金属概論:鉄および鋼

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  【溶接構造用圧延鋼】

 SM材と呼ばれる JIS G 3106 溶接構造用圧延鋼材(Rolled steels for welled structureは,鉄骨造建築物を除き,橋梁,船舶,車両,石油貯槽,容器,その他の溶接構造に用いる熱間圧延鋼材である。溶接性の優れたもので,SS材より化学成分規定が厳しくなっている。
 
 溶接構造用圧延鋼材には,A種・B種・C種の3種類があります。A種は主に弾性範囲,B種は塑性変形を受ける部材,C種はダイアフラムなど板厚方向に応力を受ける部材に適している。なお,B種とC種にはシャルピー衝撃試験の規定がある。
 
 鋼材種 SM400~ SM520 までは,条件0℃,Vノッチ,圧延方向での衝撃試験(impact test)で,吸収エネルギーの規定値は,B種で27(J)以上,C種で47J以上,SM570に関しては,条件-5℃,Vノッチ圧延方向の試験で,47J以上と規定されている。


溶接構造用圧延鋼材(SM材)の例
  記号    種類    厚さ 
  mm 
化学成分(%) 引張強さ
N/mm2
C SiMn P S
  SM400    A    ≦50    ≦0.23    ―    C×2.5≦    ≦0.035    ≦0.035    400~510 
  50<t≦100    ≦0.25 
  B    ≦50    ≦0.20    ≦0.35    0.60~1.50 
  50<t≦60    ≦0.22 
  C    ≦50    ≦0.18 
  SM490    A    ≦50    ≦0.20    ≦0.55    ≦1.65    490~610 
  50<t≦60    ≦0.22 
  B    ≦50    ≦0.18 
  50<t≦60    ≦0.20 
  C    ≦60    ≦0.18 
  YA, YB    ≦50    ≦0.20 
  SM520    B,C    ≦50    520~640 
  SM570    ≦40    ≦0.18    ≦1.70    570~720 

 
 シャルピー衝撃試験(Charpy impact test)
 金属材料に衝撃を与えて,吸収されるエネルギーを決めるシャルピー衝撃(Vノッチ及び Uノッチ)試験方法は,JIS Z 2242「金属材料のシャルピー衝撃試験方法:Method for Charpy pendulum impact test of metallic materials」に規定する方法を用いるのが一般的である。
 試験方法の原理
 振子の一振りによって,ノッチを付けた試験片を破断するときに吸収されたエネルギーを求めて評価する。吸収されたエネルギーは,振り子の初期の位置エネルギーと破断後の振り子の位置エネルギーとの差から求められる。
 なお。試験片のノッチ部分は,指定された形状をもち,試験時に衝撃方向と反対に位置する二つの受け台の中心に置かれる。多くの金属材料の衝撃値は,試験温度によって変化するため,試験は指定された温度で行う。その温度が室温でない場合は,試験片は,その温度に管理された状態で加熱又は冷却しなければならない。
 【参考資料】
 1)谷野満,鈴木茂「鉄鋼材料の科学―鉄に凝縮されたテクノロジー」内田老鶴圃(2006)
 2) 大澤直 『金属のおはなし』 日本規格協会,2008年
 3) 齋藤勝裕 『金属のふしぎ』 ソフトバンククリエイティブ,2009年

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