社会資本・腐食防食関連の技術用語 (索引)

 “社会資本“,及び“腐食防食“に関連する記事を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 ここでは,サ行 “す”の用語を  すあ~すこ,  すさ~すん  に分けて紹介する。

 用語一覧 すあ~すこ

スイープブラスト 】  , 【 水圏 】  , 【 水酸化第一鉄 】  , 【 水酸化第二鉄 】  , 【 水酸化鉄(Ⅲ) 】  , 【 水酸化鉄(Ⅱ) 】  , 【 水酸化物イオン 】  , 【 随時検査 】  ,

水質汚染 】  , 【 水蒸気透過性 】  , 【 水蒸気分圧 】  , 【 水性塗料 】  , 【 水素 】  , 【 水素イオン 】  , 【 水素イオン濃度指数 】  , 【 水素脆性 】  ,

鉛直材 】  , 【 水道 】  , 【 水道システム 】  , 【 水道法 】  , 【 水膜の電気抵抗 】  , 【 水溶性樹脂 】  , 【 水溶性塗料 】  , 【 水力発電 】  , 【 スカラップ 】  ,

すき間腐食 】  , 【 スクラッチ 】  , 【 スクリーニング 】  , 【 スクレーパー(力棒) 】  , 【 透け(塗膜の) 】  , 【 スケーリング 】  , 【 スケーリングマシン

 用語の概要と関連ページ


 【スイープブラスト】( brush-off blast cleaning )
 ブラッシュオフブラストともいい,表層の汚れ除去を目的に,低い吐出圧力で,微細な研削材を用いたブラスト処理法の一種で,除せい(錆)度 Sa 1を超える清浄度は期待できない。
 関連ページ : 防食塗装系:道路:塗装系溶融亜鉛めっき用 ,  
 用語一覧へ

 【水圏】( hydrosphere )
 気圏・地圏に対して用いられ,地球の表面で水の占める部分。水圏の大部分は海洋である。
 関連ページ : 鋼の腐食:大気とは ,  
 用語一覧へ

 【水酸化第一鉄】( )
 ⇒ 水酸化鉄(Ⅱ)
 関連ページ : 鋼の腐食:腐食生成物 ,  
 用語一覧へ

 【水酸化第二鉄】( )
 ⇒ 水酸化鉄(Ⅲ)
 関連ページ : 鋼の腐食:腐食生成物 ,  
 用語一覧へ

 【水酸化鉄(Ⅲ)】( iron(III) oxide hydroxide )
 水酸化鉄(Ⅲ)は,水酸化第二鉄ともいい,赤褐色の粉末。一般には Fe(OH)3 と表記されるが,水酸化鉄(Ⅱ)とは異なり,実際には鉄と水酸化物イオンとを 1:3 で含む化合物が無く,一般組成式は,脱水されたオキシ水酸化鉄(酸水酸化鉄) FeO(OH)・H2O ,又はさらに脱水の進んだ水を含む酸化鉄(含水酸化鉄) 2Fe2O3・3H2O として表される。
 ちなみに,水酸化鉄(Ⅲ)の溶解度積 Ksp は,
  FeO(OH) + H2O ⇆ Fe3+(aq) + 3OH(aq) ,Ksp = 1×10‐38
 で与えられる。
 関連ページ : 腐食基礎:腐食反応と溶存酸素 ,  鋼の腐食:腐食生成物 ,  
 用語一覧へ

 【水酸化鉄(Ⅱ)】( iron(II) hydroxide )
 水酸化第一鉄ともいい,Fe(OH)2 。無色ないし淡緑色粉末結晶。空気中で容易に酸化され水酸化鉄(Ⅲ)になる。
 関連ページ : 腐食基礎:腐食反応と溶存酸素 ,  鋼の腐食:鋼腐食の基礎・目次 ,  鋼の腐食:腐食生成物 ,  
 用語一覧へ

 【水酸化物イオン】( hydroxide ion )
 水酸イオン,ヒドロキシイオンともいわれ,OH- で表わされる陰イオン。水の共役塩基で,水 (H2O) や水酸化物の電離で生じ,その濃度は,水素イオン(H)と共に,酸性・塩基性(アルカリ性)の指標となる。
 関連ページ : 腐食基礎:酸化還元反応とは ,  腐食基礎:参考(腐食反応) ,  
 用語一覧へ

 【随時検査】( )
 地震,台風,大雨・融雪等による異常出水などの災害で変状が発生した場合,および変状を生じた構造物と類似の構造を有し,同様の変状が発生する可能性がある場合など,その時の状況で必要と判断された場合に行う検査である。
 関連ページ : 維持管理(鉄道):考え方 ,  
 用語一覧へ

 【水質汚染】( water pollution )
 人の生活,経済活動で引き起こされた湖,河川,大洋,地下水など水圏に対する有害な影響。
 水環境を規制する法律には,1970 年(昭和 45 年)制定の水質汚濁防止法,1970 年(昭和 45 年)制定の海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律,1973 年(昭和 48 年)制定の瀬戸内海環境保全特別措置法,1984 年(昭和 59 年)制定の湖沼水質保全特別措置法などがある。
 関連ページ : 塗料概論:塗料の環境影響 ,  
 用語一覧へ

 【水蒸気透過性】( water vapor permeability )
 透湿性(moisture permeability)ともいわれ,有機高分子化合物のフィルムなどのガス透過性(gas transmission)の一種とも考えられるが,水蒸気については,用語としてガス透過性より水蒸気透過性や透湿性が主に用いられる。
 水蒸気透過性の程度は,水蒸気透過度(WVTR: Water Vapor Transmission Rate)や透湿度(Water Vapour Transmission Rate of Moisture)という。
 JIS K7129「プラスチック−フィルム及びシート − 水蒸気透過度の求め方(機器測定法)」では,“規定の温度及び湿度の条件で,単位時間に単位面積の試験片を通過する水蒸気の量”と定義し,24時間に透過した面積 1m2 当たりの水蒸気のグラム数 [ g/(m2・24h)] で表す。
 JIS Z0208「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」では,“一定時間に単位面積の膜状物質を通過する水蒸気の量をいい,この規格では,温度 25℃又は 40℃において防湿包装材料を境界面とし,一方の側の空気を相対湿度 90%,他の側の空気を吸湿剤によって乾燥状態に保ったとき,24時間にこの境界面を通過する水蒸気の質量 (g) を,その材料 1m2 当たりに換算した値をその材料の透湿度と定める。
 関連ページ : 防食基礎:有機ライニングの要求性能 ,  塗膜の試験規格:耐湿性 ,  塗膜の試験規格:膨れの等級 ,  
 用語一覧へ

 【水蒸気分圧】( water vapor partial pressure )
 ⇒ 蒸気圧(じょうきあつ)
 関連ページ : 腐食基礎:清浄表面の濡れ ,  鋼の腐食:相対湿度とは ,  鋼の腐食:絶対湿度とは ,  鋼の腐食:水分子吸着 ,  
 用語一覧へ

 【水性塗料】( water paint, water-based paint )
 水で希釈できる塗料の総称。水溶性又は水分散性の塗膜形成要素を用いて作る。粉状水性塗料,合成樹脂エマルションペイント,水溶性焼付塗料,酸硬化水溶性塗料などがある。【JIS K5500「塗料用語」】
 関連ページ : 塗装概論:塗り付け方法 ,  塗料概論:塗料のはじまり ,  塗料概論:分類(形態,機能) ,  塗料各論:塗料分類(形態別分類) ,  
 用語一覧へ

 【水素】( hydrogen )
 周期表の 1 族に分類されているが,他の 1 族元素とは性質が大きく異なる。第一周期の水素は非金属元素であるが,第二周期以降のリチウム,ナトリウムなどの元素は,アルカリ金属元素に分類される。
 水素は,一価の陽イオンになり易く,大気中などの身近な環境では,安定な単体の水素分子H2 (水素ガス)として存在し,一般に「水素」という場合は水素分子を指すことが多い。
 関連ページ : 鋼の腐食:水素脆化 ,  
 用語一覧へ

 【水素イオン】( hydrogen ion )
 酸塩基反応式などでは,イオン式で( H+ )と表記するが,水素原子(陽子 1 個,電子 1 個)から電子を放出した陽子 1 個(ヒドロン)は,反応性が著しく高く安定して存在できない。
 通常は,溶媒と反応(配位結合)した多原子イオン(水の場合はヒドロニウムイオン: H3O+ )として存在する。 溶媒中での化学反応式で扱う場合は,簡単のために溶媒の水分子を省略し,H+ と表記する場合が多い。⇒ヒドロニウムイオン
 関連ページ : 腐食基礎:参考(腐食反応) ,  鋼の腐食:水質の影響 ,  
 用語一覧へ

 【水素イオン濃度指数】( potential hydrogen ,power of hydrogen )
 水素イオン濃度を表す指数。水素イオン指数(hydrogen ion exponen)ともいわれ,水素イオン濃度の逆数の常用対数。⇒ pH(ぴーえいち)
 関連ページ : 鋼の腐食:淡水環境の腐食・目次 ,  鋼の腐食:水質の影響 ,  鋼の腐食:酸性雨の現状 ,  鋼の腐食:土壌腐食(ミクロ腐食) ,  
 用語一覧へ

 【水素脆性】( hydrogen embrittlement )
 読み「すいそぜいせい」,腐食,酸洗い,電解,溶接などによって生じた水素が金属中に吸蔵されて,材質がもろくなる現象。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
 前処理及びめっき処理の過程で,被めっき物が水素を吸蔵して延性又はじん(靱)性が低下する現象。【JIS H0400「電気めっき及び関連処理用語」】
 現象が現れるまで時間を要するため,遅れ破壊(delayed fracture)ともいう。
 関連ページ : 腐食基礎:腐食形態による分類 ,  腐食基礎:腐食現象の分類 ,  腐食概論:鋼の腐食とは ,  鋼の腐食:応力腐食割れ ,  鋼の腐食:水素脆化 ,  
 用語一覧へ

 【鉛直材】( vertical member )
 構造物を構成する部材で,鉛直方向のものをいう。主には,トラスの腹材の中で鉛直方向の部材をいう。
 関連ページ : 鋼橋構造:トラス橋・部材 ,  
 用語一覧へ

 【水道】( water warks )
 水道という用語には,①船舶の航路,②海または湖などの接近した陸地によって挟まれた狭い部分(channel),③上水または下水を引く道,上水道(water supply)・下水道(sewer)の総称,特に上水道の3つの意味がある。
 関連ページ : 社会資本:水道 ,  鋼の腐食:淡水とは ,  
 用語一覧へ

 【水道システム】( water warks system )
 
 関連ページ : 社会資本:水道システム ,  
 用語一覧へ

 【水道法】( water supply act )
 昭和32年6月15日制定の法律第177号は,水道(上水道)事業について定める日本の法律。法の目的は 「水道の布設及び管理を適正かつ合理的ならしめるとともに,水道を計画的に整備し,及び水道事業を保護育成することによつて,清浄にして豊富低廉な水の供給を図り,もつて公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与すること」である。
 関連ページ : 社会資本:水道 ,  鋼の腐食:淡水とは ,  
 用語一覧へ

 【水膜の電気抵抗】( )
 
 関連ページ : 腐食基礎:腐食の継続について ,  
 用語一覧へ

 【水溶性樹脂】( water soluble resin peint, water soluble resin coating )
 分子内に親水基を多く持つ樹脂状化合物及び塩基性中和物の重合体で水に溶解するもの。天然樹脂と合成樹脂とがある。硬化性の合成樹脂は,水性塗料の塗膜形成要素として使われる。縮合,重合などで親水基が失われて高分子化すれば硬化して水不溶性になる。【JIS K5500「塗料用語」】
 水に溶ける性質を持つポリマー。身近なものでは,澱粉,寒天,ゼラチンなどの天然ポリマーが挙げられる。日常生活の中では,ポリアクリル酸やポリエチレンオキシドのようなポリマーが,洗剤,紙,繊維,食品の原料や加工材料として幅広く使われている。アクリル酸系水溶性ポリマーは,その分子量により,分散⇒増粘⇒凝集⇒膨潤と機能が変化するため,分散剤,粘度安定剤,増粘剤,パップ材,凝集剤,高吸水性樹脂など幅広い用途で用いられている。塗料分野では,顔料分散剤として活用されている。
 関連ページ : 塗料概論:塗料形成要素(展色材) ,  塗料各論:塗料分類(形態別分類) ,  
 用語一覧へ

 【水溶性塗料】( water soluble resin peint, water soluble resin coating )
 塗膜形成要素として水溶性樹脂を用いて作った塗料。塗膜形成の際に樹脂が硬化して水に不溶性の塗膜ができるものが多い。【JIS K5500「塗料用語」】
 関連ページ : 塗料概論:塗料のはじまり ,  塗料各論:塗料分類(形態別分類) ,  
 用語一覧へ

 【水力発電】( hydroelectricity )
 水力(水に掛かる重力と高低差による位置エネルギー差)で羽根車を回し,それによる動力で発電機を回して電気エネルギーを得る(発電を行う)方式。
 関連ページ : 社会資本:電源設備 ,  
 用語一覧へ

 【スカラップ】( scallop )
 部材を溶接する際に,溶接継目の重なりを防ぐ目的で設けられた円弧状の切り込みをいう。
 関連ページ : 鋼橋構造:鋼桁部材 ,  
 用語一覧へ

 【すき間腐食】( crevice corrosion )
 濃淡電池腐食(concentration cell corrosion)の一種で,金属又は金属と他の材料との間にすき間が存在する場合,すき間の内外においてイオン,酸素などの濃淡電池が構成されて生じる腐食。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
 酸素の濃淡のみで生じる濃淡電池は通気差電池(differential aeration cell)といわれ,これによる腐食を通気差腐食(differential aeration corrosion)という。
 関連ページ : 腐食基礎:腐食形態による分類 ,  腐食基礎:局部腐食とは ,  腐食基礎:酸素濃淡電池 ,  腐食基礎:腐食現象の分類 ,  鋼の腐食:鋼腐食の基礎・目次 ,  鋼の腐食:全面腐食と局部腐食 ,  鋼の腐食:濃淡電池腐食 ,  鋼の腐食:すき間腐食 ,  鋼の腐食:淡水中の局部腐食 ,  防食基礎:腐食試験・形態観察 ,  
 用語一覧へ

 【スクラッチ】( scratch )
 広く用いられる用語で,一般的には引っかくこと,擦り傷などを指すが,塗膜の試験片作製では,塗膜に人為的に付けた素地に達する切り傷を指す。
 関連ページ : 塗膜の試験規格:耐中性塩水噴霧性 ,  
 用語一覧へ

 【スクリーニング】( screening )
 生物学用語の土壌の中から微生物をピックアップすることの意味から始まり,一般的に様々な状況や条件の中から必要なものを選出すること(ふるいにかけること,選抜,選別)を意味するようになった。
 関連ページ : 防食基礎:人工環境腐食試験 ,  塗膜の評価:耐塩水噴霧性 ,  塗膜の評価:環境因子繰り返し性 ,  塗膜の試験規格:湿潤冷熱繰り返し性 ,  塗膜の試験規格:サイクル腐食試験 ,  
 用語一覧へ

 【スクレーパー(力棒)】( hand scraper )
 いわゆる木工用の“のみ”に似ているが,金属の表面を削れるように,刃先が鈍角の手工具。
 関連ページ : 塗装概論:塗装技術(素地調整) ,  塗装概論:手工具 ,  塗装概論:塗替え塗装管理(素地調整) ,  防食塗装系:塗替え塗装 ,  
 用語一覧へ

 【透け(塗膜の)】( lack of biding )
 下地が透けて見える現象。一般に隠ぺい力が小さい塗料を用いたり,下塗りと上塗りとの色差が大きいときに起こりやすい。【JIS K5500「塗料用語」】
 関連ページ : 塗装概論:塗替え塗装(竣工検査) ,  塗装概論:塗膜変状と措置(塗装作業時) ,  
 用語一覧へ

 【スケーリング】( scaling )
 JIS K5500「塗料用語」の用語“はがれ(塗膜の)”の備考欄には,“ scaling はスケール状の大きなはがれをいうこともある。なお,scaling ははがれの他にさび落としの意味にも用いられる。”とある。
 関連ページ : 塗膜の試験規格:はがれの等級 ,  
 用語一覧へ

 【スケーリングマシン】( scaling machine )
 動力源のモーターから工具までをフレキシブルシャフトで連絡した回転工具である。先端に取り付けた工具により,狭い個所での施工が可能である。 取り付けられ工具には,砥石,サンドペーパー,ワイヤブラシ,研削用歯車,小型ハンマーなどがある。
 関連ページ : 塗装概論:動力工具