社会資本・腐食防食関連の技術用語 (索引)

 “社会資本“,及び“腐食防食“に関連する記事を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 ここでは,ハ行 “ひ”の用語を  ひあ~ひの,  ひは~ひん  に分けて紹介する。

 用語一覧 ひは~

非破壊検査 】  , 【 非発光知覚色 】  , 【 ビヒクル 】  , 【 ひび割れ追従性 】  , 【 皮膜 】  , 【 被膜 】  , 【 皮膜厚み 】  ,
 
飛沫帯 】  , 【 ピュアエポキシ樹脂塗料 】  , 【 ビウレット 】  , 【 鋲かき 】  , 【 CIE 標準イルミナント 】  , 【 標準還元電位 】  , 【 標準規格 】  , 【 標準光源 】  ,
 
標準酸化還元電位 】  , 【 標準状態(試験場所) 】  , 【 標準状態(物理) 】  , 【 標準水素電極 】  , 【 標準電位列 】  , 【 標準電極電位 】  , 【 費用対効果 】  , 【 評点 】  ,
 
表面粗さ 】  , 【 表面乾燥(上乾き) 】  , 【 表面色 】  , 【 表面処理鋼板 】  , 【 表面張力 】  , 【 表面輪郭の走査 】  , 【 飛来塩分 】  , 【 飛来海塩粒子 】  ,
 
平鋼 】  , 【 ピラノメータ 】  , 【 平刷毛(ひらばけ) 】  , 【 ピレリオメータ 】  , 【 疲労強度分布 】  , 【 疲労亀裂 】  , 【 疲労限度 】  , 【 疲労試験 】  ,
 
疲労寿命 】  , 【 疲労寿命分布 】  , 【 ヒンジ支点 】  , 【 品質 】  , 【 ピンホール 】  , 【 ピンホール検知器 】  , 【 ピンホール試験

 用語の概要と関連ページ


 【非破壊検査】( non destructive inspection, non destructive testing )
 NDI や NDT と略記され,物体の欠陥(傷,割れ,空隙など)や不均一性などを,対象物を破壊することなく検出する技術をいう。一般的には,対象物内部への放射線や超音波などの入射と応答,物体表面近くでの電流や磁束の応答などが用いられる。
 関連ページ : 塗装概論:塗替え塗装管理(竣工検査) ,  防食基礎:ライニング鋼管の設計施工 ,  塗装概論:新設時塗装管理(膜厚管理) ,  
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 【非発光知覚色】( non-luminous perceived color )
 二次光源として光を透過又は反射している面に属しているように知覚される色。
 備考 自然の環境で見る二次光源は,普通,この意味での非発光物体色の見えを呈する。【JIS Z8105「色に関する用語」】 ⇒ 非発光物体色ともいう。
 関連ページ : 塗膜の評価:色の目視比較 ,  
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 【ビヒクル】( vehicle, medium )
 塗料の液相の構成成分の総称。
 備考:1.この定義は粉体塗料には適用しない。
 2.ISOの用語規格では,“vehicle”と“medium”とは同義としている。【 JIS K5500】
 関連ページ : 塗料概論:塗料構成材料 ,  塗料概論:塗料形成要素(展色材) ,  
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 【ひび割れ追従性】( crack elongation, crack follow-up performance )
 下地のコンクリートなどに発生したひび割れに追従し,破壊されにくい表面被覆材の性質。
 表面被覆材のひび割れ追従性試験方法(案)(JSCE-K 532;土木学会規準)は,表面被覆材がコンクリートに発生したひび割れで損傷を受ける程度を評価するために行われる試験である。試験方法は,モルタル板(スレート板)の中央に直線状の切れ込みを入れ,切れ込みに沿ったき裂(ひび割れ)を導入したものを試験板とする。試験板のき裂を覆うように被覆材(塗料など)を塗付ける。被覆材を養生した後,導入したき裂の鉛直方向に試験板を引張り,被覆材が破壊されるまでの伸びを計測し,その伸び量からひび割れ追従性を評価する。この試験方法は,ゼロスパン伸び試験ともいわれる。
 他には,導入したき裂の幅をある定めた幅まで伸ばし,その後もとの状態に戻すことを繰り返す試験(繰返しひび割れ追従性試験方法)もある。この試験では,ひび割れの初期幅,振幅幅,破壊した時の繰り返し数,又は一定数繰り返した後のゼロスパン伸びなどが追従性評価の指標として用いられる。
 関連ページ : 防食塗装系:道路:塗装系コンクリート面用 ,  
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 【皮膜】( film, skin, cutis, tegument )
 皮膚と粘膜。皮のような膜。
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・厚み測定 ,  
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 【被膜】( film )
 物をおおい包んでいる膜。
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・厚み測定 ,  
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 【皮膜厚み】( coating thickness )
 皮膜厚さ試験(coating thickness test, coating thickness determination)とは,陽極酸化皮膜の厚さを測定する試験。顕微鏡断面測定法,渦電流式測定法,スプリットビーム顕微鏡測定法などがある。【JIS H 0201「アルミニウム表面処理用語」】
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・厚み測定 ,  
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 【飛沫帯】( splash zone, supralittoral zone )
 読み「ひまつたい」,潮上帯やしぶき帯ともいう。干満帯の高潮線より上の部分で,直接海水に浸されないが波のしぶきを浴びる帯位をいう。
 関連ページ : 鋼の腐食:海洋環境(環境区分) ,  鋼の腐食:海洋環境(環境別腐食) ,  防食基礎:有機ライニングとは ,  
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 【ピュアエポキシ樹脂塗料】( pure epoxy resin coating )
 エポキシ基を有するプレポリマーとして,改質用の変性樹脂を含まないエポキシ樹脂を用いた塗料。
 関連ページ : 塗料各論:防食用エポキシ樹脂塗料 ,  
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 【ビウレット】( biuret )
 尿素が 2量化した構造をもつ有機化合物。一般には,R-NH-CO-NR'-CO-NH-R'' の構造をもつ化合物。
 ヘキサメチレンジイソシアネートと水,又は三級アルコールとの反応物をビュレット体という。
 関連ページ : 塗料各論:ポリウレタン樹脂塗料(ポリオール硬化形) ,  
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 【鋲かき】( )
 
 関連ページ : 塗装概論:手工具 ,  
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 【CIE 標準イルミナント】( CIE standard illuminant )
 CIE(国際照明委員会)によって相対分光分布が規定されたイルミナント A 及び D65。
 備考 イルミナント A は温度が約 2 856K の黒体放射を,イルミナント D65は紫外放射を含む昼光を代表するものである。
 参考 CIE(国際照明委員会)は過去に,イルミナント B,C,及び D65以外の DTを標準イルミナントとしたことがある。これらのイルミナントは JIS Z 8720 「測色用の標準イルミナント(標準の光)及び標準光源」では補助イルミナントとされている。【JIS Z 8120「光学用語」】
 ISO/CIE 10526 によって相対分光分布が規定されたイルミナント A,及び D65。【JIS Z8105「色に関する用語」】
 CIEによって相対分光分布が規定されたイルミナント A,C,D65及びその他のイルミナント DT(ISO/CIE 10526及び CIE 出版物 15.2 参照。)【JIS Z8113 「照明用語」】
 JIS Z 8781-2「測色−第 2部:CIE 測色用標準イルミナント」によって相対分光分布が規定された標準イルミナント A 及び標準イルミナント D65。
 関連ページ : 塗膜の評価:色の目視比較 ,  
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 【標準還元電位】( standard reduction potential )
 ⇒ 標準酸化還元電位
 関連ページ : 腐食基礎:腐食は化学 ,  
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 【標準規格】( standard, standard specification )
 製品・サービス・組織・システムなどについて,標準化団体が定める基準。例えば,国際標準化機構(ISO)が制定する ISO規格,工業標準化法に基づき日本工業標準調査会(JISC)が制定する日本工業規格(JIS),通称 JAS法に基づく日本農業規格(JAS)などがある。
 JIS(Japanese Industrial;日本工業規格),ISO(International Organization for Sstandardization;国際標準化機構),BS(British Standard;英国工業規格),ASTM(American Society for Testing and Materials;米国試験材料協会)
 関連ページ : 塗膜の評価:性能評価の考え方 ,  
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 【標準光源】( standard light source, standard illuminant )
 特定の分光分布,光度,光束などをもち,測光,測色の標準として用いられる光源。【JIS Z 8120「光学用語」】
 物体の色はそれを照明する光源の分光分布によって異なって見えるので,国際照明委員会 CIE(Commission Internationale de l'Eclairage)では協約により,相対的な分光分布を定めた標準イルミナント(標準の光)A および D65 を照射する具体的な光源として,A光源(色温度 2856K(ケルビン),タングステン電球が発する光),D65光源(色温度 6504K(ケルビン),自然な昼光に近づけた特殊な蛍光ランプ)の 2種類が規定されている。
 CIE 標準光源(CIE standard sources)とは,CIE(国際照明委員会)が定めた物体色測定に用いる標準光源。
 備考 相対分光分布で定めた CIE 標準の光を<実現する人工光源である。
 標準光源の一種で,分布温度約 2856K に点灯したガス入りタングステン電球(標準光源 A)。
 標準光源の一種で,規定の溶液フィルタ(デビス・ギブソンフィルタ)を標準光源 A にかけて,相関色温度を約 6774K にした光源(標準光源 C)。【JIS Z 8120「光学用語」】
 仕様が CIE によって規定され,その相対分光分布が標準イルミナント A 及び C に近似する人工光源。
 参考1. 各標準光源の仕様は,次による。標準光源 A:分布温度が約 2856 K の透明バルブ−ガス入り−タングステンコイル電球。標準光源 C:標準光源 A に規定の溶液フィルタを組み合わせて相関色温度を約 6774 Kにした光源。
 参考2. 標準イルミナント D65及びその他の補助標準イルミナント DTを実現する人工光源は,いまだ確定されていない。JIS Z 8120の附属書ではこれらを近似的に実現する常用光源の近似の良さの評価方法を定めている。
 参考3. イルミナント C は,主に過去のデータとの関連を必要とする場合にだけ用いる。【JIS Z8105「色に関する用語」,JIS Z8113 「照明用語」】
 関連ページ : 塗膜の評価:色の目視比較 ,  塗膜の評価:測色(色差) ,  
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 【標準酸化還元電位】( standard redox potential ,standard oxidation-reduction potential )
 金属の標準電極電位を,その大きさの順位並べ,金属のイオン化傾向及び一部の非金属元素の電気化学的酸化反応傾向の大きさの順を示した列。電気化学列ともいう。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
 反応に関与する全ての化学種の活量が 1で,平衡状態にある時の熱力学的に求まる理論値である。
ギブズエネルギー変化⊿rG0 に対応する電位 E0 と定義される。
  rG0 = - zFE0
  ここで,z :酸化還元反応で授受される電子数,F :ファラデー定数( 96,485 C mol-1
一般的には,標準電極電位(standard electrode potential),標準電位(standard potential),標準還元電位(standard reduction potential)とも呼ばれる。
 関連ページ : 腐食基礎:腐食とは ,  腐食基礎:酸化還元電位 ,  腐食基礎:腐食し易さとは ,  腐食基礎:異種金属接触腐食 ,  腐食基礎:腐食は化学 ,  防食基礎:電気防食 ,  
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 【標準状態(試験場所)】( standard atmospheric conditions )
 標準状態の温度は,試験の目的に応じて 20℃,23℃又は 25℃のいずれかとする。標準状態の湿度は,相対湿度 50%又は 65%のいずれかとする。標準状態の気圧は,86kPa 以上 106kPa 以下とする。
 標準状態は,標準状態の気圧のもとで標準状態の温度及び標準状態の湿度の各一つを組み合わせた状態とする。備考 目的によって標準状態の温度だけを指定してもよい。その状態を標準温度状態という。【JIS Z87031983「試験場所の標準状態」】
 ISO 5541976(Standard atmospheres for conditioning and/or testing -- Specifications)では,温度 23℃,相対湿度 50%,気圧 86kPa 以上 106kPa 以下としている。
 関連ページ : 塗料評価:試験準備 ,  
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 【標準状態(物理)】( normal state )
 気体の標準状態には,基準の温度を 25℃(298.15 K)とする SATP (標準環境温度と圧力: standard ambient temperature and pressure ),基準の温度を 0℃( 273.15 K)とする STP (標準温度と圧力: standard temperature and pressure )である。
 気体の標準状態としては,現在は試験室環境に近い SATP ( 25 ℃ 100kPa )の使用が多い。しかし,気体関連のJIS 規格,日本の高等学校教育などでは STP ( 0 ℃ 100kPa)を標準状態とする場合がある。
 関連ページ : 塗料評価:試験準備 ,  
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 【標準水素電極】( standard hydrogen electrode )
 溶液中の水素イオンの活量が 1 で,通気する水素ガスの分圧が 1 気圧のときの水素電極をいう。最も標準的な基準電極として使われ,平衡電極電位を,便宜上,すべての温度でゼロと仮定することが多い。⇒ 基準電極
 関連ページ : 腐食基礎:酸化還元電位 ,  
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 【標準電位列】( electromotive force series )
 金属の標準電極電位を,その大きさの順位並べ,金属のイオン化傾向及び一部の非金属元素の電気化学的酸化反応傾向の大きさの順を示した列。電気化学列ともいう。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
 ⇒ 電気化学列,イオン化傾向列
 関連ページ : 腐食基礎:腐食は化学 ,  塗料各論:不動態化,還元系防せい顔料 ,  腐食基礎:異種金属接触腐食 ,  
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 【標準電極電位】( standard electrode potential )
 金属の標準電極電位を,その大きさの順位並べ,金属のイオン化傾向及び一部の非金属元素の電気化学的酸化反応傾向の大きさの順を示した列。電気化学列ともいう。【JIS Z0103「防せい防食用語」】 ⇒ 標準酸化還元電位
 関連ページ : 腐食基礎:酸化還元電位 ,  腐食基礎:異種金属接触腐食 ,  腐食基礎:腐食は化学 ,  防食基礎:電気防食 ,  
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 【費用対効果】( cost performance )
 対費用効果,コストパフォーマンス,コスパともいわれ,かけた費用に対する効果を評価する目的で用いられる。何らかの方法を用いて効果を経済的な価値で表し,これを費用で割った値で論じられることが多い。
 関連ページ : 防食設計:防食設計の前提 ,  
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 【評点】( score, rating, rating number )
 評価して付けた点数。評価として付けた点数。
 関連ページ : 塗装概論:塗替え塗装管理(塗膜調査) ,  
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 【表面粗さ】( surface roughness, surface profile )
 表面粗さ(surface roughness)は,表面性状の輪郭曲線の一特性である。輪郭曲線(profile)とは,測定断面曲線,断面曲線,粗さ曲線,うねり曲線などの曲線の総称である。
 仕上げられたブラスト処理表面の粗さ。【 JIS Z 0310「素地調整用ブラスト処理方法通則」】
 基材又は溶射被膜の表面の凹凸状態(JIS H 8401「溶射皮膜の厚さ試験方法」,JIS Z0313「素地調整用ブラスト処理面の試験及び評価方法」 参照)。【JIS H8200「溶射用語」】
 金属表面などの表面性状を表すパラメータ。
 JIS B 0601「製品の幾何特性仕様 (GPS) -表面性状:輪郭曲線方式-用語,定義及び表面性状パラメータ」に規定されている。
 素地調整では,十点平均粗さ(ten point height of irregularities)で規定されることが多い。一方,JIS B 0601は過去の改訂で,パラメータの定義が変更され,それに伴い記号も変更されているので注意が必要である。
 以下に示すように,2001年のJIS改訂でそれまで十点平均粗さを示す記号Rzは最大高さの記号になり,十点平均粗さの概念が削除された。このため,それまでの十点平均粗さ意味する記号として,RzJISの表記が用いられている。
 2001年以前の文献と現在の文献を引用する場合は記号の意味が異なるので注意が必要である。2001年前後の変更は次の通りである。
 Ra(算術平均粗さ)⇒Ra(算術平均粗さ) ,Ry(最大高さ)⇒Rz(最大高さ) ,Rz(十点平均粗さ)⇒(削除) ,Sm(凹凸の平均間隔)⇒Rsm(輪郭曲線要素の平均長さ) ,S(局部山頂の平均間隔)⇒(削除) ,tp(負荷長さ率)⇒Rmr(負荷長さ)
 関連ページ : 防食基礎:溶射皮膜の品質 ,  防食基礎:腐食試験・表面物性 ,  塗装概論:塗装施工管理 ,  塗装概論:新設時塗装管理(素地調整) ,  
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 【表面乾燥(上乾き)】( surface dry, sand dry )
 塗料の乾燥状態の一つ。水平に置いた試験片の塗面に,規定量のバロチニ(細かいガラス球)を指定の高さから落とし,10秒後に試験片を傾けて,軽くはけではいて塗膜の表面にきずを付けずに,バロチニを除去できる乾燥状態をいう。JIS K 5600-3-2「塗料一般試験方法-第3部:塗膜の形成機能-第2節:表面乾燥性(バロチニ法)」 参照。
 備考:上乾きは,塗った塗料の層が,表面だけが乾燥状態になり,下層は軟らかく粘着性があって未乾燥状態にあることをいう。【JIS K5500「塗料用語」】
 焼付け塗料を除き,乾燥する塗料の,塗膜のバロチニ(小さな透明ガラス球)法による表面乾燥性の測定方法については,JIS K 5600-3-2「塗料一般試験方法−第3部:塗膜の形成機能−第2節:表面乾燥性(バロチニ法)」(Testing methods for paints−Part 3 : Film formability−Section 2 : Surface-drying test (Ballotini method))に規定されている。
 関連ページ : 塗装概論:新設時塗装管理(1層目) ,  塗料評価:乾燥時間 ,  塗料評価:半硬化乾燥 ,  
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 【表面色】( surface color )
 表面色(対象物の)表面から拡散的に反射又は放射しているように知覚される色。【JIS Z8105「色に関する用語」】
 関連ページ : 塗料概論:着色顔料 ,  塗膜の評価:視覚特性とは ,  塗膜の評価:色の目視比較 ,  
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 【表面処理鋼板】( flat products with surface treatment, surface treated steel sheet, surface treated steel plate )
 ほぼ長方形断面で,幅が厚さに比べて著しく大きい仕上げ圧延機の製品である板材(仕上板材)に永久皮膜を持っているもの。皮膜の種類及び表面処理の種類により,次のように分類される。ぶりき鋼板,クロム/酸化クロムめっき鋼板,ターン鋼板,亜鉛めっき鋼板,アルミニウム/アルミニウム-シリコン合金めっき鋼板,有機被覆鋼板,無機被覆鋼板(クロメート処理鋼板,リン酸処理鋼板など)【JIS G 0204「鉄鋼用語(鋼製品の分類及び定義)」】
 関連ページ : 鋼の腐食:鋼材の変遷 ,  防食基礎:工業塗装 ,  
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 【表面張力】( surface tension )
 液体の表面に作用する表面積をできるだけ小さくしようとする力。液体表面の単位面積当たりの自由エネルギーで表す。【JIS K 3211「界面活性剤用語」】
 互いに接する 2相の界面において,それら2相の接触面積を減少する向きに作用する力。【JIS H0400「電気めっき及び関連処理用語」】
 関連ページ : 腐食基礎:酸素濃淡電池 ,  塗装概論:塗り付け技術(刷毛塗り) ,  
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 【表面輪郭の走査】( surface profile scanning )
 サーフェイスプロファイルスキャナともいわれ,JIS K5600-1-7 「塗料一般試験方法−第1部:通則−第7節:膜厚」 に規定する測定法 4Cで,塗膜の一部を除去し,触針により測定領域の塗膜表面から素地部分を横断する直線の表面輪郭を走査・記録することで膜厚を求める。⇒ 乾燥膜厚(塗膜)
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・厚み測定 ,  
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 【飛来塩分】( flying salinity )
 海や塩湖などの自然由来の塩を飛来海塩粒子というが,飛来塩分という場合は,定義が一定していないが,一般には飛来海塩粒子に加え,散布された凍結防止塩,工場などからの人為的な原因で飛来する塩粒子なども含まれる。
 関連ページ : 鋼の腐食:耐候性鋼の適用 ,  鋼の腐食:海洋環境(環境区分) ,  鋼の腐食:大気腐食の分類 ,  鋼の腐食:海塩粒子の影響 ,  鋼の腐食:飛来塩分について ,  鋼の腐食:海塩粒子の発生機構 ,  鋼の腐食:海岸のしぶき ,  鋼の腐食:海塩粒子量測定 ,  鋼の腐食:大気腐食性評価 ,  防食設計:環境の腐食性 ,  防食基礎:耐候性鋼材とは ,  塗装概論:塗替え塗装工程 ,  塗膜の試験規格:屋外暴露耐候性 ,  
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 【飛来海塩粒子】( airborne sea salt particles )
 大気中に含まれるエアロゾル粒子の中の海塩粒子を指す。
 海塩粒子(sea salt particle)とは,海岸の波打ち際及び/又は海上で波頭が砕けたときに発生する海水ミストが,風で運ばれて飛来した粒子。海塩粒子の大きさは,約 0.01μm~20μm である。【JIS Z 2381「大気暴露試験方法通則」】
 関連ページ : 鋼の腐食:耐候性鋼の適用 ,  鋼の腐食:海洋環境(環境区分) ,  鋼の腐食:大気汚染の影響 ,  鋼の腐食:海塩粒子の影響 ,  鋼の腐食:飛来塩分について ,  鋼の腐食:海塩粒子量測定 ,  鋼の腐食:酸性雨の成分由来 ,  防食設計:環境の腐食性 ,  塗装概論:塗替え塗装管理(素地調整) ,  塗装概論:塗替え塗装管理(塗装準備) ,  塗膜の試験規格:屋外暴露耐候性 ,  
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 【平鋼】( flat bars )
 棒状に圧延した鋼で,断面が長方形をしており,断面の四つの面とも圧延した面をもち,厚さ(t)は一般に 5 mm 以上,幅は 500 mmを超えない板状の棒鋼。【JIS G 0203「鉄鋼用語(製品及び品質)」】
 関連ページ : 金属概論:鉄鋼(分類) ,  
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 【ピラノメータ】( pyranometer )
 全天日射計ともいわれ,太陽から観測点に直接差し込む光の日射量(直達日射量;direct solar radiation)と観測点に差し込む雲などで散乱された光の日射量(散乱日射量;diffuse solar radiation)との和を計測する装置。
 測定器は,光(電磁放射)による素子の温度上昇(熱効果)を用いるもの,光電管や半導体素子などの光電効果を利用するものがある。
 関連ページ : 塗膜の試験規格:屋外暴露耐候性 ,  
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 【平刷毛(ひらばけ)】( flat brush )
 最も広く用いられる刷毛の柄が毛先に対してまっすぐな形の刷毛。
 関連ページ : 塗装概論:塗り付け技術(刷毛塗り) ,  
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 【ピレリオメータ】( pyrheliometer )
 直達日射計ともいわれ,太陽から観測点に直接差し込む光の日射量(直達日射量;direct solar radiation)を計測する装置。
 関連ページ : 塗膜の試験規格:屋外暴露耐候性 ,  
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 【疲労強度分布】( fatigue strength distribution )
 ⇒ SN曲線
 関連ページ : 鋼の腐食:腐食疲労 ,  
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 【疲労亀裂】( fatigue crack )
 繰返し応力の作用下で形成されるき裂。⇒ 金属疲労
 関連ページ : 塗装概論:新設時塗装管理(素地調整) ,  
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 【疲労限度】( fatigue limit, endurance limit )
 材料工学において,物体が振幅一定の繰返し応力を受けても疲労破壊に至らないと見なされる応力値を疲労限度,疲労限,疲れ限度,耐久限度,耐久限などという。
 無限回数の繰返しに耐える応力の上限値。通常,応力振幅で表す(応力振幅の代わりに,応力範囲又は最大応力で表してもよい。)。ΣW 又は τW の記号を用いる。【JIS G0202「鉄鋼用語(試験)」】
 ⇒ SN曲線,金属疲労
 関連ページ : 鋼の腐食:腐食疲労 ,  
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 【疲労試験】( fatigue test )
 試験片に繰返し応力又は変動応力を加えて,疲労寿命,疲労限度などを求める試験。応力の種類に応じて,ねじり疲労試験,軸荷重疲労試験,回転曲げ疲労試験,平面曲げ疲労試験などに分類される。【JIS G0202「鉄鋼用語(試験)」】⇒ 疲れ試験
 関連ページ : 鋼の腐食:腐食疲労 ,  防食基礎:腐食試験・機械特性 ,  
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 【疲労寿命】( fatigue life, numbere of cycles to failure )
 疲れ破壊を生じるまでの応力の繰り返しの回数。Nの記号を用いる。【JIS G0202「鉄鋼用語(試験)」】
 疲れ寿命ともいう⇒ SN曲線
 関連ページ : 鋼の腐食:腐食疲労 ,  防食設計:防食設計の前提 ,  
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 【疲労寿命分布】( fatigue life distribution )
 ⇒ SN曲線
 関連ページ : 鋼の腐食:腐食疲労 ,  
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 【ヒンジ支点】( hinged support )
 支点を中心として回転する支承構造。位置の移動は拘束されているが,回転は自由で,モーメントに抵抗しない。【新版図説土木用語辞典】
 関連ページ : 橋梁関連の基礎用語 ,  
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 【品質】( quality )
 対象(object)に本来備わっている特性(characteristic)の集まりが,要求事項(requirement)を満たす程度。
 注記 1品質という用語は,悪い,良い,優れたなどの形容詞とともに使われることがある。注記 2本来備わっているとは,付与されたとは異なり,対象の中に存在していることを意味する。【JIS Q90002015「品質マネジメントシステム―基本及び用語.」】
 工業的には,対象の自然的属性(物理的および化学的性質)に基づく実質的性能が要求性能を満たす程度と考えられる。物理的性質には,比重,強度,硬度,粘度,融点,沸点,凝固点などが,化学的性質には,成分,組成,試薬などを用いた化学反応などが挙げられる。他に,環境問題,資源問題に対する性能,色彩・光沢などの官能的・心理的要素を含めて品質として捉えられることも多い。
 関連ページ : 塗料評価:試験準備 ,  塗膜の評価:目次 ,  塗膜の評価:塗膜品質の分類 ,  
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 【ピンホール】( pore, pinhole )
 被膜を貫いて,素地や下地まで達している微細孔。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
 
 塗膜に針で作ったような小さな孔がある欠陥。肉眼で見分けられる程度の小さな孔をいう。【JIS K5500「塗料用語」】
 材料の表面の極めて小さな直径の穴。注;フィルムの場合には,その穴は通常全厚さを貫通している。【JIS K 6900[プラスチック用語」】
 塗膜に針で作ったような小さな孔がある欠陥。肉眼で見分けられる程度の小さな孔をいう。【JIS K5500「塗料用語」】
 素地又は下地層まで達するめっきの細孔。【JIS H0400「電気めっき及び関連処理用語」】
 関連ページ : 防食基礎:ライニング皮膜の品質 ,  塗装概論:塗替え塗装管理(竣工検査) ,  塗装概論:塗膜変状と措置(塗装作業時) ,  塗料評価:塗膜の外観 ,  
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 【ピンホール検知器】( pinhole detector )
 JIS K6766「防食用樹脂ライニング皮膜の検査方法−ピンホール試験方法」などに規定される塗膜やライニング膜などの絶縁性被膜のピンホール(pinhole)などの微小欠陥(ホリデー;holiday)の存在を検知する装置で,原理の違いや対象とする被膜により分類される。
 湿式試験機;試験機の高電圧出力側端子をプローブに,接地側端子を試験対象の金属素地に接続し,プローブ先端の電極に試験液を含ませてライニング皮膜上を走査し,プローブから皮膜のピンホール内部に浸透した試験液を通じて流れる電流を検出することによって,ピンホールの有無を試験する。一般に 500μm 以下の薄い絶縁性皮膜に適用される。
 乾式試験機;乾式試験機は,比較的厚い被膜に用いられ,直流方式と交流方式に分けられる。また,金属素地上のライニング被膜などの欠陥を検知する方式と,コンクリート面上のライニング被膜の欠陥を検知する方式にも分けられる。
 金属面上のラインイング被膜に対しては,試験機の高電圧出力側端子をプローブに,接地側端子を試験対象の金属素地に接続し,ライニング皮膜上をプローブで走査し,皮膜欠陥部に向けて生じる放電電流を検出することによってピンホールの有無を試験する。
 コンクリート面上のライニング被膜に対しては,通電性表示器によって,コンクリート素地の通電性を確かめた後,試験機の高電圧出力側端子をプローブに,接地側端子を試験対象のコンクリート素地に接続し,ライニング皮膜をプローブで走査し,皮膜欠陥部に向けて生じる放電電流を検出することによって,ピンホールの有無を試験する。
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 【ピンホール試験】( pinhole test )
 施工現場において,金属面及びコンクリート面に施した完成皮膜の試験に用いる各種ピンホール試験方法は,JIS K6766「防食用樹脂ライニング皮膜の検査方法−ピンホール試験方法」に規定されている。
 当該規格の適用範囲は,“海水,腐食性のある流体,土壌,浸透液,排水などに長期間触れている部分の防食を主な目的として,海洋構造物,化学装置の機器・配管類,橋りょう(梁)及び大形槽,導水路などの土木構造物・設備において,金属面及びコンクリート面の上に被覆された樹脂ライニングの完成皮膜の湿式(電気抵抗式)及び乾式(放電式)によるピンホール試験方法について規定する。・・・”
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