{ラジカル重合(ラジカル反応),イオン重合(イオン反応:カチオン重合,アニオン重合),配位重合,開環重合},共重合体の単位構造配列による分類{ランダム共重合体,交互共重合体,ブロック共重合体,グラフト共重合体}などがある。
 関連ページ : 塗料概論:塗料のはじまり ,  塗料概論:塗料の分類(工程) ,  塗料概論:塗料形成要素(展色材) ,  塗料各論:ジンクリッチ系塗料の硬化特性 ,  塗料各論:エポキシ樹脂とは ,  塗料各論:ふっ素樹脂とは ,  
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 【重縮合】( polycondensation, condensation polymerization )
 ⇒ 縮合重合
 関連ページ : 塗料各論:アルキド樹脂塗料 ,  塗料各論:長油性フタル酸樹脂塗料 ,  
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 【自由地下水】( free ground water )
 地表に最も近い不透水層の上に存在する地下水をいう。その表面が地下水面となる。
 関連ページ : 鋼の腐食:土壌について ,  
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 【自由電子】( free electron )
 自由電子とは,束縛を受けていない電子をいう。即ち,特定の原子核の近傍に留まらず結晶全体に非局在化している電子である。
 自由電子の存在が,電気や熱の高い伝導性の要因の一つとなっている。このため,自由電子は伝導電子とも呼ばれる。
 関連ページ : 金属概論:金属とは ,  金属概論:金属の化学的特徴 ,  金属概論:金属の結晶構造 ,  腐食基礎:仕事関数 ,  
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 【柔軟性(塗膜の)】( flexibility, softness, pliability )
 やわらかく,しなやかな性質。⇒ 可撓性(かとうせい)
 関連ページ : 塗膜の評価:塗膜品質の分類 ,  塗膜の評価:機械的性質とは ,  塗膜の評価:柔軟性(可とう性) ,  
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 【重付加(付加重合)】( addition polymaerization )
 狭義には付加反応による逐次重合する反応。
 付加重合(addition polymaerization)とも呼ばれる。大きく分けて活性水素をもつヘテロ原子の基が多重結合などに付加する水素移動型重付加とペリ環状反応で多重結合が付加する電子移動型重付加とがある。
 水素移動型重付加には,ポリウレタン(ウレタン樹脂),エポキシ樹脂が,電子移動型重付加には,環状ポリオレフィン樹脂がある。広義には,付加縮合,ラジカル重合,イオン重合も重付加の範疇に入る。
 関連ページ : 塗料概論:塗料のはじまり ,  塗料概論:塗料形成要素(展色材) ,  塗料各論:ジンクリッチ系塗料の硬化特性 ,  塗料各論:エポキシ樹脂とは ,  塗料各論:ポリウレタン樹脂とは ,  
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 【重防食塗装】( heavy duty coating, high performance coating )
 海岸や海上のような腐食性の激しい環境に建設される鋼構造物の塗り替え周期を長くするため防食性,耐久性を有する防食塗装をいう。一般にジンクリッチペイントをプライマーとして,エポキシ樹脂,ふっ素樹脂塗料などを組み合わせて用いる。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
 関連ページ : 塗料概論:長期防錆用塗料の登場 ,  防食塗装系:鋼橋の防食設計 ,  
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 【重量絶対湿度】( )
 気象用語で,乾燥空気の質量に対する水蒸気の質量の比で表される。質量絶対湿度,混合比(mixing ratio , humidity ratio)ともいう。
 関連ページ : 鋼の腐食:絶対湿度とは ,  
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 【重力水】( gravitational water )
 重力の作用を受けて,土中の間げき中を自由に流れる水をいう。
 関連ページ : 鋼の腐食:土壌について ,  
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 【縮合重合】( condensation polymerization,polycondensation )
 縮合過程(すなわち,簡単な分子の脱離を伴う)の繰返しによる重合。【JIS K6900「プラスチック―用語」】 縮重合,重縮合(polycondensation)ともいう。なお,2つの官能基からそれぞれ一部分の分離で小さな分子を形成して脱離し,新しい官能基が生成する形式の反応を縮合反応(condensation reaction)という。
 すなわち,複数の化合物(特に有機化合物)が,互いの分子内から水 (H2O) 分子などを取り外しながら結合(縮合)するとともに,連鎖的に結合し高分子が生成(重合)すること。
 逐次重合(反応点がモノマーに存在する場合を逐次重合という。)に属する。 Pn + Pm → Pn+m + X
 例えば、ポリアミド樹脂(ナイロン),ポリエステル樹脂 (PET),フェノール樹脂,尿素樹脂,メラミン樹脂,ポリカーボネート樹脂などが縮合重合による生成物である。
 通常可逆反応であるため,収率向上を目的に平衡を生成物側に偏らせる反応条件が選択される。 例えば,反応系内の脱離基成分を減圧して水やアルコール成分を系外に除去するなどの方法がある。
 関連ページ : 塗料概論:塗料のはじまり ,  塗料概論:塗料の分類(工程) ,  塗料概論:塗料形成要素(展色材) ,  塗料各論:ジンクリッチ系塗料の硬化特性 ,  塗料各論:アルキド樹脂とは ,  塗料各論:エポキシ樹脂とは ,  塗料各論:ポリウレタン樹脂塗料(ポリオール硬化形) ,  
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 【縮合多環顔料】( condensed polycyclic pigment, condensed polycyclic-based pigment )
 ベンゼン環や複素環からなる縮合多環芳香環状構造を有する顔料の総称で,その化学構造は多岐にわたり,黄色,橙,赤,紫,青,緑など多種の物が実用されている。
 これらは,耐候性,耐溶剤性,耐熱性等に優れ,高級顔料(High Performance Pigments)とも呼ばれる。
 関連ページ : 塗料概論:着色顔料 ,  
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 【縮合反応】( condensation reaction )
 単に縮合ともいい,官能基をもつ化合物から低分子がとれて新しい結合が生成すること。
 付加反応と脱離反応とが連続して進行する化学反応で,付加脱離反応(elimination-addition reaction)ともいう。
 関連ページ : 塗料各論:ジンクリッチ系塗料の硬化特性 ,  塗料各論:アルキド樹脂とは ,  
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 【縮重合】( polycondensation, condensation polymerization )
 ⇒ 縮合重合
 関連ページ : 塗料各論:アルキド樹脂塗料 ,  塗料各論:長油性フタル酸樹脂塗料 ,  
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 【熟成】( aging )
 化学的には,ある温度・条件の下で長時間放置し,ゆっくりと化学変化を行わること,コロイド粒子の大きさを調整すること,生成した沈殿・結晶を成長されることなどを意味する。
 関連ページ : 塗装概論:塗替え塗装管理(塗装準備) ,  
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 【主桁】( main girder )
 橋梁の死荷重,活荷重を橋台,橋脚などの下部構造に伝える橋の主要な構造部位である。
 関連ページ : 鋼橋構造:鋼桁部材 ,  
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 【主構】( main trust )
 トラス橋を構成する主体となるトラスで,はりの主桁に相当するもの。 主構は弦材と端柱および腹材とを格点で結合し,床組みや横構などで主構相互を連結する。【新版図説土木用語辞典】
 関連ページ : 橋梁関連の基礎用語 ,  
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 【手工具】( hand tool )
 工具(tool)とは,工作に使用する道具の総称である。工具は,手作業用の手工具,機械に取り付けて用いる機械工具に分けられる。機能上からは,切削工具,研削工具,鍛造工具,仕上工具,木工具,測定工具,検査工具などに分ける。
 関連ページ : 塗装概論:塗装技術(素地調整) ,  塗装概論:手工具 ,  塗装概論:動力工具 ,  塗装概論:塗替え塗装管理(塗膜除去) ,  
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 【主剤】( main agent )
 調合の主となる薬剤。
 関連ページ : 塗料各論:エポキシ樹脂塗料概要 ,  
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 【樹脂】( resin )
 樹脂とは,固体,準固体又は凝似固体の有機物。通常分子量が高く,熱すると一般に広い温度範囲で軟化又は溶融する。適切な溶剤に可溶で,その溶液を塗布すると連続した皮膜を作る。このような物質を総称して樹脂という。天然樹脂と合成樹脂の2種がある。【JIS K5500「塗料用語」】
 天然樹脂にはセラックのように動物の分泌物として得られるものや,揮発性油を多量に含むバルサム,又は揮発性油の少ないオレオレジンのような形で樹木から分泌されるもの,及びこれらのものが地中に埋もれて半ば化石化したコーバルゴムのようなものなどがある。
 合成樹脂には,フェノール樹脂,ユリア樹脂,アルキド樹脂などの縮合樹脂と,ビニル樹脂,クマロン樹脂などの重合樹脂がある。
 関連ページ : 防食基礎:有機高分子材料 ,  塗料概論:塗料とは ,  塗料概論:塗料形成要素(展色材) ,  
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 【取水場】( water intake station )
 ダムや河川から取水する施設。
 関連ページ : 社会資本:水道システム ,  
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 【十点平均粗さ】( ten point height of roughness )
 カットオフ値λc及びλsの位相補償帯域通過フィルタを適用して得た基準長さの粗さ曲線において,最高の山頂から高い順に5番目までの山高さの平均と最深の谷底から深い順に5番目までの谷深さの平均との和。
 JIS B 0601:2013「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメータ:Geometrical Product Specifications (GPS)-Surface texture : Profile method-Terms, definitions and surface texture parameters 」(附属書 JA(参考)十点平均粗さ)では,“十点平均粗さは,対応国際規格(ISO 4287:1997)から削除された粗さパラメータであるが,我が国においては広く普及しているパラメータであるため,附属書に参考として記載する。”と記されている。
 すなわち,ISO 4287 と整合するために改定された JIS B 0601:2001 では,削除されている。しかし,広く用いられているため,用いた定義が分かるように,パラメータの記号を変えている。JIS B 0601:2013 と JIS B 0601:1994 及び JIS B 0660:1998 とのパラメータの記号の相違は,附属書 C で紹介されている。
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・表面物性 ,  塗装概論:新設時塗装管理(素地調整) ,  塗料各論:ジンクリッチ系塗料の硬化特性 ,  
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 【シュテファン‐ボルツマンの法則】( Stefan-Boltzmann's law )
 黒体の全輻射エネルギーは,絶対温度の四乗に比例する。
 簡単化して紹介すると,物体 1 の物体 2 の方向の表面積 A1,熱力学的温度 Ts ,放射率 E1 ,物体 2 の物体 1 の方向の表面積 A2 ,熱力学的温度 Ta ,放射率 E2 とした場合に,熱放射によって物体 1 から物体 2 に移動した熱量 Pは次の関係になる。
   P=σA1(Ts4 – Ta4)/{1/E1+A1/A2(1/E2-1)}
   ここで,σ:シュテファン=ボルツマン定数(5.67×10-8 W・m-2・K-4
 式は,両者に温度差がある場合は,温度の高い方から温度の低い方に熱が移動し,その移動は両者の表面積と放射率で決まることを示す。
 関連ページ : 鋼の腐食:放射冷却 ,  
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 【主要部材】( primary member )
 一次部材ともいい,部材の一部が破壊されることで,構造物の健全性に著しい影響を与え,構造物全体の崩壊に結びつくような部材をいう。
 関連ページ : 鋼の腐食:鋼材の変遷 ,  鋼の腐食:鋼材の選定 ,  橋梁関連の基礎用語 ,  
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 【ジュラルミン】( Duralumin )
 1900年代に開発された合金成分アルミニウム(Al),銅(Cu),マンガン(Mn)などの 2000系(A2017,A2024),合金成分アルミニウム(Al),亜鉛(ZN),マグネシウム(Mg)などの 7000系(A7075)の高い耐破断性を持つ熱処理型アルミニウム合金である。
 関連ページ : 金属概論:アルミニウム合金の特徴 ,  
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 【純金属】( pure metal )
 単一の金属元素からなる金属をいうが,実質的に不純物を含まない金属を得ることが困難である。例えば,工業的には,純鉄は炭素含有率 0.02%程度まで含み,純銅の純度 99.3%,純ニッケルの純度 99%程度である。
 不純物の量を極限まで低めた金属は,高純度金属やスーパーメタルと呼ばれる。
 関連ページ : 金属概論:金属の工学的分類 ,  
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 【竣工検査】( inspection of completion, final inspection )
 施工状態を確認するために,工事がほぼ終了した時点で実施される検査。
 関連ページ : 塗装概論:塗替え塗装工程 ,  塗装概論:新設時塗装管理(塗装作業) ,  塗装概論:塗替え塗装管理(施工の流れ) ,  塗装概論:塗替え塗装(竣工検査) ,  
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 【純鉄】( pure iron )
 炭素その他の不純物元素が,非常に少ない鉄。不純物元素の限界についての明確な区分はないが,炭素含有率 0.02%程度まで純鉄と称されている。 注記 電解鉄,アームコ鉄,カーボニル鉄及び還元鉄は,純鉄として取り扱われている。【JIS G 0203「鉄鋼用語(製品及び品質)」】
 関連ページ : 金属概論:金属の工学的分類