腐食概論:鋼の腐食

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           【海岸のしぶきについて】

 参考資料1)は,海岸の消波ブロック(wave dissipating concrete block)砂浜(sandy beach)で発生し,飛来する海水滴を計測した例である。
 この計測では,消波ブロックと海岸に高さ方向に感水紙を取り付け,観察された水滴痕の径から飛来した水滴を球と仮定したときの直径と数を調査している。
 下図は,計測中の平均風速 8.0m/s の消波ブロックと平均風速 8.9m/s の砂浜で計測された海水滴の粒径分布図である。

消波ブロックと海岸で計測された海水滴の粒径分布

消波ブロックと海岸で計測された海水滴の粒径分布
出典:参考資料 1)

 なお,巨大海塩粒子(giant sea-salt particle)の核質量 10-10gとなる海水滴の直径は概ね 20μm,10-9gでは概ね 40μmである。
 これと比較すると,巨大海塩粒子より大きい海水滴が多数飛来していることが分かる。
 これらの大きい海水滴は,一般には海水飛沫(かいすいしぶき;sea water spray , spraya splash)や単にしぶき(splash , spray)といわれ,比較的短い時間で重力落下し,海岸からの距離で大きく低下する。
 
 海水飛沫高さ方向の分布をみると,高さ 2m の粒子数が最も多く,高さと共に減少し,高さ 5mで 1/3程度になっている。また,発生量は,砂浜に比較して消波ブロックで少ないなどの特徴がある。
 海水飛沫の大多数は,樹木や建造物程度の高さまでの分布となる。このことは,構造物と海岸までの間に,樹木や建築物などの障害物があると,海水飛沫の飛来量は劇的に減少することを示している。

 【参考資料】
 1)伊藤 隆洋:“海岸での護岸の有無および潮位の変化が海水飛沫粒子の発生個数と粒子径に及ぼす影響”,高知工科大学工学部社会システム工学科2008年度学士論文(http://www.kochi-tech.ac.jp/library/ron/2008/2008infr/a1090410.pdf)
 
 【参考】
 海水飛沫(sea water spray , spraya splash)
 波が海岸に衝突する時に生ずる海水の飛沫(しぶき)で,波飛沫(なみしぶき;sea spray)ともいう。
 海塩粒子(sea-salt particle)
 海岸の波打ち際及び/又は海上で波頭が砕けたときに発生する海水ミストが,風で運ばれて飛来した粒子。海塩粒子の大きさは,約 0.01μm~20μm である。【JIS Z 2381「大気暴露試験方法通則」】
 巨大海塩粒子(giant sea-salt particle)
 一般的には,粒子の質量(核質量ともいう) 10-8g (乾いた核の半径 10µm)程度より小さい海水から成る粒子を海塩粒子(sea-solt particle)という。
 この中で,核質量 10-11g より大きい海塩粒子を巨大海塩粒子という。

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