社会資本・腐食防食関連の技術用語 (索引)

 “社会資本“,及び“腐食防食“に関連する記事を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 ここでは,カ行 “き”の用語を  きあ~きこ,  きさ~きも,  きや~きよ,  きら~きん  に分けて紹介する。

 用語一覧 きさ~きも

生地拵え 】  , 【 希釈剤(きしゃくざい) 】  , 【 基準電極 】  , 【 気象 】  , 【 気象因子 】  ,

キシレン 】  , 【 きず 】  , 【 傷(亜鉛めっき) 】  , 【 汽水 】  , 【 犠牲アノード(犠牲陽極) 】  , 【 キセノンランプ 】  , 【 基礎構造物 】  ,

気体定数 】  , 【 気体の状態方程式 】  , 【 北空昼光 】  , 【 起電力 】  , 【 軌道電子 】  , 【 希土類元素 】  , 【 キナクリドン 】  ,

機能めっき 】  , 【 揮発乾燥形塗料 】  , 【 揮発性有機化合物 】  , 【 揮発油 】  , 【 ギブズエネルギー 】  , 【 気泡

 用語の概要と関連ページ


 【生地拵え】( surface preparation )
 読み「きじごしらえ」,油取り,さび落とし,穴埋めなど,下塗り塗料を塗るための準備作業として,生地に対して行う作業。下地調整,素地調整の項参照【JIS K5500「塗料用語」】
 下地調整(下地ごしらえ)とは,ある層を塗るときの,塗り前の処理。下地パテのへら付け,研磨などの下地の吸収性を調節したり,でこぼこを修正するなどの工程。生地こしらえ,素地調整の項参照【JIS K5500「塗料用語」】
 参考追記:一般には,次の解説が多く,コンクリート面やモルタル面の塗装前処理を示す用語として使われている。
 1) 塗装下地の欠損,ひび割れを下地調整材で補修し,仕上げ面にふさわしく整えること。脆弱層はシーラーや強化プライマー処理で強化する。下処理,素地調整ともいう。
 2) 下地の乾燥作業,汚れや付着物の除去作業,穴埋め,吸い込み止めやアルカリ止めなどのためにシーラーを塗る作業など,施工に適するよう下地をあらかじめ整えること。
 関連ページ : 塗装概論:素地調整技術 ,  
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 【希釈剤(きしゃくざい)】( diluent (solvent) )
 それ自体溶解力のある溶剤ではないが,溶剤と併用して悪影響なく使用できる,単一又は混合された揮発性液体。【JIS K5500「塗料用語」】
 関連ページ : 防食基礎:塗料の構成 ,  塗料概論:塗料構成材料 ,  塗料概論:溶剤類 ,  
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 【基準電極】( reference electrode )
 電極電位の測定において基準となる電位を与える電極で, 日本語では参照電極(reference electrode),照合電極(reference electrode)ともいわれる。代表的な基準電極には,水素電極( Pt /H2 /HCl ),飽和カロメル電極( Hg /Hg2Cl2 /飽和KCl ),銀・塩化銀電極( Ag /AgCl /飽和KCl )などがある。
 関連ページ : 腐食基礎:酸化還元電位 ,  防食基礎:陽極防食(排流法) ,  
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 【気象】( meteorological phenomena )
 大気の状態や大気の中で起きる現象。
 関連ページ : 塗膜の試験規格:屋外暴露耐候性 ,  
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 【気象因子】( meteorological factors )
 JIS Z 2381 「大気暴露試験方法通則」では,気象因子を“気象観測の対象となる気温,湿度,太陽放射エネルギー量,降水量,風向,風速などの因子。”と定義している。
 一般的には,気象要素(meteorological element)ともいい,気象学でいう気候要素(climatic factor)と同等の意味で用いられる。
 なお,気象(meteorological phenomena)とは,大気の状態や大気の中で起きる現象をいい,気候(climate)とは,その地域を特徴づける大気の状態をいう。
 気候要素とは,ある気候を構成する種々の要素で,学術的には気温,降水量,風向・風速の三大要素に加えて気圧,湿度,蒸発散量,雲量,日照時間,日射量,水温,地温,降水時間,土壌水分量などが挙げられる。
 なお,気候因子(climatic factor)といった場合は,気候の地域差を生じる原因となる緯度・高度・水陸分布・地形・海流などを指し,この結果として,各地の気候要素(気温,降水量,風向・風速など)に影響を与える。
 関連ページ : 鋼の腐食:大気腐食性評価 ,  鋼の腐食:大気腐食環境分類(ISO 9223) ,  防食設計:環境の腐食性 ,  防食基礎:大気暴露試験方法 ,  塗装概論:塗替え塗装管理(塗装作業) ,  塗膜の評価:耐候性 ,  塗膜の試験規格:屋外暴露耐候性 ,  
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 【キシレン】( xylene )
 IUPAC系統名 ジメチルベンゼン(dimethylbenzene),ベンゼンの水素原子の 2つをメチル基で置換した構造の芳香族炭化水素で,示性式 C6H4(CH3)2 の無色の液体。 3種類の異性体{沸点 144℃の o -キシレン(1,2-ジメチルベンゼン),沸点 139℃の m-キシレン(1,3-ジメチルベンゼン),沸点 138℃の p -キシレン(1,4-ジメチルベンゼン)が存在する。
 関連ページ : 塗料概論:溶剤類 ,  
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 【きず】( )
 JIS H8641「溶融亜鉛めっき」では,めっきの不具合の一つとして,“めっき作業中,めっき用具とめっき表面とが接触したこん(痕)。”と定義している。
 関連ページ : 金属概論:亜鉛について ,  
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 【傷(亜鉛めっき)】( mechanical damage )
 めっき作業中,めっき用具とめっき表面とが接触したこん(痕)。
 参考:めっき表面の傷は,発生位置,大きさ及び深さによってその有害性を判断する必要がある。【JIS H8641 「溶融亜鉛めっき」】
 関連ページ : 防食基礎:溶融めっきの不具合 ,  
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 【汽水】( brackish water )
 海洋学で伝統的に用いられている塩分濃度(salinity)による水の分類で,淡水と塩水の混合で塩分濃度 0.05~3.0%の水をいう。
 なお,塩分濃度 0.05%以下の水を淡水(fresh water),淡水と塩水の混合で塩分濃度 0.05~3.0%の汽水(brackish water),塩分濃度 3.0~5.0%の塩を含んだ水(saline water),塩分濃度が飽和に近い又は飽和塩水 5.0%以上の塩水(brine)などに分けられる。
 関連ページ : 鋼の腐食:淡水とは ,  
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 【犠牲アノード(犠牲陽極)】( sacrificial anode )
 流電陽極(galvanic anode)ともいい,外部電源を用いない陰極防食(カソード防食)の流電陽極方式で用いられる防食対象の金属より電位が卑な金属をいう。
 鋼などの母材を,使用環境で母材より腐食電位が卑な金属で被覆したもの。この場合には,ピンホールや傷つきなどの素地に達する損傷があっても,露出した素地金属がカソードとなり,被覆金属が広いアノード(陽極)として作用するため,被覆金属が犠牲的に腐食し,素地金属の腐食を抑制できる。これを犠牲陽極作用,犠牲的保護作用や犠牲防食作用などともいう。
 ⇒ 流電陽極,陰極防食
 関連ページ : 金属概論:55%アルミ亜鉛合金めっき ,  防食設計:防食法の概要 ,  防食基礎:金属被覆(機能分類) ,  防食基礎:溶融めっき ,  防食基礎:電気防食(陰極防食) ,  塗料概論:塗料の分類(材料) ,  塗料各論:不動態化,還元系防せい顔料 ,  塗料各論:ジンクリッチ系塗料 ,  塗料評価:層間付着性 ,  
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 【キセノンランプ】( xenon arc lamp )
 キセノンアーク灯ともいい,高圧のキセノンガスを封入した放電管で,可視域から紫外域の連続スペクトルが自然昼光に近い光が得られる。
 関連ページ : 塗料評価:層間付着性 ,  塗膜の試験規格:促進耐候性 ,  
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 【基礎構造物】( foundation )
 橋台,橋脚その他構造物の下部にあたって上部構造物からの荷重を地盤に伝える構造物の総称。【鉄道構造物等設計標準・同解説(鋼・合成構造物)】
 関連ページ : 橋梁関連の基礎用語 ,  
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 【気体定数】( gas constant )
 理想気体の状態方程式における係数として導入される物理定数である。
 科学技術データ委員会( CODATA )の推奨( 2010年)する気体定数は,R = 8.3144621(75) J・K-1・mol-1 である。なお( )内の数値は最後の 2 桁に対する不確実さを示している。
 関連ページ : 鋼の腐食:水質(温度)の影響 ,  
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 【気体の状態方程式】( ideal gas law )
 アボガドロの法則,標準状態の概念の発展に伴い,ボイル・シャルルの法則の定数が明らかになり,気体の状態を評価する一般則「気体の状態方程式」が確立した。
 気体定数 R ,気体のモル数 n とすると,圧力 P ,体積 V と温度 T との関係は,
     PV = nRT
 なお,科学技術データ委員会( CODATA )の推奨( 2010年)する気体定数は,R = 8.3144621(75) J・K-1・mol-1 である。なお( )内の数値は最後の 2 桁に対する不確実さを示している。
 関連ページ : 鋼の腐食:水質(温度)の影響 ,  鋼の腐食:絶対湿度とは ,  
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 【北空昼光】( north sky light )
 物体色の色比較を行う場合に,実用的に標準イルミナント D65及びその他の昼光イルミナント DTの代用として用いられる,北半球における北空からの自然昼光。
 通常,日の出 3 時間後から日の入り 3 時間前までの太陽光の直射を避けた天空光をいう。【JIS Z8105「色に関する用語」】 ⇒ 拡散昼光
 関連ページ : 塗膜の評価:色の目視比較 ,  
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 【起電力】( electromotive force )
 ガルバニ電池の外部回路に流れる電流を減少させて,ゼロになるときの電池の電位差の極限値。
 ただし,電池の電位差は,いわゆる電池図の右側の電極に取り付けた金属端子の内部電位から左側の電極に取り付けた同種の金属端子の内部電位を差し引いたものである。
 関連ページ : 腐食基礎:酸化還元電位 ,  腐食基礎:表面の揺らぎ ,  
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 【軌道電子】( orbital electron )
 原子の電子軌道(electron orbital)にある電子をいう。
 電子軌道とは,主量子数( main quantum number ) n ,方位量子数( azimuthal quantum number ) l (エル) ,磁気量子数( magnetic quantum number ) m で指定される電子のとりえる状態をいう。
 関連ページ : 腐食基礎:仕事関数 ,  
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 【希土類元素】( rare earth element )
 周期表第3族のアクチノイド系元素を除く 17元素の総称。比較的稀な鉱物から得られたため命名されたが,存在量は希少ではない。化学的性質は相互によく似ており,相互の分離は非常に困難である。希土類元素(レア・アース)は,レアメタルと混同されやすいが分類が異なる。
 スカンジウム(Sc)は,スカンジナビア半島などで産出する希少鉱物から,ランタノイド系のプロメチウム(Pm)は天然には存在しないが,他の希土類元素やイットリウム(Y)は混合物として希土類鉱物(ペグマタイト鉱物など)から比較的多量に得られる。ペグマタイト鉱物は,火成岩の一種でマグマの分化作用の末期に濃縮したリチウム,鉛,ホウ素,ウラン,トリウム,希土類元素などを含む。
 関連ページ : 金属概論:金属の化学的分類 ,  
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 【キナクリドン】( quinacridone )
 縮合多環顔料で,結晶構造により赤から紫を呈する。
 関連ページ : 塗料概論:着色顔料 ,  
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 【機能めっき】( plating for functional use )
 めっき皮膜そのものの特性を利用するために行うめっき。【JIS H0400「電気めっき及び関連処理用語」】
 関連ページ : 防食基礎:電気めっき ,  
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 【揮発乾燥形塗料】( volatile drying paint )
 ⇒ ラッカー
 関連ページ : 塗料概論:塗料の分類(工程) ,  塗料概論:塗料形成要素(展色材) ,  
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 【揮発性有機化合物】( volatile organic compound, VOC )
 基本的には,接している通常の雰囲気温度及び気圧で,自然に揮発するすべての有機の液体及び/又は固体。
 備考:塗料分野における最近のVOCの用語の使い方については。揮発性有機化合物含有量の項参照。【JIS K5500「塗料用語」】
 揮発性有機化合物含有量(volatile organic compound content, VOCC, VOC content)とは,規定の条件で測定したときの,塗料中に存在する揮発性有機化合物の質量。
 備考:1.考慮しなければならない揮発性有機化合物の性質と量とは,塗装環境によって異なる。塗装環境ごとに,限界値及び測定又は算出方法は,規制又は協定によって規定される。
 2.U.S.のある種の政府規制の中では,VOCという用語は,大気中で光化学的に活性な化合物だけに限定して用いられている。ASTM D 3960(工業標準協会で入手できる)参照。【JIS K5500「塗料用語」】
 関連ページ : 塗料概論:溶剤類 ,  塗料概論:環境規制 ,  塗料概論:塗料の環境影響 ,  塗料各論:塗料分類(形態別分類) ,  塗料評価:加熱残分 ,  
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 【揮発油】( gasoline )
 ガソリンともいい,ガソリンエンジン用燃料(自動車ガソリン,航空ガソリン),溶剤としての工業ガソリンの総称。⇒ ガソリン
 関連ページ : 塗膜の評価:耐揮発油性 ,  
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 【ギブズエネルギー】( Gibbs energy )
 ギブズの自由エネルギーともいわれ,熱力学や電気化学などで用いられ,等温等圧条件下で仕事として取り出し可能なエネルギーを表す示量性状態量である。ギブズエネルギー G は,G = H - T S (ここで,H :エンタルピー ,T :熱力学温度,S :エントロピー )と定義される。
 関連ページ : 腐食基礎:反応速度定数とは ,  
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 【気泡】( bubble )
 一般的には,泡(あわ)といわれ,液体・固体の内部又は表面に存在する気体を含む球形の空洞を指す。
 関連ページ : 鋼の腐食:キャビテーション・コロージョン ,  鋼の腐食:海塩粒子の発生機構