防食概論:防食の基礎

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           【腐食程度評価:局部腐食(孔食)】

 腐食程度の評価では,腐食状態の違い,すなわち比較的均一な全面腐食と,不均一な局部腐食(凹凸の激しい腐食,孔食など)を分けて扱う必要がある。
 
 局部腐食とは,表面の一部のみが腐食し,大部分の表面に原板のままの状態が残っている腐食状況をいう。
 このため,全面が均一に腐食していることを前提に,腐食程度評価に用いる腐食度や侵食度は,技術的な意味合いが低い。そこで,局部腐食では,腐食面積の評価と腐食深さの評価が行われる。
 :一般的には,全面腐食ではあるが,局所的に激しい腐食に至っている場合も局部腐食と称されることがある。

腐食面積の評価
 腐食面積の評価は,腐食個所の面積を求める方法以外に,標準写真や標準図表(チャート)との比較でレイティングナンバを付ける方法がある。
 なお,レイティングナンバの統一規格は無く,対象とする材料や技術分野で扱いが異なるので注意が必要である。次にその例を示した。
● JIS G 0595 ステンレス鋼の表面さび発生程度評価方法」
 さびの発生程度を標準写真との比較て定量的に評価する方法として,さび面積率とレイティングナンバとの関係を規定している。試験材の面積 100×150mm(標準的小型試験片の寸法)当たりのさび発生程度を標準写真と比較し判定する。
 レイティングナンバとさび発生面積の関係は,
   RN 9:0.0093%, RN 8:0.062%,
   RN 7:0.41%,  RN 6:2.7%,  RN 5:15%, RN 4: 22%,
   RN 3: 32%,   RN 2: 47%,  RN 1:69%, RN 0:100%,
となっている。
● JIS H 8502 めっきの耐食性試験方法」及び
  JIS H 8679-1 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜に発生した孔食の評価方法-第1部:チャート法」
 これらでは,JIS G 0595 と異なるレイティングナンバ標準図表を用いている。この図表のレイティングナンバとさび発生面積の関係は,
   RN 10:孔食なし,    RN 9.8:0.02%以下,  RN 9.5:0.02~0.05%,
   RN 9.3:0.05~0.07%, RN 9:0.07~0.10%,  RN 8:0.10~0.25%,
   RN 7:0.25~0.5%,   RN 6:0.5~1.00%,  RN 5:1.0~2.50%,
   RN 4:2.50~5.00%,  RN 3:5.00~10.00%, RN 2:10.00~25.00%,
   RN 1:25.00~50.00%, RN 0:50.00%を超えるもの
となっている。

局部深さの測定
 局部深さの測定は,適切な後処理で,腐食生成物を除去した後に,光学顕微鏡,デプスゲージ法,レーザー顕微鏡,断面観察などの適切な深さ計測方法を採用する。
 孔食の程度を定量的に示すことを目的に,“孔食係数”が用いられる。計測された凹部の最大腐食深さ(Pmax:μm)を試験片の質量減少量から求めた平均溶解深さ(Xm:μm)で除した Pmax/Xm を“孔食係数”という。
 なお,似ているが意味の異なる用語に“孔食指数”がある。これは,ステンレス鋼の合金成分(クロム,モリブデンなど)による孔食感受性を評価する指数で“孔食係数”とは全く異なるので注意が必要である。

【参考規格例】
 JIS Z 2383「大気環境の腐食性を評価するための標準金属試験片及びその腐食度の測定方法」
 ISO 8407「 Corrosion of metals and alloys−Removal of corrosion products from corrosion test specimens」
 JIS G 0595「ステンレス鋼の表面さび発生程度評価方法」
 JIS H 8679-1「アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜に発生した孔食の評価方法-第1部:チャート法」

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