防食概論:防食の基礎

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          【電気防食とは】

 電気防食法は,電流の作用を用いて人為的に金属の電位を制御し,腐食を制御する方法である。 金属の腐食現象は,【腐食概論】・【腐食は化学反応】の項で解説したように,電気化学で説明できる。
 また,【腐食概論】・【腐食の開始と継続】の項で,金属の腐食し易さは,与えられた環境での腐食電位で推定可能であること,腐食の速さは腐食反応のなかで律速となる反応段階で決まることを解説した。
 要約すると,腐食反応は与えられた環境条件で異なる。また,金属表面に保護被膜(不動態皮膜)を形成するか否かは,金属の電極電位だけでは推定できない。金属の腐食理解には,金属の曝される環境における挙動の理解が必要になる。

電気防食の原理
 環境条件として pHを選択し,金属の電位と pHの関係を求めることで,pHの腐食に与える影響を理解できるようになる。
 この関係は,1938年にマルセル・プールベが発表し,プールベダイアグラム,プールベ図,電位-pH図などと呼ばれる。
 下図に,鉄の電位-pH図を示す。中性( pH7)の淡水に鉄を浸漬すると,鉄の電位は -0.44V(Vs.SHE),すなわち図中の腐食域中の電位を示し,腐食し続ける。

鉄の電位-pH図

鉄の電位-pH図
出典:東北大学工学部 マテリアル開発系HPの図を編集
(http://www.material.tohoku.ac.jp/dept/lecture/lecture_03.html)

 ここで,人為的に電位を金属の安定域 ①に移動させることができれば,鉄は金属として安定して存在する不活性な状態(腐食しない状態)にできる。
 また,酸化物として安定な領域 ②に移動できれば,金属表面が安定した酸化物で覆われ腐食しない不動態状態になる。すなわち, ①又は ②の状態にすることで,鉄の腐食を完全に止めることができる。  
   ①の方向に人為的に移動させる方法を陰極防食法という。
   ②の方向に移動させる方法を陽極防食法という。

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