腐食概論:鋼の腐食

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    【鋼材の変遷】

 一般構造用圧延鋼材(SS材),溶接構造用圧延鋼材(SM材),耐候性鋼材(SMA材)など,構造物に用いられる鋼材の特徴を腐食の観点を交えながら解説する。
 鋼構造物には,炭素鋼(構造用鋼,耐候性鋼など)の他に,金属被覆鋼(亜鉛めっき,溶射など)も用いられる。
 金属被覆鋼の腐食問題は,被覆金属と鋼との関係(密着性,酸化還元電位など),及び被覆金属の腐食特性を分けて考える必要がある。

鋼橋に用いる鋼について

 1960年代までの鋼構造物は,リベット接合の構造であった。このため,用いられる鋼材は,溶接性を考慮する必要のない錬鉄,ギルド鋼,一般構造用圧延鋼材(SS材)であった。
 その後,接合に溶接を用いるようになり,SS材では溶接個所の品質に課題が出た。このため,溶接構造用圧延鋼材(SM材)が新たに規定され用いられるようになった。
 1980年代には,鋼構造物の維持管理負担の低減を目的に,腐食性の低い環境に限り,無塗装でも実用上問題とならない腐食量ですむ鋼材として,溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材(SMA材)が用いられるようになった。
 最近では,設計技術の向上により,高張力鋼*(引張強度の高い炭素鋼)も用いられるようになってきている。
 このため,現存する鋼構造物の鋼材は,架設年代により,SS材,SM材,SMA材や高張力鋼が混在していることになる。
 なお,鋼材の詳細な組成や規格については,【金属概要】・【鉄および鋼】で解説しているので,そちらを参照してください。。

 *:高張力鋼は,鉄鋼メーカ毎に成分が異なり,明確な定義はないが,シリコン(Si),マンガン(Mn),チタン(Ti)など10数種類の元素を配合した炭素鋼である。一般には,概略で490 MPa程度以上の引張強度のものから高張力鋼と呼ばれる。主流は,引張強度590 MPa,780 MPa程度のものであるが,1 GPa級のものもある。高張力鋼は,軽量化を目的に1950年代以降の鉄道車両や自動車に多用されてきた。構造物に関しては,大型化や板厚の増加による構造の簡略化などを目的に適用を検討されてきている。

【参考】 ボルトの記号について
 構造物ではF10TS10Tボルトがよく用いられる。ボルトの記号の意味は次の通りである。
 最初の記号は,一般的には F は摩擦接合用(for Friction Grip Joints)を意味し,S は構造用(for Structural Joints)を意味する。しかし,土木分野では,高力六角ボルトに F を,これと区別するためトルシア形高力ボルトに S を用いている。
 数値の 10 は強さ10ton・f・cm-2(100kgf・mm-2)を,は強さが引張り(Tensile Strength)であることを表している。

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