社会資本・腐食防食関連の技術用語 (索引)
“社会資本“,及び“腐食防食“に関連する記事を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
ここでは,カ行 “き”の用語を きあ~きこ, きさ~きも, きや~きよ, きら~きん に分けて紹介する。
用語一覧 きや~きよ
【 キャス試験 】 ,
【 キャビテーション・コロージョン 】 ,
【 キャビテーション損傷 】 ,
【 吸光光度分析 】 ,
【 吸光度 】 ,
【 吸湿水 】 ,
【 球状黒鉛 】 ,
【 球状黒鉛鋳鉄 】 ,
【 給水場 】 ,
【 吸着 】 ,
【 吸着等温線 】 ,
【 旧塗膜 】 ,
【 橋脚 】 ,
【 橋座 】 ,
【 強磁性 】 ,
【 共重合体 】 ,
【 共重縮合 】 ,
【 凝集破壊 】 ,
【 共晶 】 ,
【 強靭鋼 】 ,
【 強制乾燥 】 ,
【 強制排流法 】 ,
【 橋台 】 ,
【 鏡面光沢度 】 ,
【 鏡面反射 】 ,
【 橋門構 】 ,
【 共有結合半径 】 ,
【 共融混合物 】 ,
【 共用空港 】 ,
【 強溶剤 】 ,
【 橋梁管理カルテ 】 ,
【 曲弦トラス 】 ,
【 曲弦ワーレントラス 】 ,
【 局部電池 】 ,
【 局部腐食 】 ,
【 居住環境 】 ,
【 巨大海塩粒子 】 ,
【 拠点空港 】
用語の概要と関連ページ
【キャス試験】( copper accelerated acetic acid salt spray test, CASS test )
塩水噴霧試験に用いる塩化ナトリウム水溶液に,少量の酢酸及び塩化銅(Ⅱ)を添加し,腐食性を高めた試験。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
5%塩化ナトリウム水溶液に酢酸と塩化第二銅を添加した溶液を49℃に保って噴霧させた試験装置内へ試験片を静置して差にの発生状態を調べる試験。塩水噴霧試験の腐食条件を過酷にした試験方法で,主としてめっきの耐候性加速試験として用いられるが,ステンレス鋼などにも用いられる。【JIS G 0202「鉄鋼用語(試験)」】
銅塩の添加で腐食作用を促進した酢酸酸性の塩水を噴霧し,皮膜の耐食性を調べる試験。【JIS H 0201「アルミニウム表面処理用語」】
関連ページ : 防食基礎:人工環境腐食試験 , 塗膜の試験規格:耐中性塩水噴霧性 ,
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【キャビテーション・コロージョン】( cavitation corrosion )
キャビテーション損傷(cavitation damage)とにより金属表面の不動態皮膜などの酸化皮膜が破壊され,腐食が促進されることをキャビテーション・コロージョンという。
関連ページ : 腐食基礎:流速の影響 , 腐食基礎:腐食形態による分類 , 腐食基礎:腐食現象の分類 , 鋼の腐食:キャビテーション・コロージョン , 鋼の腐食:流速の影響 ,
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【キャビテーション損傷】( cavitation damage )
金属表面でこれに接触する液体の圧力の繰返し変動によって気泡の発生,崩壊が起こることによって金属に生じる損傷。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
関連ページ : 腐食基礎:流速の影響 , 鋼の腐食:キャビテーション・コロージョン ,
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【吸光光度分析】( molecular absorption spectrometrry )
波長約 200 nm ~2500 nm の特定の波長における光の吸収を測定して定性・定量を行う方法。【JIS K 0215「分析化学用語(分析機器部門)」】
関連ページ : 防食基礎:腐食試験・化学分析 ,
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【吸光度】( absorbance )
試料側を透過する光の強度と,透過前の光の強度との比を常用対数によって表した数値。【JIS K 0211「分析化学用語(基礎部門)」】
関連ページ : 防食基礎:腐食試験・化学分析 ,
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【吸湿水】( hygroscopic water )
水蒸気で飽和している空気中に土壌を置き,平衡状態に達したときの土壌粒子の表面に吸着されている水をいう。
関連ページ : 鋼の腐食:土壌について ,
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【球状黒鉛】( spheroidal graphite, nodular graphite )
マグネシウムなどで処理して製造した球状黒鉛鋳鉄に生じる密な球状の黒鉛。【JIS G 0201「鉄鋼用語(熱処理)」】
関連ページ : 金属概論:鋳鉄 , 金属概論:ダクタイル鋳鉄 ,
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【球状黒鉛鋳鉄】( spheroidal graphite cast iron )
FDC材と記される球状黒鉛鋳鉄の,品質などは JIS G 5502「球状黒鉛鋳鉄品:Spheroidal graphite iron castings」に規定されている。⇒ ダクタイル鋳鉄
関連ページ : 社会資本:水道 , 金属概論:鋳鉄 ,
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【給水場】( water station )
給水所ともいい,浄水場から送られてきた水を貯留し,一般的には,配水池とポンプ設備を有し,水道使用量の時間的な変化に応じた配水量の調整,配水系統の切替えなどを行う施設。
関連ページ : 社会資本:水道システム ,
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【吸着】( adsorption )
気相/液相,液相/液相,気相/固相,液相/固相などの 2相の界面で,物質の濃度が周囲よりも増加する現象をいう。吸着していた物質が界面から離れることを脱着または脱離(desorption)と呼ぶ。
界面の原子は,物質内部とは異なり,周囲との相互作用に関わる原子が少なく,自由エネルギーが大きくなる(界面自由エネルギー)。このため,界面の原子は,界面自由エネルギーを小さくするため,近接した分子などの化学種と結合する。この現象を吸着といい,結合様式により,ファンデルワールス力による物理吸着,共有結合やイオン結合による化学吸着に分けられる。
関連ページ : 腐食基礎:金属表面の特徴 , 腐食基礎:環境因子と腐食速さ , 腐食基礎:清浄表面の濡れ , 鋼の腐食:大気腐食の分類 , 鋼の腐食:水分子吸着 ,
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【吸着等温線】( adsorption isotherm )
気体の場合の圧力,液体の場合の濃度を変化させたとき,平衡吸着量をグラフにプロットしたものをいう。
関連ページ : 腐食基礎:金属表面の特徴 , 腐食基礎:清浄表面の濡れ , 鋼の腐食:水分子吸着 ,
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【旧塗膜】( old painted film, old coating film )
塗替え塗装工事において,既存の塗膜をいう。
関連ページ : 塗装概論:塗替え塗装管理(塗膜除去) , 防食塗装系:塗替え塗装 ,
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【橋脚】( pier )
橋の下部構造で,橋桁を支持し,橋桁からの荷重を下方地盤に伝える構造物。【新版図説土木用語辞典】
関連ページ : 橋梁関連の基礎用語 ,
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【橋座】( bridge seat )
橋台・橋脚において,上部構造の支承が置かれるところ。 橋座の支承部は,大きな荷重を受け,き裂が起こりやすいところであるから,鉄筋で十分に補強する。【新版図説土木用語辞典】
関連ページ : 橋梁関連の基礎用語 ,
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【強磁性】( ferromagnetism )
外部磁場を加えると,その方向に強く磁化し,磁場を取去っても残留磁化を示す磁性。常温で常磁性を示す元素には,鉄,コバルト,ニッケルが挙げられる。
関連ページ : 防食基礎:腐食試験・厚み測定 , 塗装概論:新設時塗装管理(膜厚管理) ,
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【共重合体】( copolymer )
共重合とは,2種類以上のモノマーを用いて行う重合で,これにより生成したポリマー。
関連ページ : 塗料各論:エポキシ樹脂とは , 塗料各論:ポリウレタン樹脂塗料分類 , 塗料各論:ふっ素樹脂とは ,
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【共重縮合】( copolycondensation )
それぞれ 2個の同一の反応基を含む 2種類の成分(又は“単量体”)の縮合重合によって製造される重合体は容易に 1:1 の比で反応して“暗黙の単量体”を作り,その単独重合で現実の製品ができるとみなすことができる。
このような重合体は単一の構成繰返し単位をもつものとして示すことができ,したがって単独重合体と命名できる。この規則は最初の成分の比が 1:1 の場合にだけ適用できることに注意すべきである。ポリエチレンテレフタラート(ペット)及びポリアミド 66 (ナイロン)がこのような重合体の例である。【JIS K6900「プラスチック―用語」】
関連ページ : 塗料各論:アルキド樹脂とは , 塗料各論:ポリウレタン樹脂塗料(ポリオール硬化形) ,
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【凝集破壊】( cohesive failure, cohesive fracture )
接着接合物の破壊形態の一つで,接着体の層内で起きる破壊をいう。接着体が強く,被着体自身が破壊することを被着体破壊(被着体の凝集破壊)や料料破壊と呼ばれる。一方,接着体と被着体の界面で起きる破壊を界面破壊(interfacial failure)や接着破壊という。
関連ページ : 塗料各論:ジンクリッチ系塗料の硬化特性 , 塗膜の評価:付着性 , 塗膜の評価:硬さ ,
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【共晶】( eutectic, eutectic crystal )
共析晶(eutectoid),共融混合物(eutectic mixture)ともいい,多成分の液体を冷却した時,それぞれの融点(凝固点)より低い一定の温度(共融温度)で同時に析出する 2種以上の結晶(微結晶)の混合物をいう。
関連ページ : 金属概論:鉄鋼の基礎 ,
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【強靭鋼】( high strength steel )
一般に,構造用鋼の強度と靭性を強化したものをいう。例えば,中炭素鋼,クロム鋼,ニッケル鋼,クロム=モリブデン鋼,ニッケル=クロム=モリブデン鋼などを熱処理(焼き入れと焼き戻し)し,引張り強さ 1,000~2,000MPa程度の粘り強い低合金鋼構造用鋼である。
関連ページ : 金属概論:鉄鋼の分類 ,
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【強制乾燥】( force drying, forced drying )
自然乾燥よりも少し高い温度で塗料の乾燥を促進する工程。通常の焼付塗料に用いられるより低い温度,通常は,66℃までの温度で乾燥する場合をいう。【JIS K5500「塗料用語」】
関連ページ : 塗料各論:はじめに , 塗料各論:塗料分類(形態別分類) ,
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【強制排流法】( forced elimination of corrosive current )
迷走電流腐食を防ぐために用いられる排流法の一種で,例えば,レールと埋設管の間に直流電源装置(強制排流器)を接続し,漏れ電流を強制中和する方法である。
関連ページ : 防食基礎:陽極防食(排流法) ,
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【橋台】( abutment )
橋の下部構造で,橋の長短に設けられ,上部構造からの荷重を下方の地盤に伝えると同時に,背面に作用する土圧を受け止める構造物。【新版図説土木用語辞典】
関連ページ : 防食塗装系:鉄道:特定部位用 ,
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【鏡面光沢度】( specular gloss, specular reflection, relative-specular glossiness, mirror surface glossiness )
面の入射光に対して,等しい角度での反射光,すなわち鏡面反射光の基準面における同じ条件での反射光に対する百分率。面の光沢の程度を表す。光沢度が比較的大きい塗面では,法線に対して入射角 60度,反射角 60度で測る。これを 60度鏡面光沢度という。鏡面光沢度の基準面として屈折率 1.567 のガラスの平面を用いる。【JIS K5500「塗料用語」】
光源及び受光器の角度が 20°,60°,又は85°の幾何条件の反射率計を用いて塗膜の鏡面光沢度を測定する試験方法は,JIS K 5600-4-7「塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第7節:鏡面光沢度」(Testing methods for paints−Part 4 : Visual characteristics of film−Section 7 : Specular gloss )に規定されている。
関連ページ : 塗装概論:塗膜変状と措置(経年変化) , 塗料評価:上塗り塗料のJIS品質項目 , 塗料評価:品質試験の項目と手順 , 塗膜の評価:上塗り塗料 , 塗膜の評価:品質試験 , 塗膜の評価:鏡面光沢度 , 塗膜の試験規格:促進耐候性 ,
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【鏡面反射】( mirror reflection, specular refrection, regular reflection )
幾何光学の反射の法則に従う,拡散がない反射。【JIS Z 8120「光学用語」】
物体表面に入射した光束が,映像を作るような状態で反射される現象。正反射ともいう。【JIS H 0201「アルミニウム表面処理用語」】
関連ページ : 塗膜の評価:鏡面光沢度 ,
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【橋門構】( portal bracing )
下路橋のトラスまたはアーチなどの構造物の両端部(入口)で,上弦材を左右に結ぶ骨組み構造のことをいう。
関連ページ : 鋼橋構造:トラス橋・部材 ,
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【共有結合半径】( covalent radius, covalent bond radius )
共有結合している原子間の電子雲の重なりまでの距離。原子種,電気陰性度などで変わるため,ポーリングは同種二原子分子の原子間の距離の2分の1を共有結合半径と定義した。
関連ページ : 腐食基礎:参考(腐食反応) ,
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【共融混合物】( eutectic mixture )
共晶(eutectic crystal)ともいい,二種以上の成分を含む混合物(液体)を冷却するとき,同時に析出して生じる二種以上の結晶の混合物をいう。共融混合物は,純粋な結晶と同様に,一定の温度で融解し,その組成は混合液体の組成と同じである。
関連ページ : 金属概論:金属とは ,
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【共用空港】( military-civilian airport )
自衛隊の設置する飛行場もしくは在日米軍が使用している飛行場で,民間の空港の機能も果たす空港。
関連ページ : 社会資本:空港 ,
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【強溶剤】( strong solvent )
明確な定義はないが,一般的には,脂肪族炭化水素系溶剤では希釈できない合成樹脂塗料を希釈するために使用される芳香族炭化水素系溶剤,ケトン系溶剤,エーテル系溶剤などを多く含む溶解力の高い溶剤を指す。これらの溶剤は,対象となる合成樹脂塗料それぞれに適した配合が用いられるので専用シンナーとも呼ばれる。
関連ページ : 塗料概論:溶剤類 ,
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【橋梁管理カルテ】( )
道路の維持管理に用いられ,国土交通省及び内閣府沖縄総合事務局が管理する一般国道の維持管理を目的に,橋梁に係る各種点検やその記録等の一元管理について国交省が定めている「橋梁の維持管理の体系と橋梁管理カルテ作成要領(案)」の略称である。
関連ページ : 維持管理(道路):概要 ,
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【曲弦トラス】( curved-chord truss )
上下弦材が水平でないトラスをいう。スパン60m以上のものは,この方式にすると部材の応力が小さくなるため,古い構造物によくみられる。最近では,工法の簡単な平行弦トラスが多く用いられている。
関連ページ : 鋼橋構造:トラス橋 , 防食塗装系:鋼橋の構造例 ,
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【曲弦ワーレントラス】( bowstring warren truss )
ワーレントラスの上弦材が水平でないトラスの総称である。
関連ページ : 鋼橋構造:トラス橋 , 防食塗装系:鋼橋の構造例 ,
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【局部電池】( local cell )
ローカルセルともいい,金属側又は環境側の不均一性が原因となって,金属表面に局部的に形成された腐食電池。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
一つの金属体表面で局部的に構成される短絡電池。【JIS H 0201「アルミニウム表面処理用語」】
関連ページ : 腐食基礎:腐食と電気化学 , 腐食基礎:金属表面の特徴 , 腐食基礎:腐食の開始について , 腐食基礎:局部腐食とは , 腐食基礎:異種金属接触腐食 , 鋼の腐食:土壌腐食(ミクロ腐食) ,
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【局部腐食】( local corrosion )
読み「きょくぶふしょく」,金属表面の腐食が均一でなく,局部的に集中して生じる腐食。【JIS Z0103「防せい防食用語」】局部的に集中して起こる腐食。【JIS H 0201「アルミニウム表面処理用語」】
金属種や腐食要因の違いで孔食,すき間腐食,異種金属接触腐食など様々ある。
関連ページ : 腐食基礎:腐食分類 , 腐食基礎:腐食形態による分類 , 腐食基礎:局部腐食とは , 腐食基礎:異種金属接触腐食 , 腐食基礎:腐食現象の分類 , 鋼の腐食:全面腐食と局部腐食 , 鋼の腐食:すき間腐食 , 鋼の腐食:孔食 , 鋼の腐食:粒界腐食 , 鋼の腐食:淡水中の局部腐食 , 鋼の腐食:腐食度比較(海洋環境) , 鋼の腐食:土壌腐食(マクロ腐食) , 防食基礎:腐食試験・局部腐食 ,
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【居住環境】( habitat, living environment, residential environment )
屋内環境の一種で,人が住まいと定め,生活を営む環境を指すことが多い。
関連ページ : 鋼の腐食:鉄鋼の大気腐食(屋内) ,
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【巨大海塩粒子】( giant sea-salt particle )
一般的には,粒子の質量(核質量ともいう) 10-8g (乾いた核の半径 10µm)程度より小さい海水から成る粒子を海塩粒子(sea-solt particle)という。
この中で,核質量 10-11g より大きい海塩粒子を巨大海塩粒子という。
関連ページ : 鋼の腐食:海塩粒子の発生機構 , 鋼の腐食:海岸のしぶき ,
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【拠点空港】( hub airport )
国際航空輸送網又は国内航空輸送網の拠点となる空港。
関連ページ : 社会資本:空港