社会資本・腐食防食関連の技術用語 (索引)
“社会資本“,及び“腐食防食“に関連する記事を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
ここでは,ナ行 “ね”の用語を紹介する。
用語一覧 ね
【 ねじり疲れ試験 】 ,
【 ねずみ銑 】 ,
【 ねずみ鋳鉄 】 ,
【 熱可塑性樹脂 】 ,
【 熱間圧延鋼板 】 ,
【 熱間圧延仕上げ製品 】 ,
【 熱間圧延軟鋼 】 ,
【 熱圏 】 ,
【 熱硬化性樹脂 】 ,
【 熱収支 】 ,
【 熱収縮チューブ 】 ,
【 熱縮合 】 ,
【 熱縮合乾燥形塗料 】 ,
【 熱処理 】 ,
【 熱処理型アルミニウム合金 】 ,
【 熱処理履歴 】 ,
【 熱振動 】 ,
【 熱電子 】 ,
【 熱電子放出 】 ,
【 熱伝導 】 ,
【 熱伝導率 】 ,
【 熱放射 】 ,
【 熱膨張 】 ,
【 熱膨張率 】 ,
【 熱容量 】 ,
【 熱力学第一法則 】 ,
【 熱力学第二法則 】 ,
【 熱力学第三法則 】 ,
【 熱力学的温度 】 ,
【 熱流束 】 ,
【 熱量 】 ,
【 ネルンストの式 】 ,
【 粘性 】 ,
【 粘弾性 】 ,
【 粘着(塗膜の) 】 ,
【 粘着 】 ,
【 粘着剤(PSA) 】 ,
【 粘着性 】 ,
【 粘着テープ(PSA tape) 】 ,
【 粘着付与剤 】 ,
【 粘着力 】 ,
【 粘度 】 ,
【 粘土 】 ,
【 燃料電池 】
用語の概要と関連ページ
【ねじり疲れ試験】( torsional fatigue test )
⇒ 疲れ試験
関連ページ : 防食基礎:腐食試験・機械特性 ,
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【ねずみ銑】( gray pig iron )
灰銑ともいわれる。銑鉄中のマンガンに対するけい素の比率(Si/Mn)が高いものは遊離炭素が多く破面が薄黒いので“ねずみ銑”と呼ばれる。
銑鉄に含まれるケイ素(Si)は炭素(C)を黒鉛化して遊離させる作用を持つ。一方,マンガン(Mn)は炭素(C)をセメンタイト化(Fe3C)する作用がある。
関連ページ : 金属概論:鉄鋼の分類 ,
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【ねずみ鋳鉄】( Grey iron castings )
FC材と記され,片状黒鉛をもつ鋳鉄品,品質などは JIS G 5501「ねずみ鋳鉄品:Grey iron castings」に規定されている。
関連ページ : 金属概論:鋳鉄 ,
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【熱可塑性樹脂】( thermoplastic resin )
熱可塑性(thermoplastic, thermoplasticity)とは,熱を加えれば軟らかくなり,冷却すれば硬くなることを繰り返す性質。【JIS K5500「塗料用語」】
熱可塑性樹脂は,ガラス転移温度または融点まで加熱することによって軟らかくなり,目的の形に成形できる樹脂をいう。樹脂は用途により汎用プラスチック,エンジニアリングプラスチック,スーパーエンジニアリングプラスチックに分けられる。塗料としての用途には,加熱して塗膜を形成する焼付塗料として利用されている。
汎用プラスチック;家庭用品,電気製品の外箱,雨樋やサッシなどの建材,梱包資材等に大量に使われ,ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP),ポリ塩化ビニル(PVC),ポリスチレン(PS),ポリ酢酸ビニル(PVAc),ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂),アクリル樹脂(PMMA)などがある。
エンジニアリングプラスチック;家電品の歯車や軸受け,CDなどの強度や壊れにくさを要求される部分に使用され,ポリアミド(PA;ナイロン),ポリアセタール(POM),ポリカーボネート(PC),変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE,変性PPE,PPO), ポリブチレンテレフタレート(PBT),ポリエチレンテレフタレート(PET),グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート(GF-PET),環状ポリオレフィン(COP)などがある。
スーパーエンジニアリングプラスチック;エンプラよりもさらに高い熱変形温度と長期使用出来る特性を持つ,略してスーパーエンプラとも呼ばれる。ポリフェニレンスルファイド(PPS),ポリテトラフロロエチレン(PTFE),ポリスルホン(PSF),ポリエーテルサルフォン(PES),非晶ポリアリレート(PAR),液晶ポリマー(LCP),ポリエーテルエーテルケトン(PEEK),熱可塑性ポリイミド(PI),ポリアミドイミド (PAI)などがある。
関連ページ : 防食基礎:有機高分子材料 , 塗料概論:塗料の分類(工程) , 塗料概論:塗料形成要素(展色材) ,
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【熱間圧延鋼板】( hot rolled steel plates and strip in cut length )
圧延機によって,熱間で圧延した鋼板。熱間圧延鋼帯からの切板及び熱加工制御を行った鋼板も含む。注記 熱加工制御は,TMCP と呼ぶことがある。【JIS G 0203「鉄鋼用語(製品及び品質)」】⇒ 熱間圧延仕上げ製品
関連ページ : 金属概論:一般構造用圧延鋼 , 金属概論:溶接構造用圧延鋼 , 金属概論:建築構造用圧延鋼 , 金属概論:耐候性鋼 ,
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【熱間圧延仕上げ製品】( hot-rolled finished products )
一般に鋼片,又はごくまれに鋼塊の熱間圧延によって得られる製品。熱間圧延は通常,約 800℃以上(通常,Ar3変態点以上)の高温で圧延される。【JIS G 0204「鉄鋼用語(鋼製品の分類及び定義)」】
Ar3変態点とは,冷却時にフェライト変態が始まる温度をいう。
関連ページ : 金属概論:鉄鋼(分類) ,
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【熱間圧延軟鋼】( Hot-rolled mild steel )
SPH材と記され,一般用及び加工用の熱間圧延軟鋼板及び軟鋼帯,品質については,JIS G 3131「熱間圧延軟鋼板及び鋼帯:Hot-rolled mild steel plates,sheets and strips」に規定されている。
関連ページ : 金属概論:鉄鋼製品JIS ,
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【熱圏】( Thermosphere )
気圏の地表から 80kmから 800kmで高度とともに気温が上昇する。
関連ページ : 鋼の腐食:大気とは ,
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【熱硬化性樹脂】( thermosetting resin )
熱硬化性(thermosetting property, thermosetting)とは,樹脂などが,加熱すれば硬化して不溶性・不融性になり,元の軟らかさには戻らない性質。【JIS K5500「塗料用語」】
重合を起こして高分子の網目構造を形成し,硬化して元に戻らなくなる樹脂。加熱硬化タイプ,A液(基剤)とB液(硬化剤)を混ぜて硬化させる常温硬化タイプがある。硬く,熱や溶剤に強い特徴を生かし,家具の表面処理,耐熱部品,塗料などに使用されている。
熱硬化性樹脂には,アルキド樹脂,エポキシ樹脂(EP),ポリウレタン(PUR) ,シリコン樹脂(SI),フェノール樹脂(PF),メラミン樹脂(MF),尿素樹脂(ユリア樹脂,UF),不飽和ポリエステル樹脂(UP),熱硬化性ポリイミド(PI)などがある。
関連ページ : 防食基礎:有機高分子材料 , 塗料概論:塗料の分類(工程) , 塗料概論:塗料形成要素(展色材) ,
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【熱収支】( heat balance )
エネルギー収支(energy balance)ともいい,ある系に入ったエネルギー量,出ていったエネルギー量,系内部での発熱,吸熱の総和。概念は,物質収支と同じで,定常状態では,総和がゼロになる。
関連ページ : 鋼の腐食:放射冷却 ,
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【熱収縮チューブ】( thermal shrinking tube, heat shrinkable tube )
有機高分子化合物の形状記憶特性を利用したもので,加熱することで,長さは変わらないが径が収縮するチューブをいう。原料として利用される有機化合物には,塩化ビニル,ポリオレフィン,エチレンプロピレン,シリコーンゴム系,ふっ素系樹脂,熱可塑性エラストマーなどある。
関連ページ : 防食基礎:ライニング鋼管の設計施工 ,
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【熱縮合】( heat condensation )
熱処理により付加縮合が進行し,架橋構造が形成されて硬化する。⇒ 付加縮合
関連ページ : 塗料概論:塗料の分類(工程) ,
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【熱縮合乾燥形塗料】( heat condensation )
熱処理により付加縮合が進行し,架橋構造が形成されて硬化する。⇒ 付加縮合
関連ページ : 塗料概論:塗料形成要素(展色材) ,
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【熱処理】( heat treatment )
金属,主に合金を加熱・冷却して,その性質を変えることをいう。熱処理には,焼入れ・焼鈍(やきなま)し・焼戻しなどがある。
関連ページ : 金属概論:アルミニウム合金とは ,
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【熱処理型アルミニウム合金】( aluminum alloy material of heat treatment type, heat-treated aluminum alloy material )
例えば,溶体化処理で得た高温固溶体合金を焼入れすると低温で過飽和になる。一方,焼戻しなどの熱処理を行うと合金の析出やG-P帯(溶質原子が集合してできる微小な析出相)の形成で硬化現象を示し高力アルミニウム合金が得られる。このように,適切な熱処理で得たアルミニウム合金を熱処理型という。
関連ページ : 金属概論:アルミニウム合金とは ,
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【熱処理履歴】( heat treatment hysteresis, heat treatment history )
加熱や冷却により素材の性質を変化させる処理を熱処理という。熱処理履歴とは,焼入れ,焼き戻し,焼きなまし,焼きならしなどの熱処理の履歴をいう。単に熱履歴という場合もある。
金属加工では,熱処理で金属組織,特性が変化するので,履歴の管理が重要である。
関連ページ : 金属概論:鉄鋼の微細構造 ,
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【熱振動】( thermal vibration )
熱エネルギーによる気体や液体を構成する微粒子(原子,分子,イオンなど)の運動を熱運動(thermal motion),固体を構成する微粒子の運動を熱振動(thermal vibration)という。
熱運動(thermal motion)とは,熱平衡の状態にある物体内で原子や分子が個々に行う微視的で無秩序な運動(ブラウン運動の原因)である。熱運動は,熱の本質をなす。
熱振動(thermal vibration)は,原子の振動のことで,分子や固体中の原子は運動エネルギーを持ち,基準となる位置を中心に振動運動をしている。結晶格子上の原子の熱振動は特に格子振動とよばれる。
関連ページ : 金属概論:溶融亜鉛めっき層の構造 ,
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【熱電子】( exothermic electron )
加熱された金属などの表面から熱励起された電子が飛び出してくる現象を熱電子放出(thermionic emission)といい,飛び出した電子を熱電子という。
関連ページ : 腐食基礎:金属構造欠陥 ,
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【熱電子放出】( thermoelectronic emission, thermionic emission )
電子が高温に加熱された固体表面から放出される現象で,熱電子効果ともいわれる。この現象は,エジソンが初めて発見したのでエジソン効果ともいわれた。その後, O.リチャードソンが理論的に説明したため,リチャードソン効果ともいわれる。
金属や半導体などが加熱されることで,激しく運動する自由電子が表面のエネルギー障壁を越えて外へ飛出す現象である。飛び出した電子は熱電子(thermo electron)と呼ばれる。
仕事関数は,熱電子放出による電流密度 i に関するリチャードソン=ダッシュマンの式から求められる。
i=AT2 exp (-eφ/kT) ,ここに,A ;定数,T ;熱力学的温度(絶対温度),e ;電気素量,φ;仕事関数,k ;ボルツマン定数
関連ページ : 腐食基礎:仕事関数 ,
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【熱伝導】( thermal conduction )
伝熱過程(熱伝導,対流,及び熱放射)の 1 種で,物質の移動を伴わず,物質間の接触個所を通して,高温側から低温側へ温度勾配を駆動力として熱が移動する現象を熱伝導という。伝熱への熱伝導の寄与は,気体や液体では小さく,固体で大きい。
熱伝導では,運動エネルギーが格子振動や伝導電子の振動を介して移動する。
格子振動が卓越するダイヤモンドを除く物質では,伝導電子による寄与の方が大きいので,金属は,半導体や絶縁体よりも熱伝導性が良い。しかし,非常に硬いダイヤモンドは例外で,格子振動を介した熱伝導性の寄与が非常に大きく,金属より熱伝導性が良い。 ⇒ 導体
関連ページ : 金属概論:金属とは , 金属概論:金属の化学的特徴 , 金属概論:アルミニウム合金とは , 鋼の腐食:物体の温度変化 , 鋼の腐食:結露の発生1 ,
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【熱伝導率】( thermal conductivity )
フーリエの法則(熱流束は熱の流れる方向の温度勾配に比例)における比例係数をいう。⇒ フーリエの法則
関連ページ : 防食基礎:有機ライニングの要求性能 ,
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【熱放射】( themal radiation )
JIS Z 8120 (光学用語)では,“物質の粒子(原子,分子,イオンなど)の熱じょう乱の結果生じる放射。”と定義される。
すなわち,熱が電磁波として運ばれる現象,物体が熱を電磁波として放出する現象をいい,熱輻射(temperature radiation ,thermal radiation),単に輻射(radiation)ともいう。
関連ページ : 鋼の腐食:物体の温度変化 , 鋼の腐食:放射冷却 ,
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【熱膨張】( thermal expansion )
温度の上昇で物体の長さ,体積が増加する現象をいう。長さの増加を線膨張(linear expansion),体積の増加を体膨張(cubical expansion , volume expansion)といい,熱膨張のしやすさの程度を表わす係数を膨張率(expansion coefficient)という。
温度の変化による試験片の寸法又は体積の変化。【JIS K6900「プラスチック用語」】
関連ページ : 金属概論:亜鉛について , 防食基礎:溶融めっき ,
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【熱膨張率】( coefficient of thermal expansion )
温度の上昇による長さや体積の膨張する割合を1K(ケルビン)当たりで示したもの。単位はK-1である。熱膨張係数ともいう。
長さの変化割合を線膨張率,体積の変化割合を体積膨張率ということもある。
関連ページ : 金属概論:アルミニウム合金とは , 防食基礎:有機ライニングの要求性能 ,
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【熱容量】( heat capacity )
一定圧力下で,ある物体の温度を1度上げるのに要する熱量で,単位はJ・K(ジュール毎ケルビン)である。
1モルの物質の熱容量については,モル熱容量(molar heat capacity)といい,単位はJ・mol-1・K-1である。
単位質量の物質を単位温度上げるのに必要な熱量は,比熱容量(specific heat capacity)といい,単位はJ・g-1・K-1で表わされる。
関連ページ : 金属概論:アルミニウム合金 , 鋼の腐食:結露の発生1 ,
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【熱力学第一法則】( the first law of thermodynamics )
「孤立系のエネルギーの総量は変化しない。」という熱力学の基本法則の一つで,エネルギー保存の法則( the law of the conservation of energy )やエネルギー保存則とも呼ばれる。
関連ページ : 腐食基礎:化学反応式とは ,
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【熱力学第二法則】( the second law of thermodynamics )
熱力学第二法則は,エネルギーの移動の方向とエネルギーの質に関する熱力学の基本法則の一つで,様々に表現される。代表的なものに次の 2 つがある。
エントロピー増大則:断熱系において不可逆変化が生じた場合,その系のエントロピーは増大する。
クラウジウスの法則:低温の熱源から高温の熱源に正の熱を移す際に,他に何の変化もおこさないようにすることはできない。
関連ページ : 腐食基礎:化学反応式とは ,
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【熱力学第三法則】( the third law of thermodynamics )
熱力学第三法則は,「完全結晶のエントロピーは絶対零度ではすべて等しくなる。」という熱力学の基本法則の一つである。
関連ページ : 腐食基礎:化学反応式とは ,
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【熱力学的温度】( thermodynamic temperature )
一般的には絶対温度と呼ばれることが多い。イギリスの物理学者,初代ケルビン男爵がカルノーサイクル(温度の異なる 2 つの熱源の間で動作する可逆熱サイクル)で出入りするエネルギーから温度目盛を構築できることを提唱したことから始まる。
熱力学的温度は,カルノーサイクルの効率が 1 となる温度(これ以上冷やせない温度)を基準とする温度で,この基準の温度に到達するには無限の仕事が必要となるので,この温度を絶対零度( 0 K ,-273.15 ℃)という。
温度の単位は,ケルビン( K )を用いる。温度目盛の間隔は,セルシウス度と同じ,即ち 1 K = 1 ℃である。現在は,物質量の比により厳密に定義(国際度量衡委員会)された同位体組成を持つ水の三重点( triple point : 0.01 ℃ ,273.16 K )の熱力学温度の 1/273.16 を 1 ケルビン( K )と定義している。
関連ページ : 腐食基礎:化学反応式とは , 鋼の腐食:水質(温度)の影響 , 鋼の腐食:放射冷却 ,
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【熱流束】( heat flux )
物質の拡散に関するフィックの法則における拡散束(流束)と同様に,熱の拡散(熱伝導)に関するフーリエの法則における流束をいい,単位時間に単位面積を横切る熱量(W/m2)が用いられる。⇒ フーリエの法則
関連ページ : 防食基礎:有機ライニングの要求性能 ,
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【熱量】( quantity of heat )
高温物体から低温物体へ移動する熱,化学反応で発生,吸収される熱などの大きさをいう。
関連ページ : 鋼の腐食:放射冷却 ,
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【ネルンストの式】( Nernst equation )
酸化還元反応: ox + ze- ⇆ red
が平衡状態の時,基準電極(標準水素電極)との電位差 E (平衡電極電位)を与える次式をネルンストの式という。
E = E0 + ( RT /zF ) ln ([ox] /[red] )
ここで,E0 :標準電極電位,R :気体定数( 8.314 JK-1mol-1 ),T :熱力学的温度( K ),z :酸化還元反応にて授受される電子数,F :ファラデー定数( 96,485 C mol-1 ),ln :自然対数,[ox] :酸化型の化合物の活量,[red] :還元型の化合物の活量である。なお,25 ℃の時は,RT /F = 0.0592 となる。
関連ページ : 腐食基礎:表面の揺らぎ , 腐食基礎:酸素濃淡電池 , 鋼の腐食:濃淡電池腐食 ,
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【粘性】( viscosity )
流れの速さの違いをならして一様にしようとする流体の性質をいう。
流体内部に速度勾配があるとき,速度を一様にするような向きの接線応力(内部摩擦)が現れる。この力を粘性力といい,粘性を示す流体を粘性流体という。
粘性力が速度勾配に比例するとき,この流体をニュートン流体という。ニュートン流体の単位面積あたりの粘性力と速度勾配との比を粘性率や粘性係数という。
関連ページ : 塗料概論:塗料構成材料 , 塗料評価:付着性 ,
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【粘弾性】( viscoelasticity )
弾性固体と流動性の粘性流体の組合せであるか のように挙動する材料の時間,温度,荷重及び荷 重速度に依存する応力の応答。【JIS K 6900「プラスチック―用語」】
関連ページ : 塗料評価:付着性 ,
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【粘着(塗膜の)】( blocking )
⇒ ブロッキング
関連ページ : 塗料評価:上塗り適合性 ,
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【粘着】( pressure sensitive adhesion )
高粘度液体に一般的に見られる現象で,態の変化を起こさず短時間僅かな圧力を加えるだけで接着する現象。【JIS Z0109「粘着テープ・粘着シート用語」】
関連ページ : 塗料評価:付着性 ,
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【粘着剤(PSA)】( pressure sensitive adhesive )
PSAと略記され,接着剤の一種で,室温において粘着性をもつ材料。【JIS Z0109「粘着テープ・粘着シート用語」】
例えば,エラストマーに粘着付与剤を配合して適切な粘弾性をもたせて作る。粘着剤は塗工前の形態別に溶剤系,水系,ホットメルト系などあり,種類は,ゴム系,アクリル系,シリコーン系などがある。
関連ページ : 塗料評価:付着性 ,
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【粘着性】( adhesiveness, tack )
接触する面どうしが,互いに密着しようとする性質。【JIS K 6200「ゴム‐用語」】
粘着性は,接着性の一種で,一般的に“ねばりつく性質”,“くっついて離れない性質”と解釈されている。
関連ページ : 塗料評価:付着性 ,
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【粘着テープ(PSA tape)】( pressure sensitive adhesive tape )
PSA tapeとも略記され,支持体の片面又は両面に粘着剤を塗工し,ロール状に巻いた比較的幅の狭いものの総称で,使用時には巻き戻しが容易であるもの。【JIS Z0109「粘着テープ・粘着シート用語」】
関連ページ : 塗料評価:付着性 ,
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【粘着付与剤】( tackifier )
粘着剤の粘着性を調整するために配合する材料。タッキファイヤーともいう。【JIS Z0109「粘着テープ・粘着シート用語」】
関連ページ : 塗料評価:付着性 ,
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【粘着力】( peel adhesion, peel strength )
粘着テープを被着体に貼り付け圧着後,引き剝がすのに要する力。引剝し粘着強さ,引剝し粘着力ともいう(JIS Z 0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」 参照)。【JIS Z0109「粘着テープ・粘着シート用語」】
関連ページ : 塗料評価:付着性 ,
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【粘度】( viscosity )
粘度 η ( Pa・s ) :材料の本体内部で示される定常流に対する抵抗特性。【JIS K 6900「プラスチック―用語」】
関連ページ : 塗装概論:塗替え塗装管理(塗装準備) , 塗料評価:はじめに ,
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【粘土】( clay )
読み「ねんど」,粒径 2μm未満の土壌。シルトより小さい。
関連ページ : 鋼の腐食:土壌について ,
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【燃料電池】( fuel cell )
電気化学反応によって電力を取り出す装置(電池)。化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換するため,運動エネルギーを電気エネルギーに変換する従来法より原理的にはエネルギー変換効率が高い。
使用する電解質の種類により種々の方式がある。実用段階のものに,イオン交換樹脂を電解質とし,水素を燃料とする固体高分子形燃料電池 (PEFC),リン酸水溶液などを電解質とし,天然ガス等を燃料とするりん酸形燃料電池 (PAFC),溶融した炭酸塩を電解質とし,水素や天然ガス等を燃料とする溶融炭酸塩形燃料電池 (MCFC),イオン伝導性セラミックスを電解質とし,水素や天然ガス等を燃料とする溶融炭酸塩形燃料電池 (MCFC) などがある。
関連ページ : 社会資本:電力