腐食概論:鋼の腐食

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         【すき間腐食】

 すき間腐食(crevice corrosion)とは,一般的には,鋼と鋼,又は鋼と非金属との間に幅の狭い“すき間”が存在する場合に,“すき間”内部で腐食し続ける酸素の濃淡電池腐食をいう場合が多い。しかし,厳密には“すき間”に発生する腐食は,次の2種類に分けられる。
 一つは,“すき間”の入口と内部との酸素濃度差が原因で発生する通気差腐食(酸素濃淡電池腐食)である。これは,厳密な意味でのすき間腐食ではない。しかし,一般的には,これも“すき間腐食”と称している例が少なくない。
 厳密な意味での“すき間腐食”は,“すき間”の寸法が10µm程度といった極めて狭い間隔*を持ち,ステンレス鋼などの不動態化する金属で,塩化物イオン等の影響を受け,すき間内部に生じる酸素濃淡電池腐食をすき間腐食という。
極めて狭い間隔とは,ボルト等で締め付けたときできるような“すき間”,フジツボ等の海洋性生物が付着したときの“すき間”などに相当する。

【すき間腐食の原理】
 ステンレス鋼などの不動態化した金属においては,狭隘な“すき間”が生じ,その“すき間”の入口と内部で,仮に酸素濃度の濃淡による電池が形成しても,不動態皮膜が健全なため,実用上問題となるような濃淡電池腐食は生じない。
 しかし,水溶液中に塩化物イオン(Cl-)が存在すると,酸素濃淡電池の電位差により,アノード部となる“すき間”内部に塩化物イオンが移動・蓄積してゆく。
 この結果として,すき間内部のpH低下と塩化物イオンによる不動態皮膜の破壊が生じ,著しい局部腐食に至る。これが,厳密な意味での“すき間腐食”である。
 すき間腐食は,海水中でステンレス鋼を使用する場合に問題となる腐食現象であり,SUS304程度のステンレス鋼では,容易にすき間腐食を起こす。
 すき間腐食に対して抵抗性の高いステンレス鋼には,25%以上のクロム(Cr)に数%のモリブデン(Mo)を添加した高純度フェライト系ステンレス鋼やオーステナイト系ステンレス鋼などがある。

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