腐食概論腐食の基礎

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 金属表面の特徴

 合金(複数元素)の結晶構造

 合金(alloy)とは,少なくとも一つの金属元素を含む二つ以上の元素の混合物からなり,全体として金属的性質をもつものをいう。複数の元素が均一に良く混じった状態を固溶体といい,良く混じらないで不均一な状態を混合物(mixture),ある一定の割合(整数比)で結合しそれぞれの元素単体とは大きく異なる性質をもつ化合物を作るとき,これを金属間化合物(intermetallic compound)という。
 工業的に作られる合金は,一般的に,固溶体の結晶粒と混合物を含む結晶粒が不規則に集合した状態となる。このため,結晶粒の界面(結晶粒界は,二つの結晶粒の格子が乱れた不連続領域になる。

 固溶体(solid solution)

 構成原子の大きさの違いで 2つの形態に分けられる。複数の金属元素で構成する合金では,金属 Aと金属 Bの原子の大きさに大差がないため,結晶格子の中で,原子の位置を置きかえた形態の置換形固溶体(substitutional solid solution)を作る。
 金属元素と非金属元素の合金では,多くの場合に原子の大きさに差がある。例えば,鉄(Fe)に少量の炭素(C)を混ぜた鋼では,鉄原子に比較して炭素原子が著しく小さいため,鉄の結晶格子のすき間に入り込む形態をとる。これを侵入形固溶体(interstitial solid solution)という。

固溶体の模式図

固溶体の模式図

 結晶粒界(grain boundary)

 結晶粒界は,結晶粒内部に比べて,不純物が入り込む機会が多く,金属の腐食にとって欠陥部として働き,甚だしい場合には,局部的な腐食である粒界腐食(intergranular corrosion)として問題となる。

結晶粒界の模式図

結晶粒界の模式図

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