社会資本・腐食防食関連の技術用語 (索引)

 “社会資本“,及び“腐食防食“に関連する記事を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 ここでは,カ行 “き”の用語を  きあ~きこ,  きさ~きも,  きや~きよ,  きら~きん  に分けて紹介する。

 用語一覧 きあ~きこ

気温 】  , 【 気化 】  , 【 機械構造用炭素鋼 】  , 【 機械構造用炭素鋼鋼管 】  , 【 機械的性質 】  , 【 機械的素地調整 】  ,

規格 】  , 【 幾何光学 】  , 【 機械構造用合金鋼 】  , 【 気化熱 】  , 【 機器分析 】  , 【 貴金属 】  ,

気圏 】  , 【 気候 】  , 【 気候因子 】  , 【 気候要素

 用語の概要と関連ページ


 【気温】( air temperature )
 大気の温度を指すが,気温は場所や高さによって異なるため,単に気温といった場合には,地上約 1.5mの日陰の風通しの良い場所(百葉箱など)で測定した温度を指す。厳密には地上気温と呼ぶ。
 大気の温度と高さの関係は,一般的には高度が 100m 上がるごとに,概ね 0.6℃下がるといわれている。
 関連ページ : 塗膜の試験規格:屋外暴露耐候性 ,  
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 【気化】( vaporize )
 蒸発(evaporation)とは,液体が気体に変わる現象をいう。気化(vaporize)ともいい,熱を与え続けると,蒸発と共に液体の温度も上昇するが,ある温度に至ると熱を与えても温度の上昇が止まり,容器界面などからも激しく蒸発し始める。この温度を沸点(boiling point)という。蒸発するときに吸収するエネルギー(潜熱)が蒸発熱,又は気化熱(heat of vaporization)である。
 潜熱(latent heat)は,転移熱(heat of transition)といもいい,物質が温度を変えないで,相転移するために吸収または発生する熱をいう。すなわち,相転移が進行中の温度が一定のままとなる。例えば,融解熱,凝固熱,凝縮熱,蒸発熱,昇華熱などがある。
 関連ページ : 鋼の腐食:海塩粒子の発生機構 ,  
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 【機械構造用炭素鋼】( mechanical structural carbon steel, carbon steels for machine structural use )
 JIS G4051 「機械構造用炭素鋼鋼材:Carbon steels for machine structural use 」に規定される熱間圧延,熱間鍛造及び熱間押出によって製造する機械構造用炭素鋼鋼材。種類の記号は,S××C (××は炭素量)で表される。ただし,鋼管にはこの規格を適用しない。鋼管については,JIS G 3478 「一般機械構造用炭素鋼鋼管」。
 関連ページ : 鋼の腐食:鋼材の変遷 ,  
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 【機械構造用炭素鋼鋼管】( Carbon steel tubes for machine structure )
 STKM材と記され,機械器具,自動車,自転車,家具,器具,その他の機械部品に使用する炭素鋼鋼管,品質については,JIS G 3445「機械構造用炭素鋼鋼管:Carbon steel tubes for machine structure」に規定されている。
 関連ページ : 金属概論:鉄鋼製品JIS ,  
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 【機械的性質】( mechanical properties )
 引張強さ,降伏点,伸び,絞り,硬さ,衝撃値,疲れ強さ,クリープ強さなど,機械的な変形及び破壊に関する諸性質。【JIS G 0203「鉄鋼用語(製品及び品質)」】
 関連ページ : 防食基礎:有機ライニングの要求性能 ,  防食基礎:ライニング皮膜の品質 ,  塗膜の評価:塗膜品質の分類 ,  塗膜の評価:機械的性質とは ,  塗膜の評価:柔軟性(可とう性) ,  塗膜の評価:耐衝撃性 ,  塗膜の評価:付着性 ,  塗膜の評価:耐摩耗性 ,  防食基礎:素地調整概論 ,  
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 【機械的素地調整】( mechanical surface preparation )
 物理力を用いて行う素地調整。⇒ 素地調整
 関連ページ : 防食基礎:素地調整概論 ,  塗装概論:素地調整技術 ,  
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 【規格】( standard )
 規格とは,標準化によって決められた,ある「取り決め」(標準)を文章に書いたもの。
 地政学的な分類:●国際規格:世界中の国々で共通して利用される規格(ISO規格,IEC規格など),●地域規格:ある地域の国々の中で共通して利用される規格(EN規格など),●国家規格:主に一国内で使われる標準(JISなど),●地区規格:一つの業界や一つの企業内で使う標準(業界規格,社内規格など)
 規格の内容による分類
 ●基本規格:用語,記号,単位,など基本的事項を規定した規格。
 ●方法規格:試験,分析,検査及び測定方法,作業方法などを規定した規格。
 ●製品規格:製品の形状,寸法,材質,成分,品質,性能,耐久性,安全性,機能などを規定した規格。
 ●マネジメントシステム規格:組織が方針及び目標を定め,その目標を達成するためのシステムについて規定した規格。組織のマネジメントの継続的な向上を図ることを目的とし,P-D-C-A[トップの方針に基づいて計画を立て(Plan),実施マニュアルを作成・運用し(Do),定期的にチェック評価し(Check),見直す(Act)]というデミングサイクルのモデルをベースにしています。日本規格協会
 与えられた状況において,最適な秩序を達成することを目的に,共通的に繰り返して使用するために,活動又はその結果に関する規則,指針又は特性を規定する文書であって,合意によって確立し,一般に認められている団体によって承認されているもの。【JIS Z 8002「標準化及び関連活動-一般的な用語」】
 関連ページ : 塗料評価:はじめに ,  塗料評価:プライマーの品質 ,  塗料評価:下塗り塗料 ,  塗料評価:中塗り塗料 ,  塗料評価:中塗り塗料JIS品質 ,  塗料評価:上塗り塗料 ,  塗料評価:上塗り塗料のJIS品質項目 ,  塗料評価:品質試験の項目と手順 ,  塗膜の評価:性能評価の考え方 ,  
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 【幾何光学】( geometrical optics )
 幾何光学とは,光伝播を光線という概念で捕え,直進性,反射,屈折など光線の経路を幾何学的に論じる分野である。
 すなわち,干渉や回折などの波動的現象を考えず,光線は一様で,媒質内では直線をなして進むと考えて,レンズで構成される光学系などの実用的な特性の解明を主目的としている。
 関連ページ : 塗膜の評価:鏡面光沢度 ,  
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 【機械構造用合金鋼】( Low-alloyed steels for machine structural use )
 鋼管を除き,熱間圧延,熱間鍛造及び熱間押出によって製造する機械構造用合金鋼鋼材,品質については,JIS G 4053「機械構造用合金鋼鋼材:Low-alloyed steels for machine structural use」に 40種の鋼材が規定されている。規定されている鋼材種は,マンガン鋼(SMn),クロムモリブデン鋼(SCM),ニッケルクロム鋼(SNC),アルミニウムクロムモリブデン鋼(SACM),マンガンクロム鋼(SMnC),ニッケルクロムモリブデン鋼(SNCM),クロム鋼(SCr)である。
 関連ページ : 金属概論:鉄鋼製品JIS ,  
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 【気化熱】( heat of vaporization )
 ⇒ 蒸発熱
 関連ページ : 鋼の腐食:結露の発生1 ,  塗装概論:新設時塗装管理(塗装作業) ,  塗装概論:塗替え塗装管理(塗装作業) ,  
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 【機器分析】( instrumental analysis )
 機器を用いる化学分析。【JIS K 0211「分析化学用語(基礎部門)」】
 機器分析法には,光学的現象,電磁気学的現象を利用した方法やクロマトグラフィーなど多数の方法がある。
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・化学分析 ,  
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 【貴金属】( noble metal,precious metal )
 貴金属 (noble metal)という場合は,「イオン化傾向」が水素より小さい周期表第11属の銅(Cu),銀(Ag),金(Au)3元素を指す。分野によっては第12族の水銀(Hg)を含めた 4元素を指すこともある。
 貴金属 (precious metal)という場合は,化学変化を起こし難く,耐食性(空気中で酸化しない)があり,電気伝導性,延性・展性に優れる白金族(platinum group metal),すなわち第8族のルテニウム(Ru),オスミウム(Os),第9族のロジウム(Rh),イリジウム(Ir),第10族のパラジウム(Pd),白金(Pt)を含めた 8元素をいう。
 関連ページ : 金属概論:金属の化学的分類 ,  
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 【気圏】( earth's atmosphere )
 大気圏ともいい,水圏・地圏に対して用いられ,地球の大気の球状層をいう。
 関連ページ : 鋼の腐食:大気とは ,  
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 【気候】( climate )
 その地域を特徴づける大気の状態。
 関連ページ : 塗膜の試験規格:屋外暴露耐候性 ,  
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 【気候因子】( climatic factor )
 ⇒ 気象因子
 関連ページ : 塗膜の試験規格:屋外暴露耐候性 ,  
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 【気候要素】( climatic factor )
 ⇒ 気象因子
 関連ページ : 塗膜の試験規格:屋外暴露耐候性 ,  
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 【気象因子】( meteorological factors )
 JIS Z 2381 「大気暴露試験方法通則」では,気象因子を“気象観測の対象となる気温,湿度,太陽放射エネルギー量,降水量,風向,風速などの因子。”と定義している。
 一般的には,気象要素(meteorological element)ともいい,気象学でいう気候要素(climatic factor)と同等の意味で用いられる。
 なお,気象(meteorological phenomena)とは,大気の状態や大気の中で起きる現象をいい,気候(climate)とは,その地域を特徴づける大気の状態をいう。
 気候要素とは,ある気候を構成する種々の要素で,学術的には気温,降水量,風向・風速の三大要素に加えて気圧,湿度,蒸発散量,雲量,日照時間,日射量,水温,地温,降水時間,土壌水分量などが挙げられる。
 なお,気候因子(climatic factor)といった場合は,気候の地域差を生じる原因となる緯度・高度・水陸分布・地形・海流などを指し,この結果として,各地の気候要素(気温,降水量,風向・風速など)に影響を与える。
 関連ページ : 鋼の腐食:大気腐食性評価 ,  鋼の腐食:大気腐食環境分類(ISO 9223) ,  防食設計:環境の腐食性 ,  防食基礎:大気暴露試験方法 ,  塗装概論:塗替え塗装管理(塗装作業) ,  塗膜の評価:耐候性 ,  塗膜の試験規格:屋外暴露耐候性